【研修旅行】東京都あきるの市五日市町の秋川渓谷にある「ふるさと工房」で{紙漉きツアー} 好評裡に終了!

自分で漉いた本物の手漉き紙と、美味しい空気がお土産でした!

2010年10月02日、好天に恵まれ、東京都あきるの市五日市町の秋川渓谷にある「ふるさと工房」で《手漉き紙ツアー》が開催されました。
主催は朗文堂活版カレッジでしたから、皆さん本物のタイポグラファであり、活版印刷実践者の皆さん17名でした。

それでも会員の皆さんにご案内したときは、本当に東京都内で手漉き紙の抄造が体験できるのかと半信半疑のかたもいらっしゃいました。
それでも五日市町の軍道紙 グンドウガミ の伝統を継承する「ふるさと工房」に集合したときは、あたりの緑豊かな景観と、清らかな秋川の渓流と渓谷美にううっとりとした表情でした。

総勢17名+1 の紙漉き風景は壮観でした

まず学芸員によって、手漉き紙の主原料となる楮(こうぞ)と、ネリにつかわれるトロロアオイの根の説明があって、さっそく紙漉き開始。
今回は舟(材料槽)三つを借り切っての本格抄造とあって、ほとんど全員が初体験とは思えない鮮やかな手つきで黙々と抄造に励みます。サイズはA3、ハガキサイズ、名刺サイズとさまざまでしたがみんな目的意識をもってそれぞれのサイズを選択しての抄造でした。
工房前のコウゾの説明をうける。

楮の植栽の前で学芸員から説明を受ける

ところで堂主やつがれ! 実はオヤジの生家が雪国の貧しい農家で、冬場は紙漉が盛んであった関係で、しもやけの手で手伝わされた苦い思い出があった。そこで途中は中抜けして秋川渓谷をお散歩。そして「喫茶むべ」の珈琲を愉しんでおりました。皆さんは熱中していましたから気づかれなかったはず。
そしてやおら最終版に、なにくわぬ顔で登場しての抄造作業開始。ハガキサイズ二面付け枠を用いての堂々の勇姿ですが、あとで写真をみると、メンバーの心配そうな視線を浴びての抄造ではありました。

皆さんは笑いを堪えているのか、はたまた心配しているのか?

しつこいようですがトロロアオイ。工房の前には大型フラワー・ポットに植えられたトロロアオイがもう種子をたくさん付けており、花はこの写真の一輪だけでした。
ふるさと工房からこの種をわけていただきましたので、来年はたくさんの苗をおわけできそうです。五月中旬に種まき、六月定植、八月末開花のスケジュールです。

ところで……、ウチのトロロアオイはまだ花をつけません。毎朝の水遣りのあと、「ロダンの椅子」に腰を下ろしてジーッと見ているのですが。もしかすると……、此奴は花をつけてしまったら、根っこごと抜かれるのをいやがっているのかな? と。

トロロアオイの花と種子

サービスカットは、ふるさと工房から徒歩圏内のランチョン会場「黒茶屋」の厠の暖簾です。
レタリング関係の書物ではこうした文字を「籠字」としたものもありますが、チト疑問。「籠字」は双鉤字であり、籠写しにした文字です。関心のあるかたは『広辞苑』でご確認ください。

それではこうした文字はなんというのか、「箱字?」……。かつてはイナセな職人のハッピなどでよくみた形象です。厠の暖簾で恐縮ですが、ご存知のかたはご教授ください。

黒茶屋と書いてありました。厠の暖簾