月別アーカイブ: 2018年2月

【公演・展示】国立能楽堂 三月企画公演 野守・百万・藤戸・高砂+国立能楽堂 資料展示室 企画展「能の作リ物」終了企画

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国立能楽堂
三月企画公演 野守・百万・藤戸・高砂
公演期間  2018年3月24日[土]

開演時間  午後1時開演(終演予定午後3時15分頃)
      * 開場時間は、開演の1時間前の予定です。
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みどころ
◎女性能楽師による第一線で活躍する女性能楽師による公演です。性別の差に拠らない、より普遍的な能の表現を探ります。

演目・主な出演者
◎女性能楽師による
仕舞 野守(のもり)   久貫 弘能(宝生流) 

仕舞 百万(ひゃくまん) クセ  今村 宮子(観世流)

仕舞 藤戸 (ふじと)     内田 芳子(宝生流)

能    高砂(たかさご)   鵜澤 久(観世流)
高砂 高砂の浦を訪れた阿蘇の神主の前に現れた老夫婦は、松の目出度さや、歌が詠まれるのは天下泰平の象徴と語り、神主を住吉へ船出させます。やがて住吉明神が現れ、泰平の世を祝福して舞を舞います。

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国立能楽堂 資料展示室
企画展「能の作リ物」
内容 舞台装置を使うことが少ない能楽において、作リ物がどのように使われてきたか、絵画、工芸、資料等から読み解き、作リ物の実物と併せて展示します。

期 間  平成30年1月6日[土]-3月25日[日]
       前期 1月6日[土]-2月18日[日]
       後期 2月27日[火]-3月25日[日]
時 間  午前10時-午後5時
休室日  月曜日(祝日の場合は翌日)
入場無料
国立能楽堂主催による下記の夜公演をご鑑賞のお客様は、開場から休憩時間終了時まで、展示をご覧頂くことができます。
1月19日・1月31日・2月16日・2月28日・3月16日

【詳細情報:国立能楽堂 資料展示室特設

【催事・講演会】萩市観光課 萩おもてなし大賞 3月14日開催 終了企画

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萩市観光課
萩おもてなし大賞
日 時:平成30年3月14日[水]
・ 受付     18:00-18:30
・ おもてなし大賞 表彰式  18:30-19:20頃
・ 記念講演会  19:30頃-20:30
会 場 : JA あぶらんど萩  萩支所3階(萩市江向)
入場料 : 無 料
主催・問合せ先 : 萩おもてなし推進協議会(萩市観光課内)
電話 0838-25-3139  FAX 0838-26-0716
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まごころのこもったおもてなしを実践している個人や団体を表彰する「萩おもてなし大賞」の表彰式と、「おもてなし講演会」を、3月14日[水]に開催します。
今回は明治維新150年を記念し、市民のおもてなし意識の更なる向上のため、日本一のおもてなしを誇る旅館「加賀屋」から講師をお迎えします。
表彰式・記念講演会は入場無料です。記念講演会のみのご参加も可能です。
この機会に日本一をのおもてなしを誇る「加賀屋」(石川県七尾市和倉町ヨ部80番地)さんのお話しを聞きに来ませんか?

【 萩おもてなし大賞 記念講演会 】
◆演 題/ 「加賀屋の流儀  ~笑顔で気働き~ 」
◆講 師/ 小田 與之彦氏(株式会社加賀屋 代表取締役社長)

【詳細: 萩市観光協会公式サイト

【展覧会】 東京国立近代美術館 ── 没後40年 熊谷守一 生きるよろこび ── 2017ー2018年 終了企画

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東京国立近代美術館 企画展
没後40年 熊谷守一 生きるよろこび  
Kumagai Morikazu: The Joy of Life
2017年12月1日 - 2018年3月21日

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熊谷守一(くまがい-もりかず  1880-1977)は、明るい色彩とはっきりしたかたちを特徴とする作風で広く知られます。特に、花や虫、鳥など身近な生きものを描く晩年の作品は、世代を超えて多くの人に愛されています。

その作品は一見ユーモラスで、何の苦もなく描かれたように思えます。しかし、70年以上に及ぶ制作活動をたどると、暗闇でのものの見え方を探ったり、同じ図柄を何度も使うための手順を編み出したりと、実にさまざまな探究を行っていたことがわかります。
描かれた花や鳥が生き生きと見えるのも、色やかたちの高度な工夫があってのことです。穏やかな作品の背後には、科学者にも似た観察眼と、考え抜かれた制作手法とが隠されているのです。

東京で久々となるこの回顧展では、200点以上の作品に加え、スケッチや日記などもご紹介し、画家の創造の秘密に迫ります。
明治から昭和におよぶ97年の長い人生には、貧困や家族の死などさまざまなことがありました。しかし熊谷はひたすらに描き、95歳にしてなお「いつまでも生きていたい」と語りました。その驚くべき作品世界に、この冬、どうぞ触れてみて下さい。 

【詳細情報:東京国立近代美術館 展覧会特設サイト

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{新宿餘談}
DSCN5793喘息のモトになるからと医者に飼育を禁じられたが、子供の頃から犬と猫を飼っていたし、いまもって犬・猫が好きである。というより、いまでも町歩きのさなかに見知らぬ猫が躰をすり寄せてきたりする。どうやら猫に好かれるたちらしい。

かつて「権之助」という名の猫を飼っていた。いっしょに柴犬も飼っていたが、犬はあまりに従順で、ときには卑屈にみえたりして物足りなかった。その点では猫は気まぐれで、反抗的である。
「権之助」はいつの間にか屋外にも出かけるようになった。したがって外から蚤やダニをひろってくるので週一ペースで風呂に入れた。ところが「権之助」は風呂が嫌いで、やつがれが裸になると気配をかんずるのか、いつの間にかスゥッ~とどこかに消えた。それをなんとか捕まえて浴室に抱き込む。
それからがまたひと騒動。猫専用のシャンプーで洗い、そっとシャワーをかけると、猛然とツメをたてて抵抗。頭にシャワーのお湯が当たろうものなら、浴室中を駆けまわり、牙と爪をむきだして、咬むは引っ掻くはで大わらわ。ともかく「権之助」専用のバスタオルで拭ってやるまでの抵抗たるや、すさましいものがあった。

熊谷守一翁も猫が好きだったようである。たれが風呂に入れたのだろうか…… 。
熊谷守一《猫》はどこかで、いつも、見続けていたような気がした。参観の翌日、近くのとんかつ屋に確認にいったら、やはりこの絵の複製画が額にはいって掲示されていた。このとんかつ屋とのつき合いはながい。まさにここには昭和のぬくもりがあった。
展示されたスケッチに、猫のさまざまな姿態がとても丁寧に描かれていた。熊谷守一の猫好きに共感したよい展覧会だった。

雪が融けたら参観をおすすめしたい。

20180129154916_00003熊谷守一 生きるよろこび 展覧会図録
20180129154916_00002国立近代美術館市販はがき 熊谷守一《猫》 愛知県美術館 木村定三コレクション

【香港会員情報】Salama-21Aユーザーの Tiana さん、友人の Cucumber さん、ご案内役の赤井都さん

TianaSalama-21A ユーザー Tiana さんのカード

春節(旧暦のお正月)とあって、ここしばらくアジア各地からの来客がおおかった。
折から寒風が吹きつのる寒い日であったが、香港のユーザー Tiana さん、友人のCucumber さん、そしてご案内役として、作家にして製本家:赤井 都さんがご来社。
Tiana さんは二度目のご来社で、さらに高度なスキルの習得をめざされての講習会。それをあたたかくお迎えいただいたのが赤井 都さんでした。
香港からの熱気にあおられるような、あつい講習会となりました。

香港からのお客さま+赤井都さん左から) Cucumber さん、Tiana さん、赤井 都さん

【切手とはがき】年賀状を収納する前に、もう一度左肩の切手と消印部に注目 ! 巧妙かつ精緻な偽造防止のワザの数〻がみられます

2018年年賀状むかしは「官製年賀はがき」といった。いまは日本郵政グループ、日本郵便による「年賀葉書」というらしい。それでも宛名面の中央上部の表記は「郵便はがき」であるが …… 。

2018年2月26日「日本郵便 プレスリリース」によると、2018(平成30)年用年賀葉書の総発行枚数は30億枚弱の 2,965,266 千枚と報告されている。
「年賀葉書」は、生活様式の変化・メディアの多様化・人口減少などのために、2003年の44億5936千枚をピークとして漸減傾向にあるが、それでも30億枚弱という数字はとてつもない数字である。しかも2018年1月1日の速報値によれば、そのうちおよそ半分強の15億43百万通は元旦の01月01日に配達されている。いわゆる私製はがきをふくむのかどうかは発表されていない(日本郵政グループ プレスリリース)。

刻線の美フライヤー表紙お札と切手の博物館 2017年春の特集展《刻線の美》フライヤー 終了企画
《刻線の美》フライヤー PDF

わが国の、お札、切手・収入印紙・国債などの諸証券などの印刷は、独立行政法人国立印刷局が担っている。
これらの証券印刷は、万にひとつでも偽造(印刷)物が流布したら大きな混乱をもたらすので、精緻かつ巧妙、さらには美的要求にまで応ずる、さまざまな工夫と技芸の粋がこらされている。
印刷局でのこれらの原版彫刻、デザインなどの業務は、「印刷局工芸官」という専門職員がおこなっている。

ここであらためて2018年、日本郵便による「年賀葉書」の左側面に朱色で印刷された、切手と消印にあたる部分をみてみよう。基本的な絵柄はお正月らしく、吉祥文としての富士山と、ことしの干支にあたる戌(犬)が主要モチーフである。このふたつの絵柄のなかに富士山がいくつか描かれ、犬の足の爪に擬して、ローマ大文字の「FUJI」が置かれている。
さらに消印部にあたる罫線下側を仔細にみると、右から二行目と四行目に、ひら仮名による「嘉語」が刻されていることが読みとれる。

