月別アーカイブ: 2023年6月

【艸木風信帖】活動再開 根岸子規庵|サラマ・プレス倶楽:桐島カヲル|Lingua Florens-ことばの花園|’23年6月29日 梅雨のあいまに

siki01ご て ご て と  草 花 植 ゑ し 小 庭 か な

── この小園は余が大地にして 草花は余が唯一の詩料となりぬ 子規庵 ──
正岡子規(俳人・歌人 1867-1902)「小園の記」より
{ 活版 à la carte   根岸 子規庵 子規庵公式サイト }
────────────────────

Lingua Florens - ことばの花園

ビルの谷間、人工地盤、五坪ほどの小庭、植えも植えたり、数十種の艸木
Lingua Florens  2023年06月の開花報告
朗文堂 サラマ・プレス倶楽部:桐島カヲル

DSCN3101紫陽花と八重咲きドクダミ
クサノオウクサノオウ
ジギタリス1 ジギタリス2ジギタリス
ナスタチウムナスタチウム
ヒメウツギヒメウツギ
フェイジョアフェイジョア
メリアンサス・マヨール花メリアンサス・マヨール 花
メリアンサス・マヨール実メリアンサス・マヨール 実
葉と水滴メリアンサス・マヨール 葉

ランタナ1ランタナ2ランタナ
夏椿(ヒメシャラ)1 夏椿(ヒメシャラ)3夏椿(ヒメシャラ)
柏葉アジサイ柏葉アジサイ
八重ドクダミ八重咲きドクダミ
藍姫藍姫(アジサイ)

【展覧会】泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷|企画展 歌と物語の絵 ─ 雅やかなやまと絵の世界|’23年6月10日-7月17日|終了

monogatari_A4_O_2023.4.10-2_RE_nyuko_1monogatari_A4_U_2023.4.10_RE_nyuko

泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷
企画展 歌と物語の絵
── 雅やかなやまと絵の世界
会  期  2023年6月10日[土]- 7月17日[月・祝]
休  館  日  月曜日(7月17日は開館)
開館時間  午前10時 - 午後5時(入館は 午後4時30分 まで)
会  場  泉屋博古館(京都・鹿ヶ谷)
      606-8431 京都府京都市左京区鹿ケ谷下宮ノ前町24
入  館  料  一 般 800円、高大生 600円、中学生以下 無 料
      * 本展覧会の入場料で青銅器館もご覧いただけます
主  催  公益財団法人泉屋博古館、京都新聞
──────────────────────
悲喜こもごもの逸話に、あまたの恋物語、華麗な王朝行事に謎の鳥人間・・・・
絵画がいろどる古典文学の世界をご堪能ください。

伊勢物語図屏風(右隻)伝俵屋宗達 江戸・17世紀 伊勢物語図屏風(左隻)伝俵屋宗達 江戸・17世紀《伊勢物語図屏風》宗達派 上図)右隻 下図)左隻 桃山-江戸・17世紀
平家物語_大原御幸図屏風 桃山・16世紀《平家物語・大原御幸図屏風》 桃山・16世紀
竹取物語絵巻 江戸・17世紀《竹取物語絵巻》 江戸・17世紀
是害房絵巻 南北朝・14世紀 重要文化財《是害房絵巻》南北朝・14世紀 重要文化財

古来、語り読み継がれてきた物語は、古くから絵巻物など絵画と深い関係にありました。和歌もまた、三十一文字の世界が絵画化されたり、絵から受けた感興から歌が詠まれたりと、絵画との相互の刺激から表現が高められてきました。
物語絵や歌絵の特徴のひとつは、精細な描写と典雅な色彩。宮廷や社寺の一級の絵師が貴人の美意識に寄り添い追求した「やまと絵」の様式を継承することでしょう。そしてストーリーに流れる時間を表すかのような巻物、特別な場面を抽出してドラマティックに描き出す屏風など、長大な画面にさまざまな表現が生まれました。
古典文学は、後世の人々が自身に引き寄せて味わうことで、読み継がれ輝き続けてきました。それに基づく絵画もまた同様です。本展では、近世の人々の気分を映し出す物語絵と歌絵を、館蔵の住友コレクションから選りすぐってご紹介します。雅やかで華麗、時にちょっとユーモラスな世界をお楽しみ下さい。

※ 展示作品の画像は 泉屋博古館(京都) から拝借しました。二次流用などはご遠慮ください。
※ 下掲詳細を確認の上参観を。

[ 詳 細 : 住友コレクション 泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷{ 活版 à la carte  泉屋博古館まとめ }

【展覧会】アーティゾン美術館|ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開| セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ|’23年6月3日-8月20日|終了

20230626194013_00010 20230626194013_00011

アーティゾン美術館
ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開
セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ

会  期  2023年6月3日[土]- 8月20日[日]
開館時間  10:00 - 18:00(8月11日を除く金曜日は 20:00 まで)
      * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日(7月17日は開館)、7月18日
会  場  公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館 6・5・4階 展示室
      104-0031 東京都中央区京橋1-7-2 
      お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
入  館  料  日時指定予約制 (税込)
      一 般 ウェブ予約チケット  1,800円 
          当日チケット(窓口販売) 2,000円
      * 学生無料 要ウェブ予約・中学生以下は無料
      * チケット販売の詳細は下掲公式サイトでご確認ください。
主  催  公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館
────────────────────
19世紀末から第一次世界大戦が勃発するまでの間、フランスが平和と豊かさを享受することが出来たベル・エポックの時代、芸術を生み出す活気と自由な雰囲気に満ち溢れる中、フォーヴィスム、キュビスムなどの新しい美術が芽吹いて花咲き、やがて表現の到達点のひとつとして抽象絵画が目覚めました。その後の抽象絵画の展開は、20世紀の絵画表現を牽引し、その潮流は同時期の日本にも及びました。
この展覧会は、印象派を起点として、世紀初頭の革新的な絵画運動を経て抽象絵画が生まれ、2つの大戦を経てさらに展開していく様子を、おおよそ1960年代まで、フランスを中心としたヨーロッパ、アメリカ、そして日本の動向を中心に展観するものです。
本展では、石橋財団コレクションから新収蔵作品* 95点を含む約150点、国内外の美術館、個人コレクション等から約100点、あわせて約250点の作品を、アーティゾン美術館の全展示室を使ってご紹介いたします。

20230626194013_000121 抽象絵画の歴史を展観する大規模展
2 アーティゾン美術館の近年の新収蔵作品95点を一挙公開
3 国内外の美術館、個人コレクションからの作品が集結
4 アルトゥング、スーラージュ、ザオ・ウーキーの後期作品を特集展示
5 現代作家の作品を特集展示

※ 開催情報は予告なく変更となることがあります。
※ 新型感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 公益財団法人 石橋財団 アーティゾン美術館 本展特設サイト

【展覧会】茅ヶ崎市美術館|イギリス風景画と国木田独歩|’23 年6月18日-8月27日|終了

20230706201703_00001 20230706201703_00002

茅ヶ崎市美術館
イギリス風景画と国木田独歩
会  期  2023 年 6 月 18 日[日]- 8 月 27 日[日]  
時  間  10 時ー 17 時(入館は 16 時 30 分まで)
休  館  日  月曜日(ただし 7 月 17 日は開館)、7 月 18 日[火]は休館
会  場  茅ヶ崎市美術館 展示室 1・2・3
      253-0053 神奈川県茅ヶ崎市東海岸北 1-4-45
観  覧  料  一 般 1,000 円 / 大学生 800 円 / 市内在住 65 歳以上 500 円
      高校生以下、障がい者およびその介護者は無料
特別協力  郡山市立美術館、府中市美術館
主  催  公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団
────────────────────
国木田独歩(1871-1908)は明治時代を代表する小説家。結核の治療で訪れた茅ヶ崎でその短い生涯を閉じた独歩の代表作『武蔵野』(1898)は、武蔵野の美しい風景を瑞々しい文体で描写しています。素朴な自然にロマンを見いだす新たな表現は文学者のみならず画家の間にも生まれました。
独歩の『武蔵野』に大きな影響を与えたのは、イギリスのロマン派詩人ウィリアムズ・ワーズワース(1770-1850)でしたが、産業革命や市民革命を経験し近代市民社会が成立した18-19世紀のイギリスでは、風景に対する関心が高まりをみせました。ワーズワースは湖水地方を題材にして詩をつくり、ジョン・コンスタブル(1776-1837)は故郷の豊かな風景を、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851)は光と色彩に溢れた自然を描きました。伝統的な風景画が刷新され、西洋風景画の頂点が築かれたといえます。

