月別アーカイブ: 2023年8月

【展覧会】しばしのお別れ|国立劇場|伝統芸能情報館|国立劇場所蔵芸能資料展|’23年8月26日-10月26日|2023年10月末 全館閉鎖/閉場 長期休館

さようなら 三宅坂・半蔵門の国立劇場 ── 未来へつなぐ国立劇場プロジェクト
初代国立劇場・国立演芸場・さよなら公演・記念事業
◆ 国立劇場・国立演芸場・伝統芸能情報館は令和五年/2023年10月末に閉場・閉館します ◆
チラシ_表_改版
錦絵「清玄堕落之図」月岡芳年画 国立劇場錦絵「清玄堕落之図」月岡芳年画   国立劇場
「俳優待春図」歌川国長画 国立劇場「俳優待春図」歌川国長画   国立劇場
「海老」の図と「こしをれと」の歌 八代目市川團十郎画 七代目市川團十郎筆 国立劇場「海老」の図と「こしをれと」の歌
八代目市川團十郎画 七代目市川團十郎筆 国立劇場チラシ_裏_改版

国立劇場 伝統芸能情報館
国立劇場所蔵芸能資料展
会  期  令和5年(2023年)8月26日[土]- 10月26日[木]
開館時間  午前10時から午後6時
場  所  国立劇場伝統芸能情報館  1階  情報展示室
      102-8656 東京都千代田区隼町4-1 TEL 03-3265-7411
休  室  日  なし(会期中無休)
入  場  料  無料
監  修  石橋健一郎(古典芸能研究家)
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国立劇場は昭和41年(1966)の開場以来、伝統芸能の公開や伝承者の養成とともに、芸能資料の収集と活用を事業の大きな柱の一つとしてきました。開場から57年を迎え、劇場設立時の政府出資品に加えて、これまでに収集された資料は膨大な点数となりました。これらの資料は、収集事業にご賛同いただいた方々からの寄贈品がその多くを占めています。
初代国立劇場 及び 初代国立演芸場 の掉尾を飾る展観となる本展では、寄贈品を中心に国立劇場の代表的な所蔵資料を一堂にご紹介いたします。名品、優品、貴重な芸能資料の数々をどうぞお楽しみください。

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bnr_footer_02< 国立劇場閉場と 2029年再開への歩み >
国立劇場(東京都千代田区)を運営する独立行政法人「日本芸術文化振興会(芸文振)」は、2022年6月17日、劇場の建て替えに伴う再整備計画の概要を発表した。
国立劇場は、日本の伝統芸能の拠点として、歌舞伎や文楽、日本舞踊などが上演されている。しかしながら、1966年の開場から55年が経過し、老朽化が進んでいた。
本年10月末の閉場後、4棟の建物(大劇場・小劇場、演芸場、事務棟、伝統芸能情報館)を全て取り壊し、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)の手法で、劇場のほか、民間経営のホテル、レストランなども入った施設を整備する。再開場は2029年秋の見込みとしている。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上、ご観覧を。
[ 詳 細 : 国立劇場 国立劇場さよなら公演  国立劇場 伝統芸能情報館
{新宿餘談}
松竹社員の友人が歌舞伎座で<歌舞伎美人ーかぶきびと>なる情報コーナーを担当し、やがて国立劇場 伝統文化資料館に移動した。友人は病歿したが稿者はいまだにこの情報コーナー支援を継続している。すべては <歌舞伎美人-かぶきびと> からはじまった。ゆえに寂寥感はひとしおである。

【展覧会】髙島屋史料館|企画展 万博と仏教―オリエンタリズムか、それとも祈りか?|’23年8⽉5⽇-12⽉25⽇|終了

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髙島屋史料館
企画展 万博と仏教
― オリエンタリズムか、それとも祈りか?
会  期  2023年8⽉5⽇[土]- 12⽉25⽇[月]
開館時間  10:00 - 17:00(入館は 16 : 30 まで)
休  館  日  火・水曜日
会  場  髙島屋史料館企画展示室
      556-0005 大阪市浪速区日本橋3-5-25 高島屋東別館3階
      電 話:06-6632-9102
監  修  君島彩子(宗教学者、和光大学講師)
主  催  高島屋史料館 TOKYO
入館無料
────────────────────大阪史料館0902◆【展覧会】高島屋史料館|企画展   万博と仏教―オリエンタリズムか、それとも祈りか? ◆
本展では、万国博覧会に出展された仏教に関連する展示物を概観しながら、近代における仏教のイメージの受容と、その変遷について考察してみたいと思います。