これらの原版彫刻は、すべて手作業により、図柄や文字を彫刻士が製作したものであり、これを高精度な「OCR  光学式読みとり装置」などをもちいて、真贋を瞬時に判別し、数十億枚という膨大な数量のはがきでも迅速な処理を可能としているとされる。
こうした印刷局工芸官の技倆の一端を、おもにグラビア凹版切手の側面から紹介したのが《お札と切手の博物館 2017年春の特集展 ── 刻線の美》展であった。

《お年玉切手シートにも、楽しい技巧がこらされています》

年賀お年玉切手20172017年(平成29)お年玉切手シート
年賀お年玉切手20182018年(平成30)お年玉切手シート
2017年のメーンビジュアルの「酉・鳥」の絵柄が前の年を継承するように右上側面に描かれ、切り取り穴の「目打ち Perforation ≒ ポッチング」の一部が、ことしの干支「戌・犬」が好きな骨の絵柄になっている。気難し屋がおおい「印刷局工芸官」もすこしは楽しみたかったのかもしれない。

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【展覧会】お札と切手の博物館 日本近代紙幣の礎となった男たち ─ 日本近代紙幣の礎となった男たち ─ 2018年3月4日まで 終了企画

お札と切手の博物館オモテお札と切手の博物館ウラ

お札と切手の博物館
明治150年関連施策特別展(平成29年度 第2回特別展)

日本近代紙幣の礎となった男たち
── 明治150年 ── 印刷局はじまりの物語 ──

開  催 日:平成29年12月19日[火]-平成30年3月4日[日]
開催時間: 9:30-17:00 * 2月23日[金]は、19:00まで
休  館 日 :月曜日(祝日の場合は翌平日)、2月11日[日]
開催場所:お札と切手の博物館 2階展示室
入  場 料:無 料
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国立印刷局は、明治4(1871)年の創設以来、日本の紙幣製造に携わってきました。
明治10年には西欧の先進技術を習得して、近代国家にふさわしい紙幣の完全国産化を実現し、日本の紙幣製造元としての第一歩を踏み出しました。この技術が現在の日本銀行券の製造技術の基盤となっています。

このように印刷局において、創業期にあたる明治時代は重要な時代です。特に明治時代初期から中期にかけては経営基盤を確実なものとするために本業の技術を生かして様々な製品を製造、販売することが行われており、他の時代とは一線を画しています。
本展では、キーパーソンとなった人物の事績を紹介しながら、当時の印刷局の事業について解説します。

【詳細情報: お札と切手の博物館 】

【展覧会】東京都写真美術館 ── 写真発祥地の原風景 長崎 ── 3月6日─5月6日 展示作品入替有り

20180206132117_00004 20180206132117_00005東京都写真美術館
写真発祥地の原風景 長崎
Geneses of Photography in Japan : Nagasaki
会  期: 2018 年 3 月 6 日[火]- 5 月 6 日[日]
* 4 月 9 日[月]に展示替えをおこないます
主 催 :公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館/国立大学法人長崎大学/読売新聞社/美術館連絡協議会
協 賛 :ライオン/大日本印刷/損保ジャパン日本興亜/日本テレビ放送網/ 東京都写真美術館支援会員
協 力: 長崎県/一般財団法人長崎県観光連盟/長崎市/長崎歴史文化博物館
後   援: オランダ王国大使館
会 場: 東京都写真美術館 2 階展示室
開館時間: 10:00-18:00(木・金は 20:00 まで)
休館日: 毎週月曜日  * 月曜日が祝日の場合は開館、翌平日が休館
観覧料 :一般 700 円/学生 600円/中高生・65 歳以上 500円
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東京都写真美術館では、古い写真に関する新たなシリーズである「写真発祥地の原風景」を開幕します。このシリーズでは、日本の写真発祥地と言われる 3 都市にフォーカスし、初期写真* を核に幕末・明治の日本を展示室に再構築します。
第一段となる本展は、「明治 150年」を記念し、長崎学に造詣の深い姫野順一博士(長崎外国語大学特任教授/長崎大学名誉教授)監修のもと、写真を中心としたオリジナル作品のほか、古地図や絵画・工芸作品など、ジャンルや時代を超えて、幕末・明治の「長崎」を展示室に再構築します。
* 初期写真(Early Photograph)とは、古写真のなかでも特に 19 世紀の写真を指します。

【詳細情報: 東京都写真美術館

【展覧会】東京都写真美術館 『光画』と新興写真 モダニズムの日本 ── 3月6日─5月6日

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東京都写真美術館
『光画』と新興写真 モダニズムの日本

The Magazine and the New Photography : Koga and Japanese Modernism
主 催: 東京都 東京都写真美術館/読売新聞社/美術館連絡協議会
協 賛: ライオン/大日本印刷/損保ジャパン日本興亜/日本テレビ放送網
会 場: 東京都写真美術館 3 階展示室
開館時間: 10:00-18:00(木・金は 20:00 まで)* 入館は閉館 30 分前まで
休館日:毎週月曜日  * 4月30日(月・振休)、5月1日(火)は開館
観覧料:一般 700 円/学生 600円/中高生・65 歳以上 500円
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か う し た 作 品 も 藝 術 で は な い だ ろ う か ?

『新興写真研究Ⅰ』(1930年)より

本展は 1930 年前後に日本の写真史において盛んとなっていた新興写真に注目した展覧会です。
新興写真とは、ドイツの新即物主義(ノイエザッハリヒカイト)やシュルレアリスムなどの影響をうけ、それまでのピクトリアリズム(絵画主義写真)とは異なり、カメラやレンズによる機械性を生かし、写真でしかできないような表現をめざした動向です。

『光画』とは 1932 年から 1933 年までわずか 2 年足らずしか発行されなかった写真同人雑誌です。主宰者である野島康三、同人であった木村伊兵衛、中山岩太を中心に関西(浪華写真倶楽部、芦屋カメラクラブなど)のアマチュア写真家をも巻き込み、新興写真を牽引しました。ジョン・ハートフィールド、エドワード・スタイケン、ウジェーヌ・アジェなど外国人作家の作品紹介から、フランツ・ロー、ラースロー・モホイ=ナジの論文の翻訳など、海外の情報も掲載し、第2号から同人として参加した、評論家の伊奈信男が創刊号に掲載した「写真に帰れ」は、日本近代写真史を代表する論文として知られています。

また 1930 年には雑誌『フォトタイムス』の編集主幹であった木村専一を中心に「新興写真研究会」が結成され、堀野正雄、渡辺義雄などが参加しています。わずか3号ですがこの研究会の雑誌も発行されました。
今回はこの二つの雑誌に掲載された写真を中心に、新興写真に影響を与えた海外写真家の作品とその後の写真表現を展観いたします。
日本では戦後の主流となったリアリズム写真表現と相反する部分も多かったために、注目される機会が限られていました。しかしさまざまな実験や工夫があり、その後の広告表現やリアリズム写真にも影響を与えています。幅広い豊かな写真表現をご堪能下さい。

【詳細情報: 東京都写真美術館 】

【GOOD DESIGN Marunouchi】#38 すみだ地域ブランド展 3月23日─25日 終了企画

すみだGOOD DESIGN Marunouchi
#37 
すみだ地域ブランド展
開催期間 2018年3月23日[金]-3月25日[日]

入場無料 11:00-20:00
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墨田区(区長:山本亨)は、江戸時代から続く「ものづくりのまち」です。2010年より、すみだ地域ブランド推進協議会(理事長:水野誠一)を立ち上げ、ものづくりを通じて、地域のブランド力を向上し、産業の活性化を図る取組み「すみだ地域ブランド戦略」を推進しています。その主な取組みとして「すみだモダン ブランド認証事業」と「ものづくりコラボレーション事業」を行っています。

「すみだモダン ブランド認証事業」は、「あたらしくある。なつかしくある。」を基本コンセプトとして、すみだらしい付加価値の高い商品や飲食店メニューを、「すみだモダン」というブランド名で認証し、広く国内外に発信しています。
これまでに、工芸品、日用生活品、食品など122商品・50飲食店メニューを認証し、本年度も「すみだモダン2017」として新たに10数点が認証されています。
「ものづくりコラボレーション事業」は、高い技術を持った墨田区の製造企業と世界で活躍するクリエイターのコラボレーションにより、市場性の高い新商品の開発、販路開拓のサポートを行っています。
今回はすみだモダン認証商品をはじめ、今年度よりスタートした「SUMIDA CONTEMPORARY」プロジェクトの参加事業者8社と、ヨーロッパを中心とする11のデザイナーの紹介や、ものづくりコラボレーション事業で過去に開発された商品などを展示します。

【詳細: GOOD DESIGN Marunouchi 】

【上映企画】東京国立近代美術館フィルムセンター{自選シリーズ 現代日本の映画監督6 石井岳龍}3月13日─3月25日 終了企画

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東京国立近代美術館フィルムセンター
上映企画
自選シリーズ 現代日本の映画監督6 石井岳龍
Directed by Gakuryu Ishii – His Own Selection

会 期:2018年3月13日(火)-3月25日(日)
主 催:東京国立近代美術館フィルムセンター
協 力:有限会社スタンス・カンパニー
* 3月の休館日:月曜日、3月26日(月)-3月31日(土)
会 場:大ホール(2階)
定 員:310名(各回入替制・全席自由席)
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恒例となったフィルムセンターの上映企画「自選シリーズ 現代日本の映画監督」。第6回は、8mm自主映画で一躍注目を集め、続いて長篇『狂い咲きサンダーロード―Crazy Thunder Road―』(1980年)など、映像と音響が渾然一体となって疾走する作風によって、1970~80年代の日本映画のニューウェーブの旗手となった石井岳龍(旧名:石井聰亙そうご)監督にスポットを当てます。