本展覧会では独歩の自然観に触れつつ、郡山市立美術館 と 府中市美術館 の優品を通じて、コンスタブルやターナーのみならず、ジョン・マーティン(1789-1854)、サミュエル・パーマ(1805-1881)などの画家たちにも焦点をあて、近代イギリス風景画の流れをたどります。
さらに、わが国において名所絵的に描かれることが多かった風景画が、明治以降どのように描かれるようになったのかをたどり、イギリス風景画の受容についても考察します。

※ 感染症対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 茅ヶ崎市美術館

【展覧会】細見美術館 琳派展23|琳派の扉絵と涼の美|’23年6月10日-8月20日|終了

細見美術館01 細見美術館02

細見美術館
琳派展23
琳派の扉絵と涼の美
会  期  2023年6月10日[土]- 8月20日[日]
      * 会期中に一部展示替えあり
所  在  地  京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 TEL 075-752-5555
開館時間   午前10時 - 午後5時(入館は 午後4時30分 まで)
休  館  日  毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)
入  館  料  一 般 1,400円  学生 1,100円
      * 各種割引、優待条件などは 下掲詳細 参照
主  催  細見美術館 京都新聞
──────────────────────
琳派の創始者、俵屋宗達(生没年不詳、江戸前期に活躍)は扇絵を制作する「絵屋」を営んでいました。「扇絵」はいわば宗達工房の主力商品であり、その独創的な意匠は、のに屛風などの大画面に明快な画風を展開する原点ともなりました。
「扇絵」や「団扇絵」といった小画面の調度は、尾形光琳、中村芳中、酒井抱一、鈴木其一、神坂雪佳ら宗達以降の絵師たちも積極的に手掛け、デザイン性の高い身近な調度として親しまれました。一方、琳派では朝顔など夏の草花図も多く描かれ、爽やかな画面は凌ぎ難い夏の暮らしに一風の涼味をもたらしました。
琳派展の第23弾となる本展では、細見コレクションを中心に「扇絵」「団扇絵」や、夏の草花図や秋草図を選び、琳派による涼の美を展覧します。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトを確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 細見美術館 Hosomi Museum ]

【展覧会】大阪大学総合学術博物館|第24回企画展 石濵純太郎展|― なにわ町人学者の東洋学 ―|’23年6月3日-7月29日|終了

20230629151331_00010 20230630153557_00001

大阪大学総合学術博物館
第24回企画展 石濵純太郎展
― なにわ町人学者の東洋学 ―
会  期  2023年6月3日[土]- 7月29日[土]
休  館  日  日曜・祝日
開館時間  10時30分 - 17時(入館は 16時30分 まで)
会  場  大阪大学総合学術博物館待兼山修学館
      560-0043 大阪府豊中市待兼山町 1-20
協  力  大阪大学附属図書館、大阪大学外国語学部、大阪大学文学部、一般財団法人 懐徳堂記念会
主  催  大阪大学総合学術博物館、大阪大学大学院人文学研究科
入館無料
────────────────────
石濵純太郎(いしはまじゅんたろう 1888〈明治21〉ー1968〈昭和43〉 関西大学名誉教授)は、大阪が生んだ大正から昭和戦後期に活動した東洋学者です。自他ともに認める “ 町人学者 ” として、敦煌文献や、未解読だった西夏文字、懐徳堂の富永仲基の学問を研究しました。膨大な研究資料のコレクションと、彼のまわりに集う人々の輪「石濵サロン」は、生前から讃嘆されていました。
また彼は大阪大学の前身校でもある大阪外国語学校・大阪外国語大学、(旧制)大阪高等学校で学び教え、さらに 重建懐徳堂 を活動の場とするなど、大阪大学とも縁が深い学者です。

没後、蔵書などが大阪外国語大学に「石濵文庫」として入り、現在は大阪大学附属図書館に保管されています。和書・漢籍・欧米諸言語の図書・雑誌だけでも 4 万冊以上にのぼりますが、そのほかにも石碑から採った拓本や、彼の交友の広さを示す書簡などの学術資料も膨大な点数があります。これらの資料は現在も整理・研究が進められ、新たな発見があいついでいます。
本展覧会では、石濵純太郎が収集した資料から、漢字の変遷とアジアの文字・言語の多彩さ、また彼をとりまく学芸ネットワークについて、展示を通じてご紹介します。

※ 下掲公式サイトにて最終情報を確認の上、ご観覧ください。
[ 詳 細 : 大阪大学総合学術博物館

【展覧会】練馬区立 石神井公園 ふるさと文化館|企画展「田中小実昌-物語を超えた作家-」|’23年6月17日-8月13日|終了

20230626221824_0000120230626221824_00002

練馬区立 石神井公園 ふるさと文化館
企画展「田中小実昌-物語を超えた作家-」
会  期  令和5(2023)年6月17日[土]- 8月13日[日]
会  場  石神井公園ふるさと文化館 2 階 企画展示室
177-0041 東京都練馬区石神井町5-12-16 TEL 03-3996-4060
開館時間  9:00 - 18:00
休  館  日  月曜日  * 7/17[月・祝]は開館、7/18[火]は休館
観  覧  料  無 料
────────────────────
作家・田中小実昌(大正14〈1925〉年 - 平成12〈2000〉年)は、昭和61(1986)年から逝去するまで練馬区早宮で暮らしました。毛糸の帽子がトレードマークの田中は「コミさん」や「コミちゃん」の愛称で親しまれ、執筆活動のほか、テレビや映画出演など幅広く活躍しました。

田中の作品は小説、随筆、翻訳、紀行、映画評論など多岐にわたります。執筆活動は主に翻訳から始まり、カーター・ブラウンの推理小説などの、軽妙洒脱な訳文が注目されました。次第に小説も発表するようになり、昭和54(1979)年に、戦中や終戦直後のできごとを題材とした「浪曲師朝日丸の話」「ミミのこと」で第81回直木賞を受賞、同年に父親のことなどを書いた短編集『ポロポロ』で第15回谷崎潤一郎賞を受賞しました。
独立教会の牧師を父にもつ田中は、旧制福岡高等学校在学中に初年兵となり出征、復員後は軽演劇場の文芸部員、米軍将校クラブのバーテンダー、香具師 – やし – などのさまざまな職を転々とし、それらの経験からも作品を書きました。整然たる物語となってしまわないよう、言葉が慎重に用いられ、独特の文体が生み出されました。飄々とした田中の表現には多くの読者が惹き込まれました。本展では、当館に一括して寄贈された原稿や書簡、書籍、写真資料などを中心に、田中の作品を紹介します。

※ 会期中にさまざまなイベントが企画されています。下掲詳細参照。
[ 詳 細 : 練馬区立 石神井公園 ふるさと文化館
{新宿餘談}
コミさんの歿後20年余、いまや歴史のひととなり、ふるさと文化館に祀られるひとらしい。
カメラのレンズのせいだろうか道幅がひろく見える。実際には網のように張り巡らされた路地と、二間間口もあれば立派な呑み屋が林立していた。
チラシ裏面に紹介された新宿ゴールデン街に佇むコミさん(ご本人の前では田中センセイ)の背後、二階建ての店が、若かりしころの稿者らのたまり場だった。最奥左が「ふたば」といったら、半分棺桶に足を突っこんでいる高齢者は懐かしいかもしれない。
ここでは
酔狂が嵩じると、愚か極まりないが、二階の窓から「仮面ライダ~、ウルトラのチチィ~」などと喚いては翔んでいた。ふしぎに怪我はしなかった。道にはコミさんがペタンと腰をおとして座りこみ、頭に「頭なりのキャップ」を乗せて「やぁぁあ、きょうもよく翔んでるなぁ~」と迎えてくれた。
しばしばコミさんは失禁していた。失禁状態ではタクシーにも乗れないので、夜半になるとコミさん贔屓の店のたれかが練馬の自宅に架電。すると迎えの車がやってきた。斯様にゴールデン街の住人はやさしかった。稿者は35歳まで馬鹿酒を呑んだが、体質があわなかったのか断酒した。昨年はついに禁煙までした。ここには断酒以降まったく行っていない。だんだん人生つまらなくなる。

【イベント】旧落石 Ochiishi 無線送信局|OCHIIHI plan 落石計画 第13期 銅版画試論Ⅲ|井出創太郎 + 高浜利也|’23年8月7日-8月11日|終了

20230626223400_00001 20230626223400_00002

OCHIIHI plan
落石計画 第13期
銅版画試論Ⅲ
井出創太郎 + 高浜利也
2023年8月7日[月]- 8月11日[金]
旧落石 Ochiishi 無線送信局

