茨城県近代美術館
土とともに
美術にみる〈農〉の世界
―ミレー、ゴッホ、浅井忠から現代のアーティストまで―
開催期間 2023年7月8日[土]- 9月3日[日]
会 場 茨城県近代美術館
茨城県水戸市千波町東久保666-1 TEL 029-243-5111
開館時間 午前9時30分 - 午後5時(入場は 午後4時30分 まで)
休 館 日 月曜日 * ただし、7月17日[月・祝]は開館、翌18日[火]は休館。
* 会期中、一部作品の展示替があります。
入 場 料 一 般 1,100円/満70歳以上 550円/高大生 870円/小中生 490円
* 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照
主 催 茨城県近代美術館
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農村や農民が描かれた絵画から、農業をテーマとする現代アートまで、
日本各地から精選した約100点により、美術に表れた〈農〉のイメージを探ります。
近年、気候変動や武力紛争によって生じる食糧危機が身近となるなか、わたしたちの命を支える〈農〉があらためて注目されています。本展はこの〈農〉をテーマとするものですが、ここでの〈農〉とは、田畑を耕して農作物を作ることに加え、農家の人々や農村の風景を含め、農業をとりまく諸々のことがらを指します。
絵画作品には昔から、農作業をする人々の姿が描かれてきました。19世紀には、現実をありのままに描く自然主義芸術のモティーフとして、また産業革命後には都会人を癒す風景として、田園や農民がよりクローズアップされます。一部の画家たちは、とりわけ働く農婦の姿に健康的な美を見出し描く対象としました。一方で、農村における貧困や農民運動などをテーマとする画家たちも登場します。第二次大戦後の高度成長を経た日本では、あらためて人間と自然との関係に注目し、独自の感性で〈農〉にアプローチする作家たちが現れています。
本展では、〈農〉をめぐる多様な作品を5つのテーマに分けて考察します。日本各地の美術館などから選りすぐった約100点の作品により、美術にみる〈農〉の世界をお楽しみください。
ジャン=フランソワ・ミレー《刈り入れ》 1866-67年 ひろしま美術館蔵
ジャン=フランソワ・ミレー《落ち穂拾い(初版)》 1855年 山梨県立美術館蔵
フィンセント・ファン・ゴッホ 《座る農婦》 1884-85年
公益財団法人諸橋近代美術館蔵
福田豊四郎《秋田のマリヤ》 1948年
秋田県立近代美術館蔵 *前期(7/8-8/6)展示
フライヤー オモテ面:メーンビジュアル
ジュール・ブルトン《朝》 1888年 山梨県立美術館蔵
◆ 見どころ ◆
1.〈農〉をめぐる近現代の美術作品を多彩なジャンルから紹介!
近代以降のフランスと日本における、農村や農民をモティーフとする絵画や彫刻、農業をとりまく多様な事象をテーマとする現代アートなど、日本各地から精選した、〈農〉をめぐる多彩なジャンルの作品約100点を展示。
2. ミレーやゴッホらの有名画家による農婦のイメージ
バルビゾン派のミレー、印象派のピサロらが描いた、魅力的な農家の女性像に加え、オランダ時代のゴッホによる農婦像を紹介。画家たちは、農作業や家事育児に励む女性たちに労働の尊さと健康美を見出しました。
3. 明治から昭和の画家たちが描いた、ふるさとの風景
明治時代には日本人口の約7割、第二次大戦後直後には約5割が農家でした(農業従事者数とは別)。農村出身の画家たちの中には、郷里にとどまる場合も、あるいは郷里を離れて都会や海外へ出た場合も、愛する故郷を度々描いた者がいました。小川芋銭や小野竹喬などの近代日本画に描かれた農村を中心に紹介します。
4. 弱者への共感、農村問題への関心に基づいて表された農民たちの姿
農村は、理想郷のごとく描かれることもありましたが、実際の農民たちは、生活上の困難に直面することが多かったといえます。そうした農民の現実を見つめ、既存の権力に抵抗し立ち上がる農民運動をテーマにした作品に焦点を当てます。日本の版画家たちに大きな影響を与えたドイツの女性画家ケーテ・コルヴィッツの連作『農民戦争』全点、そして北関東を中心とする日本の版画運動家たちによる木版画などを展示します。
5. 多様なアプローチで〈農〉にせまる現代アートの競演
福田玲子、野沢二郎、大森薫子ら茨城ゆかりの作家、草間彌生、米谷健+ジュリア、雨宮庸介、スプツニ子!ら国際的に活躍するアーティストたちによる、多様な〈農〉へのアプローチを紹介。宮城在住の日本画家、浅野友理子による茨城のほしいも産業をテーマにした新作も。〈農〉にまつわる魅力的なアートが一堂に会します。
※ 作品画像は 茨城県近代美術館 より拝借したものです。二次引用などはご遠慮ください。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 茨城県近代美術館 ]