石井監督は、その後も映像と音の相乗効果によって生まれる表現の新たな可能性を求め、数々の実験的な中・短篇を発表しながら、長篇『水の中の八月』(1995年)や『五条霊戦記 GOJOE』(2000年)など、人間の持つ広大な無意識や内面の探求へと徐々にテーマを変化させていきます。近年も『生きてるものはいないのか』(2011年)など、話題作を発表し続けています。今特集では石井監督自選の12プログラム(16作品)を上映するとともに、劇場での音響にこだわったPA轟音上映の機会も設け、石井作品の全体像を多面的に振り返ります。ぜひご来場ください。

【詳細: 東京国立近代美術館フィルムセンター

【展示】チェコセンター「変わらぬ原作、変わり続ける翻訳 ─ 日本とカレル・チャペックの文学」3月7日─3月28日 終了企画

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チェコセンター 東京展示室
変わらぬ原作、変わり続ける翻訳 ― 日本とK・チャペックの文学

会 期:2018年3月7日[水]ー3月28日[水]
    平日10:00-17:00
会場:チェコセンター東京展示室

   〒150-0012 東京都渋谷区広尾2-16-14 チェコ共和国大使館内
   TEL:03-3400-8129
企画:ブルナ・ルカーシュ(実践女子大学)
入場無料
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今年は、チェコを代表する作家カレル・チャペックの没後80年にあたります。チャペックの作品は、戦前から今日にいたるまで盛んに邦訳され、数多くの読者に親しまれてきました。
本展示では、約1世紀にもおよぶ、日本におけるチャペックの翻訳史を回顧し、チャペックの文学を日本の読者に届けた翻訳者にも光を当てます。

【詳細情報: チェコセンター 】   情報提供:山崎洋介会員

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{新宿餘談}
ボヘミアン《ヨゼフとカレル、チャペック兄弟の住居跡》
チェコのプラハ第10区に「チャペック兄弟通り BRATŘİ ČAPKŮ」と名づけられた小高い丘への通りがある。そこの頂上部に連棟式のおおきな住宅がある。

向かって左が、画家にしてイラストレーター・執筆者の兄 : ヨゼフ・チャペックの住居で、現在は直系の子孫が居住しているという。
向かって右が、ジャーナリストにして戯曲家・作家の弟 : カレル・チャペック の住居跡である。

DSCN0025 DSCN0027 DSCN0005カレルの家は、現在は無住となっており、すでにプラハ第10区が買収済みだという。
ところがどちらも、いまは非公開の建物であり、庭園である。したがってカレルの庭園跡の写真は相当無理をして、ほんの一画だけを生け垣の隙間から撮影した。

20161027164925_00001[1]この兄弟がここに居住していた頃にのこした一冊の図書、世界中の園芸家に読み継がれている、原題『Zahradníkův rok 』、邦題『園芸家の一年』、『園芸家の12カ月』がある。

《ヨゼフとカレル、チャペック兄弟の墓地をたずねて》
プラハ:ヴィシェフラット民族墓地 Vyšehradský hřbitov はチェコの首都 : プラハの中央部にゆたかな緑につつまれて鎮まっている。
ここには「合同霊廟 スラヴィーン Slavín」があり、アール ・ ヌーヴォーの華といわれながら、晩年にボヘミアンとしての民族意識にめざめ、無償で描いた超大作絵画 「 スラブ叙事詩 」 をのこしたアルフォンス ・ ミュシャ(現地音ではムハ)がねむり、その斜め前にはボヘミアとスラブの魂を歌曲にした作曲家 : スメタナもねむる。

DSCN6084 DSCN6082 DSCN6045 DSCN6048そのかたわらにヨゼフとカレル、ふたりのチャペックの墓がある。
ノー学部はおもに原題『Válka s mloky』、邦題『山椒魚戦争』を好み、タバコの臭いが移るからとしてめったに見せないが、欧州各国の異なった版の図書を相当数所有している。この『山椒魚戦争』に関しては、最下部のリンク先 をご覧いただきたい。
やつがれはもっぱら、原題『Zahradníkův rok 』、邦題『園芸家の一年』、『園芸家の12カ月』の軽装図書である。またこのふたりは戯曲などを多数共同で制作し、中でも 1920 年発表の戯曲『R.U.R.』で「ロボット」ということばを生み出したことでも知られている。

兄 : ヨゼフはゲシュタポに捉えられ、強制収容所に歿したために、歿時の月日記載がないのが胸をうつ。
弟 : カレルの墓は、1938年の没年ではあるが、現代のロケットともあまり相違ない形象のロケット型の墓標である。

ふたりとも第一次世界大戦と第二次世界大戦のはざまという、過酷な時代をいき、そして誇り高きボヘミアンであった。
最後にチャペック兄弟の最後をしるした一文を、来栖 継氏の「 解 説 」 から紹介したい。
『 山椒魚戦争 』(カレル ・ チャペック作、栗栖 継訳、岩波文庫) 「解説」 p.453-4

〔前略〕 一九三九年三月十五日、ナチス ・ ドイツ軍はチェコに侵入し、全土を占領した。〔弟カレル〕チャペックも生きていたら、逮捕 ・ 投獄されたにちがいない。事実、ゲシュタポ(ナチス-ドイツの秘密警察)は、それからまもなく〔カレル〕チャペックの家へやって来たのだった。やはり作家で、同時に女優でもあるチャペック未亡人のオルガ ・ シャインプルゴヴーは、ゲシュタポに向かって、「残念ながらチャペックは昨年のクリスマス〔1938年12月25日歿〕に亡くなりました 」 と皮肉をこめて告げた、とのことである。
チャペックの兄のヨゼフ ・ チヤぺックも、「 独裁者の長靴 」 と題する痛烈な反戦 ・ 反ファッショの連作政治マンガを描きつづけた。そのために彼は、ゲシュタポに逮捕され、一九四五年四月、すなわちチェコスロバキア解放のわずか一ヵ月前、ドイツのベルゲン=ペルゼン強制収容所で、栄養失調のため死んだ。彼が収容所でひそかに書いた詩は、戦後『 強制収容所詩集 』という題名で出版された。〔後略〕

{参考資料:【ボヘミアン、プラハをいく】 04 パリ在住ボヘミアンの磯田俊雄さん、フランス版『山椒魚戦争』(カレル・チャペック作)と、フランソワⅠ世にちなむシャンボール城のメダルを持参して来社 | 活版 à la carte|2016年11月05日}

【公演】歌舞伎座百三十年 三月大歌舞伎 平成30年3月3日[土]初日─3月27日[火]千穐楽 公演終了

歌舞伎座三月公演歌舞伎座百三十年
三月大歌舞伎
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平成30年3月3日[土]初 日 - 3月27日[火]千穐楽
昼の部 午前11時- 夜の部 午後4時30分-
チケット好評販売中
歌舞伎座3月解説

 


【詳細情報: 歌舞伎座 】

【 ようこそ歌舞伎へ 歌舞伎座『於染久松色読販』坂東玉三郎 】

【展覧会】太田記念美術館 企画展 江戸の女装と男装 2018年3月2日[金]─3月25日[日]終了企画

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太田記念美術館 企画展
江戸の女装と男装

2018年3月2日[金]-3月25日[日] * 3月5, 12, 19日は休館します。
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男女の境界を行き来する江戸文化

女装や男装の文化は、洋の東西を問わず、古くから見られるものです。日本では、女装といえば『古事記』に見える、ヤマトタケルが女装して熊襲を退治した話が思い出されますし、また中世の稚児による女装、芸能に見られる女装など、古くから異性装の風俗がありました。
江戸時代にも祭礼で芸者などの女性が男装して出し物を演じたり、男性役者が女装して女性を専門に演じる歌舞伎の女形など、男装や女装の風俗が見られます。
また、歌舞伎に登場する女装の盗賊、弁天小僧をはじめ、物語で活躍する異性装の登場人物も広く親しまれました。

浮世絵では歴史や物語に登場する人物の男女を入替えて、当世風の人物に置き換えるやつし絵や見立絵も多く描かれています。
男女が入れ替わる趣向という意味では、近年の映画「君の名は。」の大ヒットも思い起こされるところですが、既に江戸時代には、異性装や男女を入れ替えるという発想が、庶民にとって身近なものであったことがうかがえます。
本展では、描かれた浮世絵を通して、男女の境界を自由に行き来する江戸時代の風俗や文化の諸相に迫ります。

【 詳細情報 : 太田記念美術館

【展覧会】根津美術館 企画展 ── 香合 百花繚乱 ── 2月22日─3月31日 終了企画

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根津美術館 企画展
香合 百花繚乱
2018年2月22日[木]-3月31日[土]

◯ 休  館  日   月曜日 
◯ 開館時間  午前10時-午後5時 (入館は午後4時30分まで)
◯ 入  場 料   一般1100円、学生[高校生以上]800円
* 20名以上の団体、障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料
◯ 会      場        根津美術館 展示室 1 
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「香合」は、「香」を入れる蓋付きの容器のこと。茶の湯の道具のなかでも特に人気の高いものです。
初期の香合は唐物漆器(からものしっき)でしたが、茶の湯の流行に従い、黄瀬戸や志野など国内で作られた最新のやきものや、蒔絵の古い箱、さらに螺鈿(らでん)・染付・青磁などの新しい唐物も使われるようになります。素材は漆からやきものまで多岐にわたり、形状も丸・角だけではなく、動物や楽器などバラエティーに富みます。香合ほど種類が豊富な茶道具は他にありません。
このたびの展覧会では香合約160点を展示し、その世界が花開いていく様子をご覧いただきます。茶席を彩る小さな香合の愛らしい姿をお楽しみください。

【 詳細情報 : 根津美術館 】 { 文字壹凜Summary }

【展覧会】山種美術館企画展「桜 さくら SAKURA 2018 ─ 美術館でお花見! ─ 3月10日開始

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「桜 さくら SAKURA  2018 ─ 美術館でお花見! ─

