活版凸凹フェスタ 一時中止のお知らせ

5年間、ありがとうございました。 

烏兎怱怱 ウトソウソウ ── 月日が経つのは早いもので ── アダナ・プレス倶楽部の活動は7年目にはいりました。この間皆さまの熱いご支援にたいして厚く御礼をもうしあげます。
おかげさまで、発足当時には想像もできなかったほど、たくさんの活版愛好家や、活版印刷実践者が次々と誕生し、発表の場もしだいに増加をみるようになりました。


朗文堂 アダナ・プレス倶楽部では、2008年から例年、
「五月の連休は活版三昧 !!」
を合言葉に「活版凸凹フェスタ」を開催してまいりました。
このイベントもおかげさまで、昨年の「活版凸凹フェスタ 2012」で5年目の節目の年を迎えることができました。
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ところで、昨今の新しい活版印刷実践者の増加と、その活発な活動の状況を拝見し、わが国に活版印刷再興の息吹が着実に根づいたことを嬉しく感じますとともに、
「何はともあれ、まずは活版印刷の裾野を広げること」
という、「活版凸凹フェスタ」の初期の目的と役割は、ひとまず達成されたものと判断いたしました。

そこで、アダナ・プレス倶楽部では、活版印刷の普及と定着にむけて、次なるステップへと移行するために「活版凸凹フェスタ」をひとまず区切りをつけさせていただくことになりました。
今まで「活版凸凹フェスタ」を支えてくださいました、ご出展の皆さま、ご来場の皆さま、ご協力の皆さま、まことにありがとうございました。
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アダナ・プレス倶楽部はちいさな組織ですが、それでも北は北海道から、南は沖縄まで、多くの会員がひろく展開して、活動されています。
これからしばらくは、そんな全国の会員の皆さまと手を携えて、今後とも活版印刷の今日的な意義と、その魅力の奥深さをより一層追求し、活字組版を中心とした実践と発表の場のさらなる充実をめざしてまいります。
そのために、多くの会員の皆さまが集中して活動されている首都圏での展示は、しばらく皆さまにお任せし、あらなた展示活動の場での展開を中心にはかることにいたしました。

もちろん「活版カレッジ」の開講と、恒例の「活版ルネサンス」開催はもとより、各種団体・企業・教育機関などの、ご企画・ご依頼にもとづく「活版ゼミナール」などは、こんごとも首都圏でも積極的に継続してまいります。

毎年恒例の「活版凸凹フェスタ」を楽しみにされていた多くの活版印刷実践者と、その支持者の皆さまには「活版凸凹フェスタ」の一時中止は、まことに申しわけなく存じますが、今後は、あらためてじっくりと構想を練り、技芸を磨く準備期間や、制作期間を経て、「ものづくり」と真剣に向き合うための姿勢や環境を重視した、あたらしい活動につなげてまいりたいと考えております。

今後ともアダナ・プレス倶楽部は進化の歩みをつづけてまいります。
活版印刷普及のさらなる発展のため、あらたなステージへ踏み出すアダナ・プレス倶楽部にたいし、今後ともご理解・ご協力を賜りたく、よろしくお願い申しあげます。
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《想いでがいっぱい、活版凸凹フェスタ》
「五月の連休は活版三昧!!」
「ファインプレスの祭典」
「型、形 ── カタカタ祭り」
「凸版・凹版・平版・孔版 ── 印刷の四大版式の集合」
このようなさまざまなスローガンを掲げ、5年間、都合4回開催された「活版凸凹フェスタ」です。

なにぶん非力な主催者、アダナ・プレス倶楽部のことでしたから、いたらぬ点は多多ございました。それでも活版カレッジの修了生を中心に、アダナ・プレス倶楽部会員の皆さま、出品者、出展企業の皆さまのさまざまなご協力と、ご来場者さまのご支持をいただきながらの開催でした。
例年の「活版凸凹フェスタ」のご来場者は毎回数千名を数え、さまざまなご予定が多い連休中のさなかにもかかわらず、北海道から、九州から、四国からと、ご遠方からも足をお運びいただくかたが多い「活版凸凹フェスタ」でした。

それらの記録は、この「アダナ・プレス倶楽部ニュース 過去ログ」に細大漏らさず収納されています。
「活版凸凹フェスタ」の一時中止を決定したいま、あらためてその記録をみますと万感のおもいがございます。

「活版凸凹フェスタ 2011」は、会場予約と会場費の支払いを終え、出品・出展者の申込み受付も完了した直後の、2011年03月11日に襲った「東日本大震災」のために、さまざまな逡巡と葛藤のすえ、急遽中止を決定したものでした。
2013年(平成25年)01月30日時点で、震災による死者・行方不明者はおよそ19,000人、建築物の全壊・半壊は、合わせて39万戸以上、ピーク時の避難者は40万人以上にのぼったとされています。
またこの震災の傷跡はいまだに癒えたとはいえず、復興庁によりますと2013年01月17日時点の避難者などの数は、いまなお31万6,353人となっています。
さらに地震と津波にともなう福島第一原子力発電所の大災害は、残念ながらいまだに終熄をみたとはいえません……

《そして、再開した 活版凸凹フェスタ 2012と、そ の写真記録》