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新機種登場 !! アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A

プリント          活版印刷のさらなる普及をめざして
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モノみな値上がりするこの時代
朗文堂/アダナ ・ プレス倶楽部では 活版印刷のさらなる普及をめざして
Adana-21J の設計 ・ 製造での 創意と工夫、精度と耐久性を維持しながら
アダナ式小型卓上活版印刷機 Salama-21A の
お求め易い、大胆な低価格を実現しました。 名称未設定-4 名称未設定-4【 プリント用 PDF new Salama-21A_01 new Salama-21A_02 】
上掲フライヤー A4判 4/4色を進呈いたします。ご遠慮なくおもうしでください。

活版印刷機器・資材のことなら、なんでも、お気軽に、
アダナ・プレス倶楽部にご相談ください。

第18回 活版ルネサンスフェア開催! 終了しました

活版ルネサンスWeb


*   *   *
と き * 2015年03月27日[金]  28日[土] 13 : 30 ― 19 : 00
ところ * 朗 文 堂 4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9  中江ビル 4 F
Telephone  : 03-3352-5070
[ 来場ご案内マップ ]
*   *   *
 春うらら、梅たよりもチラホラきかれる良い時候になりました。
いよいよ創作の春がはじまりました。 皆さまお元気にてご活躍のことと存じます。
《 活版ルネサンスフェア 》 は、通常 春と秋の 2 回にわたって開催され
アダナ ・ プレス倶楽部会員、活版造形者、活版ファンの皆さまを対象に
活版印刷関連の新製機器と、資材、そして一部は中古品の
活版関連機材 ・ 資材の 展示即売会 です。
手狭な会場ながら、 貴重アイテム、 マニアックな商品が溢れています!
春の創作シーズンに、このチャンスをぜひともお役立てください。
[ 東京都公安委員会許可 第304380708865号 ]
 

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話題沸騰 !!
発売一周年をむかえた アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A を
会場でご体験、ご覧ください。
Salama 4cWebsala22630 sala22657 sala22663朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の製造 ・ 販売による 〈 アダナ式小型活版印刷機  Salama-21A 〉はもとより、新品の活版印刷関連機器、独自企画開発商品と、活版印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。

活版印刷のサポーターとして、アダナ ・ プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながら魅力溢れる展示販売会となります。
春の創作シーズン、展覧会シーズンの到来に合わせて、創作に活用できそうな機材の補充、実製作での疑問の解決、技術の向上に、どうぞこの 《 活版ルネサンス フェア 》 をご利用ください。

《 今回の主なご紹介アイテム   順不同 》
―― 商品の一部に、現品限りのものがございます。売り切れの際はご容赦ください。
新開発 アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A /新開発 圧盤用ラバー ・ クッション胴張りセット/活版専用ピンセット新旧/ジャッキとジャッキハンドル新旧/KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫 8pt, 9pt, 10pt  明朝体/罫線各種/くじら尺/特製組みつけ台/金属インテル各種/活版用強力磁石/特製組版ステッキ、中古組版ステッキ/ファニチュア各種/工具類(ブレース鋏 ・ 鳥居鋏 ・ 罫切り鋏)/罫切り器/各サイズ込め物セット/活字倍数尺/特製ムラ取りハンマー&ならし木セット/ブロッキング防止パウダー/特白ウェス/無臭洗い油/インキ ・ ハンド ・ ローラー/インキべら/インキ ・ パッド/ゴム ・ ローラー ・ メンテナンス剤/オイルベース活版用インキ各色(1 キロ缶、特製200グラム缶)/活版用墨青口インキ/ラバー ・ ベース ・ レタープレス用インキ/版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)/樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)/特製五号サイズメタルベース箱入りセット/特製カタ仮名活字 アラタ1209/輸入欧文活字スキームセット/輸入オーナメント活字各種/凸版用スプレーボンド/特製文選箱/中古文選箱新旧各種/文選箱ストッパー/セッテン/特製文選箱立て/特製ミニ組みゲラ/中古組みゲラ/特製ミニ置きゲラ/中古置きゲラ/特製ミニスダレケース棚/活字サイズ照合キット

 その他掘り出しもの、在庫限りの貴重アイテムがどっさり。
皆さま、友人・ 知人と誘いあわせてのご来場をお待ちしております。

ダイカストと、先駆けとなった活字鋳造の産業革命-ブルース活字鋳造機の誕生

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◯ 日 時 : 2014年11月13日[木]-15日[土]

◯ 場 所 : パシフィコ横浜
◯ 会 場 : 展示会場 パシフィコ横浜  展示会場Dホール(自由観覧 ・ 無料)
◯ 主 催 : 一般財団法人 日本ダイカスト協会

【 詳細 : 日本ダイカスト協会 2014 日本ダイカスト会議 ・ 展示会

ブルース ブルース活字鋳造機の心臓部 鋳型David Bruce, Junior     1802 - 92
手回し式活字鋳造機 ( Pivotal type caster, Bruce Casting Machine ) の考案者。
米国フィラデルフィアの活字商、デヴィッド ・ ブルースⅠ世の子。

写真上) 手回し式活字鋳造機 ( Pivotal type caster, Bruce Casting Machine )。
写真中) ブルース型活字鋳造機の心臓部ともいえる鋳型。
ボディサイズ( ≒天地)により鋳型は交換可。Setwidth ( ≒ 字幅)により左右にスライド。 

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隔年で開催される <2014 日本ダイカスト会議 ・ 展示会 会議> が開催された。 ダイカスト( Die Casting   ダイキャスト )とは耳なれないことばかも知れない。
ダイカストとは ―― Die  金型、Casting  鋳造 ・ 鋳物 ―― のことである。
換言すると、金型 カナガタ をもちいる鋳造法のひとつで、その製品をもダイカストという。
複製原型として堅牢な金型をもちい、その金型に、溶融した金属を、圧力を加えて注入する(圧入)ことによって、高い寸法精度の鋳物を、短時間に大量に生産する鋳造方式であり、その製品のことである。 ダイキャストともいわれる。

ダイカストは、現代工業製品の基礎技術のひとつともいえ、自動車のエンジン、ボディの一部、タイヤホイール、携帯電話のフレーム、カメラのボディをはじめ、高精度な工業製品に盛んにもちいられている鋳造(イモノ)の技術のひとつである。

朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の小型活版印刷機 Adana-21J ,  Salama-21A の設計 ・ 製造に際しても、多くの金型(鋳型)がつくられ、そこにアルミ合金などを <圧力を加えて金属を注入する鋳造法> ダイカスト製品がたくさんもちいられている。

そもそも、鋳造、鋳物をつくる技術は、ふるく奈良時代から、祭具、仏像、釣り鐘、武具などの製造でもおこなわれていたが、そこでもちいられていた型(鋳型)は、現代では砂型とされるものがほとんどで、精度 ・ 強度がともにもひくく、高速かつ大量生産には適していなかった。

意外なことに、そのダイカストというあたらしい鋳造法のはじまりは、産業革命をへて、アメリカのブルース活字鋳造機 Bruce Casting Machine ( アメリカ特許 No.3324,1843年 )が、ダイカストの製品化 ・ 実用化のはじめとされている。

ヴィッド ・ ブルースⅡ世は長い春秋のときを終え、1834年ニュージャージーに移り、それ以降はハンド・モールドという、ちいさな器具、ないしは道具でしかなかった活字鋳造法に、機械としての活字鋳造機の製作をおもいたち、1828年、フィラデルフィアのウィリアム ・ ジョンソン ( William M.  Johnson )が考案製作した機械に最初の暗示を得て、機械システムとしての活字鋳造機の製造に没頭した。

数次の改良をへて、ブルース活字鋳造機 Bruce Casting Machine ( アメリカ特許 No.3324,1843年 )が完成し、実用機として販売された。 これがダイカストの製品化 ・ 実用化のはじめとされている。 すなわち、タイポグラフィとは切っても切れない技術がダイカストである。
【 詳細情報 : David Bruce, Jr. 【 画 像  集 : bruce junior david type caster

ブルース活字鋳造機のわが国への導入はふるく、アメリカでの実用化から30年ほどのち、はやくも1876年(明治09)に、元薩摩藩士 ・ 神崎正誼 カンザキ-マサヨシ による、東京銀座 (東京市京橋区南鍋町貳丁目壹番地) の活字商/弘道軒、 活版製造所弘道軒に導入されていた。

同社ではこの活字鋳造機を 「カスチング」 ( casting を訛ったもの) と呼び、自社開発書体  「 弘道軒清朝体活字 」 の鋳造を中心として繁忙をみたこともあった。
またいっときではあったが、ほぼ隣接して開設されていた 『 東京日日新聞 』 ( 現 『毎日新聞』 の前身のひとつ ) の本文用活字の一部にも、この 「カスチング ブルース活字鋳造機 Bruce Casting Machine 」 をもちいた活字を供給していた。
[ 片塩二朗 「弘道軒清朝体活字の製造法とその盛衰」 『タイポグラフィ学会誌 04』  2010年12月01日 ] p62アルビオン P70ブルース p71トムソン 「 カスチング ブルース活字鋳造機  Bruce Casting Machine 」は、当時の世相にあっては機器のメンテナンスや部品の補給が海外企業では追いつかず、ほとんどが国産の模倣機がもちいられた。

その後自動化の進んだトムソン型の自動活字鋳造機の導入によって、 「 カスチング ブルース活字鋳造機  Bruce Casting Machine 」は、「 手回し式活字鋳造機、手回し、ブルース 」 などと呼ばれて、現在も現役で稼動している。

【 参考資料 : 『VIVA 活版 !! 』 大石 薫、朗文堂

そんなダイカストの歴史 ・ 技術 ・ 可能性 ・ 魅力を知ることができる展示会が開催された。 ハンドモールド1ハンドモールド2ハンドモールド3 https://www.youtube.com/watch?v=-hUGBD5h-po
1920年代の活字ハンドモールド操作の実態が貴重な動画で掲載されています。(00:59

ヒシャクでの活字合金の流し込みののち、はげしく上下動させるのは、ダイカストにみる「圧入」にかえて、活字のツラの細部まで地金を滲透させるためであり、また活字ボディに 「 鬆 ス ― 溶融状態の地金が冷却して収縮するとき、金属部分に生ずることがある空洞部分 」 が発生しないようにするためです。


Oxford Academic ( Oxford University Press )の提供によるものですが、 共有リンクができない設定のようですので、上掲 URL からご覧ください。

