活版凸凹フェスタ/活版ゼミナール

《活版凸凹フェスタ 2012》では、たんなる展示に留まらず、特別企画展示、活版ゼミナールなどが連日開催されます。
一部は予約制・有料のものもありますので、本ページをご覧のうえ、ご予約・お申込みください。

◆特別企画展示◆
活字版印刷術の知と技と美をご紹介いたします。
◎ 江川活版製造所、ハワイ MānoaPress:江川次之進関連資料の展示。
◎ アルビオン型手引き印刷機とアーツ&クラフツ運動
                 ──身体性をともなった造形の歓びとは
◎ 朗文堂 ブック・コスミイク
           ──話題の新刊書、活版印刷実践者の定番書籍
◎ 朗文堂 タイプ・コスミイク
           ──欣喜堂シリーズ、杉明朝体のデジタルタイプも                         
           樹脂凸版印刷を使用すると ─アレッ  思わぬ効果が! 

 

◆活版ゼミナール◆
会期中は、毎日、楽しい活版ゼミナールを開催いたします。
ご来場日にあわせて、ゼミナールをご予約ください。
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【アルビオン型手引き活版印刷機による印刷実演】
会期中連日 適宜開催
事前予約不要 
参加費:印刷体験希望者は  1回1,800円(税込)。
見学はご自由にどうぞ。

19世紀に、英国で製造された鉄製の「アルビオン型手引き印刷機」を会場に搬入し、写真の印刷機をもちいて、欧文大型活字による印刷実演をおこないます。
印刷された作品(現在の予定では お名前)は、お持ち帰りいただきます。

【使用活字書体】
アルバータス・タイトリング(Albertus Titling)60pt.
アルバータスは、ベルトルド・ウォルプ(Berthold Wolpe 1905―1989年 ドイツ)によって設計された活字書体です。1932―40年にイギリスのモノタイプ社より発売されました。今回使用する活字は、アルバータスの中でもタイトリング用の活字であり、大文字のみの活字書体です。
書体名は13世紀のドイツの神学者であり哲学者であったアルベルトゥス・マグヌス(Albertus Magnus 1193頃―180年)に由来します。


英国/フィギンズ社、1875年製造「アルビオン型手引き印刷機」
「手引き印刷機 Hand press 」は手動で操作する印刷機の総称で、一般にはグーテンベルクらがもちいた印刷機のかたちを継承して、水平に置いた印刷版面に、上から平らな圧盤を押しつけて印刷する「平圧式」の活版印刷機です。
アルビオン型印刷機は、重い圧盤を引き上げるための、バネを内蔵した突起を頭頂部に有することが特徴で、すでに動力機が主流となった19世紀世紀末にも、ウィリアム・モリス工房や、エリック・ギルらのプライベート・プレス運動家が、五感を駆使した造形にこだわりがあって、この「アルビオン型手引き印刷機」をもちいたことが知られています。
わが国でも、東京築地活版製造所・平野富二らが、明治7年頃から製造していたことが明らかになっています。秀英舎(現:大日本印刷)の創業時の印刷機も、残存写真資料から「アルビオン型印刷機」であったことがわかります。
また、明治中期に江川活版製造所が製造した類似機を、ハワイ/Mānoa Press が所有していて、今回の《活版凸凹フェスタ》には来日はかなわなかったものの、図版参加が決まっています。


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 【印刷人掃苔会(そうたいかい)ツアー2012】 
5月3日(木・祝) 13 : 00(展示会場 朗文堂ブース に10分前に集合)―
15 : 00 頃  雨天決行
定員:15名(予約制) 参加費:2,000円(税込)
「掃苔会の栞」付き

谷中霊園、通称碑文通りにある巨碑。現在もおこなわれている「左起こしの横書き」のはじまりが、大蔵官僚だった渡部欽一郎によって、洋式帳簿のなかではじめれらたことを、時の大蔵大臣が碑文に撰しています。
ご案内は、タイポグラフィ学会事務局長/松尾篤史さんです。

テクテク歩いて、よ~く見て、ハイ ご苦労さま!
印刷人掃苔会 参加証。熊さん活字はアメリカ製。

 【ご紹介者予定 順不同】
◎岸田 吟香  
新聞人・ヘボン博士助手・点眼薬製造者・
慈善事業家・『東京日日新聞』主筆
◎内田 嘉一
福澤諭吉門下、文部官僚、
「かな の くわい」幹事、
秀英体仮名書風に影響を与えたか
◎平野 富二
東京築地活版製造所、IHI創設者、
日本近代産業の開拓者
◎平野義太郎
法学者・平和運動家・平野富二嫡孫
◎井関 盛艮モリトメ
初代神奈川県令として本邦初の日刊新聞
『横浜毎日新聞』発行させた。
◎鏑木カブラギ 清方
画家・條野傳平の子息
◎陽ヨウor ミナミ 其二ソノジ
『横浜毎日新聞』編集兼発行にあたる。
王子製紙初代支配人、『穎才新誌』発行
◎田口 卯吉
経済学者、『東京経済新聞』創刊者
◎重野 安繹ヤスツグ
歴史学者、政治家、内閣修史局編輯長
◎條野 傳平
粋人、戯作者、新聞人。『江湖新聞』
『東京日日新聞』(現・毎日新聞)創刊者
◎渡部ワタヘ  欽一郎
大蔵省書記官。
知られざる左起こし横書きの創始者
◎高橋 お伝
稀代の悪女とされるが……。
◎藤野 景響
西南戦争の電信技師。
池原香穉カワカの撰幷書の墓碑が美しい
◎宮城 玄魚ゲンギョ
粋人。書家。初期かな活字の形成に
影響がおおきかった。
◎福地 櫻痴オウチ
本名:源一郎。粋人。新聞人、政治家。
小屋芝居を常設の歌舞伎座とした。
◎中村 正直マサナオ
啓蒙思想家、教育者。
お茶の水女子大創設者
◎沼間ムマ 守一モリカズ
政治家、新聞人
…… 以下は少し離れています。
時間があったらいきます。 
◎小室コムロ 樵山ショウザン
書芸家。
弘道軒清朝活字の原字製作者。
◎巻  菱湖リョウコ
書家。幕末の三筆。
門人一万と号す
◎仮名垣カナガキ 魯文ロブン
粋人。新聞人。文筆家。 