◆ 北海道根室半島南部の 旧落石 Ochiishi 無線送信局
落石無線送信局は北海道根室半島南部の太平洋側に位置し、サカイツツジの自生地となっている落石岬にある。1908年に旧逓信省管轄の落石無線送信所として建造された後、幾度か火災・戦災に見舞われ、1929年にはヤクーツク飛行中のドイツ飛行船ツェッぺリン泊号と日本初の交信に成功し、1931年には北太平洋横断飛行中のリンドバーグ機を無線により誘導し偉業達成を陰で支えるなど、歴史的出来事の要衡であった。
1960年代半ばにその役割を終えて閉鎖された後、根室出身の版画家 池田良二氏の個人スタジオとして活用され、現在は毎夏行われる「落石計画」というアートプロジェクトの拠点となっている。

【展覧会】東京ステーションギャラリー|甲斐荘楠音 -かいのしょう ただおと- の全貌|絵画、演劇、映画を越境する個性|’23年7月1日-8月27日|終了

20230807185144_00011 20230807185144_00012

東京ステーションギャラリー
甲斐荘楠音 -かいのしょう ただおと- の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性
会  期  2023年7月1日[土]- 8月27日[日]
      * 会期中、展示替えをおこないます
休  館  日  月曜日[7/17、8/14、8/21 は開館]、7/18[火]
開館時間  10:00-18:00  * 入館は 閉館30分前 まで
      * 金曜日は 20:00 まで開館
会  場  東京ステーションギャラリー
      100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 TEL : 03-3212-2485
入  館  料  当日・個人 一 般 1,400円、高校・大学生 1,200円、中学生以下 無 料
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照
主  催  東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]、日本経済新聞社
──────────────────────
あやしさを超えて、誰も見たことのない甲斐荘楠音の全貌にせまる
甲斐荘楠音(1894-1978/かいのしょう ただおと)は、大正期から昭和初期にかけて日本画家として活動し、革新的な日本画表現を世に問うた「国画創作協会」の一員として意欲的な作品を次々と発表しました。しかし、戦前の画壇で高い評価を受けるも、1940年頃に画業を中断して映画業界に転身。長らくその仕事の全貌が顧みられることはありませんでした。

本展は1997年以降26年ぶり、東京の美術館では初となる本格的な甲斐荘の回顧展です。これまで知られてきた妖艶な絵画作品はもとより、スクラップブック・写真・写生帖・映像・映画衣裳・ポスターなど、甲斐荘に関する作品や資料のすべてを等しく展示します。
画家として、映画人として、演劇に通じた趣味人として ── さまざまな芸術を越境する「複雑かつ多面的な個性をもった表現者」として甲斐荘を再定義します。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 東京ステーションギャラリー ]
{新宿余談}甲斐荘 楠音(1894-1978/かいのしょう ただおと)は姓名であり、本名である。
甲斐荘家は楠本正成一族の末裔とされ、この姓を名のっている。

【展覧会】長崎歴史文化博物館|隙あらば猫 町田尚子絵本原画展|’23年7月15日-8月27日|会期終了

20230807185144_00031 20230807185144_00032

長崎歴史文化博物館
隙あらば猫 町田尚子絵本原画展
会  期  2023年7月15日[土]- 8月27日[日]
      * 7/18[火]、8/7[月]、8/21[月]休館
会  場  長崎歴史文化博物館 3 階企画展示室
      850-0007 長崎県長崎市立山1丁目1−1
開館時間  9:00 - 18:00(最終入館 17:30)
料  金  一 般[大学生以上]800円、小中高生 400円
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照
主  催   長崎歴史文化博物館
──────────────────────
絵本作家・画家、町田尚子の座右の銘は「隙あらば猫」。
猫が主人公の絵本『ネコヅメのよる』『なまえのないねこ』『ねこはるすばん』などはもちろん、『いるの いないの』のような怪談絵本や、『マッチうりのしょうじょ』のような童話の中にも、ユーモラスな猫の姿や猫目線の構図が描かれ、物語の世界に奥行きを与えています。本展では、最新作まで16冊の絵本原画および絵画、絵本ができるまでのラフや制作資料他、本展のため新たに制作された作品を含む約250点を紹介します。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 長崎歴史文化博物館 ]

【展覧会】徳川美術館・名古屋市蓬左文庫|特別展 よそおいの美学|’23年6月3日-7月17日|終了

とくがわ011 とくがわ012徳川美術館・名古屋市蓬左文庫
特別展 よそおいの美学
会  期  2023年6月3日 [土]- 7月17日[月]
開館時間  午前10時 - 午後5時(入館は午後4時30分まで)
休  館  日  月曜日 * ただし7月17日[月・祝]は開館
観  覧  料  一 般 1,600円 ・ 高 大 生 800円 ・ 小 中 生 500円
      (企画展「極める!江戸の鑑定」展と共通)
      * 毎週土曜日は小・中・高生入館無料
会  場  徳川美術館
      461-0023 名古屋市東区徳川町1017 TEL 052-935-6262
主  催  徳川美術館・名古屋市蓬左文庫
──────────────────────
江戸時代の武家社会では、身分や年齢、季節や儀礼などによる細やかな決まりごとのなかで、格式に相応しく、おごそかに、あるいは美麗によそおうことが求められました。
男性は儀礼など最もフォーマルな場面では、公家の伝統的な装束を身に着ける一方、日常のカジュアルな場面で着用する羽織や刀剣の拵(こしらえ)、また火事装束や陣中着などに武家ならではの粋を凝らしました。
女性は生地や模様によって格の異なる着物を時に応じて使い分け、華麗な筥(はこ)迫(せこ)を携帯し、化粧によって美を体現しました。
尾張徳川家で誂えられた衣服や装身具などをトータルコーディネートの演出でご紹介しつつ、「よそおい」にかける武家の美学を探ります。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 徳川美術館・名古屋市蓬左文庫 ]

【イベント・展覧会】フジフイルム スクエア|企画写真展 ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念|今森光彦の地球昆虫紀行|’23年7月28日-8月24日|終了

20230810154228_00001 20230810154228_00002

フジフイルム スクエア
企画写真展
ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念
今森光彦の地球昆虫紀行
開催期間  2023年7月28日[金]- 8月24日[木]
開館時間  10:00 - 19:00(最終日は14:00まで、入館は終了10分前まで) 会期中無休
会  場  FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)内、富士フイルムフォトサロン
      東京 スペース1・2・3・ミニギャラリー
入  館  料  無 料
主  催  富士フイルム株式会社
────────────────
【同時開催】夏休み自由研究イベント
「昆虫のふしぎ」 フジフイルム スクエア 企画写真展

20230810154228_00012

< 今森 光彦  いまもり みつひこ >
1954年滋賀県大津市生まれ。写真を独学で学び、1980年代からフリーランスとして活躍。以後、琵琶湖を望む田園にアトリエを構え、自然と人との関わりを「里山」という概念で追う一方で、世界各国を訪ね、熱帯雨林から砂漠まで広く取材。
第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞、第48回毎日出版文化賞、第42回産経児童出版文化賞大賞など受賞多数。
写真集に『里山物語』、『湖辺』、『今森光彦・昆虫記』、『今森光彦フィールドノート 里山』、『オーレリアンの庭』などがある。写真文集に『萌木の国』、『藍い宇宙』、『里山を歩こう』、『わたしの庭』など著書多数。

※ 下掲詳細公式サイトにて最新情報を確認の上、ご観覧ください。
[ 詳 細 : フジフイルム スクエア
[ 参 考 : YouTube 写真展「今森光彦の地球昆虫紀行」 トークムービー「里山・環境活動について」/富士フイルム  33:15 ]

この{活版印刷アラカルト}のウェブページは、限度ギリギリの長尺ブログになっています。そのため動画類を閲覧後は「ページ画面を更新」していただくと、次回からもスムーズなスクロールと閲覧をお楽しみいただけます。

【展覧会】武蔵野美術大学 美術館・図書館|美術館展覧会 若林 奮 森のはずれ|’23年6月1日-8月13日|終了

20230501184910_00005 20230501184910_00006

武蔵野美術大学  美術館・図書館
美術館展覧会
若林奮 森のはずれ
会  期  2023年6月1日[木]- 8月13日[日]
時  間  11:00 - 19:00(土・日曜日は 10:00 - 17:00)
休  館  日  水曜日
入  館  料  無 料
会  場  武蔵野美術大学 美術館・図書館 展示室 2・4・5、アトリウム1・2
      187-8505 東京都小平市小川町1-736
主  催  武蔵野美術大学 美術館・図書館
──────────────────────
自身と周縁世界との関わりをめぐる思索を内包した作品により、戦後日本の彫刻を牽引した若林奮(1936-2003)。一見すると寡黙で非情緒的とも思われる形態は、自然や時間、距離、空間、表面、境界など、我々を取り巻く普遍的で形を持たない事象を豊かに内包し、没後20年となる今もなお、私たちが考え、向き合うべき多くを語りかけてくれます。