<2014 日本ダイカスト会議 ・ 展示会 >には、主催団体の日本ダイカスト協会の依頼によって、伊藤伸一氏が所有している 「 活字ハンドモールド 」 が正面入り口に展示され、おおきな話題を呼んでいた。
これから日本ダイカスト協会でも、活字鋳造とダイカストとの関連がおおいに話題となり、行動が開始されることが予想された。
このハンドモールドの1920年代における使用の実際の映像が、上掲 YouTube にアップされているのでぜひともご覧いただきたい。

またダイカストに関する貴重な資料として、日本ダイカスト協会技術部の西  直美氏による論文の一部を以下に紹介した。ウィキペディアの 「 ダイカスト 」 も、ほぼ同氏の論文を引いて構成されているようである。
西  直美 「ダイカストの歩み 活字鋳造から自動車足回り部品まで」 『軽金属』 (第57巻 第04号、社団法人軽金属学会、2007年)

【 関連資料 : ウィキペディア ダイカスト

あわせて、アダナ ・ プレス倶楽部 < 活版凸凹フェスタ2009 型形 カタカタ まつり > の資料も、ここに紹介しておきたい。

< ダイカストとは …… >

ダイカスト (die casting ) とは、金型鋳造法のひとつで、金型に溶融した金属を圧入することにより、高い寸法精度の鋳物を短時間に大量に生産する鋳造方式のことである。
ダイキャストともいわれる。
またこの鋳造法だけでなくダイカスト鋳造法による製品をもダイカストという。

日本におけるダイカストの研究は1910年(明治43年)ころから大学の金属研究室を中心におこなわれ、1917年(大正06年)には最初のダイカスト会社が大崎(東京都)に設立された。
当時は鉛 ・ 錫 ・ 亜鉛を中心とした低融点合金を使用していたが、昭和に入りアルミニウム ・ 銅合金の素材も使用可能となって生産の拡大が進展し、第二次大戦中は軍需品を中心に年間 2,500 トン程度の生産まで達した。

戦後 1950 年頃までは低迷期が続いた。 1952年以降、JIS に関連規格が制定された。 その後、経済の高度成長や、自動車産業の発展、それにともなうダイカストマシンの改良 ・ 合金素材の開発が急速に進展し、2000年代にはマシンのコンピューターコントロール化 ・ 大型化もあいまって、生産性の向上と製品の多様化が顕著になっている。

ダイカスト関連年表

  • 1838年(天保09年) – 米デヴィッド ・ ブルースがダイカスト活字を製品化
  • 1905年(明治38年) – 米国のハーマン ・ H ・ ドーラーがダイカストの商業生産開始
  • 1910年(明治43年) – 日本でダイカストの研究開始
  • 1917年(大正06年) – 日本初のダイカスト製造(ダイカスト合資会社)
  • 1922年(大正11年) – 国産ダイカストマシン製造
  • 1935年(昭和10年) – 軍需産業でダイカスト製品の研究進展
  • 1940年(昭和15年) – ダイカスト製造各社に対し統制令発令、効率化のため100余社から25社に統合
  • 1947年(昭和22年) – 戦後民生品製造のためにいち早く復興。日本橋白木屋にてダイカスト展示会開催
  • 1949年(昭和24年) – 2 眼レフカメラボディのダイカスト化
  • 1952年(昭和27年) – 油圧電気制御ダイカストマシン初導入
  • 1952年(昭和27年) – JIS に関連規格が制定
  • 1953年(昭和28年) – 日本において高純度亜鉛開発成功
  • 1984年(昭和59年) – 日本のダイカスト生産量 50 万トン突破
  • 1988年(昭和63年) – コンピュ-タ制御マシンの導入本格化
  • 2002年(平成14年) – 日本のダイカスト生産量 80 万トン突破
  • 2006年(平成18年) – 日本のダイカスト生産量100 万トン突破

アダナ ・ プレス倶楽部 活版凸凹フェスタ
特別企画展示
< 型形 まつり ― カタカタ マツリ― >

「 type 」 とは、「 活字 」  であり 「 型 」 そのものをあらわすことばでもあります。
「 型 」 という視点でとらえると 「 活字  Type 」 そのものが、文字情報を、広く早くたくさん伝播するための 「 印刷版 ・ 活字版 ・ カッパン 」 を構成するひとつひとつの 「 型 」 といえます。

その活字も、ふるくは簡便に砂でつくった 「 砂型 」 を使って複製したり、「 鋳型 」 や「 母型 」 という 「 型 」、その母型をつくるための 「 型 」 となる 「 パターン 」 や 「 父型 」・「 種字と蝋型 」、父型をつくるための 「 型 」 である 「 カウンター ・ パンチ 」 などの、さまざまな 「 型 」 を幾重にも利用して成り立っていることがわかります。

アダナ ・ プレス倶楽部の活字版 印刷機 Adana-21J のボディも、ロストワックスをはじめ多種の型を使って製造されています。
今回の特別企画展示では、「 活字 」 や 「 活版印刷 」  とは切っても切り離せない関係にある  「 型 」 という概念に注目し、「 型 」 にまつわるさまざまを展示いたします。

わたしたちの生活は、実にさまざまな 「 型 」 の活用とその応用技術によって支えられています。 そしてわたしたち生き物も、遺伝子の中にある 「 型 」 の組み合わせによって形づくられているのです。
「 型 」 を用いた自然の摂理や先人の叡智と技術におどろき、その多様さや合理性などに感心しながらも、「 型 」 そのものの形の面白さや美しさに触れて、わたしたちと 「 type 」 との深い結びつきを再認識していただければ幸いです。

【 基本情報 : 一般社団法人 日本ダイカスト協会 HOME
【 イベント詳細 : 2014年 日本ダイカスト会議・展示会のご案内
【 関連情報 : 朗文堂 アダナ  ・ プレス倶楽部ニュース No.49 活版凸凹フェスタ 2009 型形まつり

【終了いたしました!】活版ルネサンスフェア。ー Salama-21A も展示・ご体験いただきました。

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初日は曇天、あいにく天候不順の二日目となりましたが、両日ともたくさんのご来場者をお迎えして、《第16回活版ルネサンスフェア》は盛況裡に終了いたしました。ご来場ありがとうございました。

今回は新機種 Salama-21A の初登場もあって、いっときは狭い会場が大混雑の様相を呈しました。
また昨年から、アダナ・プレス倶楽部は東京でのイベント《活版凸凹フェスタ》を中断して、全国縦断イベント《Viva la 活版》シリーズを展開中のため、久しぶりに拝見する懐かしいお顔もおおく、両日とも展示・販売会というより、さながら、活版造形者の皆さまとの心弾む交流会の様相を呈しておりました。
活版ルネサンスの歩みの、たしかな手応えを感じさせていただいた二日間でした。

簡略紹介はすこしお時間をいただいて、ここアダナ・プレス倶楽部ニュース欄でご報告いたしますが、「交流会」のたのしい様子は、〈 活版アラカルト 〉コーナーで紹介いたします。

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  *
第16回 活版ルネサンスフェア

と き * 2014年04月29日[火・祝]-30日[水] 13:30―19:00
ところ * 朗 文 堂 4 F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070
[ 来場ご案内マップ ]

春うらら、櫻前線が北上中です。いよいよ創作の春がはじまりました。
皆さまお元気にてご活躍のことと存じます。
《活版ルネサンスフェア》は、通常春と秋の2回にわたって開催される
アダナ・プレス倶楽部会員、活版造形者、活版ファンの皆さまを対象に
  活版印刷関連の新製機器と、資材、そして一部は中古品の
活版関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテム、マニアックな商品が溢れています!
春の創作シーズンに、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号]

話題沸騰 !!
新登場 アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A を
会場でご体験、ご覧ください。
Salama 4cWebsala22630 sala22657 sala22663 sala22651
朗文堂 アダナ・プレス倶楽部の製造・販売による、新登場
〈アダナ式小型活版印刷機  Salama-21A 〉
はもとより、新品の活版印刷関連機器、独自企画開発商品と、活版印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。

これらは現在では生産中止となった活版関連機器や、個人では入手しにくい、
◎ 適度な乾燥速度、印刷に気品を「青口アオクチ墨活版インキ」(見本展示・受注製造)
◎ インキ・ローラーの清拭と、長期使用にむけた「ゴム・ローラー・メンテナンス剤」
◎ 印刷作業が本格化したかたに好適な、おおきなメタルベース代用の「アルミ作業台」(リユース)
◎ 〈活字はいっさい使わない。すべて樹脂凸版でいく!〉、超割り切り型のユーザーのご希望で開発した新製品「メタルベース一体型チェース」(見本展示・受注製造)
◎ 新開発 圧盤用ラバー・クッション胴張りセット
などの器材や資材を含みます。
すべて実物をご覧いただき、その特徴をご理解のうえご採用いただけます。

活版印刷(Type printing, Letter press)のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながら魅力溢れる展示販売会となります。
春の創作シーズン、展覧会シーズンの到来に合わせて、創作に活用できそうな機材の補充、実製作での疑問の解決、技術の向上に、どうぞこの 《活版ルネサンス フェア》 をご利用ください。

《第13回 活版ルネサンスフェア》の会場の模様

《今回の主なご紹介アイテム  順不同》
── 商品の一部に、現品限りのものがございます。売り切れの際はご容赦ください。
新開発 アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A /新開発 圧盤用ラバー・クッション胴張りセット/活版専用ピンセット新旧/ジャッキとジャッキハンドル新旧/KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫8pt, 9pt, 10pt 明朝体/罫線各種/くじら尺/特製組みつけ台/金属インテル各種/活版用強力磁石/特製組版ステッキ、中古組版ステッキ/ファニチュア各種/工具類(ブレース鋏・鳥居鋏・罫切り鋏)/罫切り器/各サイズ込め物セット/活字倍数尺/特製ムラ取りハンマー&ならし木セット/ブロッキング防止パウダー/特白ウェス/無臭洗い油/インキ・ハンド・ローラー/インキべら/インキ・パッド/ゴム・ローラー・メンテナンス剤/オイルベース活版用インキ各色(1キロ缶、特製200グラム缶)/活版用墨青口インキ/ラバー・ベース・レタープレス用インキ/版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)/樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)/特製五号サイズメタルベース箱入りセット/特製カタ仮名活字アラタ1209/輸入欧文活字スキームセット/輸入オーナメント活字各種/凸版用スプレーボンド/特製文選箱/中古文選箱新旧各種/文選箱ストッパー/セッテン/特製文選箱立て/特製ミニ組みゲラ/中古組みゲラ/特製ミニ置きゲラ/中古置きゲラ/特製ミニスダレケース棚/活字サイズ照合キット

────  その他掘り出しもの、在庫限りの貴重アイテムがどっさり。 皆さま、友人・知人と誘いあわせてのご来場をお待ちしております。

活版カレッジ 2014年春期講座 スタートしています !