会期: 2018年3月10日[土]-5月6日[日]
会場: 山種美術館
主催: 山種美術館、朝日新聞社
開館時間: 午前10時-午後5時    * 入館は午後4時30分まで
休館日: 月曜日  * 4/30[月]、5/1[火]は開館
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日本の春を象徴する桜。このたび、山種コレクションの中から、桜が描かれた作品を厳選し、一堂に公開する展覧会を6年ぶりに開催いたします。

爛漫と咲き誇り、やがて散りゆく桜の美しさは、古くから詩歌に詠まれ、調度や衣装などの文様に表されるとともに、絵画にも盛んに描かれてきました。桜を愛でる人々を描いた物語絵や風俗画から、奈良の吉野など、桜の名所を舞台とした名所絵や風景画、そして花が主役となる花鳥画や花卉画まで、さまざまなジャンルで絵画化され、時代とともに多彩な表現が展開しています。

近代・現代の日本画においても、桜は重要な題材であり続けました。歴史や物語の一場面で桜を印象的に表した橋本雅邦の《児島高徳》や小林古径の《清姫》「入相桜」、江戸時代の風俗画に範をとった上村松園の《桜可里》では、過去の時代をテーマとする中で桜が効果的に用いられています。また、京都の桜を描いた奥村土牛の《醍醐》や東山魁夷の《春静》には、桜の咲く光景が描写されるだけでなく、桜に対する画家それぞれの思いまでもが映し出されています。さらに、夜桜をクローズアップして幻想的に描き出した速水御舟《夜桜》をはじめ、桜そのものを主題とした作品では、画家の個性や美意識が反映され、日本画の表現の幅広さをみてとることができます。

2018年春、山種美術館は名だたる日本画家たちによる桜の絵画で満開となります。会場でお花見を楽しみながら、季節を満喫していただければ幸いです。

【 詳細情報 : 山種美術館 】

【展覧会】国立西洋美術館 プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光 2月22日-5月22日

ベラスケスオモテ ベラスケスウラ国立西洋美術館
日本スペイン外交関係樹立150周年記念

プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光
会  期:2018年2月24日[土]ー2018年5月27日[日]
開館時間:午前9時30分-午後5時30分
     毎週金・土曜日:午前9時30分-午後8時   * 入館は閉館の30分前まで
休   館 日:月曜日(3月26日[月]、4月30日[月]は開館)
主       催:国立西洋美術館、プラド美術館、
観覧料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円
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マドリードにあるプラド美術館は、スペイン王室の収集品を核に1819年に開設された、世界屈指の美の殿堂です。本展は、同美術館の誇りであり、西洋美術史上最大の画家のひとりであるディエゴ・ベラスケス(1599-1660年)の作品7点を軸に、17世紀絵画の傑作など61点を含む70点を紹介します。

17世紀のスペインは、ベラスケスをはじめ、リベーラ、スルバランやムリーリョなどの大画家を輩出しました。彼らの芸術をはぐくんだ重要な一因に、歴代スペイン国王がみな絵画を愛好し収集したことが挙げられます。
国王フェリペ4世の庇護を受け、王室コレクションのティツィアーノやルーベンスの傑作群から触発を受けて大成した宮廷画家ベラスケスは、スペインにおいて絵画芸術が到達し得た究極の栄光を具現した存在でした。本展はそのフェリペ4世の宮廷を中心に、17世紀スペインの国際的なアートシーンを再現し、幅広いプラド美術館のコレクションの魅力をたっぷりとご覧いただきます。

【詳細情報:国立西洋美術館 展覧会特設サイト

【論文発表】張 文一さん「欧陽詢の書風に合う仮名の研究と開発」武蔵野美術大学 視覚伝達学科 大学院修士論文

張文一さん修士論文

DSCN7309欧陽詢の書風に合う仮名の研究と開発
張 文一(Zhang Wenyi)
中国においても日本においても、その書の雅と規範に価する書風、「欧体」字という楷書の創始者として知られるのは欧陽 詢(おうよう-じゅん 557-641)である。
現在のデジタル環境における日本語書体では、いくつかの欧陽 詢楷書が発売されている。それらを見てみると、漢字はそれなりの体裁を保ってはいるものの、仮名書体においては、漢字との整合性、そして仮名書体としての在り方に疑問が残った。他の可能性があるだろうと気付いた。そして実際にオリジナルの拓本や石碑を検証し分析して、「欧陽 詢の漢字の書風に合う仮名とは何か」を改めて考え直した。
そこで私は、これまで行われてきた書体制作における視点ではなく、楷書の完成だと言われている唐の時代から、「筆写、書写、手書き」の視点で、文字を研究していた。そして欧陽 詢の身体感覚を借用し、漢字・仮名書体を含めた手の痕跡があり、書風も残した欧陽詢書体開発を目指し、改めて書体制作における古筆仮名の制作の可能性を探ってみたいと考えた。[張 文一]
【詳細: 武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科2017年度卒業制作展特設サイト
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{新宿餘談}

DSCN7331張 文一(Zhang Wenyi)さん

DSCN7299 DSCN7302 DSCN7313 DSCN7309『九成宮醴泉銘』(部分) 欧陽詢筆さらなる飛躍をめざして 頑張る張さん ──
昨年の10月中旬に、紹介者があって「武蔵野美術大学 大学院院生 張 文一」さんとお会いした。張さんは修士論文の執筆中で、欧陽 詢関連の資料を見たいということで来社された。
ところがなにぶん、すでに年末の論文提出時期が切迫していた。

張さんは中国の 遼寧省錦州市 で生まれ、大学学部の四年間は、同じく遼寧省の 大連市 で勉強し、卒業されました。大連は中国遼寧省の南端、遼東半島に位置する近代的な港湾都市である。
修士論文のテーマは、楷書書法の極致「欧陽詢書風」を理解し、それにみあった仮名書体の製作を中心課題とされていた。

これだけの遠大なテーマを消化するためには、ともかく時間がたりなかった。そこで所持している限りの関連図書をご覧いただき、あわせて拓本や解説書だけでなく、中国陝西省西安市の「碑林」で『皇甫誕碑』をみることと、西安から日帰りが可能な、陝西省麟游県に現存する『九成宮醴泉銘』碑(左掲載図版 欧陽詢筆 部分)を実見されることを提案した。
この現存するふたつの石碑は、欧陽詢の筆になるが、はじめから石に刻されることを前提に書されたものである。つまりこの碑の前にたつことは「刻字」の妙をみることとなる。
いっぽう仮名はわが国の書写のなかからうまれ、誕生以来もっぱら紙の上に書されてきた。
すなわち刻字系統の字(漢字)と、書字系統の字(和字)をあわせるという命題は、相当おもいものがある。

大学への提出と審査を終えて、張さんが大きなキャリーバッグを引っ張って来社したのは、年が明けて1月の初旬だった。バッグから取りだした奇妙なものをクネクネと曲げて「字」ができてきた。ちょうどその日は「活版カレッジ アッパークラス」の日でもあり、三三五五来社される活版印刷実践者が、張さんの「論文報告会」に期せずして立ちあうこととなった。
活版印刷の実践者は、イラストや図版、コンピューターから吐きだされた平面のデーターが、凹状になり、凸状になる場面にしばしば遭遇する。なによりも金属活字は凸状を呈しており、それをプレスすることで平面に転写する体験を日常的にされている。

張さんの「論文報告」は、テキストの閲読とあわせて、アーティストのインスタレーションのようにして展開した。活版印刷実践者の皆さんは、漢字の背後に潜む立体構造をいつの間にか掌握されている。したがって字(漢字)のパースペクティブな構造は容易に理解されていた。ただしそこから仮名書風への転換にはきびしい声があった。

修士課程を修了されて、ひとまずホッとした張さんであったが、そのあたりの論及不足は十分承知されていた。したがってさらに大学院博士課程で学びたいとのつよい希望をおもちだった。
「朋有り、遠方より来たる、また楽しからずや」という。
張 文一さんの今後のさらなる頑張りに期待するゆえんである。

【展覧会】河口聖展 -Recollectionー GalleryBar Kajima 加島牧史 終了企画

20180219171824_00001 20180219171824_00002河口 聖  展
-Recollectionー
2018年2月19日[月]-3月10日[土]
GalleryBar Kajima  加島牧史

営業時間:14:00-24:00 *日祝日休み
Mail :gbkajima@gmail.com
Web&Blog : https://gbkajima.jimdo.com/
104-0061 中央区銀座7-2-20 山城ビル2 階
Tel : 03-3574-8720
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哲学の勉強会を始めることになった。思想史を学んでいくうちに、やはりギリシャ哲学を学びたくなった。同時にユークリッド幾何学を学ばなければいけないことに気づく。幾何学の証明から論理学が生まれ、数学的思考の演繹法が生まれ、その推論の上でこの近代という時代の事態が生まれたのだということに気づく。
その基礎、根はどこかと尋ねれば、ギリシャ哲学を探訪することになるのだ。河口聖さんのRecollection シリーズ ― 彼方の記憶が甦る ― を拝見した。その幾何学的構成もまたギリシャを思ってのことだろうか。(加島牧史)

文字壹凜 Summary }

【展覧会】Bunkamura ザ・ミュージアム {神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展 }展示期間終了

20180205165405_00001 20180205165405_00002Bunkamura ザ・ミュージアム
神聖ローマ帝国皇帝
ルドルフ2世の驚異の世界展
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☆開催期間:2018年1月6日[土]-3月11日[日]
      * 2/13[火]のみ休館
☆開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)

      * 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
☆会    場:Bunkamura ザ・ミュージアム
☆主    催:Bunkamura、テレビ朝日、読売新聞東京本社
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好奇心のコレクター  ルドルフ2世の壮大なプライベートミュージアムとは?