若林は武蔵野美術大学在任時の1981年、学内にある工房内に鉄板をたて、自分自身のために10畳ほどの空間を作ります。その後若林は、この通称「鉄の部屋」の周囲を鉛で覆い、周辺に植物や大気を表す鉛の板やキューブを配置して《所有・雰囲気・振動 ― 森のはずれ》(1981-84年)として発表しました。自分自身が所有できる空間を区切ることで生まれた境界や領域をめぐり、自身を軸とした周縁、自然への思索を一層深めていった本作は、若林自らを含んだ自然や風景そのものの具現化を試みた作品といえるかもしれません。若林が彫刻観を拡張させるきっかけとなった極めて重要な本作を、本展では約30年ぶりに展示します。

また、おなじく自然の精緻な観察をとおして生まれた《Daisy Ⅰ》(1993年)は、人の背丈ほどある角柱に、植物そのものの構造を想像させる彫刻です。ともに自然や風景を具体的な対象とした《所有・雰囲気・振動 ― 森のはずれ》と《Daisy Ⅰ》全10点すべてが、当館の一続きの空間で相対する場で、活動中期から後期にかけて色濃く表れる、若林彫刻の核といえる「自然」をめぐる諸相を読み解くことを試みます。さらにこの2作品再考の糸口となる彫刻として、自身と世界との距離を計るものさしとして1970年代以降通底する概念となる《振動尺》Ⅰ-Ⅳ(1979年)、80年代終わりから若林にとって重要な素材の一つとなる硫黄を用いた《The First White Core》Ⅰ-Ⅲ(1992年)などのほか、若林の夥しい思索の一端が見えるドローイングや小品、資料約100点を展示します。
「自分が自然の一部であることを確実に知りたいと考えていた」という若林が、世界をどのように知覚し、そこで見出した概念をいかに彫刻化したのか。若林が「森のはずれ」に思索を重ねたここ武蔵野の地で、若林彫刻の意義を再考します。

< 出品作家紹介 若 林 奮-わかばやし・いさむ >
1936年東京府町田町生まれ。1959年東京藝術大学美術学部彫刻学科卒業。1975年武蔵野美術大学共通彫塑研究室助教授に就任し、80年教授、84年退任。鉄を主な素材とし、緻密な観察と省察にもとづく固有の彫刻観、自身と周縁世界との関わりをめぐる思索を内包した彫刻作品により、戦後日本の現代彫刻を牽引した。1973年神奈川県立近代美術館、1987年東京国立近代美術館、2002年豊田市美術館など個展多数。1980年代にヴェネチア・ビエンナーレ日本館に2度出品し、海外でも個展を重ねるなど、国内外より高い評価を得た。2003年の没後も各地で個展が開催され、今なお若林の彫刻観は人々を魅了し、鮮烈な印象を残す。  

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 武蔵野美術大学 美術館・図書館

【展覧会】ギンザ・グラフィック・ギャラリー|第396回企画展|KOICHI KOSUGI Graphic Park 小杉幸一 グラフィックパーク|’23年7月11日-8月21日|終了

20230630174345_0000120230630174345_00002

ギンザ・グラフィック・ギャラリー第396回企画展
KOICHI KOSUGI Graphic Park
小杉幸一 グラフィックパーク
会 期:2023年07月11日[火]- 08月21日[月]
会 場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー (ggg)
    104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP 銀座ビル
    tel. 03.3571.5206
開館時間:11 : 00 am - 7 : 00 pm 日曜・祝日休館
入場無料
──────────────────────
この夏、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)は、アートディレクター/クリエイティブディレクターの小杉幸一 氏による、奇想天外なテーマパークに変容します。
小学生の頃から絵を描くことが好きだった、でも描くという行為そのものよりも、人に喜んでもらうことが嬉しくてとにかく描いていた、と小杉氏は自身の幼少期を振り返っています。似顔絵は家族が、マンガは友人が喜んでくれたから、と。まさに名は体を表す。大人になった‘幸一少年’は今、デザインを通して、世の中に前向きでハッピーなメッセージを発信し続けています。
「デザイナーやアートディレクターは、形をつくるだけの人ではなくて、考え方を翻訳してつくる人」と表現する小杉氏。共有することが難しいクライアントやプロジェクトチームの考えや感覚を、自分という主観を通して言語化し、視覚化することを彼は〝翻訳“と呼ぶ。博報堂に入社して数年、佐野研二郎氏の仕事をじっくり観察しながら、自分ならではのアウトプット術を磨いていった小杉氏。その修行の成果が、人の幸せを喜びとする‘幸一少年’の天分と融合し、既存のさまざまな枠を軽やかに超えていく唯一無二の〝翻訳家”となることができたのでしょう。

「グラフィックパーク」と題した本展は、小杉幸一氏が手掛けてきた広告デザインやキャンペーン、CIデザイン、ブランド開発などの代表的な仕事ごと包みこむ、遊び心満載の広場となります。ぜひ童心に帰って、クリエイティブという未知数の世界を体感ください。

※ 下掲公式サイトで最終情報を確認の上、ご観覧下さい。
【 詳 細 : ggg ギンザ・グラフィック・ギャラリー 】

【展覧会】愛知県美術館|企画展 幻の愛知県博物館|’23年6月30日-8月27日|終了

aitikennbi

愛知県美術館
企画展 幻の愛知県博物館
会  期  2023年6月30日[金]- 8月27日[日]
会  場  愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
      461-8525 名古屋市東区東桜一丁目13番2号
      TEL(052)971-5511(代)
開館時間  10:00-18:00
      金曜日は 20:00 まで(入館は閉館の 30分前 まで)
休  館  日  毎週月曜日(7月17日[月・祝]は開館)、7月18日[火]
観  覧  料  一 般 1,000円、高校・大学生 800円、中学生以下 無料
      * 詳細は下掲の公式サイトでご確認を。
主  催  愛知県美術館、中日新聞社
────────────────────
現在愛知県には、県立の総合博物館がありません。けれども明治時代に遡ると、この地に「愛知県博物館」は確かに存在していました。
1878(明治11)年に県が民間からの寄附金を集めて建てた博物館は、古く貴重な文物から味噌や醤油、酒、木材、織物、陶磁器、絵画、機械、動植物等々、国内外のあらゆる物産を集め、人々の知識を増やして技術の発展を促そうとしました。まだまだ博物館をどういう施設にすべきか方向の定まらぬ時代に、同館は先進的な商品見本を展示・販売して県下の産業を刺激する商品陳列館へと、徐々に姿を変えていきます。
日本各地に博物館や美術館が建設されるなかで、いつの間にか忘れられてしまった、殖産興業に比重を置く総合的な産業技術博物館としての「愛知県博物館」へ、時空を超えてみなさんをお招きします。

※ 下掲詳細情報をご確認のうえご観覧ください。
[ 詳 細 : 愛知県美術館

【展覧会】茨城県近代美術館|土とともに 美術にみる〈農〉の世界 ―ミレー、ゴッホ、浅井忠から現代のアーティストまで|’23年7月8日-9月3日

E253-3280 E253-3281

茨城県近代美術館
土とともに
美術にみる〈農〉の世界
―ミレー、ゴッホ、浅井忠から現代のアーティストまで―
開催期間  2023年7月8日[土]- 9月3日[日]
会  場  茨城県近代美術館
      茨城県水戸市千波町東久保666-1 TEL 029-243-5111
開館時間  午前9時30分 - 午後5時(入場は 午後4時30分 まで) 
休  館  日  月曜日 * ただし、7月17日[月・祝]は開館、翌18日[火]は休館。
      * 会期中、一部作品の展示替があります。
入  場  料  一 般 1,100円/満70歳以上 550円/高大生 870円/小中生 490円
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照
主  催  茨城県近代美術館
────────────────────
農村や農民が描かれた絵画から、農業をテーマとする現代アートまで、
日本各地から精選した約100点により、美術に表れた〈農〉のイメージを探ります。
近年、気候変動や武力紛争によって生じる食糧危機が身近となるなか、わたしたちの命を支える〈農〉があらためて注目されています。本展はこの〈農〉をテーマとするものですが、ここでの〈農〉とは、田畑を耕して農作物を作ることに加え、農家の人々や農村の風景を含め、農業をとりまく諸々のことがらを指します。