活版カレッジ朗文堂 アダナ・プレス倶楽部の直接指導により
本格的な活字版印刷術の 知・技・美の三領域を
バランス良く学べます。

活版カレッジでは、科学と学術的根拠にもとづいた実践を基盤としながら、活版印刷機 Adana-21J,  Salama-21A によるケーススタディ・メソッドをふんだんに駆使し、あたらしい時代の活版印刷の現場での、現実的な課題の解決方法を学ぶことを目的とします。

なにしろ定員四名という徹底した少人数の講座が〈活版カレッジ〉ですから、開講後まもなくから、活版造形に挑む仲間としての連帯意識が芽生えるのでしょうか。打ち解けて、和気藹藹とした、にぎやかきわまりないお仲間になります。
DSCN3834 DSCN3831 DSCN3830「活字版印刷術 Typographic Printing」は、印刷による視覚伝達技術のなかでも、文字情報の主要な複製・伝達の手段として、ひろく「活版印刷・活版・カッパン」などと呼ばれて親しまれてきました。
そして今、印刷複製技術の原点として560年余におよぶ長い歴史を有し、メディアの変遷とともにさまざまな浮沈を経た「活版」が、ふたたび熱く注目され、関心をあつめています。
活版カレッジは、あたらしい活版ユーザーに向けた活字版印刷機 Salama-21A  の製造・発売をおこなっているアダナ・プレス倶楽部が開講する活版講座です。

活版カレッジ  2014年次期講座
◎ 3 ヶ月 木曜日 全9回(毎月3回) 19:00-22:00
※各コース定員4名(お申込先着順)
※ 毎月第1-3週木曜日の開講。 第4-5週は基本的にお休みです。
※ GW・夏期休暇などに際して若干の変動があります。
◎ 徹底した少人数講座のため、お申込先着順とさせていただきます。
◎ 受講希望者多数の場合には、次期講座への予約をお勧めする場合がございますのでご了承ください。
◎ 次期の開催日時と募集の開始は、ここ アダナ・プレス倶楽部ニュース にて随時お知らせいたします。
◎ 《活版カレッジ》受講希望の方は、お気軽に、できるだけ事前に、アダナ・プレス倶楽部の @メール まで受講希望の意向をご連絡ください。 一般公募に先だって、あらためてご案内をさしあげます。 積極的なご参加をお待ちしております。

  • 活版カレッジ
    【講座教室】 東京都新宿区新宿 2-4-9 中江ビル   4FB 朗文堂内(通学制)
    【講   師】 朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

【朗文堂ブックコスミイク】 『欧文書体百花事典』普及版 刊行記念特別連続講演会 第1回

欧文書体その後ポスターuu 梅だよりもチラホラ聞かれる昨今です。皆さまお元気でご活躍のこととぞんじます。
『欧文書体百花事典』が刊行されて10年が過ぎました。
この10年間の欧文書体研究は? 関連する研究の進展は……。
これからの『欧文書体百花事典』普及版の刊行に際して
10年前の「その後」を、各講師に6回にわたってお話しいただきます。
下記のご案内をご覧いただき、友人・知人をお誘いのうえ、ふるってご参加ください。
なお、詳細は 朗文堂NEWS をご覧ください。
http://www.robundo.com/robundo/blog/
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『欧文書体百花事典』普及版 刊行記念特別連続講演会(全 6 回)
      第 1 回  『ボドニローマンからの変遷  Giovanni Mardersteig』
      講   師 : 片塩二朗
日 時 : 2014年3月2日[日]
      午後1時より約3時間程度(ワークショップ含む)
会 場 : 東洋美術学校 D棟1階 学生ホール
      161-0067 東京都新宿区富久町2-6
      地図は http://www.to-bi.ac.jp/access/
聴講料 :各回1,000円(要申込登録)
主  催 : 株式会社 朗文堂
後  援 : タイポグラフィ学会
        学校法人専門学校 東洋美術学校
        産学連携事務局 デザイン研究会アクティ
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[講演会申込先]
株式会社 朗文堂@メールまで  robundo@ops.dti.ne.jp
件名 「欧文書体百花事典その後 第1回講演会」
お名前・人数・返信用メールアドレスを明記して、2月27日までにご送信ください。
 3 営業日以内にお断りの返信が無い場合は受付完了とさせていただきます。
なお、第2回から第6回までの複数回を受講ご希望の方はその回数をご記入ください。
****************************************************
株式会社 朗 文 堂
鈴木 孝
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
電 話 03–3352-5070
FAX 03-3352-5160
email robundo@ops.dti.ne.jp
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo
*****************************************************欧文書体その後チラシ

◎ 上掲図版の、A4判 Z折り 4色/0色のフライヤーを用意しております。ご希望のかた、教育機関などで配布をご希望の皆さまは、ご遠慮無くお申し付けください。
◎ 会場は30-40名のキャパシティです。また東洋美術学校には、森澤茂氏、故小池光三氏の寄贈による貴重な小型活版印刷機がありますので、講演内容とリンクした活版印刷ワークショップをアダナ・プレス倶楽部の担当で併催いたします。
◎ 当日配付資料の準備、活版ワークショップの準備などがありますので、確実に受講するためには@メールでのお申込みをお急ぎください。
◎ 本講演会に関する詳細情報は、順次本コーナーに掲載いたしますので、ご確認ください。

Viva la 活版 Viva 美唄 レポート01-12 アダナ・プレス倶楽部コラム欄に掲載しました。

美唄コラム緑uu 美唄はがきDMuu

《Viva la 活版 Viva 美唄では活版造形者の作品展示会、講演会、各種の活版ゼミナールを開催》
「アルテピアッツァ美唄」は、地元、北海道美唄市出身で、世界的な彫刻家として知られる、安田 侃ヤスダ カンさんがいまなお創り続ける、大自然と彫刻が相響した野外彫刻公園と諸施設からなる彫刻美術館です。
「アルテ ピアッツァ美唄」はまた、自然と人と芸術のあたらしいありかたを模索し、提案し続け、訪れる人びとに、自分の心を深く見つめる時間と空間を提供している素晴しい美術館です。

この「アルテ ピアッツァ美唄」の、「アート・ストゥディオ」と「アート・ギャラリー」の一画をお借りして、〔Viva la 活版 Viva 美唄 ── すばらしき活版、すばらしい美唄〕では、活版造形者の作品展示、各種タイポグラフィゼミナールをおこないました。

皆さまもこれを機会に、お気に入りの書物を一冊持って、北海道美唄の地、「アルテ ピアッツァ美唄」にお出かけください。そして自然と彫刻が織りなすシンフォニーの中で、のんびりと読書や思索に耽ったり、大切な人とのゆっくりしたひとときを過ごしたりしてください。真の造形活動や、こころ豊かな人生について見つめなおすために必要な、贅沢な時間と空間がそこにはあります。

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《Viva la 活版 Viva 美唄 全記録》
【会  期】  2013年7月13日[土]―15日[月・祝] 9:00―17:00
【会  場】  ARTE PIAZZA BIBAI アルテピアッツァ美唄
        アート・ギャラリーおよびアート・ストゥディオ
        北海道美唄市落合町栄町   http://www.artepiazza.jp/
【入場料】  無  料
【後  援】  タイポグラフィ学会
【主  催】   朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

《いささか旧聞に属しますが、Viva la 活版 Viva 美唄の全記録を別コーナーに掲載しました》
〔Viva la 活版 Viva 美唄 ── すばらしき活版、すばらしい美唄〕の報告は、これまでも本コーナーなどでも随時掲載してまいりました。また、まとまったカタチでの紹介の場を〔アダナ・プレス倶楽部 コラム〕に予定しておりましたが、同コーナーのバージョンアップなどがあって全体報告が遅延しておりました。
したがいまして、いささか旧聞に属して恐縮ですが、ようやく 〔アダナ・プレス倶楽部 コラム〕 に「Viva la 活版 Viva 美唄 レポート01 プロローグ-レポート エピローグ12」の掲載が完了いたしました。
ここに新コーナー 〔リンク:アダナ・プレス倶楽部 コラム〕 をあらためてご紹介いたします。ブログロールの構造上、掲載順が降順(No.12-01)となっておりましたが、昇順(No.01-12)に変更してご紹介いたします。

《本2014年、Viva la 活版 すばらしき活版展は鹿児島で開催いたします》
また本年の〔Viva la 活版 ── すばらしき活版展〕の会場と開催時期に関するご報告ですが、本年は北の大地から一転して、焔をふきあげる活火山・桜島のちかく、南の鹿児島を会場として、11月初旬ころの開催に内定いたしました。皆さまの積極的なご参加、ご来場をお待ちもうしあげます。
この件の詳細は、これからも、ニュース欄、コラム欄の双方で随時お知らせいたします。

フランス国立印刷所 火の精霊サラマンダーと 王のローマン体 ローマン・ドゥ・ロワ

フランス王立印刷所 フランス国立印刷所カード フランス国立印刷所シンボルロゴ

《Étude pour un caractère : Le Grandjean 動画紹介 YouTube 3:53  撮影協力:中川順雄氏》

ローマン・デュ・ロア01 ローマン・デュ・ロア02

最初に動画によって、「王のローマン体、王家のローマン体  ローマン・ドゥ・ロワ or ローマン・ド・ロァ Romains du Roi」をご覧いただきました。この活字書体の本格的なご紹介は、ステージを容量のおおきな「タイポグラフィ・ブルグロール 花筏」にうつしてご紹介いたします。

《フランス国立印刷所 Imprimerie Nationale の新シンボルロゴの紹介》
フランス国立印刷所 新ロゴ

磯田01uu磯田02uu磯田04uu上掲よっつの写真は、フランス国立印刷所における『Étude pour un caractère : Le Grandjean』の製造過程を説明するために特別に取材許可を得た写真。この大冊の書籍のために、フランス国立印刷所では、元図となる銅版印刷を実施して、それに説明と活字印刷見本を付与した特装本60部を市販用とした。
それをもとに活字父型をあらたに彫刻し、それから打込(押しこみ)活字母型を製造して、あらたな活字鋳造をおこなった。
したがって 『Étude pour un caractère : Le Grandjean』 には、大型印刷機をもちいて、銅版印刷、活字版印刷、箔押し作業などが、特別製造による手漉き紙のうえに実施されている。印行などちいさな印刷面積の部分は小型ハンドプレスをもちいている。
[取材・撮影協力:磯田敏雄氏] 
──────── 
フランス国立印刷所では、先般シンボルロゴを近代化して、Websiteに動画をアップしました。同所のあたらしいシンボルロゴのモチーフは、創立以来変わらずにもちいられてきた「サラマンダー」です。
このサラマンダーには TV CM でお馴染みのウーパールーパーという愛称がありますが、正式には メキシコサラマンダー(Ambystoma mexicanum)とされ、もともとはメキシコの湖沼に棲む、両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類だそうです。その愛称ないしは流通名がウーパールーパーとされています。