いち早く近代化を果たした欧米列強は、産業振興のため、そして国力を誇示するために、多くの万国博覧会を開催してきました。19世紀以降、日本もこうした流れに遅れまいと参加してきましたが、今回、本展で注目するのは、この万国博覧会に日本が出展してきた多くの仏教に関係する造形物です。
例えば、明治政府として初の公式参加となったウィーン万国博覧会 (1873年) では、《鎌倉大仏頭部の張子》や《五重塔の模型》が展示されました。さらには、シカゴ万国博覧会 (1893年) で建設された《平等院鳳凰堂外観を模した日本館》では、仏教イメージは展示物だけにとどまらず、パビリオンの外観そのものにも表出していきました。こうした仏教イメージが、西洋からのオリエンタリズムのまなざしを内面化したものとして用いられたことは容易に推察されます。他方で、日本がそれを戦略的に利用した背景にも興味深いものがあります。

また同時に注目したいのは、1970年に開催された日本万国博覧会 (大阪万博) における仏教イメージのあり方です。これは、アジア初の万国博覧会として知られていますが、即ちそれは、仏教を信仰する人々が多数訪れる初めてのそれであることも意味していました。そのため、これまでの欧米における万国博覧会では、あくまで物質として機能し、おおよそ信仰とはかけ離れた存在であった仏教関係の展示物が、大阪万博では多くのアジア諸国からの来場者に、信仰の象徴が展示された空間として受け止められたのです。博覧会における仏教イメージが、オリエンタリズムから宗教的意味を帯びる存在へと変化したという点において、画期的な万博だったと言えるでしょう。
 本展が万博の、そして近代仏教の新たな魅力が発見される契機となれば幸いです。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳細 : 髙島屋史料館

【展覧会】ベルナール・ビュフェ美術館|開館50周年 “ビュフェ・スタイル ”とは何か?|’23年4月1日-11月7日

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ベルナール・ビュフェ美術館
“ ビュフェ・スタイル ” とは何か?

開館50周年 唯一無二のそのスタイルを、たっぷりお楽しみください。
開催期間  2023年4月1日-11月7日[火]
開館時間  10:00-17:00  * 11月からは16:30閉館。入館は閉館の30分前まで
所  在  地  411-0931 静岡県長泉町東野クレマチスの丘515-575  TEL 055-986-1300
入  館  料    大人:1000円、高・大学生:500円、中学生以下:無料
      * 各種割引、優待情報などは下掲詳細参照
休  館  日  水曜日・木曜日
開館時間   10:00-17:00    *  11月からは16:30閉館。入館は閉館の30分前まで
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20230815140013_00002第二次世界大戦後のフランスにすい星のごとく現れた青年画家。灰色と栗色の画面、黒く鋭い輪郭線、画面を埋め尽くすひっかき傷のような線、顔に深い皺をきざみ、引きのばされやせ細った人物、不思議な配置の静物、人っ子ひとりいない町………虚無感に満ちた時代の空気を切り取り描いた彼の絵は、一度見たら忘れられない独特の輝きを放っていました。
20歳を前にして確立されたそのスタイルは、ベルナール・ビュフェという画家を唯一無二の存在に押し上げることになります。その後ビュフェは50年にわたって制作を続け、その線や色彩を変化させ、描く対象を広げていきますが、何をどう描こうと「ビュフェ・スタイル」は貫かれていました。
若くして時代の寵児となり、画家であることの幸せと苦しみを常にあわせもちながら20世紀を駆け抜けたビュフェ。この展覧会では、初期から晩年までの作品約100点を通してその変遷をたどるとともに、そこに貫かれた「ビュフェ・スタイル」を見つめます。様々なテーマと表現に挑んだベルナール・ビュフェの芸術、そしてその人生と人物像を、たっぷりとお楽しみください。

<ベルナール・ビュフェ>
ベルナール・ビュフェ(Bernard Buffet、1928-1999) は、フランス・パリ出身の具象
画家。19歳の若さで批評家賞を受賞し、パリ画壇に衝撃的にデビューする。黒い輪郭
線と抑制された色使いで、第二次世界大戦後の不安や虚無感を描きだしたと支持され、
一躍ビュフェ現象を巻き起こした。
その独自の表現は、没後20年を過ぎた今、あらためて注目を集めている。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : クレマチスの丘 ベルナール・ビュフェ美術館 

【展覧会】深沢紅子 野の花美術館|生誕120年記念 深沢紅子 野の花によせて展 + イベント 野の花さんぽ|’23年6月28日-10月23日

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深沢紅子 野の花美術館
生誕120年記念 深沢紅子 野の花によせて展
期  間  2023年6月28日[土]- 10月23日[月]
      会期中無休
会  場  深沢紅子野の花美術館
      軽井沢タリアセン内
      389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉217 電話:0267-45-3662
      * 軽井沢高原文庫から 徒歩5分 の所にあります。
開園時間  軽井沢タリアセン 午前9時 - 午後5時  * 12月・1月は 午前10時 - 午後4時
入  館  料  深沢紅子野の花美術館入館券 大 人 600円  小中学生 300円
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軽井沢にゆかりをもち、野に咲く花を描き続けた洋画家・深沢紅子(ふかざわ こうこ 1903-1993)は、今年生誕120年を迎えます。
深沢紅子は、1964年ころから約20年間、軽井沢の堀辰雄1412番山荘(現在、軽井沢高原文庫に移築)を借用して夏を過ごし、高原の野の花を多く描きました。同美術館がこれまで収集した作品群と、近年あらたに寄贈された作品の中から水彩・油彩約50点を選び、ご紹介します。