絵画作品には昔から、農作業をする人々の姿が描かれてきました。19世紀には、現実をありのままに描く自然主義芸術のモティーフとして、また産業革命後には都会人を癒す風景として、田園や農民がよりクローズアップされます。一部の画家たちは、とりわけ働く農婦の姿に健康的な美を見出し描く対象としました。一方で、農村における貧困や農民運動などをテーマとする画家たちも登場します。第二次大戦後の高度成長を経た日本では、あらためて人間と自然との関係に注目し、独自の感性で〈農〉にアプローチする作家たちが現れています。
本展では、〈農〉をめぐる多様な作品を5つのテーマに分けて考察します。日本各地の美術館などから選りすぐった約100点の作品により、美術にみる〈農〉の世界をお楽しみください。

E253-3264ジャン=フランソワ・ミレー《刈り入れ》 1866-67年 ひろしま美術館蔵
E253-3267ジャン=フランソワ・ミレー《落ち穂拾い(初版)》 1855年 山梨県立美術館蔵
E253-3270フィンセント・ファン・ゴッホ 《座る農婦》 1884-85年
公益財団法人諸橋近代美術館蔵

E253-3273福田豊四郎《秋田のマリヤ》 1948年
秋田県立近代美術館蔵 *前期(7/8-8/6)展示

フライヤー オモテ面:メーンビジュアル
ジュール・ブルトン《朝》 1888年 山梨県立美術館蔵

◆ 見どころ ◆
1.〈農〉をめぐる近現代の美術作品を多彩なジャンルから紹介!
近代以降のフランスと日本における、農村や農民をモティーフとする絵画や彫刻、農業をとりまく多様な事象をテーマとする現代アートなど、日本各地から精選した、〈農〉をめぐる多彩なジャンルの作品約100点を展示。
2. ミレーやゴッホらの有名画家による農婦のイメージ
バルビゾン派のミレー、印象派のピサロらが描いた、魅力的な農家の女性像に加え、オランダ時代のゴッホによる農婦像を紹介。画家たちは、農作業や家事育児に励む女性たちに労働の尊さと健康美を見出しました。
3. 明治から昭和の画家たちが描いた、ふるさとの風景
明治時代には日本人口の約7割、第二次大戦後直後には約5割が農家でした(農業従事者数とは別)。農村出身の画家たちの中には、郷里にとどまる場合も、あるいは郷里を離れて都会や海外へ出た場合も、愛する故郷を度々描いた者がいました。小川芋銭や小野竹喬などの近代日本画に描かれた農村を中心に紹介します。
4. 弱者への共感、農村問題への関心に基づいて表された農民たちの姿
農村は、理想郷のごとく描かれることもありましたが、実際の農民たちは、生活上の困難に直面することが多かったといえます。そうした農民の現実を見つめ、既存の権力に抵抗し立ち上がる農民運動をテーマにした作品に焦点を当てます。日本の版画家たちに大きな影響を与えたドイツの女性画家ケーテ・コルヴィッツの連作『農民戦争』全点、そして北関東を中心とする日本の版画運動家たちによる木版画などを展示します。
5. 多様なアプローチで〈農〉にせまる現代アートの競演
福田玲子、野沢二郎、大森薫子ら茨城ゆかりの作家、草間彌生、米谷健+ジュリア、雨宮庸介、スプツニ子!ら国際的に活躍するアーティストたちによる、多様な〈農〉へのアプローチを紹介。宮城在住の日本画家、浅野友理子による茨城のほしいも産業をテーマにした新作も。〈農〉にまつわる魅力的なアートが一堂に会します。

茨城県近代美術館外観(正面)

茨城県近代美術館外観(正面)

※ 作品画像は 茨城県近代美術館 より拝借したものです。二次引用などはご遠慮ください。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 茨城県近代美術館

【展覧会】国立西洋美術館|企画展 「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」|’23年7月4日-9月3日|

国立西洋美術館0601 国立西洋美術館0602

国立西洋美術館
企画展
「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」
会  期  2023年7月4日[火]- 9月3日[日]
開館時間  9:30 - 17:30
      毎週 金・土曜日 9:30 - 20:00
休  館  日  月曜日、7月18日[火](ただし、7月17日[月・祝]、8月14日[月]は開館)
会  場  国立西洋美術館 企画展示室
      110-0007 東京都台東区上野公園7-7
      お問合せ 050ー5541-8600(ハローダイヤル)
観覧料金  一 般 1,700円、大学生 1,300円
      * 各種割引、優待情報などは下掲詳細参照
主  催  国立西洋美術館、朝日新聞社
────────────────────
20230704191436_00006 20230704191436_00005 20230704191436_00007スペインは、今でこそ世界中の観光客から高い人気を誇る国ですが、歴史的には「ピレネーの向こうはアフリカである」と揶揄されたほど、他のヨーロッパ諸国にとって未知の、馴染みの薄い異国でした。
しかしナポレオンの侵略とスペイン独立戦争(1808-14年)を契機に、ヒトとモノの本格的な往来が始まり、ロマン主義の時代にスペインは他のヨーロッパ諸国からそのエキゾチックな魅力を本格的に「発見」されてゆきます。

フラメンコ、闘牛、アルハンブラ、ベラスケス、そしてドン・キホーテ …… 我々が思い浮かべるスペインの典型的な「イメージ」の多くは、19世紀にこの国を訪れた外国人旅行者たちによって確立されたものでした。そしてそうしたイメージの形成、流通に大きな役割を果たした媒体が、大量に刷ることができ、簡単に持ち運びができた版画でした。

「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」展は、スペインに関わる版画制作の史的展開を 17世紀初頭から 20 世紀後半までの長大な時間軸で概観し、写し伝えることのできる版画が、スペインの文化・美術に関するイメージの形成や流布にどのように貢献したか、約240 点の作品から探るこれまでにない企画です。
リベーラからゴヤ、フォルトゥーニ、ピカソ、ミロ、ダリら、巨匠たちの仕事を含んだスペイン版画の系譜を辿ることに加え、ドラクロワやマネなど19世紀の英仏で制作された、スペイン趣味の作品を多数紹介します。

また、本展は国立西洋美術館の収蔵品を中心に、国内約40箇所から作品を拝借し、今日までの日本におけるスペイン美術の受容と豊かなコレクション形成の様相を浮き彫りにすることも試みます。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参加を
[ 詳 細 : 国立西洋美術館 ]

【展覧会】和泉市久保惣記念美術館|常設展 東海道名所風景 -浮世絵に見る将軍様の御上洛-|’23年6月25日-8月20日|終了

kubosou0601 kubosou0602

和泉市久保惣記念美術館
常設展 東海道名所風景 -浮世絵に見る将軍様の御上洛-
会  期  2023年6月25日[日]- 8月20日[日]
会  場  和泉市久保惣記念美術館
      594-1156 大阪府和泉市内田町三丁目6番12号 TEL 0725-54-0001
休  館  日  月曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)陳列替期間
開館時間  午前10時 - 午後5時(入館は 4時30分 まで)
入  館  料  一 般 500円、高校生・大学生 300円、65歳以上 2割引 中学生以下 無 料
      * 各種障がい者手帳等を提示された場合、本人及び介助者1名様は無料
────────────────────────
2023年は徳川幕府 第14代将軍 徳川家茂が文久3年(1863)に京都へ上洛して160年の節目となる年です。
本展覧会では家茂の上洛を庶民に伝えた「東海道名所風景」158枚を、前期後期にわけて全作品を展示します。本作は三代歌川豊国を筆頭に、月岡芳年や落合芳幾、河鍋暁斎(周麿)など歌川派の絵師たちが将軍の御上洛を機に制作したもので、名所絵でありながら報道性も高いシリーズです。子どもむけのキャプションを併置して、浮世絵の楽しみ方や見所などを簡潔に記し、家族で楽しめる展覧会とします。

kubosou0603東海道名所風景 蒲原 二代歌川広重筆 

<主な出陳予定作品>
東海道名所風景 由比ヶ濱 月岡芳年筆  文久3年(1863)5月
東海道名所風景 沼津 三代歌川豊国筆  文久3年(1863)4月
東海道名所風景 阿べ川 歌川芳虎筆     文久3年(1863)5月
東海道名所風景 岡崎 周麿筆        文久3年(1863)4月
東海道名所風景 天竜川 豊原国周筆     文久3年(1863)4月
東海道名所風景 島原 落合芳幾筆         文久3年(1863)5月