掃苔ソウタイとは、墓石の苔コケを掃くことで、転じて清掃・墓参りを意味します。《活版凸凹フェスタ2012》の会場「日展会館」のまわりには、印刷人が多く眠る「谷中霊園」や、お寺、印刷関連の石碑も豊富な「上野公園」などがあります。
本来の掃苔会は、勝手にどんどん不定期開催ですが、外部の皆さんをお誘いするかたちでの開催には、あまりにマニアックだとして異論がありました。ところが前回は満員御礼の盛況でした。そこで今回も「5人くらいお集まりいただければ……」と気軽にかまえています。
タイポグラフィ学会事務局長の松尾篤史さんの解説とともに、「日展会館」周辺の印刷人ゆかりの地をめぐる、とてもマニアックで、充実したツアーです。
皆さんもごいっしょに、わが国の印刷の発展に尽力した先達を偲び、石碑に刻まれた書体の秘密を解明してみませんか。

お申し込みしめきり日:4月25日(水)
*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 掃苔会(そうたいかい) 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
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【花型活字を使ってオリジナルレターセットをつくろう!】
5月3日(木・祝) 
① 10 : 00―12 : 00 
② 14 : 00―16 : 00
定員:各回4名(予約制) 参加費:3,000円(税込)

花型活字と欧文活字を使って、お名前入りの素敵なオリジナルレターセットをつくりましょう。
お申し込みしめきり日:4月25日(水)

*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 花型活字レターセット 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
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 【2種類のハンドモールドで活字をつくろう!】
5月4日(金・祝)
① 13 : 00―14 : 30
② 15 : 00―16 : 30
定員:各回6名(予約制) 参加費:5,000円(税込) テキスト2種付

ハンドモールド(手鋳込みの活字鋳造器)を用いて活字鋳造の体験をおこないます。今回は、初期の活字鋳型の研究をされている元三省堂印刷の伊藤伸一さんと、タイポグラフィ学会会員の渡辺 優スグルさんのご協力のもと、なんとも贅沢なことに、2種類のハンドモールドをもちいて、活字鋳造体験を予定しています。
ひとつは、15世紀半ばに西洋式活字版印刷術を開発した、ドイツのグーテンベルクがもちいたとされる「手鋳込み式活字鋳造器」の想定図をもとに、渡辺優さんが復元したものです。

もうひとつは、伊藤進一さん所有のハンドモールドで、スミソニアン・国立アメリカ歴史博物館の学芸員で、初期活字鋳型の世界的な研究者である、スタン・ネルソンさんによって復元されたものです。できあがった活字を使って、小型活版印刷機 Adana-21J で記念カードの印刷もおこないます。

お申し込みしめきり日:4月25日(水)
*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ ハンドモールド 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。

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【印刷の四大版式の違いを学ぼう!】
5月5日(土・祝) 13 : 00―16 : 00
定員:8名(予約制) 参加費:5,000円(税込)

凸版印刷の一種である「活字版印刷」をより深く理解していただくためには、ほかの版式や技法に接することも重要です。
「版画工房  フジグラフィックス」の楚山俊雄さんのご協力のもと、印刷の四大版式「凸版・凹版・平版・孔版」すべての印刷体験を通して、その違いや特性を学ぶゼミナールです。             株式会社フジグラフィックスWebsiteより。リトグラフの作業風景。
  写真は楚山俊雄さん。

お申し込みしめきり日:4 月25日(水)
*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 印刷の四大版式 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。

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【記念カードを印刷しよう!】
5月6日(日)11 : 00―12 : 00、13 : 00―14 : 00 内の随時
事前予約不要 参加費:無料
活字版印刷機 Adana-21J を使って記念カードの印刷を体験していただきます。

  

◆カッパン・ルネサンス・フェア 12th Times◆
カッパン実践家のための、新旧の関連資材・関連機材の展示即売会です。どんな新開発機器、関連資材、また掘り出し物があるか、ご来場のうえお楽しみください。
小型活版印刷機をお持ちで、補充機器・部品をお探しのかたは、インテル、ファニチュア等の選択の目安として、ご自分の活版印刷機のチェースの内枠の大きさを、紙に筆記具で型取りしたものをご持参ください。