ところで、灼熱の焔からうまれるイモノの「鋳造活字」をあつかうタイポグラファとしては、こと「火の精霊 ── サラマンダー or サラマンドラ or サラマンドル」と聞くと、こころおだやかではありません。今回はフランス国立印刷所からのメッセージも届きました。

Viva la 活版 Viva 美唄タイトルデザイン04 墨+ローシェンナ 欧文:ウンディーネ、和文:銘石Buu

サラマンダーとは、欧州で錬金術が盛んだった中世のころに神聖化され、パラケルススによって「四大精霊」とされたものです。
四大精霊とは、地の精霊・ノーム/水の精霊・オンディーヌ/火の精霊・サラマンダー/風の精霊・シルフです。このことは欧州ではひろく知られ、アドリアン・フルティガーは、パリのドベルニ&ペイニョ活字鋳造所での活字人としてのスタートのときに、「水の精霊/オンディーヌ Ondine」と名づけた活字を製作していました。
この欧文活字「オンディーヌ」と、和文電子活字「銘石B」 をイベントサインとしてもちいたのが《Viva la 活版 Viva 美唄》でした。
【リンク:花筏 朗文堂-好日録032 火の精霊サラマンダーウーパールーパーと、わが家のいきものたち

2008年アダナプレス倶楽部年賀状 裏2008年アダナプレス倶楽部年賀状 表

 アダナプレス倶楽部では、2008年の年賀状で「活版印刷術とサラマンダーのふしぎな関係」をご紹介しました。ここにあらためて、フランス国立印刷所であたらしく再生されたシンボルロゴをご紹介いたします。
[取材・翻訳協力:磯田敏雄氏]

《Toute la vérité sur la Salamandre —— サラマンダーの事実のすべて》
フランス国立印刷所公開フライヤーより抜粋       
       考古学事典と紋章学の説明からの引用 
       1901年 ケリー・ド・ガルレー(Kelley de Galurey)
空想上のトカゲ、サラマンダーは、いつも激しい火焔と、高い火柱に囲まれている。
その形姿は、背が丸く、首と尻尾は長く、先は尖って、背中は持ち上がっていると想像されている。そして四足の足は、ギリシャ神話の グリフォン(Griffon, Gryphon) に似せて描かれている。

Griffin ウキペディアよりすなわち紋章に登場する多くのサラマンダーは、その実態とはかけ離れ、むしろ神話に描かれたサラマンダーと多くの関係がある。神話でのサラマンダーは、怪奇な姿で、体長がながく、尖った尾を有している。四本の足は、横から見るとおなじ長さになっていて、水かきはついていなく、爪も四本の指についていない。
体はくすんだ黒色で、生生しい黄色の斑点がちりばめられている。両脇は結節で、蛇にも似た粘り気のある体液が染み出ている。

わが家の怪獣?! サラマンダー/ウパルンⅡ世

【リンク:サラマンダーのアルビノ種、ウーパールーパー画像集 —— こちらは可愛い!】
【リンク:サラマンダーの画像集 —— こちらはすこし不気味なものもあります】

神話のサラマンダーは、また、おおくの寓話につつまれている。サラマンダーは紅蓮の焔の真ん中に棲息しており、もしかまれると、つよい毒に侵されるとするものだ。
ところが真実は、サラマンダーは確かに、体表から白っぽいねばねばした体液を分泌する。その量はとても多く、もしサラマンダーを炎のなかに入れても、火の熱から身を守り、なかなか死なない。この体液には、強烈な臭いと、渋い味があるが、少しも毒性はない。
それでも奇っ怪な外観と、柔らかくべとついた躰は、ふつうは有害な生物かとおもわせる。ところが実際のサラマンダーは、害意の無い生物で、弱くて臆病であり、ほとんど耳がきこえず、目も見えないのである。

古代人は、サラマンダーを炎の表象として崇めていた。
詩人たちは、愛の価値と象徴のシンボルにした。
歴史家、考古学者たちは、逆境にあっても誠実な典型の生物と見なしていた。
そして ルーバン・ジェリオ(Louvan Géliot) によれば、サラマンダーは高潔と勇気を表しているのである。

《国立印刷所の新しいシンボルロゴ —— Le nouveau logo de l’Imprimerie Nationale》
フランス国立印刷所は定款を変更して、あたらしいロゴとしてやはり「サラマンダー」の意匠を採用した。
あたらしいシンボルロゴとして、今回も神話の生物サラマンダーを選定したのは、フランス国立印刷所のながい歴史と、象徴主義とふかく結びついている。

フランス国立印刷所 新ロゴ

フランスヴァロワ朝フランス王、第9代フランソワ1世(François Ier de France,  1494-1547)は、フランスにルネサンスをもたらし、また1538年にフランス王室で印刷事業をはじめたひとである。フランス国立印刷所は、この年1538の創立をもってその淵源としている。
フランソワ1世は、みずからと、その印刷所の紋章として、フランス王家の伝統としての百合の花を象徴する王冠 【画像集リンク:フランス王家の紋章】 とともに、火焔のなかに棲息するサラマンダーを取りいれた。
そこにはまた、ギャラモン(Claude Garamond,  1480-1561)の活字父型彫刻による標語を付与した。
「Je me nourris de Feu et je L’éteins   意訳:吾は火焔をはぐくみ、それを滅ぼす」
フランス国立印刷所 旧ロゴこのサラマンダーは何世紀もの歴史のなかで、すこしずつ意匠をかえて、フランス国立印刷所の紋章としてもちいられてきた。それらの意匠変遷の記録のすべてはフランス国立印刷所にのこされているが、21世紀のはじめに、どれもが幾分古ぼけた存在とみなされ、それを「モダナイズ」する計画がもちあがり、フランス国立印刷所のデザインチームが改変にあたった。

その結果よみがえったサラマンダーは、フランス国立印刷所の伝統を継承しつつ、かぎりなく前進をつづける、あたらしいフランス国立印刷所のシンボルとして再生された。

2014年 アダナ・プレス倶楽部の年賀状

adana年賀 アダナ・プレス倶楽部の年賀状は例年、数ある欧文活字を、時代性によっていくつかのカテゴリーにわけ、それを歴史順に一書体づつ選択して制作してきました。
これまでの年賀状では、ブラック・レター、ヴェネチアン・ローマン、オールド・ローマン、トランジショナル・ローマン、モダン・ローマン、クラレンドンを経て、今年はサン・セリフの「フランクリン・ゴシック」を使用しました。

「フランクリン・ゴシック」は、アメリカン・タイプ・ファンダース(ATF)のチーフ・デザイナーをつとめた、モーリス・フラー・ベントン(1872-1948)による活字書体です。M. F. ベントンは、200以上の活字書体を設計した、多産家の活字設計士として知られています。
このようにたくさんの活字書体を製造することができた背景には、発明家で、おなじく活字設計士でもあった、父 リン・ボイド・ベントンの開発による、いわゆる「ベントン機械式彫刻機」によって、活字父型および活字母型の製造効率が飛躍的に向上したことも見逃せません。

活版印刷時代の活字書体をたくさん紹介した、イギリス版活字書体事典『 ENCYCLOPAEDIA OF TYPE FACES 』の記載によりますと、M. F. ベントンが「フランクリン・ゴシック」を、アメリカン・タイプ・ファンダース(ATF)からデビューさせたのは1903年のことです。
おなじ年にM. F. ベントンは、やはりアメリカン・タイプ・ファンダース(ATF)から、オルタネート・ゴシックと、エージェンシー・ゴシックも発表しています。
────────
ちょうどその頃、おなじアメリカ大陸で偉業を成し遂げたふたりの兄弟がいました。
ふたりとは、ライト家の5人兄妹の3男、ウィルバー・ライト(1867-1912)と、4男、オーヴィル・ライト(1871-1948)です。
ライト兄弟 として知られるウィルバーとオーヴィルは、奇しくも「フランクリン・ゴシック」が誕生した年とおなじ1903年に、人類初の有人動力飛行に成功しました。20世紀の初頭、まさに機械産業時代の幕開けを告げるできごとであり、活字書体の誕生でした。

あまり知られていませんが、ライト兄弟は、飛行機の開発のほかに、印刷機械や活版印刷業とも、とてもゆかりの深い人物でした。飛行機の開発に成功する以前、10代の末頃のライト兄弟は、活版印刷機や紙折り機をみずから製作し、取材記者もこなして、新聞『 West Side News 』の発行をしていました。
のちに「ライト&ライト印刷所」を創業して印刷業を続けるかたわら、自転車の製造・販売、そして、子供の頃からの夢であった飛行機の開発へとつなげていきました。

今回の年賀状では、ライト兄弟の飛行実験の写真を亜鉛凸版で、そして、24pt.フランクリン・ゴシックの活字を用いて、兄ウィルバーの言葉を活字組版しました。

動力がなくとも飛ぶことはできる。
しかし、知識と技術なしには
大空を翔けることはできない。
―― ウィルバー・ライト――

動力のない、手動式の活版印刷機をもちい、不自由で限られた活字を駆使して、活版印刷の知と技と美の研鑽をつづけている、アダナ・プレス倶楽部会員の皆さまへ ────────
活版印刷の普及と存続のために、アダナ・プレス倶楽部の機材の製造と供給を支えてくださっている、おおくの職人の皆さまへ ────────
すべての、身体性を伴なった「ものづくり」の現場の皆さまへ ────────

感謝と尊敬と応援の意を込めて、今年の念頭のご挨拶に代えて、このことばを贈ります。

adana年賀宛名面ところでフランクリンといえば、時代はさかのぼりますが、アメリカ建国の父のひとりであり、避雷針などの発明家としても知られる、ベンジャミン・フランクリン(1706-1790)も、若いころには印刷業を営んでいました。
まだアメリカに活字鋳造所が無い時代、はるばる太平洋を渡ってイギリスまで活字を買いに行ったり、活字やインキを自作したり、活版印刷機の改良をおこないました。
また、図書館をつくったり、新聞を発行することなどを通して、アメリカにたくさんの印刷所ができるように尽力しました。

なお、「フランクリン・ゴシック」という活字書体の名称は、「世界印刷術中興の祖」ともされる、ベンジャミン・フランクリンにあやかってつけられた名前かどうかは定かではありません。