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳 細 : 和泉市久保惣記念美術館

【展覧会】兵庫県立美術館|出会いと、旅と、人生と。ある画家の肖像|日本近代洋画の巨匠 金山平三と同時代の画家たち|’23年6月3日-7月23日|終了

20230621173347_0000120230621173347_00002

兵庫県立美術館
出会いと、旅と、人生と。ある画家の肖像
日本近代洋画の巨匠 金山平三と同時代の画家たち
会  期  2023年6月3日[土]- 7月23日[日]
会  場  兵庫県立美術館 3階 企画展示室
      兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1(HAT神戸内)
時  間  午前10時 - 午後6時(入場は閉館の 30分前 まで)
休  館  日  月曜日(ただし7月17日[月・祝]は開館、翌18日[火]は休館)
観  覧  料  一  般 1,600円、大学生 1,200円、70歳以上 800円、高校生以下 無 料 
      * 混雑時は入場制限を行いますので、お待ちいただく場合があります。
      * 前売りチケット、割引券、各種優待条件などは、下掲詳細参照。
主  催  兵庫県立美術館、神戸新聞社
──────────────────────
兵庫県ゆかりの洋画家、金山平三(1883-1964)の生誕140 年を記念して開催します。
金山平三は神戸元町に生まれ、1909(明治42)年東京美術学校を首席で卒業、1912(明治45)年から約4年間の欧州滞在を経て、1916(大正5)年の第10 回文展で特選第二席を受賞して注目を集めました。その後は文展、帝展を中心に作品を発表、審査員を務めるなど第一線で活躍しますが、1935(昭和10)年の帝展改組とその後の混乱を機に中央画壇から身を引き、以後それまでにもまして精力的に日本各地を旅行して四季折々にさまざまな表情をみせる日本の自然風土を傑出した筆づかいと豊かな色彩で描きつづけました。
1944(昭和19)年に帝室技芸員、戦後には日本芸術院会員となり、1964(昭和39)年に東京で没するまで珠玉の作品を数多く残しました。

後半生、中央画壇から距離をおいたがゆえに孤高の風景画家としてのイメージが強い画家ですが、風景画だけでなく静物画や人物画も描き、明治神宮聖せい徳とく記念絵画館に設置する壁画や芝居絵など多彩な仕事を手掛け、また同時代の画家たちとも親しく交わり影響を与えあう関係にもありました。
本展では、今まで取り上げることがなかった交友関係や足跡、壁画や芝居絵制作の取り組みなどさまざまな視点から金山平三の画業を紹介します。
激動の20世紀前半、時代と四つに組み、真摯に絵画と向き合い近代日本美術に大きな功績をのこした画家、金山平三の創作の軌跡をたどる展覧会です。

E232-2934金山平三 《自画像》 1909年 油彩・キャンバス 東京藝術大学蔵
E232-2989金山平三 《菊》 1921年頃 油彩・キャンバス 兵庫県立美術館蔵
E232-2985満谷国四郎《臨江甘露寺(鎮江)》1924年  油彩・キャンバス 岡山県立美術館蔵
E232-2986柚木久太 《モレーの秋》 1913年 油彩・キャンバス 倉敷市立美術館蔵

<本展のみどころ>
1 多彩な画風、変化する様式。作品本位で考える「画家」の一生とは?
これまでの回顧展には出品されなかった珍しい作品をまじえて、金山平三作品の真の「歩み」をたどります。
2 孤高なんかじゃない
金山平三にはセンセイもいれば、大好きなセンパイ、トモダチがいました。金山が多くのものを得た彼らの作品もあわせ、総数約 150 点で構成します。
3 それは通勤だった
写生地へ行くのは仕事なので、金山平三の場合は通勤なのです。通勤列車の長い旅。どの路線を利用したのか、何時の列車に乗ったのかをらく夫人あての書簡から紹介します
4 静物画は画家の命、芝居絵は制作の礎
金山が描く主に花の絵は、戦前からよく売れ画家の生活を支えました。芝居好き、踊り好きが高じて描いた芝居絵は、風景画だけでなく壁画制作の基礎となるものでした。

※ 作品の画像データーは 兵庫県立美術館 から拝借しました。二次流用などはご遠慮ください。
※ 予約制ではありませんが、混雑時は入場制限を行いますのでお待ちいただく場合があります。
【 詳 細 : 兵庫県立美術館|公式サイト

【展覧会】山梨県立美術館|開館45周年記念|ミレーと4人の現代作家たち – 種にはじまる世界のかたち -|’23年7月1日-8月27日|

山梨県美 山梨県美02 03山梨県美

山梨県立美術館
開館45周年記念
ミレーと4人の現代作家たち – 種にはじまる世界のかたち -
会  期  2023年7月1日[土]- 8月27日[日]
開館時間  9:00 ー 17:00(最終入場 16:30 まで)
会  場  山梨県立美術館 特別展示室
      400-0065 山梨県甲府市貢川1-4-27 TEL:055-228-3322
休  館  日  7月3日(月)、10日(月)、18日(火)、24日(月)、31日(月)、8月7日(月)、21日(月)
観  覧  料  一般 1,000円  大学生 500円
      * 各種割引、優待条件などは下掲詳細参照
主  催  山梨県立美術館、山梨日日新聞社・山梨放送
────────────────────
ジャン=フランソワ・ミレー(1814-75)は、産業革命以降、急速に近代化が進展する19世紀のフランスにおいて、自然と共に生きる農民の営みを描き続けた画家です。山梨県立美術館では、開館時に代表作《種をまく人》を収蔵して以来、自然豊かな県を象徴するコレクションとして、ミレー作品の収集を継続してきました。

同館開館45周年を記念して開催する本展では、ミレーの作品と共に、私たちと同じ時代を生きる4人の現代作家の作品を展観することで、多様な解釈を開くことを試みます。
人の営みが様々な観点から見直される現代において、ミレー、そして現代作家の作品は、どのようなメッセージを私たちに発しうるでしょうか。私たちひとりひとりにとっての「世界」のかたちを探る機会として、それぞれの作品世界の共鳴をお楽しみいただきます。

※ 観覧希望のかたは、下掲詳細を十分ご確認のうえお出かけ下さい。
[ 詳 細 : 山梨県立美術館 ] 

【展覧会】東京都写真美術館 B1F 展示室|田沼武能 人間讃歌|’23年6月2日-7月30日|終了

都写美01A 都写美01

東京都写真美術館
B1F 展示室
田沼武能 人間讃歌
開催期間  2023年6月2日[金]- 7月30日[日]
休  館  日  毎週月曜日(ただし7/17[月・祝]は開館、翌7/18[火]休館)
料  金  一般 700円/学生 560円/中高生・65歳以上 350円
      * 上掲は個人、当日、税込料金を表示。各種割引・優待などは下掲 詳細 参照
会  場  東京都写真美術館 B1F 展示室
      153-0062 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
特別協賛  キヤノンマーケティングジャパン(株)、東京工芸大学
主  催  公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、朝日新聞社
──────────────────────
東京都写真美術館では、「田沼武能 人間讃歌」を開催します。
田沼武能は、東京写真工業専門学校(現・東京工芸大学)卒業後、写真家・木村伊兵衛に師事し、『芸術新潮』の嘱託写真家として芸術家や文化人を撮影、その後はタイム・ライフ社の契約写真家となるなど、フォトジャーナリズムの世界で華々しい活躍を展開しました。1972年からはライフワークとして世界の子どもたちを撮影、黒柳徹子ユニセフ親善大使の各国訪問に私費で同行取材を行い、生涯で130を超える国と地域に足を運びました。

田沼は国内外で精力的な取材活動を展開し、自身の作品を発表し続け、その旺盛な 好奇心と行動力は生涯衰えることはありませんでした。その一方で、母校・東京工芸大 学で後進の指導にあたり、日本写真家協会会長、日本写真著作権協会会長、日本写真保存センター代表など、写真界の要職を歴任しながら、わが国の写真文化の普及啓発、写真の著作権保護にも力を注ぐなど、大きな役割を果たしました。
本展では未発表最新作「武蔵野」を初公開するとともに、ヒューマニスティックなまなざしで人間のドラマを描き続 けてきた田沼の70年を超える写真家としての軌跡を辿ります。