プラハに宮廷を構え、神聖ローマ帝国皇帝として君臨したハプスブルク家のルドルフ2世(1552-1612)は、稀代の収集家として、また芸術の庇護者として知られています。16世紀末から17世紀初頭、彼の宮廷には世界各地から優れた人物たちが集結し、芸術作品、あるいは科学機器などのあらゆる優れた創作物、更には新たに発見された珍奇な自然物などが集められ、文字通り「驚異の部屋」とでも呼ぶべき膨大なコレタションが形成され、当時のヨーロッパの芸術文化の一大拠点ともなりました。

本展は、ジュゼッペ・アルチンボルドをはじめ、ルドルフ2世が愛好した芸術家を中心に、版画を含む絵画作品約80点と、当時のコレクターズアイタムであった工芸品や天文道具約20数点、天文学や錬金術に関する貴重な資料など、120点余りの作品で構成され、イッカクの牙、鉱物などの自然物(ナトゥラリア)も併せてご紹介。占星術や錬金術にも強い関心を示した皇帝の、時に魔術的な魅力に満ちた芸術と科学の世界へご案内いたします。
【詳細情報: Bunkamura ザ・ミュージアム 】
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20180205145914_00001Bunkamura ザ・ミュージアム 神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展 図録
とても丁寧につくられており、資料性も十分な図録でした
DSCN7381 DSCN7379同展会場入口で撮影が許されていた、フィリップ・ハースによるアーチンボルドの立体作品

ボヘミアン

チェコの首都、プラハの街は、神秘の都とも、魔法の都、ときとして魔都ともされる。
花筏 }と本欄{ 活版 à la carte }でも、かつてプラハを何度か取りあげたが、どうしてもかつてこの街を首都とした「神聖ローマ帝国」のことがわかりづらい。

辞書的には、「神聖ローマ帝国 ドイツ語 : Heiliges Römisches Reich,  ラテン語 : Sacrum Romanum Imperium,  イタリア語 : Sacro Romano Impero,  英語 : Holy Roman Empire)は、現在のドイツ、オーストリア、チェコ、イタリア北部を中心に存在していた国家。9-10世紀に成立し、1806年まで続いた。西ローマ帝国の後継国家を称した」
となるが、これでは到底新興勢力のプロテスタントと争い、勃興したオスマン帝国に圧迫された歴史を有する「 神聖ローマ帝国 」の説明にはならない。ウィキペディアにリンク設定をしたので、これ以上はそちらで確認をお願いしたい。

プラハ絵はがき01プラハ絵はがき02プラハ絵はがき03プラハ絵はがき04プラハ市販の長尺絵はがきより。下から二段目、プラハ城脇、かつて錬金術士が居住したことから「黄金の小径」と呼ばれる長屋街。いまはみやげ店がならぶ人気の観光スポット。左手の青い22番の建物は、フランツ・カフカがここで『城』などの作品を執筆していたとされる家。

プラハ城内の「黄金の小径」で購入した「ブック・クリップ」(勝手にそう呼んでいる)がお気に入りである。そのひとつがルドルフ2世であった。お気に入りアイテムなので、タグをつけたまま保管している。
プラハのビールは旨いそうである。やつがれは下戸ゆえその味を知らぬが、カフェのテラスで喫す珈琲は絶品である。プラハ城は観光客で溢れているが、わが国からは直行便がないためか、日本人はわりと少ない。カレル橋をわたり、プラハ城への散策はまことに心地好いものがあった。

DSCN7361 DSCN7375『陽だまりの樹』(手塚治虫 小学館)(お玉が池 種痘所)と「ブック・クリップ」

【展覧会】[館蔵]中国の陶芸展  五島美術館 2月24日─3月25日 終了企画

20180206132117_00008 20180206132117_00009 五島美術館2-3月展ポスター五島美術館
[館蔵]中国の陶芸展
2018年2月24日[土]-3月25日[日]

漢時代から明・清時代にわたる館蔵の中国陶磁器コレクション約60点を展観。戦国時代の計量道具から、唐三彩の壺、宋時代の砧青磁、明時代の青花・五彩まで、時代順に展示し、2000年にわたる中国のやきものの歴史を展望します。館蔵の中国古鏡約30面も同時公開。

【 詳細情報 : 五島美術館 】 { 文字壹凜Summary }

【GOOD DESIGN Marunouchi】 #36 喜多俊之 「自生素材を新素材として使う」 終了企画

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GOOD DESIGN Marunouchi  #36
喜多俊之 「自生素材を新素材として使う」 
地域で自生する「すぎ」と「竹」を新素材として生かすテクノロジーとデザインの力
会期:2月26日[月]- 3月11日[日]
時間:11:00-20:00   入場無料
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島根県の竹、秋田県の県産材を素材に、2年間に渡って海外で発表したコレクションの新作を展示します。竹は、2017年4月のミラノサローネの期間中、インテリア誌 INTERNI 20 周年イベント「MATERIAL IMMATERIAL」で「FLAT BAMBOO SHIMANE」と題して椅子や テーブルを出展、島根県産の竹を皮付きのまま平板にする新しい技術が開発され、海外でも注目されています。

一方、秋田県産の木材を使った「AKITA COLLECTION」は国際見本市「ミラノHOMI」で2017, 2018年に発表し、「日本独自の素材を匠の技術で世界製品にする」というコンセプトが、会場を訪れた人達の注目を集めました。日本独自のものづくりをテーマに、地域で自生する資源をそれぞれの土地で育まれた匠の技や新しいテクノロジーを組合わせ、オリジナリティの高い独自の製品を世界に向けて発信していくというプロジェクトです。

【詳細情報: GOOD DESIGN Marunouchi 】

【森鷗外記念館】「鴎外・ミーツ・アーティスト ─ 観潮楼を訪れた美術家たち」1月 13日-4月1日

森鷗外おもて 森鷗外うら

文京区立森鷗外記念館
コレクション展
「鷗外・ミーツ・アーティスト ─ 観潮楼を訪れた美術家たち」

会  期:2018年1月13日[土]-4月1日[日]
     * 休館日は2月26日[月]、27日[火]、3月27日[火]
開館時間:10時-18時(最終入館は17時30分)
料  金:一般300円(20名以上の団体:240円)
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小説家、翻訳家、陸軍軍医など八面六臂の活躍で知られる鷗外ですが、実は美術とも深いつながりを持っており、沢山の美術家の知己を得ています。
鷗外は美術家たちの良き理解者でありながら、時には厳しい批評者でもあり、また美術庇護者としても彼らを支えます。鷗外にとっても、彼らは仕事仲間であり、一方で創作の源泉となる存在でもありました。

鷗外が出会った美術家たちの中から、鷗外の居宅・観潮楼(現・文京区立森鴎外記念館)を訪れた美術家に、100年以上の歳月を経て、再び集まってもらいましょう。
鷗外に作品を評価された洋画家・藤島武二、鷗外作品のモデルにもなった水彩画家・大下藤次郎、東京美術学校で鷗外の講義を受けた彫刻家・高村光太郎、鷗外の著書の装丁を多数手がけた洋画家・長原孝太郎…… 。
美術界における旧派と新派、あるいは明治美術界から白馬会、太平洋画会との価値観がせめぎ合う中で、鷗外は彼らにどのような眼差しを向けてきたのでしょうか。
そして美術家たちの眼は鷗外自身と鷗外作品に何を見出したのでしょうか。観潮楼に届いた美術家たちの書簡、鷗外の美術批評、鷗外作品を彩った装丁本など当館のコレクションを通して、「鷗外が見つめた美術家」と「美術家が見つめた鷗外」に迫ります。

【 詳細情報 : 文京区立森鷗外記念館

【公演】国立劇場 大劇場 三月歌舞伎主催公演 「増補忠臣蔵」 「梅雨小袖昔八丈」3月27日まで 終了企画

本チラシ0207Flyer_A4-B中 村   雁  治 郎
Flyer_A4-A尾 上  菊 之 助

国立劇場 大劇場
3月歌舞伎主催公演
「増補忠臣蔵」
「梅雨小袖昔八丈」

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公演期間: 2018年3月3日[土]-3月27日[火]

開演時間:12時開演(終演 午後3時55分予定)
* 16日[金]・23日[金]はの午前・午後の2回公演です。
午前11時30分開演(終演 午後3時25分予定)、午後4時30分開演(終演 午後8時25分予定)
* 開場は開演の45分前の予定です。

本チラシ_裏面0206

◆三月歌舞伎公演(大劇場)好評上演中! 3月27日[火]まで
「増補忠臣蔵-本蔵下屋敷-」「梅雨小袖昔八丈-髪結新三-」

〝四代にわたる芸の継承〟をテーマに、上方の中村鴈治郎家 ── 成駒家 ── と、江戸の尾上菊五郎家 ── 音羽屋 ──、それぞれにゆかりの深い作品を上演します。

「増補忠臣蔵」では、桃井若狭之助と加古川本蔵の固く結ばれた主従の絆を、若狭之助・中村鴈治郎と本蔵・片岡亀蔵とで魅せます。

「梅雨小袖昔八丈」では、菊之助の長男・寺嶋和史も登場。初お目見得以来、2年ぶりの舞台で、台詞のある役には初挑戦です。待望の親子共演にもご期待ください。
歌舞伎ならではの芸の継承をご堪能ください。

【詳細情報:国立劇場  特設サイト下掲 】  初出:2月13日
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【会員情報】 ぢゃむ 杉本昭生さん 活版小本新作 ── 松尾芭蕉『嵯峨日記』紹介+α

IMG_2832 IMG_2835 IMG_2836{ ぢゃむ 杉本昭生 活版小本 一筆箋 }

芭蕉『嵯峨日記』を作りました。
元禄四年四月十八日より五月四日までの十八日間、
嵯峨にある去来の落柿舎に滞在した時の日記です。
独り閑雅を楽しみたいと願う芭蕉ですが、いろいろな人が出入りし
隠遁生活とは程遠いものだったようです。