◆ 深沢紅子 プロフィール ◆
深沢紅子は1903(明治36)年、岩手県盛岡市に生まれました。16歳の時上京し、女子美術学校日本画科に入学、その後同校の西洋画科に転科、岡田三郎助に師事して西洋画を学びました。1922(大正11)年、同郷の画家・深沢省三と結婚。1925(大正14)年には二科会に初入選、その後、一水会、女流画家協会などで活躍、1952年からは一水会委員として、1993(平成5)年に亡くなる直前まで創作活動を続けました。
◆ 軽井沢との関わり ◆
19358(昭和10)年、詩人・津村信夫の詩集『愛する神の歌』の装画を依頼されたことをきっかけに、深沢紅子は初めて軽井沢を訪れました。堀辰雄、立原道造など、軽井沢ゆかりの文学者たちと親交を持った紅子は、信州・軽井沢の清冽な自然に魅せられ、戦後、堀辰雄の別荘を借り受け、約20年間夏の間を過ごすようになりました。軽井沢では、幼い頃より魅了されて以来、生涯にわたり愛した、高原に咲く野の花を描きました。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 深沢紅子 野の花美術館 軽井沢タリアセン

深沢紅子野の花美術館  軽井沢タリアセン山野草ガイドツアー
野の花さんぽ
2023年6月-10月 第4土曜日の恒例イベント
深澤0703深沢紅子野の花美術館  軽井沢タリアセン山野草ガイドツアー
野の花さんぽ
2023年6月-10月 第 4 土曜日の恒例イベント
日  時  2023年6月24日㈯、7月22日㈯、8月26日㈯、9月23日㈯、10月28日㈯
      * 小雨決行
料  金  深沢紅子野の花美術館入館券(大 人 600円、 小中学生 300円)
定  員  10名程度  * 要予約
ガ  イ  ド  軽井沢サクラソウ会議・自然観察指導員
集  合  当日、深沢紅子野の花美術館入館券またはミュージアムセット券ご購入のうえ、
      12時55分に深沢紅子野の花美術館までお越しください。
予約方法  電 話 0267-46-6161 または FAX 0267-45-3663まで連絡ください。
      (予約は 前日15時まで 受付けております)

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 深沢紅子 野の花美術館 軽井沢タリアセン

【展覧会】秋田県立近代美術館|特別展 奇想天外 × 大胆不敵 浮世絵師 歌川国芳展 ~|’23年9月9日-11月5日|終了

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秋田県立近代美術館
特別展
奇想天外 × 大胆不敵 浮世絵師 歌川国芳展 ~
会  期  令和5年(2023年)9月9日[土]- 11月5日[日] * 会期中無休
会  場  秋田県立近代美術館 5階
      013-0064 秋田県横手市赤坂字富ヶ沢62-46 Tel 0182-33-8855
料  金  一 般 1,200円、大学・高校生 1,000円、中学生以下 無 料
      * 関連イベント情報、前売り・割引・優待チケット情報などは、下掲詳細参照
────────────────────秋田近美0902 秋田近美0903◆ 秋田県立近代美術館 特別展 奇想天外 × 大胆不敵 浮世絵師 歌川国芳展 ~◆
歌川国芳は、北斎や広重と同じ江戸時代後期に活躍した浮世絵師です。
水滸伝に登場する豪傑たちを描いた武者絵で一躍脚光を浴び、風景画や戯画など様々なジャンルで活躍しました。人々を「アッ」と驚かせるような奇想天外にして大胆不敵な国芳の作品は、当時の江戸っ子たちばかりでなく、現代の若い世代にも人気を博しています。

本展では、国芳が最も得意とした勇ましい武者絵と楽しい戯画を中心に、西洋画の影響を受け独特な雰囲気を持つ風景画を加えてご紹介します。国芳らしさを凝縮した約170点の優品で構成する、全国で秋田県立近代美術館のみを会場とした展覧会です。
格好良くて面白い、そしてどこか不思議な国芳ワールドをこの機会にぜひお楽しみください。