田沼 武能 |Tanuma Takeyoshi
東京・浅草生まれ。1949年にサン・ニュース・フォトスに入社後木村伊兵衛に師事。1966年、アメリカの タイム・ライフ社と契約。ライフワークとして世界の子どもたち、人間のドラマ、武蔵野や文士・芸術家 の肖像を撮り続けた。1995年から2015年まで日本写真家協会会長を務める。同年、東京工芸大学教授に就任(2004年より名誉教授)。1979年モービル児童文学賞、1985年菊池寛賞等を受賞。1990年紫綬褒章、2002年勲三等瑞宝章を受章、2003年文化功労者に顕彰され、2019年に写真家初の文化勲章を受章。2020年朝日賞特別賞を受賞。

※事業は諸般の事情により変更することがあります。 あらかじめご了承ください。
[ 詳 細 : 東京都写真美術館

【展覧会】静嘉堂文庫美術館|サムライのおしゃれ ― 印籠・刀装具・風俗画 ―|’23年6月17日-7月30日|終了

静嘉堂01 静嘉堂02

静嘉堂文庫美術館
サムライのおしゃれ

― 印籠・刀装具・風俗画 ―
会  期  2023年6月17日[土]- 7月30日[日]
会  場  静嘉堂@丸の内(明治生命館 1 階)
      100-0005 東京都千代田区丸の内 2-1-1 明治生命館 1 階
休  館  日  毎週月曜日(ただし 7月17日[祝]は開館、7月18日[火]は休館)
開館時間  午前10時 - 午後5時(金曜は午後6時まで) * 入館は閉館の 30 分前まで
入  館  料  日時指定予約 優先入館。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
      一 般 1,500 円 大高生 1,000 円 中学生以下 無 料
お問合せ  TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
主  催  静嘉堂文庫美術館(公益財団法人静嘉堂)
──────────────────────
静嘉堂文庫美術館のコレクションには、武家文化の日常生活の中ではぐくまれたサムライの装身具である、刀装具、提げ物の印籠根付の優品が豊富です。こうした近世の美術工芸品は、海外では浮世絵と同じく日本を代表する美術品として高く評価され、明治期以降、ネクタイピンやカフスボタンのようなおしゃれな品として、世界中の愛好家に愛玩、蒐集されてきました。
本展では、こうしたいわば“サムライのおしゃれ”を御覧いただくとともに、おしゃれな江戸時代の人々の様子を活き活きと描いた、近世初期風俗画なども併せてご紹介いたします。

4_石黒是美 花鳥図大小鐔三所物 5_藤丸写合口拵(長船兼光脇指付属)上図) 石黒是美「花鳥図大小鐔三所物」江戸時代(19世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵
   下図) 藤丸写合口拵(長船兼光脇指付属)江戸時代(19世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵

江戸時代、「士農工商」の身分  制度のなかで、大小の刀を腰にさすことは、武士の特権でした。朱塗や金色のきらびやかな鞘  – さや – の装飾は平和な時代になるとすたれ、黒に統一されます。江戸城はじめ殿中の勤務では、大刀 -だいとう- を預けても、小刀 – しょうとう – は常に腰に帯びました。サムライの 鞘 のおしゃれは、深い光沢の漆黒の艶に凝る結果となり、江戸時代の黒漆塗りは大きく発展したので、海外からも日本の黒漆塗は羨望の的となり、ピアノの黒塗は日本刀の鞘塗りに触発されたといわれます。刀装具のうちの拳を守る 鐔 – つば – や、ペーパーナイフのような 小柄 – こづか – などの細かな金工も発展しました。また、鉄や銅を地金として、彫刻や象嵌、あるいは薄い金などの板を着せ付ける 色絵 といった様々な装飾技法が発展しました。
江戸時代の刀装具の意匠は、ネクタイピンやカフスボタンのように、サムライたちのおしゃれを示す代表となり、富裕な町人の間にも広まりました。

8_1_四条河原遊楽図(左隻) 8_2_四条河原遊楽図(右隻)重要文化財 「四条河原遊楽図屏風」  上)左隻  下)右隻)
江戸時代(17世紀)静嘉堂文庫美術館蔵 

桃山 - 江戸時代初期(16世紀後半から17世紀前半)にかけ、上方を中心に「近世初期風俗画」と呼ばれる、庶民の生活が主題となった屏風や襖絵が誕生します。重要文化財「四条河原遊楽図屏風」はその代表的作品で、等身大の人間模様が活き活きと描かれています。歌舞伎者と呼ばれるオシャレな風態をした人(左隻右側ほぼ中央)、遊女や若衆らがファッションリーダーとして登場し、老若男女がそれぞれのオシャレをして描かれます。

9_1_羯鼓催花・紅葉賀図密陀絵屏風のうち羯鼓催花(左) 9_2_羯鼓催花・紅葉賀図密陀絵屏風のうち紅葉賀図(右)重要文化財 「羯鼓催花・紅葉賀図密陀絵屏風」 上図)羯鼓催花 下図)紅葉賀図
桃山-江戸時代(17世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵

片隻には唐の玄宗皇帝・楊貴妃にちなむ逸話。皇帝が着飾った楽師たちの揃う前で、羯鼓 – かっこ/つづみの一種 – を打ち鳴らすと、木々の花が一斉に開いた吉祥の逸話の瞬間が描かれています。
一方は、『源氏物語』紅葉賀の一場面で、美青年・光源氏と頭中将が御所で 青海波 の舞を披露すると、神のような美しさとたたえられる、『源氏物語』の中でも最も祝福性の高い帖です。舞い姿には 鞘 の先が見え、太刀を佩いて舞っていることが分かります。漆と油彩の一種である 密陀絵 を複合して、性質の違う材料を使用して、人物の肌色や白い花をあらわしています。

本展覧会には、「 瓦 版 」でも報告のとおり、このたび静嘉堂で発見された、岩﨑彌之助の義父・
後藤象二郎が 1868年に 英国ビクトリア女王から拝領したサーベルが初公開されます。
静嘉堂文庫美術館瓦版

◆ 静嘉堂文庫美術館の 国宝《曜変天目(稲葉天目)》も出品します ◆

※ 作品画像・テキストは 静嘉堂文庫美術館 の協力をいただきました。流用はご遠慮ください。
※ 日時指定予約 優先入館。下掲詳細を確認の上ご観覧を。

[ 詳 細 : 静嘉堂文庫美術館  公式チケットオンライン予約〔 静嘉堂@丸ノ内 〕]

【展覧会】京都 ddd ギャラリー|第238回企画展|ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み|’23年8月9日-10月15日

20230713151156_00001 20230713151156_00002

京都 ddd ギャラリー
第238回企画展
ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み
会  期  2023年8月9日[水]- 10月15日[日]
会  場  京都 ddd ギャラリー
      600-8411 京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620 COCON 烏丸 3 F
      TEL:075-585-5370  FAX:075-585-5369
開館時間  11:00 - 19:00  * 土日祝は 18:00 まで
休  館  日  月曜(祝日・振替休日の場合はその翌日)、祝日の翌日(土日にあたる場合は開館)
      ※ 9月12日[火]は COCON烏丸特別休業のため休館、
        9月19日[火]・10月10日[火]は祝日の翌日のため休館となります。
入  場  料  無 料
主  催  公益財団法人 DNP 文化振興財団
──────────────────────
アメリカでもっとも愛された芸術家の一人、ソール・スタインバーグ(1914—1999)の逝去から24年。スタインバーグの名前は日本でもおなじみですが、今もっとも再発見、再評価を必要としている芸術家です。
スタインバーグは、ドローイングを「紙上で推論する方法」と捉え、神話化されたアメリカの理想像と現実とのギャップや、不気味で滑稽な不条理、たとえば、古いものと新しいもの、優雅と狂暴といったものの混在とその見えない裂け目(クレバス)を、ユーモアと風刺を備えた、軽妙でしかも鋭利な線(line)で描きました。
彼は、「見えない線」、「見えないもの」、「見えない言葉」、「見えない構造」を視覚化し、意味の変換、概念の変換に生涯挑戦し続けました。
自分自身の肩書の曖昧さを積極的に受け入れていたようで、世間からも「描く文筆家」、「言葉と音の建築家」、「境界線上の芸術家」、「新しい思想の起案者」など様々に評され、常に未知の視覚的領域を超えて、子供の絵や大人の落書きから、クラシック、バロック、マニエリスム、表現主義、キュビスム、構成主義まで、あらゆるスタイル、あらゆる表現方法を試みました。
「私は読者に共犯を呼びかけている」と、スタインバーグは見る側を、現実の理不尽さに目を向けるために当事者になることを煽ります。スタインバーグが生み出した造形は、このような思索と思想を武器に、イタリアの風刺新聞『ベルトルド』やアメリカを代表する雑誌『The New Yorker』誌をはじめ、数々の新聞や雑誌の紙面を、美術館の壁にあるピカソの絵と同じくらい明確に、芸術の場に変えたのです。