最初は並製の軽便な本にしようと思っていましたが安っぽくてやめました。
やはり上製本でなければと作りなおしましたが、手触りがゴツゴツして不満でした。
布装ならもっとやさしい感触になるのではと挑戦しましたが。これも結局頓挫しました。
他人なら間違いなく「どうしたいの! もう勝手にして!」といわれているでしょう。
上製でも並製でもない布製のやわらかい本を目指しましたが中途半端です。
手触りだけでいえば思っていたものに近いのですが……
それにしても反省の多い一冊でした。
そそのかす

【 詳細  ぢゃむ 杉本昭生 活版小本 】 { 文字壹凜Summary }
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活版小本
次の本が出来るまで その86 ―― 2018年1月30日

去年父親が亡くなったので、年賀状は出さず年が明けてから寒中見舞いを作りました。
今さらという気もしますが場つなぎに掲載いたします[杉本昭生]。
杉本昭生さん寒中見舞い* 白露とは水のこと。

【個展】たなか鮎子個展 ‘ ささやく町 ─ A Whispering Town ’

たなか_01 たなか_02たなか鮎子個展
‘ ささやく町 ─ A Whispering Town ’
おしゃべりな家、きまぐれな道しるべ、哲学する森。
人びとの心のささやきでできた、小さな町があったとしたら……
ヨーロッパの町での暮らしから着想をえた架空の町の風景を
絵と半立体作品で表現いたします。
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2018年2月26日[月]-3月3日[土]
11時30分-19時まで(最終日17時まで)
会 場
GALLERY HOUSE MAYA
107-0061 東京都港区北青山2-10-26
03-3402-9849
http://www.gallery-h-maya.com

【詳細情報: たなか鮎子 http://ayukotanaka.com/

【Season’s Greetings】台湾の友人:林 昆範さんから春節のご挨拶

林さん01 林さん02林 昆範さん林 昆範さん紹介
台湾中原大学商業設計系助理教授
中原大学文化創意研究センター主任
タイポグラフィ学会(日本)会員

朗文堂からの刊行書
◯ 『中国の古典書物』(林昆範著 2002年初版・ 2014改訂版)
◯『元朝体と明朝体の形成』(林昆範著 2002年)
◯『楷書体の源流をさぐる』(林昆範著 2003年)
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林 昆範さんとのおつき合いもはやいもので20年を越えました。
現在の林さんは「字学」とならんで「文 ≒ 紋 学」に注力されています。わが国には「文字」という、便利ですがいささか意味領域の曖昧な用語が定着しているために、少しわかりずらいかもしれませんが …… 。

今回は春節(旧暦のお正月)にふさわしく「吉祥文」をふんだんに配したカードと封筒をお送りいただきました。
活版 à la carte 林 昆範さん関連記事

【展示会】 国立公文書館 平成29年度 第4回企画展 「太田道灌と江戸」3月10日まで

公文書館オモテ 国立公文書館ウラ国立公文書館 平成29年度 第4回企画展
「太田道灌と江戸」
会 期   平成30年1月13日[土]-3月10日[土]
開館時間  月-土曜日  午前9時15分-午後5時00分 * 日曜、祝日は休止
会 場   国立公文書館 本館
入場料   無 料
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江戸城を築いた武将である太田道灌について、その生涯に関する資料と、徳川家康入部以前の中世の江戸に関する資料を取り上げ、道灌が生きた15世紀後半の関東の戦乱についてご紹介いたします。
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《おもな展示から》

3001_01◯『長禄年中江戸図』(ちょうろくねんちゅうえどず)
道灌が江戸城を築いた当時の江戸の様子を描いたとされる絵図で、画像は文化3年(1806)に作成された写です。「溜池」など、道灌の時代には見られない地名が記されていますが、道灌が江戸城を築いた事績が、後世に注目されたことを示す資料です。

3001_03◯『江戸名所図会』(えどめいしょずえ)
江戸府内および近郊を対象とした絵入り地誌です。編者は江戸神田の町名主の斎藤家父子三代(長秋・莞斎・月岑)で、挿絵は長谷川雪旦が描いています。天保5年(1834)、同7年の2回に分けて刊行されました。画像は、道灌の有名な伝説の一つである「山吹の里」の場面です。
この伝説は、鷹狩の帰途に雨が降ってきたので、蓑を借りようとした道灌に対して、女性が何も言わずに山吹の花を差し出し、それが「後拾遺和歌集」にある「七重八重 花は咲けども 山吹の みのひとつだに なきぞかなしき」という和歌にかけていることを後から知った道灌が、自分の不明を恥じて和歌を学ぶようになったという話です。

3001_04◯『鎌倉大草紙』(かまくらおおぞうし)
戦国時代頃に成立したとされる軍記物語で、南北朝の内乱を記した軍記物語である「太平記(たいへいき)」の欠を補うという意味から、「太平後記(たいへいこうき)」という別称もあります。
上中下の3巻構成で、康暦元年(1379)から文明11年(1479)まで、鎌倉公方足利氏の動向を中心に、関東の政治情勢が記されています。同時代の資料が少ない15世紀後半の関東の政治情勢を語る重要な資料です。

【詳細資料: 国立公文書館

【展覧会】須坂版画美術館 ── 生誕120年 須坂の版画家 小林朝治 知られざる珠玉のコレクション展

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須坂版画美術館
生誕120年 須坂の版画家 小林朝治
知られざる珠玉のコレクション展
会 期:2018年2月9日[金]-5月6日[日]

会 場:須坂版画美術館 展示室1・2
    〒382-0031  長野県須坂市大字野辺1386-8
    TEL : 026-248-6633 FAX : 026-248-6711
時 間:午前9時-午後5時  * 入館は午後4時30分まで
休館日:「三十段飾り千体の雛祭り」開催のため、会期中の休館日はありません。
入館料:300円、中学生以下無料
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須坂版画美術館の核たる作品は、須坂の版画家・小林朝治が全国各地の版画家たちと交流し、収集した版画作品から成ります。これらは「朝治コレクション」と呼ばれ、2000点近い版画作品が須坂版画美術館に寄贈されました。
早世したために画家として生前広く知られることはなかった小林朝治。この度の記念展では、地元愛あふれる風景版画や、可愛らしい郷土玩具版画など、彼の版画作品と「朝治コレクション」の名品をご紹介します。

【詳細情報: 須坂版画美術館

【展示会】福井県ふるさと文学館 {国立公文書館所蔵資料展 明治日本とふくいの軌跡}1月20日─3月18日

福井おもて 福井うら福井県ふるさと文学館
国立公文書館所蔵資料展 明治日本とふくいの軌跡
会 期: 平成30年1月20日[土]-3月18日[日]
休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、第4木曜日
開催時間 :火-金曜日  午前9時-午後7時
土・日・祝日 午前9時-午後6時
会 場: 福井県ふるさと文学館 (福井県福井市下馬町51-11)
観覧料 :無 料
* 会場は国立公文書館ではありませんので、ご注意ください.
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国立公文書館では、所蔵資料をより多くの方々にご覧いただくため、平成24年度より、各地の公文書館等で展示会を開催しています。
このたび、福井県文書館・福井県ふるさと文学館と共催で、所蔵資料展を開催します。
本展では、国立公文書館で所蔵している、明治時代前期の重要な公文書や、福井ゆかりの人物に関する資料、福井県の成り立ちに関する資料などを、福井県文書館などで所蔵する資料とあわせて展示し、明治時代前期の日本と福井の軌跡をたどります。
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《主要展示から》
福井01国立公文書館蔵◯ 福井県ヲ置キ堺県ヲ廃スルノ件(国立公文書館蔵)
現在の福井県は、明治14年(1881)2月7日に設置されましたが、設置に至るまでには隣県を含めた合併・分割といった紆余曲折がありました。掲載資料は、「公文録(副本)」に収録されている、福井県の設置に関する布告案です。
* 「㫖」は「旨」の異体字
福井02国立公文書館蔵◯ 議事之体大意(福井県立図書館蔵)
慶応4年(1868)1月に、新政府の参与であった三岡八郎(のち由利公正)によって著された、議事(会議)による政治のための方針です。福岡孝弟(たかちか)・木戸孝允らによる加筆・修正を経て、同年3月に発せられた「五箇条の御誓文」の原案にあたります。
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{新宿餘談}
【五箇条御誓文】ごかじょう‐の‐ごせいもん
明治天皇が御所紫宸殿で、公家、諸侯や百官を率いて天地神明に誓約する形で発表した維新政府の基本方針。慶応四年(一八六八)三月一四日、江戸城総攻撃の前日に発表された。
一 広く会議を興し万機公論に決すべし
一 上下心を一にして盛に経綸を行ふべし
一 官武一途庶民に至る迄各其志を遂げ人心をして倦まざらしめんことを要す
一 旧来の陋習を破り天地の公道に基くべし
一 智識を世界に求め大に皇基を振起すべし
の五か条からなる。五箇条の誓文。
[参考:『日本国語大辞典』]

【詳細情報: 福井県ふるさと文学館  国立公文書館

【展覧会】阿部真弓さん つぶつぶ ∞ もくもく{くも うつわ ふね ⇨ のような}個展開催 ウィリアム モリスにて 2月1日─28日

20180207191951_00002 20180207191951_00001阿部真弓個展
くも うつわ ふね ⇨ のような
期 間:2月1日[木]-28日[水]

時 間:12:30-18:30   * 最終日は17:00まで
休廊日:日・月・第1・3土曜日(2/17日休廊)
会 場:ウィリアム モリス  珈琲&ギャラリー
150-0002 東京都渋谷区渋谷1-6-4  The Neat 青山 2F
TELEPHONE 03-5466-3717