※ 下掲詳細公式サイトにて最新情報を確認の上ご観覧ください。
[ 詳 細 : 秋田県立近代美術館

【展覧会】大分県立美術館|コレクション展 Ⅲ わたしが主役! OPAM秋の名品展|’23年9月7日-11月12日

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大分県立美術館
コレクション展 Ⅲ わたしが主役!OPAM秋の名品展
会  期  2023年9月7日[木]- 11月12日[日]
開館時間  10:00- 19:00
      金曜日・土曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
休  展  日  2023年10月11日[水]
会  場  大分県立美術館 3階 コレクション展示室
      870-0036 大分市寿町2番1号 TEL:097-533-4500
観  覧  料  一 般 300円、大学・高校生 200円、中学生以下 無 料
      * 関連イベント、割引、各種優待情報などは下掲詳細参照。
主  催  者  公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団・大分県立美術館
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大分県立美術館は大分県出身や、ゆかりの作家を中心とした約5,000点にのぼる美術作品や資料を収蔵し、年間を通してその魅力を発信しています。
今年の名品展は秋の開催。「わたしが主役! OPAM 秋の名品展」と題して、様々なジャンルから OPAM コレクションの名品をご紹介します。

※ 下掲詳細公式サイトにて最新情報を確認の上ご観覧ください。
[ 詳 細 : 大分県立美術館 ] 

【展覧会】野尻湖ナウマン象博物館|第38回特別展 信濃町の縄文時代のはじまり|-土器出現の草創期から前期までのようす-|’23年7月15日-11月30日

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野尻湖ナウマン象博物館
第38回特別展
信濃町の縄文時代のはじまり -土器出現の草創期から前期までのようす-
期  間  2023年(令和5年)7月15日[土]- 11月30日[木]
会  場  野尻湖ナウマンゾウ博物館3階特別展示室
      389-1303 長野県上水内郡信濃町野尻287-5
開館時間  午前9時 - 午後5時
休  館  日  3、4、7、8月は無休 下掲詳細博物館カレンダー参照
入  館  料  個人 一般(高校生以上)500円 / 小・中学生 300円
      *障がい者手帳をお持ちの方は半額(介護者1名にも適用)。
展示内容  貫ノ木遺跡、仲町遺跡、市道遺跡出土の土器、石器ほか
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野尻湖周辺には、人々が動物を追って移動生活をしていた旧石器時代の遺跡が多く分布していますが、 それに続く縄文時代の遺跡も意外に多く、特に土器が出現して縄文時代がはじまった草創期の土器や石器は充実しています。 年代が測定された縄文時代の土器の中では長野県最古とされる隆起線文土器もあり、縄文時代が始まってからも、野尻湖周辺には人々が多く集まっていたことがうかがえます。
今回の特別展では、出土した遺物などを通して、この地域の縄文時代前半期のようすを感じていただきたいと思います。

<野尻湖ナウマンゾウ博物館は……>
長野県の北端、信濃町の野尻湖畔にあります。 1962年からはじまり50年以上続けられている「野尻湖発掘」の成果を中心に、約5万年の昔から現在に至るまでの、野尻湖周辺の自然環境を研究・展示している博物館です。
発掘された化石をもとにした実物大のナウマンゾウとオオツノジカの復元像や、豊富に展示されている骨器や石器の資料、実際に化石にふれることができるコーナーや、石器作りなどの体験ができる学習会もあります。

あなたもここへ来て、野尻湖のまわりをゾウやシカが闊歩していた太古の世界に想いをはせてみませんか。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 野尻湖ナウマン象博物館
[ 参 考 : YouTube  野尻湖ナウマンゾウ博物館 公式 | 信州・信濃町【気になる編】1:30 ]

この{活版印刷アラカルト}のウェブページは、限度ギリギリの長尺ブログになっています。そのためお手数ですが、ときおり、とりわけ動画類を閲覧後は「ページ画面を更新」していただくと、次回からもスムーズなスクロールと閲覧をお楽しみいただけます。
{新宿餘談}
勝手を申すようで恐縮ながら、信越国境野尻湖からナウマン象の化石が発見されtのは1962年、稿者が……書きかけ

【展覧会】日本大学理工学部科学技術史料センター (CST MUSEUM)|第19回特別展 測量は「国土の身体測定」|’23年8月4日-’24年7月1日

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日本大学理工学部科学技術史料センター(CST MUSEUM)
第19回特別展
測量は「国土の身体測定」
期  間  2023年8月4日[金]- 2024年7月1日[月]
開館時間  10:00 - 17:00 (入館は16:30まで)
閉室時間  12:00 - 13:00
休  館  日  日曜日・祝祭日・大学の定める休日
会  場  日本大学理工学部科学技術史料センター(CST MUSEUM)
      日本大学理工学部船橋キャンパス テクノプレース15 2階
      274-8501 千葉県船橋市習志野台7-24-1, 日本大学理工学部船橋キャンパス
      テクノプレース15
      日本大学理工学部科学技術史料センター TEL : 047-469-6372
      E-mail : cst.museum☆nihon-u.ac.jp
開館情報  来校時、中央門(又は西門)横の守衛室までお声がけください。
      その後、CSTミュージアム受付(テクノプレース15 2階)までお越しください。
      受付後、センター内は自由にご見学いただけます。
入場無料
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人々が生活する上で必要不可欠な「測量」という作業を広く知ってもらうために、主に測量道具を通じて、過去の偉人の大規模な事業や先進的な測量手法、測量の重要性、そして測量から広がる世界を紹介します。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 日本大学理工学部科学技術史料センター(CST MUSEUM)