※ 下掲公式詳細サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 京都 ddd ギャラリー

【展覧会】横尾忠則現代美術館|横尾忠則 原郷の森|’23年5月27日-8月27日|終了

20230621173347_0000420230621173347_00003ポスターデザイン : 横尾忠則

横尾忠則現代美術館
横尾忠則 原郷の森
会  期  2023年5月27日[土]- 8月27日[日]
開館時間  10:00 - 18:00[入場は 閉館の30分前 まで]
休  館  日  月曜日〔ただし7月17日[月・祝]は開館、7月18日[火]休館]
会  場  横尾忠則現代美術館(兵庫県立美術館王子分館)
      657-0837 兵庫県神戸市灘区原田通 3-8-30
      Tel:078-855-5607(総合案内)/ Fax:078-806-3888
観  覧  料  一 般 700円、大学生 550円、70歳以上 350円、高校生以下 無 料
主  催  横尾忠則現代美術館([公財]兵庫県芸術文化協会)、神戸新聞社
────────────────────

1原郷の森《(原郷の森)》2019年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
2死の愛《死の愛》1994年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
3デュシャンピアン《デュシャンピアン》2010-2013年
作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)

4美の盗賊《美の盗賊》2008年
作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)

2022年3月に出版された『原郷の森』(文藝春秋)は、主人公 Y が 美術、小説、映画などの様々な分野で名を残した著名人たちと時空を超えて語り合うものです。500 ページにわたって繰り広げられる壮大な芸術論 / 人生論は、先達に学ぶ芸術家としての、または戦後日本文化の担い手かつ目撃者としての、あるいは、兵庫県西脇市に生まれ育った純朴な少年の記憶を保つ、横尾忠則の姿を浮き彫りにします。

本展では、この小説に関連する横尾の作品を、小説から抽出した文言とともに展示することで、言葉のみで表された世界を、イメージを加えた展覧会として構築しようと試みるものです。
横尾がつづる言葉と、横尾が描く絵が織りなす森のような展示室に分け入り、半世紀以上の歳月をかけて形作られた横尾の芸術観を身体的に感じ取る機会にします。

横尾忠則現代美術館 外観

横尾忠則現代美術館 外観

◉ 同時開催
YOKOO TADANORI COLLECTION GALLERY 2023  Part 1

会  期  2023年5月27日[土]- 8月27日[日]
開館時間  10:00 - 18:00[入場は 閉館の30分前 まで]
休  館  日  月曜日〔ただし7月17日[月・祝]は開館、
7月18日[火]休館]
会  場  横尾忠則現代美術館
4 F 横尾忠則コレクションギャラリー
657-0837 兵庫県神戸市灘区原田通 3-8-30
Tel:078-855-5607(総合案内)
観  覧  料  企画展のチケットでご覧いただけます
※ 本展のみのチケットは販売しておりません


※ 作品画像は 横尾忠則現代美術館 より拝借した物です。二次引用などはご遠慮ください。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認のうえご観覧を。
[ 詳 細 : 横尾忠則現代美術館

【展覧会】練馬区立美術館|練馬区立美術館コレクション+植物と歩く|’23年7月2日-8月25日|終了

20230626194013_00006 20230626194013_00007

練馬区立美術館
練馬区立美術館コレクション + 植物と歩く
会  期  2023年7月2日[日]- 8月25日[金]
会場住所  176-0021 東京都練馬区貫井1-36-16
休  館  日  月曜日(ただし 7月17日[月・祝]は開館、7月18日[火]は休館)
開館時間  10:00 - 18:00 * 入館は17:30まで
観  覧  料  一 般 500円、高校・大学生および65-74歳 300円、中学生以下および75歳以上 無料
* 各種割引、優待情報などは下掲詳細参照
主  催  練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)練馬区立美術館
────────────────────
「植物と歩く」とはどういうことでしょう? 植物は一つの場所に留まっていながらも、根は地中に、茎や葉は地上に伸びて這い広がり、花をひらかせてはしぼむ、その一生は動きに満ちています。本展では、「植物と歩く」という言葉に、植物の営む時間と空間に感覚をひらき、ともに過ごすという意味を込めました。作家は植物を観察しその特徴をとらえようとするなかで、普段わたしたちが気づかずに通りすぎてしまうようなその意外な姿に迫り、自身の思いを重ねてイメージを作りあげるのかもしれません。

本展では当館のコレクションを中心に展示し、植物がどのように作家を触発してきたかを探ります。コレクションからは、画面をおおい尽くさんばかりに増殖する植物の生命力を描いた 佐田 勝 の油彩画とガラス絵、花が散る瞬間を写実的かつ幻想的にとらえる 須田悦弘 の木彫、水芭蕉を生涯のモチーフとした 佐藤多持 の屏風や、約3mの大画面に樹木を描いた 竹原嘲風 の日本画などを展示します。コレクションに加えて、植物学者・牧野富太郎 による植物図と植物標本や、倉科光子 による種と芽吹きの両方の時間を記録する絵画を紹介します。
皆さんも、実在の植物から想像上の植物まで、美術館に集まった魅力あふれる植物たちとともに歩いてみませんか。

※ 同館は事前予約制ではありません。当日チケットカウンターでチケットをお求めください。
[ 詳 細 : 練馬区立美術館 ] 

【展覧会】栗田美術館|特集陳列 輸出された伊萬里焼|’23年3月18日-8月27日|終了

栗田美術館01 栗田美術館02

栗田美術館
特集陳列 輸出された伊萬里焼
期  間  2023年3月18日[土]- 8月27日[日]
休  館  日  月曜日(但し、祝日の場合は翌日)
開館時間  午前9時30分-午後5時 * 入館は4時半まで 
会  場  栗田美術館 陶磁会館1階展示室
      329-4217 栃木県足利市駒場町1542 * 大駐車場あり
      電 話 0284-91-1026  FAX 0284-91-2153
入  館  料  一  般 1250円、 小 中 高 生 500円
──────────────────────
17世紀、主として西洋と東洋の世界を結んでいたのはオランダ東インド会社です。彼らの目的は香辛料の調達でしたが、当時のヨーロッパで製造することができなかった磁器、すなわち景徳鎮窯に代表される中国磁器も主力商品のひとつでした。しかし17世紀中期、中国の内乱により磁器の買い付けが困難になると、その代替品の入手に迫られることとなります。
そこで
浮上したのが、日本最初の磁器である伊萬里l焼です。17世紀初頭に創業した伊萬里l焼は、この時期。染付はもとより色絵の技術も獲得し、急速な成長を見せていました。オランダ東インド会社は、まず朿南アジアへ伊萬里焼をもたらし、次いでヨーロッパへ本咯的な輸出をはじめました。

遙かな海を越えて運ばれ、近年、日本に戻ってきた伊萬里焼の中から、今回は輸出最盛期である、17世紀後期から18世紀のヨーロッパ向け製品を中心に展示いたします。
彼らの生活に取り入れられた日常品の数々や、室内を飾った調度品、さらに特別な注文品など60件余りをご覧いただきます。

※ 下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 栗田美術館

【展覧会】お札と切手の博物館|特別展示 お札が変わる! なぜ変わる? お札の知られざる歴史を探ろう|’23年7月19日-8月27日|

お札と切手の博物館0801 お札と切手の博物館0802

お札と切手の博物館
特別展示 お札が変わる! なぜ変わる? お札の知られざる歴史を探ろう
開  催  日  令和5年7月19日[水]- 8月27日[日]
開催時間  9:30 - 17:00
休  館  日  月曜日
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
      114-0002 東京都北区王子1-6-1 Tel:03-5390-5194
入  場  料  無 料
────────────────────
◆ お札と切手の博物館 ウェブサイトゟ
image_r05_summer
新しいお札が2024年7月前半を目途に発行される予定です。お札のデザインや製造技術を新しくして発行することを改刷(かいさつ)と言います。

本展では、20年振りに行われる新しいお札の発行にちなみ、これまでの日本のお札の改刷を振り返り、その理由を紐解きます。また、日本とは異なる事情で行われる海外の例もご紹介します。
お札の改刷はただ肖像が変わるだけではありません。皆さんの生活に大きく関わる理由があります。 夏休みの自由研究のテーマとしても最適ですので、お札の改刷を学びにぜひご来館ください。

※ 下掲の公式詳細サイトで最新情報を確認のうえご観覧ください。
[ 詳 細 : お札と切手の博物館 ]