アダナ・プレス倶楽部からお知らせ

第11回 活版ルネサンス フェア

 ご来場ありがとうございました!

3月30日[金]31日[土]の両日に開催された《活版ルネサンスフェア》は、無事終了いたしました。土曜日はあいにくの天候でしたが、それでもお客さまの足は終始途絶えることなく、狭い会場いっぱいに詰めかけていただきました。
嬉しいことに、前回の《活版ルネサンスフェア》(昨年11月開催)あたりから顕著になっていましたが、家業の活版印刷所を継承しようと決意され、実践された、若いかたがあきらかに増えています。また睡眠状態にあった活版印刷機器を再整備して、カッパン事業を再開された業者さんもポツポツあらわれています。

総体としてみれば、活版印刷にはいまだに逆風が吹いています。ですから安定した給与生活から離れ、家業の活版印刷を継承されることには相当の覚悟が必要なこととおもわれます。
それでも、活版印刷という、総合技芸であり、総合産業の維持と継続のためには、アマチュア・プリンターやホビー・プリンターだけの力では限界があります。パワーのある活版業者に、あたらしい血が注ぎこまれ、いきいきと再生・復活・ルネサンスしていく姿を拝見すると、とても心強いものがあります。

こうした若い力は、祖父から、父親から、そして年配の職人から指導をうけて、どんどん成長しています。そして周辺のアマチュア・プリンターやホビー・プリンターと力をあわせて、意欲的かつ活発に《活版ルネサンス》に取り組みはじめています。
そんなあたらしい活版印刷業者の皆さんと手を携えて、一歩一歩着実に《活版ルネサンス》を実現できそうな、うれしい予感から一歩進んで、たしかな実感としてもてたことが、今回の《第11回 活版ルネサンス フェア》の最大の収穫でした。

《今回の主なご紹介アイテム  順不同》
小型活版印刷機 Adana-21J、KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫8pt, 9pt, 10pt明朝体、Paper Maker、圧盤用ラバー・クッション胴張りセット、活版専用ピンセット新旧、ジャッキとジャッキハンドル新旧、罫線各種、くじら尺、特製組みつけ台、金属インテル各種、活版用強力磁石、組版ステッキ、ファニチュア各種、工具類(ブレース鋏・鳥居鋏・罫切り鋏)、罫切り器、各サイズ込め物セット、活字倍数尺、ムラ取りハンマー&ならし木セット、ブロッキング防止パウダー、特白ウェス、無臭洗い油、インキ・ハンド・ローラー、インキべら、インキ・パッド、ゴム・ローラー・メンテナンス剤、オイルベース活版用インキ各色(1キロ缶、特製200グラム缶)、活版用墨青口インキ、ラバー・ベース・レタープレス用インキ、版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)、樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)、五号サイズメタルベース箱入りセット、新製カタ仮名活字アラタ1209、輸入欧文活字スキームセット、輸入オーナメント活字各種、凸版用スプレーボンド、文選箱新旧各種、文選箱ストッパー、セッテン、文選箱立て、組みゲラ、置きゲラ、スダレケース棚、活字サイズ照合キット

5月の「活版凸凹フェスタ2012」の会場でも《第12回 活版ルネサンスフェア》を開催の予定です。
今回の活版ルネサンスフェアの会期とご都合が合わず、残念ながらご来場いただけなかったお客様も、ぜひとも5月の連休には皆さまお誘い合わせのうえ、ご来場ください。

 祝  中野活版印刷店開業!

3月30日[金]、杉並区荻窪に「中野活版印刷店」が開業しました。偶然《活版ルネサンスフェア》と重なっていましたが、夜9時まで開催という「有限会社中野商店新事務所公式お披露目会」にお誘いいただき、フェアの終了をまって駆けつけました。

社主の中野さんはとてもパワフルなかたで、グラフィックデザイン、WEB構築を主業務とする「中野商店」、出版部門の「NSパブリッシング」のほかに、あらたに印刷部門として「中野活版印刷店」を開業されました。
事務所はデザイナーらしく、とてもおしゃれで、貨物専用エレベーターつきの地下貯蔵庫(書籍の在庫で埋まるのか、はたまた、ワイン・セラーになるなのかな)もあるという素敵なものでした。
入口近くに新設の活版印刷機 Adana-21J  がおかれていました。来場者には名前を刷り込んだコースターが手渡され、宴は相当おそくまで続いたようですが、翌日、中野さんは(二日酔いもみせずに)《活版ルネサンスフェア》に駆けつけていただきました。またあたらしいお仲間が増えました。