【展覧会】山梨県立美術館|特別展 テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本|’23年9月9日-11月5日

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山梨県立美術館
特別展 テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本
会  期  2023年9月9日[土]- 11月5日[日]
開館時間  9:00-17:00(最終入場16:30まで)
会  場  山梨県立美術館 特別展示室
      400-0065 山梨県甲府市貢川1-4-27 TEL: 055-228-3322
休館日時  月曜日(9月18日、10月9日は開館)、9月19日[火]、10月10日[火]
観覧料金  一般 1,000円  大学生 500円
      * 当日・個人・税込み料金を表示。各種割引、優待情報などは下掲詳細参照
主  催  山梨県立美術館、テレビ山梨、朝日新聞社
────────────────────山梨県立美術館0902◆ 山梨県立美術館|特別展   テルマエ   お風呂でつながる古代ローマと日本 ◆

人類史上に輝く繁栄を誇った古代ローマ。なかでも日本人が深い関心をよせるものの一つがテルマエ(公共浴場)であり、ヤマザキマリ氏による漫画『テルマエ・ロマエ』はテルマエへの親近感を一層高めました。本展では、絵画・彫刻・考古資料といった 100件以上の作品や映像、模型などの展示品により、テルマエを愛した古代ローマの人々の生活を身近に感じていただくことができるでしょう。
また、『テルマエ・ロマエ』の主人公ルシウスが案内人となり、古代ローマのテルマエとともに、日本の入浴文化も紹介します。ルシウスが浴場をとおして日本とローマを往復したように、それぞれの入浴文化を体感することのできる機会となるでしょう。

序章 テルマエ / 古代都市ローマと公共浴場
テルマエとは「熱い」という意味のギリシャ語「テルモス」に由来し、狭義には皇帝らによって建設された大規模公共浴場を、広義には古代ローマの版図内の公共浴場全体を指します。4世紀に記された2種類の『ローマ市総覧』によれば、当時ローマ市内には大規模な公共浴場は11を数え、小規模なものにいたっては 856-951軒にのぼっていたといいます。
ローマ市内のテルマエで今も地上に遺構がよく残っているのは、アッピア街道沿いに217年に建設された有名なカラカラ浴場と、ローマ市で最大のディオクレティアヌス浴場(302年頃)です。
しかし大規模なテルマエの運営には、水道の管理・維持に加え、大量の燃料と奴隷を必要としました。温泉地にしても、たとえ温泉の利用は続いたとしても浴場施設が維持されることはなかったのです。そのため古代ローマの風呂文化は、中世には消え去ってしまいました。

※ 観覧希望のかたは、下掲詳細公式サイトで最新情報を確認のうえお出かけ下さい。
[ 詳 細 : 山梨県立美術館 ]

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{新宿餘談}写真家/造形家:今村光彦関連展示の記録・紹介|’23年7月8日-9月18日|終了

◉【展覧会】滋賀県立美術館|企画展 今森光彦 里山 水の匂いのするところ|’23年7月8日-9月18日|会期後半
◉【イベント・展覧会】フジフイルム スクエア|企画写真展 ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念|今森光彦の地球昆虫紀行|’23年7月28日-8月24日|終了
◉【展覧会】酒田市美術館・土門拳記念館 共同企画|酒田市美術館 今森光彦「自然と暮らす切り絵のまなざし」|’21年5月22日-7月09日|土門拳記念館 今森光彦「自然と暮らす写真のまなざし」|’21年5月22日-7月10日|終了
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{新宿餘談}
「滋賀県立美術館|企画展 今森光彦 里山 水の匂いのするところ」が好評である。滋賀県立美術館とは稿者はメルマガ会員だけだが、会期中に作家も展示やイベントに積極参加。颱風七
号の襲来をものともせず関連イベントが追加・拡大。それを報じる ウエブサイトや メルマガ も弾みたつような筆致で歓びが伝わってくる。中京・関西方面の読者には、ぜひ観覧・ご参加をおすすめしたい。

ところで{活版アラカルト}ブログに勝手に紹介した「展覧会・講演会・イベント」などのおよそ三割が、2023年8月20日で会期が終了した。つづいて各館とも「秋季大型企画展」への切り替え作業でおおわらわ。本欄担当者も昨週いっぱい事前準備に追われた。ついでいつもながら、無償かつ勝手に、土日返上で「サイト内展示替え」にあたった。いまはようやく一息ついたところである。