【展覧会】紙の博物館 企画展 ─ 紙で旅するニッポン~四国編~ 3月4日まで

紙の博物館オモテ 紙の博物館ウラ

紙の博物館 企画展 
紙で旅するニッポン~四国編~
2017年09月16日[土]-2018年03月04日[日]
休館日:月曜日 * ただし2月12[月]は開館、2月13[火]休館
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日本各地の和紙・洋紙業の歴史や現状、その特色や様々な資料を紹介するシリーズ展示の第四弾。
今回は、四国編です。
香川は、中世には檀紙の名産地、徳島は忌部氏により麻を原料とする和紙がつくられていたといわれる、古くからの紙産地です。近世には土佐・伊予でも紙づくりが奨励され、土佐の七色紙や伊予宇和島の泉貨紙が有名になりました。
近代には、吉井源太が製紙技術改良を行い、高知は和紙王国になっていきました。洋紙は、特殊機能紙の工場が多いことでも知られています。この展示を通して、香川、徳島、高知、愛媛県の紙について知っていただければ幸いです。

【詳細: 紙の博物館

【展覧会】三井記念美術館「三井家のおひなさま 特集展示:三井家と能」2月10日─4月8日

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三井記念美術館
三井家のおひなさま
特集展示 三井家と能
期 間:午前10時-午後5時(入館は4時30分まで)
休館日:月曜日 * 2月25日[日]、ただし2月12日[月]、2月26日[月]は開館
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毎年恒例となりました、日本橋に春の訪れを告げる「三井家のおひなさま」展。三井家の夫人や娘たちがこよなく愛した、ひな人形・ひな道具の華麗なる競演をお楽しみください。
展示室7では特集展示「三井家と能」と題し、三井家と能楽の関わりを作品と資料でご紹介します。
また展示室7では特集展示「三井家と能」と題して、明治末期から昭和初期にかけて、三井家と能楽の関わりを作品と資料でご紹介します。
展示室1・2・3では、館蔵品の茶道具を展示します。

【詳細情報: 三井記念美術館

【展覧会】Bunkamura ザ・ミュージアム {猪熊弦一郎展 猫好き画家の素敵な暮らし} 3月20日-4月18日 終了企画

20180413131059_00005 20180413131059_00006Bunkamura ザ・ミュージアム
猪熊弦一郎展
猫好き画家の素敵な暮らし
2018年3月20日[水]-4月18日[木]
開館時間  10:00-18:00 会期中無休
夜間開館  毎週金・土曜日は21:00まで * 入館は20:00まで
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猪熊弦一郎(いのくま・げんいちろう 1902-1993年)は、百花繚乱の昭和の画壇にあって試行錯誤を繰り返しながらも、常に独自の境地を維持し、極めて個性的な作品群を残した画家です。
「いちどに1ダースの猫を飼っていた」ほどの無類の猫好きとして知られ、私生活でも作品のモチーフとしても猫は重要な存在でした。勿論、猪熊弦一郎の芸術は猫だけにとどまるものではありません。
本展は彼が愛した猫たちを描いた作品をまずは堪能していただき、猪熊弦一郎の奥深い世界に触れるきっかけとなるよう企画された展覧会です。猪熊の地元・香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館所蔵の猫を描いた油彩、水彩、素描を中心に、猫以外の主題の作品も若干加えた百数十点によって構成されます。

【詳細: Bunkamura ザ・ミュージアム

【WebSite紹介】 明治産業近代化のパイオニア 平野富二 {古谷昌二ブログ12}── 官営時代の長崎製鉄所(その1)

6e6a366ea0b0db7c02ac72eae00431761[1]明治産業近代化のパイオニア  平野富二生誕170年
40b069ea42ae999e89c8f1c68f8381ab-825x510古谷昌二ブログ01月

明治産業近代化のパイオニア  平野富二生誕170年を期して結成された<「平野富二生誕の地」碑建立有志会>の専用URL{ 平野富二  http://hirano-tomiji.jp/ } では、同会代表/古谷昌二氏が近代活版印刷術発祥の地長崎と、産業人としての人生を駈けぬけた平野富二関連の情報を意欲的に記述しています。ご訪問をお勧めいたします。
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◎ 古谷昌二ブログ
[管理人:「平野富二生誕の地」碑建立有志会事務局長 日吉洋人]

① 探索:平野富二の生まれた場所
② 町司長屋の前にあった桜町牢屋
③ 町司長屋に隣接した「三ノ堀」跡
④ 町司長屋の背後を流れる地獄川
⑤ 矢次事歴・平野富二祖先の記録
⑥ 矢次家の始祖関右衛門 ── 平野富二がその別姓を継いだ人
⑦ 長崎の町司について
⑧ 杉山徳三郎、平野富二の朋友
⑨ 長崎の長州藩蔵屋敷
⑩ 海援隊発祥の地・長崎土佐商会
⑪ 幕営時代の長崎製鉄所と平野富二
 官営時代の長崎製鉄所(その1)

幕末の長崎製鉄所全景写真(「ボードイン・コレクション」から)幕末の長崎製鉄所全景写真(「ボードイン・コレクション」から)
『長崎府職員録』(慶応4年8月)01 『長崎府職員録』(慶応4年8月)02 『長崎府職員録』(慶応4年8月)

【公演】国立劇場小劇場 ── 国風歌舞 ─ くにぶり の うたまい 3月3日[土]開演

00国風歌舞_01 02国風歌舞ウラ02国立劇場小劇場
国風歌舞 ── くにぶり の うたまい

平成30年3月雅楽公演
出       演:宮内庁式部職楽部 雛の会(五節舞舞姫)
公演期間:2018年3月3日[土]
開演時間:午後1時(午後2時45分終演予定)
     午後4時(午後5時45分終演予定)
     * 開場は、開演の30分前の予定
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おもに宮中や社殿の儀式で奏される「国風歌舞」は、中国大陸や朝鮮半島などの外来の楽舞がもたらされる前に、日本各地で行われていた歌舞が、諸杜の祭祀や宮中の儀式などと結びついて伝わるもので、「古事記」「日本書紀」などの神話に基づいた、神道や皇室に深く関わる歌や舞で構成されています。こうした古代日本の面影を色濃く残した歌と舞は、厳かな中にもたおやかな雰囲気を醸し出します。

今回は宮内庁式部職楽部の出演により国風歌舞の数々をご紹介いたします。これらは通常一般に公開されることがほとんどないため、今回の上演は日本古来の歌舞の魅力に触れる大変貴重な機会となります。

国風歌舞(くにぶりのうたまい)

【午後1時開演、午後4時開演ともに】
◯ 東遊一具(あずまあそびいちぐ)
狛調子(こまじょうし)/一歌(いちうた)/二歌(にうた)/駿河歌(するがうた)/求子歌(もとめごうた)/大比礼歌(おおびれうた)
◯ 五節舞(ごせちのまい)
大歌(おおうた) 音取(ねとり)/参音声(まいりおんじょう)/歌(うた)
◯ 久米舞(くめまい)
宮内庁式部職楽部

【 詳細情報:国立劇場 小劇場3月雅楽公演「国風歌舞」

【国立能楽堂】二月 月間特集 近代絵画と能 ─ 水底の彼方から ─

能楽堂おもて 能楽堂うら

国立能楽堂 二月企画公演
浦島・玉井

主催公演
* 内容・日程に一部変更の場合もございます。予めご了承下さい。

公演期間: 2018年2月28日[水]
開演時間:午後6時30分開演(終演予定午後9時頃)
* 開場時間は、開演の1時間前の予定です。
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《月間特集・近代絵画と能》―水底の彼方から―
近代の画家が能や古典文学に着想を得て描いた名作の数々。その絵画のイメージを逆に補助線として作品の魅力をお楽しみいただきます。

◎ 演目・主な出演者
復曲狂言 浦島(うらしま) 野村 又三郎
浦島という名の老人が、助けた亀からもらった玉手箱を開けると…… 。 お伽噺「浦島太郎」とは異なる驚きの結末が待っています。

能  玉井(たまのい)
龍宮城(りゅうぐうじょう)  梅若 紀彰(観世流)
彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)は魚に取られた釣針を探しに龍宮へ行き、豊玉姫や龍王のもてなしを受けます。海底で繰り広げられるスぺクタクルな物語を、演出を見直して上演いたします。(絵画作品=青木繁『わだつみのいろこの宮』)

【 詳細情報: 国立劇場 能楽堂 】 初出:01月22日

【公演】歌舞伎座百三十年 二月大歌舞伎 ─ 高麗屋三代襲名披露 + <歌舞伎座公式総合サイト 歌舞伎美人-かぶきびと> 草間彌生の祝幕発表

歌舞伎座二月

歌舞伎座百三十年 二月大歌舞伎
松本幸四郎改め  二代目 松本白 鸚
市川染五郎改め  十代目 松本幸四郎  襲名披露
松本金太郎改め  八代目 市川染五郎
平成30年2月1日[木]-25日[日]
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《昼の部》
一、春駒祝高麗(はるこまいわいのこうらい)

  開幕を祝う曽我物の舞踊
初春を迎えた工藤祐経の館に乗り込んだ曽我十郎と五郎の兄弟。春駒売りに身を窶(やつ)し賑やかに踊ってみせます。そして、親の仇である工藤と対面しますが…… 。

襲名の幕開きを祝うにふさわしい華やかな舞踊が舞台を彩ります。

二、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)
  檜垣・奥殿
阿呆の姿に隠された真の思い
平家全盛の世、夫源義朝を亡くした常盤御前を妻に迎えた一條大蔵卿は、その阿呆ぶりが世間でも広く知られています。大蔵卿の館に潜り込んでいた源氏方の吉岡鬼次郎は、源氏再興の思いをなくした様子で楊弓に興じてばかりいる常盤を打ち据えます。しかし、常盤の振る舞いには訳があり、そこへ大蔵卿が勇ましい姿で現れると…… 。
義太夫狂言の大役を、新幸四郎が襲名披露狂言にて勤めます。