【ご報告】『平野富二伝』刊行記念 展示・講演会

平野表紙uu明治産業近代化のパイオニア
『平野富二伝 考察と補遺』
古谷昌二 編著
────────
A4判 ソフトカバー 864ページ
図版多数
発 行 : 朗  文  堂
定 価 : 12,000円[税別]
発 売 : 2013年11月22日
ISBN978-4-947613-88-2 C1023

『平野展』ポスターs

明治産業近代化のパイオニア
『平野富二伝』 考察と補遺  古谷昌二編著
刊行記念 展示・講演会
────────
日 時 : 2013年11月30日[土]-12月01日[日]
      11月30日[土] 展示 観覧   10:00-16:30
                  著者講演会  14:00-16:00
              12月01日[日] 展示 観覧   10:00-15:00
                     掃 苔 会    10:00-12:00
      編著者・古谷昌二氏を囲んでの懇話会、サイン会は、会期中随時開催
会 場 : 日展会館
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主 催 : 平 野 家
協 力 : 朗 文 堂
後 援 : 理想社/タイポグラフィ学会/アダナ・プレス倶楽部

【詳細報告は 容量のおおきな、朗文堂花筏 に順次掲載いたします】

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平野富二自作短歌UU アダナ・プレス倶楽部印刷/平野富二自作短歌(1887年/明治20年)
活字:『BOOK OF SPECIMENS』 活版製造所 平野富二 明治10年版(平野ホール所蔵)復元活字
「世の中を 空吹く風に 任せおき  事を成す身は 國と身のため」

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アダナ・プレス倶楽部会報誌 第23号

アダナ・プレス倶楽部の会報誌 『Adana Press Club NewsLetter Vol.23』(Winter 2013)を
刊行し、会員の皆さまへ配布いたしました。

会報誌23号

『Adana Press Club NewsLetter Vol.23』 (Winter 2013)
表紙使用活字 : 36pt. Albertus Titling
           12pt. 記号活字 各種 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 主な内容(目次) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・レポート   明治産業近代化のパイオニア『平野富二伝』
         刊行記念 展示・講演会 イベントレポート
・掲載情報  森永乳業PARM Website
         11月の連載担当のお知らせ
・新規商品  輸入欧文活字 サン・セリフ体
         「トゥエンティ・センチュリー」
・豆知識23  活版印刷 人物伝① 《11世紀》
・会員便り   解版糸のつなぎ方
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『Adana Press Club NewsLetter』の定期購読をご希望の方は、
会員登録 と年間登録費の納入をお願いします。

なお、毎号バックナンバーの在庫がございませんため、
会報誌の配布はお申込みの次号からとなります。ご了承ください。

アダナ・プレス倶楽部のエプロンを染め直しました。

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皆さまにご愛用いただいてまいりました「アダナ・プレス倶楽部 特製エプロン」、「愛称:ケロンパ・エプロン」です。アダナ・プレス倶楽部の発足時から長年使用してきましため、クリーニングに出してもインキ汚れが目立つようになりました。

このごろは安い衣類が出回り、買いなおしたほうが安くなることもあり、衣類もすっかり使い捨ての風潮となりました。
それでもこのエプロンには愛着があって、今回は買い換えではなく、染め直しをすることにいたしました。こうして再生したエプロンを、できるだけ長く、大切に使っていきたいと思います。
撮影が「やつがれさん」で、写真の構図が妙なものになりましたが、上掲の《活版カレッジ》の皆さんが着用していたものと、色の違いだけでもご確認ください。
また、下部にこの「ケロンパ・エプロン導入のいきさつ」を、ふるいデータにリンクするとともに、一部を再掲しましたのでご笑覧ください。

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アダナ・プレス倶楽部特製エプロン 余話 ── 初出:アダナプレス倶楽部 コラムNo.011

そうでした ! 海外からのお便りの中には変わったリクエストもありました。

アダナ・プレス倶楽部の発足時に、作業用のエプロンを Website を通じて発注しました。そこには、たまたまアダナ・プレス倶楽部のイメージ・カラー「ブリティッシュ・グリーン」に近い色調のサンプルが掲載されていました。
胸の中央に「アダナ・プレス倶楽部」のカログラムのプリントを入れて発注したところ、
「この色は現在品切れで,、つぎの入荷予定は数ヶ月先になります。似たような色のエプロンがほかにありますので、そちらにプリントをしてもよろしいでしょうか」
という電話が販売店からはいりました。

「直接お店にお伺いさせていただいて、エプロンの仕様を見比べてから決めることはできますか ?」
「うちはプリント加工を請け負っておりまして、申しわけありませんが、プリント前の商品の在庫や、サンプルを店頭に置いてはおりません。ご希望の商品と代替の商品とでは、布の厚みや丈の長さに若干の違いはありますが、大きな差は無いとおもいます」

こんなやりとりのあと、しばらくして「アダナ・プレス倶楽部特製エプロン」がドッサリ届きました。オリジナル・アイテムの到着にワクワクしながら開梱しましたが、すぐに、悲鳴に近い叫び声が社内に響き渡りました。
「キャーッ、なにこれー !? 青ガエルみたいな色じゃない !??? 」
「イャー、これはこれでいいんじゃないの。機械と同色だと紛らわしいし……。明るいし、夢があるよ」
「そうですよ。軽快で、なかなかいいとおもいますよ」
「そうかなぁ……」
「だまされたと思って、着てみなよ」

こんな経緯があって、「アダナ・プレス倶楽部特製エプロン」は様様なイベントで着用され、どう少なく見積もっても、およそ 20 万人のひとの目に触れてきました。そのほかにも Website の写真にしばしば掲載しましたので、どのくらいのかたの目に触れたのかはわかりません。それでも「JANPS 第 19 回新聞製作技術展」の展示賞審査員の皆さまの講評に、
「キリリとしたエプロン姿が、印刷人として真摯である」
との講評をいただき、大手企業の、NEC、パナソニックとならんで、おもわぬ展示賞をいただきました。

また「馴れ」とは怖ろしいもので、いつのまにかこのエプロンの着用にスタッフは馴れてしまって、たれもが疑問をもたなくなりました。
つまりアダナ・プレス倶楽部では、これをひそかに「ケロンパ・エプロン」と呼び、みんなが「愛用」しているこのごろなのです。
それがナント、近頃では、海外の印刷マニアの方からも「エプロンがとっても可愛いので、ぜひ購入したい」というお申し出が来るようになりました。
「これって、シャレや冗談じゃないよねぇ」
「はるばるイギリスから、そんな冗談をいってくる訳はないでしょう」

しかしまぁ、いまとなっては怪我の功名、
「鮮やかな黄緑色が、イベント会場や Website の画面上では映えるから良かったね」
「撮影の際にはレフ板よろしく顔色が良くみえる」
などと大活躍の「ケロンパ・エプロン」なのです。

活版カレッジ 2014年冬期 募集終了

活版カレッジ朗文堂 アダナ・プレス倶楽部の直接指導により
本格的な活字版印刷術の
知・技・美の三領域をバランス良く学べます。

活版カレッジでは、科学と学術的根拠にもとづいた実践を基盤としながら、活版印刷機 Adana-21J によるケーススタディ・メソッドをふんだんに駆使し、あたらしい時代の活版印刷の現場での、現実的な課題の解決方法を学ぶことを目的とします。
────
「活字版印刷術 Typographic Printing」は、印刷による視覚伝達技術のなかでも、文字情報の主要な複製・伝達の手段として、ひろく「活版印刷・活版・カッパン」などと呼ばれて親しまれてきました。
そして今、印刷複製技術の原点として560年余におよぶ長い歴史を有し、メディアの変遷とともにさまざまな浮沈を経た「活版」が、ふたたび熱く注目され、関心をあつめています。
活版カレッジは、あたらしい活版ユーザーに向けた活字版印刷機 Adana-21J の製造・発売をおこなっているアダナ・プレス倶楽部が開講する活版講座です。

DSCN1832uu活版カレッジ前期の講座風景
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活版カレッジ  2014年冬期講座 《募集終了》
◎ 3 ヶ月 木曜日 全9回(毎月3回) 14:00-17:00
※ 各コース定員4名(お申込先着順)
※ 毎月第1-3週木曜日の開講。
   第4-5週は基本的にお休みです。
※ 年末年始・GW・夏期休暇などに際して若干の変動があります。

◎ 徹底した少人数講座のため、お申込先着順とさせていただきます。
◎ 受講希望者多数の場合には、次期講座への予約をお勧めする場合がございますのでご了承ください。
◎ 次期の開催日時と募集の開始は、この アダナ・プレス倶楽部ニュース にて随時お知らせいたします。
◎ 《活版カレッジ》受講をご希望の方は、お気軽に、できるだけ事前に、アダナ・プレス倶楽部の@メールまで受講希望の意向をご連絡ください。一般公募に先だって、あらためてご案内をさしあげます。

  • 木曜日コース(昼間部)14:00 ─ 17:00 
    2014年 冬
    01月09日(木) 活字版印刷概論
    01月16日(木) 和文端物組版
    01月23日(木) 文選
    02月06日(木) 和文ページ物組版
    02月13日(木) 和文と欧文の違い
    02月20日(木) 欧文書体の歴史
    03月06日(木) 欧文スペーシング
    03月13日(木) 多色刷り1
    03月20日(木) 多色刷り2

【講座教室】 東京都新宿区新宿 2-4-9 中江ビル
                      4FB 朗文堂内(通学制)
【講   師】 朗文堂 アダナ・プレス倶楽部
【受  講  料】 66,000円(税込・教材費込)
【支払い期日】 開講2週間前まで
               (中途退講の場合でも受講料の返却はいたしません)

今期の募集は終了いたしました。
次回講座(春期を予定)のご参加お待ちしております。

活字よ 永遠に-サラマンダーと活版印刷のふしぎな関係

新タイトル《フランス国立印刷所 Imprimerie Nationale の新ロゴの紹介 YouTube 1:42》
フランス国立印刷所では、先般シンボルロゴを近代化して、Website に動画をアップしました。同所のあたらしいシンボルロゴのモチーフは、創立以来変わらずにもちいられてきた「サラマンダー」です。

アダナプレス倶楽部では、2008年の年賀状で「活版印刷術とサラマンダーのふしぎな関係」をご紹介してきました。ここにあらためてフランス国立印刷所で、あたらしく再生されたシンボルロゴをご紹介いたします。
[取材・翻訳協力:磯田敏雄氏]。

このサラマンダーにはウーパールーパーという愛称がありますが、正式には メキシコサラマンダー(Ambystoma mexicanum)とされ、もともとはメキシコの湖沼に棲む、両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類だそうです。その愛称ないしは流通名がウーパールーパーとされます。