そこでゆく夏を惜しんで 今村光彦 による写真展記録二点をここに移動。つい先日まで上下にカップルで紹介してきた フジフイルム スクエア と 滋賀県立美術館 である。そうしているうちに 「酒田市美術館・土門拳記念館 共同企画」による ’21年の資料も見逃せないことに気づいた。
本展はまさに新型感染症の猖獗に翻弄された、辛い時期の展示ではあったが、すでに写真家として定評を得ていたこの作家の、もうひとつの個性を紹介したもので忘れることができない。
今森光彦氏は著作も多く、各地での大型展示の記録も貴重ではあるが、ここに{活版アラカルト}に紹介した三展示をまとめてみた。
甲子園の熱闘が終わると、急速に朝夕は爽やかになる、日中も残暑はあれど木陰の涼風が頬に心地よい。十五夜を愛で、艸叢にすだく蟲の聲に耳をかたむけるのもすぐそこである。

【展覧会】滋賀県立美術館|企画展 今森光彦 里山 水の匂いのするところ|’23年7月8日-9月18日|会期後半

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滋賀県立美術館
企画展
今森光彦 里山 水の匂いのするところ
会  期  2023年7月8日[土]- 9月18日[月・祝]
休  館  日  毎週月曜日(ただし祝日の場合には開館し、翌日火曜日休館)
開館時間  9:30 - 17:00(入場は 16:30 まで)
会  場  滋賀県立美術館 展示室3
      520-2122 滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1
      TEL 077-543-2111 (電話受付時間 8:30-17:15)
観  覧  料  一般 1,200円、高校生・大学生 800円、小学生・中学生 600円
      * 展示室1・2で同時開催している常設展も観覧可
主  催  滋賀県立美術館
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本展では、滋賀県大津市出身の写真家・今森光彦が長年にわたり撮り続けてきた滋賀の里山を通して、水の循環に着目しました。
撮影の中で出会った水の匂いに、自身の原風景を思い出したという今森は、里山における水の循環を、生命の循環とともに写しとっています。水は奥山から人々の住処を流れ、琵琶湖へと戻り、大気を通して再び大地へと還ってゆきます。
里山に宿る多様な生態系と、その土壌となっている豊かな環境は、私たちの忘れてしまった原風景を、水の匂いとともに思い出させてくれるかもしれません。

◆ 作家プロフィール 今森光彦 ◆
今森光彦は、1954年(昭和29年)に滋賀県大津市に生まれ、第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞(「拳」の字は正しくは旧字体)、地域文化功労者文部科学大臣表彰をはじめ、数々の賞を受賞しています。
その活動は、作品の発表や執筆活動にとどまらず、一般の人々に里山の自然を体験してもらう「今森光彦さんと里山を歩こう」や、「今森光彦・里山昆虫教室」の開催など、実践的なイベントにも取り組み、近年は、環境農家、ガーデナー、里山環境プロデューサーとしても活動しています。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 滋賀県立美術館 ]

【イベント・展覧会】フジフイルム スクエア|企画写真展 ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念|今森光彦の地球昆虫紀行|’23年7月28日-8月24日|終了

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フジフイルム スクエア
企画写真展
ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念
今森光彦の地球昆虫紀行
開催期間  2023年7月28日[金]- 8月24日[木]
開館時間  10:00 - 19:00(最終日は14:00まで、入館は終了10分前まで) 会期中無休
会  場  FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)内、富士フイルムフォトサロン
      東京 スペース1・2・3・ミニギャラリー
入  館  料  無 料
主  催  富士フイルム株式会社
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【同時開催】夏休み自由研究イベント
「昆虫のふしぎ」 フジフイルム スクエア 企画写真展

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< 今森 光彦  いまもり みつひこ >
1954年滋賀県大津市生まれ。写真を独学で学び、1980年代からフリーランスとして活躍。以後、琵琶湖を望む田園にアトリエを構え、自然と人との関わりを「里山」という概念で追う一方で、世界各国を訪ね、熱帯雨林から砂漠まで広く取材。
第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞、第48回毎日出版文化賞、第42回産経児童出版文化賞大賞など受賞多数。
写真集に『里山物語』、『湖辺』、『今森光彦・昆虫記』、『今森光彦フィールドノート 里山』、『オーレリアンの庭』などがある。写真文集に『萌木の国』、『藍い宇宙』、『里山を歩こう』、『わたしの庭』など著書多数。

※ 下掲詳細公式サイトにて最新情報を確認の上、ご観覧ください。
[ 詳 細 : フジフイルム スクエア ]
[ 参 考 : YouTube 写真展「今森光彦の地球昆虫紀行」 トークムービー「里山・環境活動について」/富士フイルム  33:15 ]

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【展覧会】酒田市美術館・土門拳記念館 共同企画|酒田市美術館 今森光彦「自然と暮らす切り絵のまなざし」|’21年5月22日-7月09日|土門拳記念館 今森光彦「自然と暮らす写真のまなざし」|’21年5月22日-7月10日|終了