わが家の怪獣・サラマンダーⅠ世
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DSCN2165uu[1]DSCN1880uu[1]わが家の怪獣!? サラマンダーです。 
上ⅠⅡ) アルビノ種のウパルンⅠ世。飼育に未熟で夏の猛暑対策が不十分で短命におわりました。 
中・下) 水槽が空になってさびしかったので、9月にウパルンⅡ世(雄らしい)を、10月にウパランⅠ世(雌らしい)を購入しました。ともに旺盛な食欲ですが、給餌のとき以外はいつもドテッとしていて運動不足が心配です。体躯は写真の倍以上になりました。無邪気であいらしいいきものです。

フランス国立印刷所 新ロゴ
Viva la 活版 Viva 美唄タイトルデザイン04 墨+ローシェンナサラマンダーとは、欧州で錬金術が盛んだったころに神聖化され、パラケルスス によって「四大精霊」とされたものです。
四大精霊とは、地の精霊・ノーム/水の精霊・オンディーヌ/火の精霊・サラマンダー/風の精霊・シルフです。


このことは欧州ではひろく知られ、アドリアン・フルティガーは、パリのドベルニ&ペイニョ活字鋳造所での活字人としてのスタートのときに、「水の精霊/オンディーヌ Ondine」と名づけたエレガントな活字を製作していました。
この欧文活字「オンディーヌ」と、和文電子活字「銘石B」をイベントサインとしてもちいたのが《Viva la 活版 Viva 美唄》でした。

【リンク:花筏 朗文堂-好日録032 火の精霊サラマンダーウーパールーパーと、わが家のいきものたち

《Toute la vérité sur la Salamandre —— サラマンダーの事実のすべて》
わが家の怪獣・サラマンダーⅠ世フランス国立印刷所公開フライヤーより抜粋       
       考古学事典と紋章学の説明からの引用 
       1901年 ケリー・ド・ガルレー(Kelley de Galurey)
空想上のトカゲ、サラマンダーは、いつも激しい火焔と、高い火柱に囲まれている。その形姿は、背が丸く、首と尻尾は長く、先は尖って、背中は持ち上がっていると想像されている。そして四足の足は、ギリシャ神話の グリフォン(Griffon, Gryphon) に似せて描かれている。
Griffin ウキペディアよりすなわち紋章に登場する多くのサラマンダーは、その実態とはかけ離れ、むしろ神話に描かれたサラマンダーと多くの関係がある。
神話でのサラマンダーは、怪奇な姿で、体長がながく、尖った尾を有している。四本の足は横から見るとおなじ長さになっていて、水かきはついていなく、爪も四本の指についていない。
体はくすんだ黒色で、生生しい黄色の斑点がちりばめられている。両脇は結節で、蛇にも似た粘り気のある体液が染み出ている。
【リンク:サラマンダーのアルビノ種、ウーパールーパー画像集 —— こちらは可愛い】
【リンク:サラマンダーの画像集 —— こちらはすこし不気味なものがあります】

2008年アダナプレス倶楽部年賀状 表アダナプレス倶楽部年賀状におけるサラマンダー2008年アダナプレス倶楽部年賀状 裏神話のサラマンダーは、また、おおくの寓話につつまれている。サラマンダーは紅蓮の焔の真ん中に棲息しており、もしかまれると、つよい毒に侵されるとするものだ。
サラマンダーは確かに、体表から白っぽいねばねばした体液を分泌する。その量はとても多く、もしサラマンダーを炎のなかに入れても、火の熱から身を守り、なかなか死なない。この体液には、強烈な臭いと、渋い味があるが、少しも毒性はない。
それでも奇っ怪な外観と、柔らかくべとついた躰は、ふつうは有害な生物かとおもわせる。ところが実際のサラマンダーは、害意の無い生物で、弱くて臆病であり、ほとんど耳がきこえず、目も見えないのである。

古代人は、サラマンダーを炎の表象として崇めていた。
詩人たちは、愛の価値と象徴のシンボルにした。
歴史家、考古学者たちは、逆境にあっても誠実な典型の生物と見なしていた。
そしてルーバン・ジェリオ(Louvan Géliot)によれば、サラマンダーは高潔と勇気を表しているのである。

フランス国立印刷所 旧ロゴ吾は火焔をはぐくみ、それを滅ぼす

《国立印刷所の新しいロゴ —— Le nouveau logo de l’Imprimerie Nationale》
フランス国立印刷所 新ロゴフランス国立印刷所は定款を変更して、あたらしいロゴとして「サラマンダー」を採用した。あたらしいロゴとして、神話の生物サラマンダーを選定したのは、フランス国立印刷所のながい歴史と、象徴主義にふかく結びついている。

フランスヴァロワ朝、第9代フランソワ1世(François Ier de France,  1494-1547)は、フランスにルネサンスをもたらし、また1538年にフランス王室で印刷事業をはじめたひとである。フランス国立印刷所は、この年1538の創立をもってその淵源としている。
フランソワ1世は、みずからと、その印刷所の紋章として、フランス王家の伝統としての百合を象徴する王冠 【画像集リンク:フランス王家の紋章】 とともに、火焔のなかに棲息するサラマンダーを取りいれた。
そこにはまた、ギャラモン(Claude Garamond,  1480-1561)の活字父型彫刻による標語を付与した。
「Je me nourris de Feu et je L’éteins   意訳:吾は火焔をはぐくみ、それを滅ぼす」

このサラマンダーは何世紀もの歴史のなかで、すこしずつ意匠をかえて、フランス国立印刷所の紋章としてもちいられてきた。それらの意匠変遷の記録のすべてはフランス国立印刷所にのこされているが、21世紀のはじめに、どれもが幾分古ぼけた存在とみなされ、それを「モダナイズ」する計画がもちあがり、フランス国立印刷所のデザインチームが改変にあたった。

その結果よみがえったサラマンダーは、伝統を継承しつつ、かぎりなく前進をつづける、あたらしいフランス国立印刷所のシンボルとして再生された。

たった一枚のカレンダー。師走です-お疲れに森永アイス「パルム」は如何ですか?

日本人の知らない「文字のはなし」 日本で使われている「文字」というコトバ 中国では「文」と「字」は別のものなのです
中国料理店で寄り道 グルメな書家 蘇軾 美味しい、美味しい、トウロンポウ 書にまつわる美味しいおはなし

平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
【森永乳業 Daily Premium Calender 】

渋いオジサン-寺尾聡というと、わたしの世代では「ルビーの指輪」が印象的です。
その寺尾聡が TV CM に登場して「ワォ~」と叫んでいるのが森永乳業のアイスクリーム「PARM」です。「PARM」は人気商品で、累計10億本を越える販売実績があるそうです。
─────
森永乳業の巨大な Website のなかに、平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
「 Daily Premium Calender 」があります。 
── タイポグラフィと活版印刷 ──
{文字とは文化と歴史の結晶 それは「知」と「技」と「美」の総合技芸} と題して、11月の毎週月曜日-木曜日[祝日はのぞく]、都合15 回にわたって、片塩と朗文堂 アダナプレス倶楽部:大石の共著のかたちで連続エッセイを担当いたしました。

なにしろコンテンツの豊富なWebsiteですし、トップ画面はすでに12月のカレンダーに切りかわっています。11月だけの連載でしたが、スタートの月曜日が祝日で、11月5日[火]からのスタートで、11月28日[木]が最終回となりました。
Website の常で、情報はアーカイブに収納されましたので、そこへのご案内をリンクしました。2013年11月の「 Daily Premium Calender 」をご笑覧たまわりますようお願いいたします。

パルム パッケージ

【 目 次 】
── タイポグラフィと活版印刷 ──
{文字とは文化と歴史の結晶 それは「知」と「技」と「美」の総合技芸} 

  • 11月05日[火] 第01回 スタート 
    新しい活版造形者とともに 『VIVA!! カッパン♥』
      活版ルネサンスと
      身体性をともなった「ものづくり」の歓び 
  • 11月06日[水] 第02回
    活版印刷 水 紀行
      それは河畔の街からはじまった……
      活版印刷術と水にまつわる物語
  • 11月07日[木] 第03回
    こころを豊にする短歌講座
      贅沢短歌  本木昌造(永久 ナガヒサ)、池原 奞(シュン、香穉 カワカ)
  • 11月11日[月] 第04回
    日本近代化のパイオニア 『平野富二伝』
      近代化の影の立役者「活版印刷術」
      平野富二の生涯から明治の男の気骨を知る
  • 11月12日[火] 第05回
    日本人の知らない 「文字のはなし」
      日本で使われている「文字」というコトバ
      中国では「文」と「字」は別のものなのです。
  • 11月13日[水] 第06回
    「豚」+「柿」+「ミカン」=「諸事大吉」
      笑う門には福来たる?
      ユーモアあふれる吉祥文
  •  11月14日[木] 第07回
    ゆっくり急げ!
      イルカと錨。亀と龍。
      相反する事物の意味は?
  • 11月18日[月] 第08回
    彫られた文字  石のエクリチュール
      堅牢な石に彫られた碑文
      その軌跡をたどり、文字の歴史を知る
  • 11月19日[火] 第09回
    グルメな書家 蘇軾ソショク 中国料理店で寄り道
      美味しい、美味しい、トウロンポウ
      書にまつわる美味しいおはなし
  • 11月20日[水] 第10回
      An essay of the typography.
        ところで、タイポグラフィって何でしょう?
  • 11月21日[木] 第11回
    贅沢短歌  心を豊かにする短歌講座
      現代日本人の多くは、残念ながら
      150年以上前の書物をスラスラとは読めません。
  • 11月25日[月] 第12回
    印刷用の書体 明朝体と宋朝体《前編》
      活字書体の「明朝体」って
      中国の文字ではないの?
  • 11月26日[火] 第13回
    印刷用の書体 明朝体と宋朝体《後編》
      活字書体の「明朝体」って
      明の時代の文字ではないの?
  • 11月27日[水] 第14回
    分子生物学からみるメディア論
      DNA と活版印刷術
      実はこのふたつ、とても似ているのです
  • 11月28日[木] 第15回 最終回 
    活字よ 永遠に――――
      ウーパールーパーとサラマンダー
      活版印刷術とのふしぎな関係 

『平野富二伝』刊行記念 展示・講演会終了いたしました

《両日とも好天に恵まれ、多くの皆さまにご来場いただきました》
2013年11月30日[土]、12月01日[日]の両日にわたって開催された『明治産業近代化のパイオニア――平野富二伝』刊行記念展示・講演会(主催 平野家、協力:朗文堂、後援:理想社・タイポグラフィ学会・アダナプレス倶楽部)は、多くのご来場者をお迎えして無事に終了いたしました。
ご来場いただきました皆さま、ご協力いただきました皆皆さまのご尽力にふかく感謝いたします。
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著者:古谷昌二氏の講演会は、用意した椅子席がたりなくなるほどの盛況で、明治産業近代化に果たした平野富二の功績の大きさに、ご来場者もあらためて驚かれたというご感想が多かったようです。またはじめて公開されました平野家所蔵品は、平野富二の逝去後、関東大震災、戦禍などの大きな災禍のなかでも、平野家一門によってたいせつに守りぬかれてきた品品でした。これらの一次資料の数数に、皆さまは熱心にみいっておられました。
『平野富二伝』著者・古谷昌二氏と実兄・古谷圭一氏ご来場いただきました皆さま、ご協力いただきました皆皆さまのご尽力にふかく感謝いたします。
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後援いただきました タイポグラフィ学会 は、本木昌造賞平野富二賞 の両賞をもうけており、
「平野富二賞は、タイポグラフィの普及発展に著しく功績のあった個人及び団体に対するもので、その対象者は社会へのタイポグラフィの認識を高める行動及び啓蒙などにおいて、その事績が本学会にとどまらず、広く社会に貢献していると認められるものです」
としており、両賞関連資料の展示と、その活動報告をされました。

理想社 は、今回の展示・講演会にさいし、相当量作製されたパネル類の製作に協力いただき、また搬出入にもご協力いただきました。
平野富二自作短歌わが アダナプレス倶楽部 は、平野家にのこされた池原香穉カワカの画幅・書軸・短冊の多いことにひそみ、本木昌造活字復元プロジェクトで再生した、いわゆる「和様三号活字」をもちいて、平野富二の明治20年自作短歌、
「世の中を 空吹く風に 任せ置き  事を成す身は 國と身のため」
の活字組版を用意して、小型活版印刷機 Adana-21J によってご来場者ご自身での印刷体験をしていただきました。
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《掃苔会と、通運丸雑司ヶ谷ダラーイドックでの進水式》
会場となった日展会館の近くには「谷中霊園」があります。ここには平野富二の巨大な顕彰碑と塋域があり、その友人・知人の墓地もたくさんあります。幸い好天にめぐまれ、平野家ご長老の参加をふくめ、意義深い「掃苔会」となりました。

また展示には平野富二設立「石川島平野造船所」に源流を発する企業「株式会社 IHI 」のご協力もいただきました。
展示の一環として船の模型を拝借しようとしたこころ、模型とはいえやはりそこは船で、とても気軽に移動するわけにはいかず、急遽紙製のちいさな模型を製作・展示することとしました。

平野富二の業績のうち、活字製造と活版印刷機器製造の分野には、インキ(英:インク)、ピンセット(英:ツィーザー)などのオランダ語由来はことばがのこります。
もうひとつの造船・機械製造業の分野でも、やはり江戸期長崎出島からの情報発信のなごりがみられ、「ダラーイドック」などとしるされています。
これは英語ではドライドック、現在でも乾式船渠とされるようですが、今回の通運丸の製作は、雑司ヶ谷のマンションの一室「雑司ヶ谷ダラーイドック」で進水・艤装されて、無事に展示されました。

もうすこし整理がすすみましたら、詳細報告の舞台を 《朗文堂  タイポグラフィ・ブログロール 花筏》 に移して順次ご報告いたします。

『平野展』ポスターL

明治産業近代化のパイオニア
『平野富二伝』 考察と補遺  古谷昌二編著
刊行記念 展示・講演会
─────────
日 時 : 2013年11月30日[土]-12月01日[日]
      11月30日[土] 展示 観覧  10:00-16:30
                  著者講演会 14:00-16:00
             12月01日[日]  展示 観覧  10:00-15:00
                 掃 苔 会   10:00-12:00
      編著者・古谷昌二氏を囲んでの懇話会、サイン会は、会期中随時開催
会 場 : 日展会館
             東京都台東区上野桜木2-4-1 電話 03-3821-0453
─────────
主 催 : 平 野 家
協 力 : 朗 文 堂
             東京都新宿区新宿2-4-9 電話 03-3352-5070 
後 援 : 理想社/タイポグラフィ学会/アダナ・プレス倶楽部

【イベント開催趣旨】
平野富二没後120年、平野活版製造所(のちの東京築地活版製造所)設立140年、石川島造船所(のちの石川島平野造船所・現 IHI)創業160年という記念すべき年にあたり、古谷昌二氏編著『平野富二伝』が刊行されました。

本展示講演会は『平野富二伝』に詳細にしるされた、明治前期の活字版印刷術の黎明期に、活字製造、活版印刷機器製造ならびに技術基盤の確立に活躍し、ついで、造船、機械製造、土木工事、鉄道敷設、水運開発、鉱山開発など、わが国近代産業技術のパイオニアとして、おおきな業績をのこした平野富二(1846-92)に関して、これまで一般にはあまり知られていなかった事績を発掘し、その全貌を紹介し、再認識していただくことを目的とします。

同時に、明治前期の工業界をリードした、技術系経営者としての平野富二の多彩な事績の紹介が、そのままわが国近代の産業技術発達史の一断面をなすものであるとの認識のもとに、関東大震災や第二次世界大戦の戦禍を乗りこえ、平野家に継承されてきた貴重な資料を中心に、本格的にははじめて資料を整理・展示し、《明治産業近代化のパイオニアとしての平野富二像》を描きだすものです。

『平野展』フライヤー

活版カレッジ秋季講座 終了しました。

 

活版カレッジ

朗文堂 アダナ・プレス倶楽部の直接指導により
本格的な活字版印刷術の
知・技・美の三領域をバランス良く学べます。

活版カレッジでは、科学と学術的根拠にもとづいた実践を基盤としながら、活版印刷機 Adana-21J によるケーススタディ・メソッドをふんだんに駆使し、あたらしい時代の活版印刷の現場での、現実的な課題の解決方法を学ぶことを目的とします。DSCN1834uu
DSCN1832uu

活版カレッジは、あたらしい活版ユーザーに向けた活字版印刷機 Adana-21J の製造・発売をおこなっているアダナ・プレス倶楽部が開講する活版講座です。
なにぶん4名という徹底した少人数の実践型講座ですので、造形者としての連帯感から、みなさんはすぐうち解けて、和気藹藹、にぎやかで、真摯な講座の連続でした。
撮影担当の大石が講師でもありますから、終了時のにぎやかな講座の写真は撮れませんでした。
かわりに、あたらしい仲間を下記にご紹介いたします。
────
活版カレッジ  2013年秋期講座 〈終了〉
◎ 3 ヶ月 木曜日 全9回(毎月3回) 19:00-22:00
   ※ 各コース定員4名(お申込先着順)
   ※ 毎月第1-3週木曜日の開講。
      第4-5週は基本的にお休みです。
   ※ GW・夏期休暇などに際して若干の変動があります。
◎ 徹底した少人数講座のため、お申込先着順とさせていただきます。
◎ 受講希望者多数の場合には、次期講座への予約をお勧めする場合がございますのでご了承ください。
◎ 次期の開催日時と募集の開始は、この アダナ・プレス倶楽部ニュース にて随時お知らせいたします。
◎ 《活版カレッジ》受講をご希望の方は、お気軽に、できるだけ事前に、アダナ・プレス倶楽部の@メールまで受講希望の意向をご連絡ください。一般公募に先だってご案内をさしあげます。
◎ 次回(2014年1-3月冬季)は昼間部開講の予定です。積極的なご参加をお待ちしております。
──────────────── 
《北海道美唄の出身です。名前は「でんすけ」。ぜひとも仲間にいれてください》
活版カレッジ教場の片隅にひっそりと棲息しています。名前はでんでん虫の「でんすけ」、北海道美唄の出身です。趣味は水浴び、好物は人参とキャベツです。ぜひとも皆さまのお仲間に入れてください。

北海道美唄出身、名前は「でんすけ」です。仲間にいれてください。

わたしの出身地は、下記にリンクした アダナプレス倶楽部のコラム欄 か、動画 YouTube でご覧いただけます。
アダナプレス倶楽部:コラム
【Viva la 活版 Viva 美唄  YouTube  16:19 】

朗文堂新刊『平野富二伝』刊行記念 展示・講演会のお知らせ

『平野展』ポスター

【ご紹介いただきました】
『日本経済新聞』11月25日[火]朝刊・文化欄――
文明開化 情熱の人 ◇工業製品の国産化に挑んだ平野富二の生涯◇ 古谷昌二  

明治産業近代化のパイオニア
『平野富二伝』 考察と補遺  古谷昌二編著
刊行記念 展示・講演会
─────────
日 時 : 2013年11月30日[土]-12月01日[日]
      11月30日[土] 展示 観覧  10:00-16:30
                  著者講演会 14:00-16:00
             12月01日[日]  展示 観覧  10:00-15:00
                 掃 苔 会   10:00-12:00
      編著者・古谷昌二氏を囲んでの懇話会、サイン会は、会期中随時開催
会 場 : 日展会館
             東京都台東区上野桜木2-4-1 電話 03-3821-0453
      JR 鶯谷駅より徒歩5分、東京メトロ千代田線根津駅より徒歩15分。
      日展会館案内図
─────────
主 催 : 平 野 家
協 力 : 朗 文 堂
             東京都新宿区新宿2-4-9 電話 03-3352-5070 
後 援 : 理想社/タイポグラフィ学会/アダナ・プレス倶楽部

【イベント開催趣旨】
平野富二没後120年、平野活版製造所(のちの東京築地活版製造所)設立140年、石川島造船所(のちの石川島平野造船所・現 IHI)創業160年という記念すべき年にあたり、古谷昌二氏編著『平野富二伝』が刊行されました。

本展示講演会は『平野富二伝』に詳細にしるされた、明治前期の活字版印刷術の黎明期に、活字製造、活版印刷機器製造ならびに技術基盤の確立に活躍し、ついで、造船、機械製造、土木工事、鉄道敷設、水運開発、鉱山開発など、わが国近代産業技術のパイオニアとして、おおきな業績をのこした平野富二(1846-92)に関して、これまで一般にはあまり知られていなかった事績を発掘し、その全貌を紹介し、再認識していただくことを目的とします。

同時に、明治前期の工業界をリードした、技術系経営者としての平野富二の多彩な事績の紹介が、そのままわが国近代の産業技術発達史の一断面をなすものであるとの認識のもとに、関東大震災や第二次世界大戦の戦禍を乗りこえ、平野家に継承されてきた貴重な資料を中心に、本格的にははじめて資料を整理・展示し、《明治産業近代化のパイオニアとしての平野富二像》を描きだすものです。