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酒田市美術館・土門拳記念館 共同企画
◉ 酒田市美術館
   今森光彦「自然と暮らす切り絵のまなざし」
   会 期 : 2021年5月22日[土]-7月09日[金]

◉ 土門拳記念館
今森光彦「自然と暮らす写真のまなざし」
   会 期 : 2021年5月22日[土]-7月10日[土]
      ※ 酒田市美術館と土門拳記念館では 会期終了日 が異なります
        入館料 : 一般 900円 / 高校生 450円
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< 酒田市美術館 >では、蝶々やカブトムシなどの昆虫をはじめ、今森さんの里山に棲む様々な生き物たちや植物、世界中を旅して出会った動物たちのシリーズなど、魅力あふれる切り紙の世界を紹介します。
< 土門拳記念館 > では、四季折々のオーレリアンの庭の写真を中心に、今森さんの里山での暮らしの様子を紹介します。また、第28回土門拳賞受賞作品「昆虫四億年の旅」のなかから、≪メダマカレハカマキリ≫ や ≪ハラビロカマキリ≫など昆虫写真と、立体切り紙作品を同時展示します。

切り紙や写真といった角度から生き物たちの魅了を表現する今森さんの作品をどうぞお楽しみください。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳細 : 酒田市美術館   土門拳記念館  ]

【展覧会】東京大学 総合研究博物館|特別展示「東京大学・若林鉱物標本:日本の鉱山黄金時代の投影」|’23年3月23日-9月1日|会期終了

金属活字で鉛・錫と並ぶ主原料:アンチモン(アンチモニー・輝安鉱・伊予白目)の全国各地産出原石大小およそ30点を展示。かつてわが国は世界有数のアンチモンの産出国だった。本木昌造の命を受け、谷口黙次が採掘したと伝承されていた「九州天草」産出の輝安鉱原石も、学術資料を添付しての展示。東京本郷:東京大学総合研究博物館は、土日休館・平日のみ開催。撮影可。無料。残余会期ついに会期末。本稿は半年余本欄1ページ目に掲載継続。観覧を強くおすすめ。

20230418133457_00001 20230418133457_00002◆ 上掲チラシ裏面 最下部 写真中央が「輝安鉱」◆

東京大学 総合研究博物館
特別展示「東京大学・若林鉱物標本:日本の鉱山黄金時代の投影」
開催期間  2023年3月23日[木] - 9月1日[金]
開催会場  東京大学総合研究博物館
      113-0033 東京都文京区本郷 7-3-1
休  館  日  土・日・祝日
開館時間  10:00 - 17:00(入館は 16:30 まで)
入  場  料  無 料 * 事前申込不要 
主  催  東京大学総合研究博物館
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明治時代初期から蓄積されてきた数万点に及ぶ同館の鉱物標本だが、「若林標本」と呼ばれる標本群が基幹の一つとなっている。三菱合資会社の鉱山技師であった若林彌一郎(わかばやし やいちろう)の名前を冠した、明治末-昭和初期の金属鉱山の鉱石標本を中心として収集した2,000点あまりの標本群で、和田標本(三菱マテリアル)、高標本(九州大学)と並ぶ、日本の三大鉱物標本の一つに数えられている。

これまでは全貌が未公開であった若林標本であるが、今回の特別展では、全体のおよそ半数である約900点を選び、当館が収蔵するその他の鉱物コレクションと合わせて展示することで、日本の鉱山黄金時代を回顧する試みとした。
特に、若林標本の展示コーナーは、昭和期の標本展示室の雰囲気を再現し、床下にも数百点の標本を配した異質な空間となっている。ほとんどの標本にいえることは、採集元の鉱山はすべて閉山して久しいことである。つまり、これらの標本は、日本各地で輝いていた鉱山黄金時代の投影なのである。鉱物研究には、古き良き時代だった往時に想いを馳せて、これらの美しい鉱物結晶をご覧になっていただきたい。

< 主な展示物 >
・三角式黄銅鉱(秋田県荒川鉱山)
・ベゼリ石(秋田県日三市鉱山)
・青鉛鉱(秋田県亀山盛鉱山)
・孔雀石(秋田県阿仁鉱山)
・閃亜鉛鉱(秋田県尾去沢鉱山)
・方鉛鉱(岐阜県神岡鉱山)
・蛍石(兵庫県生野鉱山)
・輝安鉱(愛媛県市ノ川鉱山)← 柱状の結晶が見事な大きな原石。

◆ 東京大学 総合研究博物館|特別展示「東京大学・若林鉱物標本:日本の鉱山黄金時代の投影」◆

輝安鉱「和田標本」 朗文堂蔵本木昌造が谷口黙次に依頼して採掘したと伝承される「肥後国西彼杵郡高原村」の鉱山から産出した、アンチモンの原料鉱石/輝安鉱 キ-アン-コウ「仮称:和田標本」(朗文堂蔵)。現地調査をされた提供者によるとこの鉱山は「熊本県天草市天草鉱山」であり、現在は痕跡はほとんどないとのこと。