【イベントのおもな内容予定】
◎ 著者講演会:『明治産業近代化のパイオニア、平野富二のひとと業績』
   『平野富二伝』編著者、古谷昌二氏による講演(11月30日[土]14:00-16:00)
◎ 新刊書『平野富二伝』編著者・古谷昌二氏を囲んでの懇話会、サイン会を会期中
   会場内にて随時開催
◎ 本木昌造/平野富二の精神を継承する貴重な活字をもちいて「活版印刷」の
   実演・実体験(会期中随時開催。アダナプレス倶楽部)
◎  《初展示》平野ホール所蔵品を整理・額装・展示
   平野富二自筆原稿、書簡、書軸、賞状、任命書各種、旧蔵品(印鑑など)
◎ 《初展示》平野富二関連写真を整理・補整し、データ保管。同時に大判プリントに
   出力して展示会場内に展示。
◎ 《初展示》平野富二年譜(古谷昌二氏製作)を整理して、大判パネルにまとめて
   展示して、平野富二の業績の全貌をあきらかにする。
◎ 関連図書の展示・販売(タイポグラフィ学会、理想社、朗文堂)
◎ 明治産業人掃苔会――谷中霊園にねむる平野富二ほか著名人の墓参。
   案内役:掃苔会/松尾篤史氏(12月01日[日] 10:00-12:00)
   資料用意のため、参加ご希望のかたは@メール adana@robundo.com まで
   「掃苔会参加希望」として、11月22日までにお名前・ご連絡先をお知らせください。
◎ 東京築地活版製造所関連活字見本帳一斉展示(平野ホール、朗文堂)
◎ 《初展示》本木昌造、池原香穉などの平野ホール所蔵短冊を整理・釈読し展示。『平野展』フライヤー

平野富二と造形-活字人にして造船家、やはり造形にはこだわりが強かったようです。


『平野展』ポスターL


古谷さん肖像
《『平野富二伝』古谷昌二編著、朗文堂刊 発売日が迫りました》
発売日 : 2013年11月22日[金]
書店店頭、オンラインブックショップなどでの販売は、発売開始後すこし遅れます。

《『平野富二伝』刊行記念 展示・講演会、開催日が迫りました》

明治産業近代化のパイオニア
『平野富二伝』 考察と補遺  古谷昌二編著
刊行記念 展示・講演会


日 時 : 2013年11月30日[土]- 12月01日[日]

11月30日[土] 展示 観覧 10:00-16:30
著者講演会 14:00-16:00
12月01日[日] 展示 観覧 10:00-15:00
掃  苔  会 10:00-12:00
編著者・古谷昌二氏を囲んでの懇話会、サイン会は、会期中随時開催

会 場 : 日展会館

東京都台東区上野桜木2-4-1 電話 03-3821-0453
JR 鶯谷駅より徒歩5分
東京メトロ千代田線根津駅より徒歩15分
日展会館案内図


主 催 : 平 野 家
協 力 : 朗 文 堂
東京都新宿区新宿2-4-9 電話 03-3352-5070
後 援 : 理想社/タイポグラフィ学会/アダナ・プレス倶楽部

《新刊発売とイベントがかさなって、いささかバタバタしております》
心地よい緊張というのでしょうか。主催者:平野家のみなさま、ご後援いただいた、理想社、タイポグラフィ学会、と、それぞれ役割分担をして、大わらわでの準備作業が展開しています。
わがアダナプレス倶楽部も後援として参加しておりますので、有志のみなさまを中心に全面バックアップ態勢にあります。
編著者の古谷昌二氏は、校正を終えたばかりだというのに、講演会のデータづくりに追われています。

平野富二。体重は100Kgをゆうに超え、人力車はふたりがかりで引いたといわれるほどの、大柄な男であった。
平野富二の写真記録(部分)。推定1885年(明治18)台紙によると印刷局にて撮影。体重は100kgをゆうに超え、ふたり乗りの人力車にひとりで乗っていたと記録されるほどの、大柄な男であった。
明治10年頃の平野富二による活版製造所の活字見本帳(部分)。「MOTOGI & HIRANO」と印刷されている。平野ホール蔵。
明治10年頃の平野富二による活版製造所の活字見本帳『BOOK OF SPECIMENS』(部分)。
「MOTOGI & HIRANO」と印刷され、中央部に「丸もに H」のブラックレターがみられる。平野ホール蔵。

《平野富二-活字人にして造船事業家、造形にはこだわりがあったか》
平野富二(1846-91 弘化3-明治25 行年46)は東京築地活版製造所を創立し、つづいて石川島造船所(現 IHI) を創立した明治の造形家であり、明治産業近代化のパイオニアです。
その業績にちなみ、書籍『平野富二伝』のジャケット、ならびにその関連イベントに使用した装飾罫は、「明治16年5月新製」(築地活版製造所)として、得意先に配布された装飾罫を、デジタル技法によって精緻化し、再現して使用しました。

飾り罫01uu

東京築地活版製造所では明治16年5月-20年10月にかけて、これらのフライヤー状の「新製見本」を精力的に配布していました。

平野富二と東京築地活版製造所は、冊子型の活字見本帳として、1876年(明治9)に最初の活字見本帳を製作しています。この見本帳の扉ページには1876年と印刷され、英国セントブライド博物館が所蔵していましたが、現在では所在不明です。またその一部欠損本が、わが国の印刷図書館に所蔵されています。

その後、翌1877年(明治10)に『BOOK OF SPESIMENS  MOTOGI & HIRANO』(推定明治10年 活版製造所 平野富二 平野ホール所蔵)を発行しています。本書は知られる限り、平野ホール所蔵書が唯一本です。同書は関東大地震のとき消火の水をかぶったとされ、いくぶん損傷がみられますが、今回の《『平野富二伝』刊行記念 展示・講演会》でご覧いただけます。

1879年(明治12)には『BOOK OF SPESIMENS  MOTOGI & HIRANO』の改訂版が発行されていて、この改訂版のほうは数冊の所存が確認されています。
その後平野富二が造船業をはじめて多忙をきわめたたこともあり、しばらく冊子型活字見本帳は発行されることが無く、フライヤーのような「新製見本」を発行しつづけたようです。

この「新製見本」は『SPECIMENS OF NEW TYPES  新製見本』(明治21年2月 築地活版製造所)として再刷し、軽装の合本とされて発行されました。
『SPECIMENS OF NEW TYPES  新製見本』の裏表紙には、要旨「大型活字見本帳は目下製造中ですが、できしだいお知らせ申しあげます」とありますが、結局東京築地活版製造所の大型見本帳『活版見本』が完成したのは、大幅に遅れて、1903年(明治36)となりました。
飾り罫02uu
飾り罫01uu

《平野富二がもちいた印鑑》
印鑑uu

平野富二は相当の文章家で、さまざまな文書をのこし、その自筆による公文書類は『平野富二伝』に際して古谷昌二氏によって紹介されました。それらの書類をみると、どうやら印鑑にもこだわりがあったようで、さまざまな印鑑を使用しています。
平野家には関東大震災と戦禍を免れたふたつの印鑑がのこされています。これらも実物を展示公開の予定です。

平野富二がもちいた印鑑二点(平野ホール所蔵)。
左) 平野富二長丸型柄付き印鑑
楕円判のT. J. HIRANO は「富二 平野  Tomiji Hirano」の「富 Tomi  二 Ji」から T. J. としたものか。初期の東京築地活版製造所では、東京を TOKIO とあらわしたものが多い。この印判の使用例は見ていない。
右) 平野富二角型琥珀製四角平型印鑑、朱肉ケースつき
四角判の「平野富二」は、朱肉入りケースともよく保存されている。使用に際しては柄がないために使いにくかったとおもわれる。

《平野富二がもちいた社章》
下図4点は『平野富二伝』第12章 明治18年の事績(p.531)に紹介された社章、商標およびマークです。

商標01商標02uu
上左) 『BOOK OF SPECIMENS  MOTOGI & HIRANO』(推定明治10年)にみられる築地活版所の社標で、本木昌造の個人紋章「丸も」のなかに、ブラックレターのHがみられます。ながらくもちいられ、明治17年の新聞広告にも掲載されています。
上右) 東京築地活版製造所の登録商標で、明治19年の新聞広告からみられます。
下左) 平野富二と稲木嘉助の所有船痛快丸の旗章で、明治11年に届け出ています。装飾文字のHをもちいています。
下右) 明治18年石川島平野造船所は商標を制定し、登録しています。この商標は『中外物価新報』(日経新聞の前身 明治18年7月7日)に掲載した広告にはじめて示されています。イギリス人御雇技師(アーチボルト・キングか)の発案とされ、「丸も」のなかにサンセリフの HT が組み合わされています。

Weekend 情報:今週も頑張ったあなたに アイスクリーム《パルム》はいかがですか。

2013年11月
「豚」+「柿」+「ミカン」=「諸事大吉」 笑う門には福来たる? ユーモアあふれる吉祥文
パルム パッケージ

 平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
【森永乳業 Daily Premium Calender 】

渋いオジサン-寺尾聡 テラオサトシ というと、わたしの世代では「ルビーの指輪」が印象的です。
その寺尾聡が TV CM に登場して「ワォー」と叫んでいるのが森永乳業のアイスクリーム
「PARM パルム」です。「PARM」は人気商品で、累計10億本を越える販売実績があるそうです。
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森永乳業の巨大な Website のなかに、平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
Daily Premium Calender 」があります。 
その担当者から、「知ると面白いけれど、ふつうは気に留めたことがない」ことがらを
ひと月担当せよとのご下命が。
テーマは入門編とするが、ひと月まるごと読みすすめば、マニアも納得するコンテンツを。
しかも主たるターゲットは女性とのことでした。ウ~ンなかなか難しい。

「らしくない」のは承知ですから、最初は辞退したのですが、担当者のご熱意に負けて
{文字とは文化と歴史の結晶 ── タイポグラフィと活版印刷 ──
それは 「知」と「技」と「美」の総合技芸}
と題して、11月の月曜日-木曜日[金・土・日曜日はのぞく]都合15回にわたり
わたくし片塩と、朗文堂 アダナプレス倶楽部:大石の共著のかたちで
連続エッセイをアップしています。

なにしろコンテンツの豊富なWebsiteですから、まずはリンクから入ってご覧ください。
11月だけ15 回の連載ですが、折り返しの 7 回目までがアップされました。
ぜひとも「 Daily Premium Calender 」をご覧いただき、友人・知人にもご紹介
たまわりますようお願いいたします。