輝安鉱-熊本県天草1-5-624x467東京大学 総合研究博物館「若林鉱物標本」輝安鉱。熊本県天草市天草鉱山。
アンチモン独特の結晶体はほとんど見られず、含有率は低いとおもわれた。撮影のしづらい場所に展示され不鮮明なのはご容赦を。「若林鉱物標本」の天草鉱山産出標本は、展示品も DB でもこの一点のみであった。展示カードはほぼ名刺大。そこからこの標本の大きさ(陸上砲丸大)を推量。

東京大学総合研究博物館「若林鉱物標本」展示品 輝安鉱ー兵庫県養父市中★鉱山 東京大学 総合研究博物館 「若林鉱物標本」輝安鉱。兵庫県養父市中瀬鉱山。
柱状の結晶体が美しい。今回展示の輝安鉱のうち最大標本。同標本の輝安鉱点数では「愛媛県市ノ川鉱山」産出のものが最も多い。大英博物館にはかつて「日本国愛媛県産出」の輝安鉱鉱石が世界最大のものとして展示されていたとされ、目撃報告も複数あった。それに長年こだわっているが、収蔵庫に入ってしまったのか、その後の訪英時にも、渡英者の報告でも未確認である。
toukyoudaigakuhakubutukann東京大学 若林鉱物標本展 標本展示室のほんの一部。床面の展示は特殊ガラスで上部を歩行可能。

東京大学総合研究博物館 鉱物データーベース< 東京大学総合研究博物館 鉱物 データーベーストップ >

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご参加を
※ 喘息もちのかたにはマスク携行をおすすめ。本格的な博物館ではどうしても必須アイテムです。
[ 詳 細 : 東京大学総合研究博物館 ]
[ 関 連 :【艸木風信帖】サラマ・プレス倶楽|Lingua Florens-ことばの花園|’23年7月27日  + 新宿餘談 輝安鉱・アンチモン・伊予白目|東京大学総合研究博物館 若林鉱物標本展
[ 関 連 : NOTES ON TYPOGRAPHY【Pickup】花筏ゟ|タイポグラフィあのねのね|金属活字の主要原料-アンチモンの原料鉱石|輝安鉱の伝承と新資料発見

{新宿餘談}
金属活字で、鉛・錫と並ぶ主原料のアンチモン(アンチモニー・輝安鉱・伊予白目)。日本各地ゟ産出原石、大小30余点が展示。

かつてわが国は世界有数のアンチモンの産出国だった。本木昌造の命を受け、谷口黙次が採掘したと伝承されていた「九州天草」産出の輝安鉱原石も、産出地が明示されて引き戸ケース内で展示。
平日のみの開催。撮影可能。会期末。観覧を強くおすすめ。

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ここで稿者は東京大学総合研究博物館の「若林標本」の展示をうけて、長年なぜかタブー視され、忌避されてきた、アンチモンの、意外で不幸な、隠された歴史を記述する時が来たようだ。
本来アンチモンは、女王クレオパトラのアイシャドウに用いられていたと口承され、古代エジプトから使用がはじまり、身近に存在し、便利な合金素材であった。現代でも金属成型品に高度な平滑さをもとめられる優勝カップや表彰メタルなどには、必須のレアメタルとして使用が続いている。
この役割は量産品にも有効で、金属成型品製造の「剥離・排出」時に、製品の表面を平滑にして「鋳バリ」を防ぎ、合金冷却時の熱収縮を軽減する効能がある。活字製造では、脚部を平滑にして、字ヅラ面のくぼみ、いわゆる「オチョコ」の発生を防ぐ役割がある。

この「金属成型品 ≒ 量産品に 平滑さをもたらす」という効能が、わが国金属鋳造活字百五十年の歴史に、昭和になってからおもわぬ不幸をもたらした。稿者は1940-45年(昭和15-20)にわたり、この国で展開した官製の国民運動「変態活字廃棄運動」に長年拘泥してきた。

またわが国の金属活字は、なぜかベトナム紛争・戦争の激化にともなって「奇妙な力」がはたらいて、どんどん売却された。英・加・豪などのアメリカの同盟国とならんで韓国も派兵に応じたが、独自憲法をもつわが国はベトナム派兵はしなかった。
そのころのわが国の活字製造業者・活字版印刷工場には、保健所から支給された「鉛中毒注意・手洗い励行」の大小のポスターが随所に張られ、新聞なども「鉛公害」を熱心に掲載した。そして印刷業界は特別枠が設けられた業種転換助成金などを得て、金属活字を印刷版としないで、「版下・写真製版」を中心とした、オフセット平版印刷方式に世界に先駆けて転換していった。

この金属活字を巡るもうひとつの歴史を、そろそろ別稿をもとめてその背景をあきらかにしたい。