三、歌舞伎十八番の内 暫(しばらく)
魅力あふれる荒事の代表作
早春の鶴ヶ岡八幡宮、威厳を誇る清原武衡に対して、加茂次郎義綱が不遜な振る舞いを非難すると、武衡は義綱の首を刎ねるよう命じます。そのとき、「しばらく」と大音声がかかると鎌倉権五郎が颯爽と登場し…。
権五郎が見せる元禄見得や、幕切れの豪快な六方は大きなみどころです。歌舞伎十八番らしい荒事をお楽しみいただきます。

四、井伊大老(いいたいろう)
未曾有の国難に立ち向かう男の心情
時は幕末。開国を決断し、暗殺の危機に晒される大老井伊直弼。雛祭りを控えたある日、直弼の側室お静の方のもとに旧知の仲である仙英禅師が訪れ、直弼に危機が迫っていることを伝えます。自らの死すべき運命を覚った直弼は…… 。
桜田門外の変までの井伊直弼とお静の方との情愛を、繊細な心情描写で描く名作をご堪能いただきます。

《夜の部》
一、熊谷陣屋(くまがいじんや)
戦乱の世に翻弄された武将の心情
源氏方の武将熊谷直実が自らの陣屋に戻ると、妻の相模が息子小次郎の初陣を心配して訪れます。直実が敦盛を討った様子を語って聞かせますが、そこに敦盛の母である藤の方が姿を現し、直実に斬りかかります。藤の方と相模が悲しみに暮れるところ、直実が源義経のもとへ敦盛の首を届けようとしますが、そこへ義経が現れ、首実検が行われることになり…。
新幸四郎が高麗屋ゆかりの大役、熊谷次郎直実を襲名披露として勤めます。

二、壽三代歌舞伎賑(ことほぐさんだいかぶきのにぎわい)
襲名披露を祝う華やかな一幕
江戸の芝居町である木挽町。このたびの襲名を披露する高麗屋三代、二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎、八代目市川染五郎が登場します。木挽町に集う皆々が出迎え、お祝いを述べます。
歌舞伎史上に残る二度目の親子孫三代襲名を寿ぐ、おめでたい一幕をご覧いただきます。

三、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
  七段目
遊興の中に交錯する仇討ちの本心
塩冶判官が殿中で刃傷に及び切腹してから半年。京都祇園で遊興三昧の大星由良之助のもとに仇討ちに加わりたいと寺岡平右衛門が訪れますが、相手にされません。そこへ、由良之助の息子の力弥が父に密書を届けにきたところ、平右衛門の妹の遊女お軽の知るところとなります。仇討ちを気付かれた由良之助のために、平右衛門はある決意をし…。
37年前、高麗屋三代襲名の際には、初代白鸚が由良之助、七代目染五郎が力弥を演じました。その舞台から時を経て、襲名披露にて新白鸚の由良之助、新染五郎の力弥という配役でご覧いただきます。

【 詳細情報 : 歌舞伎座 】 初出:01月08日
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<歌舞伎座公式総合サイト 歌舞伎美人-かぶきびと> 2018年1月23日

「二月大歌舞伎」高麗屋襲名披露の祝幕デザインを発表

kabukiza_iwaimaku_0123a3歌舞伎座「二月大歌舞伎」祝幕の完成イメージを前にした十代目松本幸四郎
ⓒ YAYOI KUSAMA ⓒ 松竹

2018年2月1日(木)、歌舞伎座百三十年「二月大歌舞伎」の二代目 松本白鸚、 十代目 松本幸四郎 、八代目 市川染五郎の襲名披露にお目見得する祝幕のデザインが発表されました。

「2月も引き続き、歌舞伎座で襲名披露興行をさせていただきます。それにあたり、日頃よりご贔屓いただいております中野道代様より、祝幕のご提供をいただくお話を頂戴しました。襲名する人の思いをかなえることが何よりのお祝いとの言葉を受け、私が(デザインを)お願いさせていただいたのが、草間彌生先生です」。
以前から作品が大好きだったという幸四郎の思いが、2月の襲名披露の祝幕となります。

世界の草間彌生が襲名披露の力になる 

kabukiza_0123iwaimaku_d2017年6月、草間彌生氏の美術館で、今回の祝幕となった3点のうちの一つの原画を前に
ⓒ YAYOI KUSAMA

無限に続くような水玉や網目をモチーフとした作品で、世界に知られる前衛芸術家の草間氏と、幸四郎が雑誌の取材で話をしたのは、20年ほど前のことでした。
初対面で幸四郎は、「永遠を信じますか」と、問いかけたと言います。「肉体が滅びる寿命は感じている、とおっしゃった時点で先生にはまりました。自分の思っている作品を、いかに限りある自分の肉体からつくっていくことができるか。それは戦いだと。そうして、つくられた作品が永遠になると」。草間氏の答えは、今回、20年近く経っても変わっていませんでした。
「世界を、時代をつくり、つくり続けていく方の、まだ新しいことをやっていこうというパワーが、2月の舞台へのエネルギー、力になる」。幸四郎は草間氏とその作品への思いをあふれさせました。

今回の祝幕に使用されたのは、2017年に制作された3点で、幸四郎がアトリエで見た時点では未発表でした。「今までになかった新しい作品だと感じました。高麗屋の襲名のおもてなしとして、お客様を最初にお出迎えする作品として、素晴らしいのではないかと」。
草間氏が歌舞伎座の間口に合わせたら、たとえばこういう形と見せたものが、そのまま今回のデザインになりました。「地色が黒色の祝幕はこれまでにないと思います。完成された形だと思いました」。ほかの作品も見た結果、「もうこれ以上はない」と、最終的にこの3点に戻りました。

選ばれたのは、2009年から草間氏が制作している「わが永遠の魂」シリーズのうちの3点で、祝幕は高さ7.1メートル、幅は30.3メートル。この大きさに草間作品がプリントされるのは世界初です。「実際に舞台に掛かったとき、どれだけ驚くか、今からわくわくしています」と、本当にうれしそうな笑顔を見せました。

1月とはまた顔ぶれの異なる大一座での2月の襲名披露。
「ありがたいことです。自分としても『一條大蔵譚』の大蔵卿と『熊谷陣屋』の熊谷、二つを一度に演ずるのは無謀だとわかっていますが、一生に一度のこれ以上はない興行なので、大変な思いをし、それに向かっていきたい」と、最後に幸四郎は意気込みを語りました。

【転載元記事:<歌舞伎座公式総合サイト 歌舞伎美人-かぶきびと> 2018年1月23日

【展覧会】 太田記念美術館企画展 明治維新150年 幕末・明治 ── 激動する浮世絵 後期展示2月2日─25日

20180129192330_00001太田記念美術館 企画展
明治維新150年 幕末・明治 ―― 激動する浮世絵

2018年1月5日[金]-2月25日[日]
      前期 1月5日[金]-28日[日]
      後期 2月2日[金]-25日[日]
      * 前後期で展示替え
                     * 2月1、5、13、19日は休館します。
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今から約150年前、長らく続いた江戸幕府が崩壊し、新たに明治政府が樹立するという、時代の大きなうねりが起こりました。幕末・明治の浮世絵師たちは、時には、戊辰戦争や文明開化といった社会の変化を描き、時には、西洋文明の影響を受け入れながら、新たな絵画表現にチャレンジしました。
本年、平成30年(2018)は、明治維新からちょうど150年にあたります。それを記念し、本展覧会では、幕末から明治にかけて制作された浮世絵約150点(前後期で展示替えあり)を紹介します。幕末・明治という時代にあわせて激動していく浮世絵をお楽しみください。

【 詳細情報 : 太田記念美術館 】 ☆初出:2017年12月26日
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DSCN7297{新宿餘談}
なごり雪を踏みしめて、01月27日午後、太田記念美術館「明治維新150年 幕末・明治 ―― 激動する浮世絵」前期展示を展観した。寒い日だったが館内には相当の来場者がいた。
錦絵・浮世絵を美術や芸術ととらえるのがふつうであろうが、やつがれ、写真撮影術が普及する前、景観資料などで絵師たちがのこした版画に助けられることが多い。そこでの絵師はジャーナリストであり、報道カメラマンであり、もちろんすぐれた技芸者でもあった。
太田記念美術館は絵士だけでなく、無名の彫刻士・摺り士にもあたたかい視線を向けていることに好感をもった。

収穫の多い展観となった。2月2日からは後期展示が開始される。

【展覧会】お札と切手の博物館 日本近代紙幣の礎となった男たち ─ 日本近代紙幣の礎となった男たち ─ 3月4日まで

お札と切手の博物館オモテ お札と切手の博物館ウラ

お札と切手の博物館
明治150年関連施策特別展(平成29年度 第2回特別展)

日本近代紙幣の礎となった男たち
── 明治150年 ── 印刷局はじまりの物語 ──

開  催 日:平成29年12月19日[火]-平成30年3月4日[日]
開催時間: 9:30-17:00 * 2月23日[金]は、19:00まで
休  館 日 :月曜日(祝日の場合は翌平日)、2月11日[日]
開催場所:お札と切手の博物館 2階展示室
入  場 料:無 料
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国立印刷局は、明治4(1871)年の創設以来、日本の紙幣製造に携わってきました。
明治10年には西欧の先進技術を習得して、近代国家にふさわしい紙幣の完全国産化を実現し、日本の紙幣製造元としての第一歩を踏み出しました。この技術が現在の日本銀行券の製造技術の基盤となっています。

このように印刷局において、創業期にあたる明治時代は重要な時代です。特に明治時代初期から中期にかけては経営基盤を確実なものとするために本業の技術を生かして様々な製品を製造、販売することが行われており、他の時代とは一線を画しています。
本展では、キーパーソンとなった人物の事績を紹介しながら、当時の印刷局の事業について解説します。

【詳細情報: お札と切手の博物館

【展覧会】 東京国立博物館・台東区立書道博物館・朝倉彫塑館 連携企画 呉昌碩とその時代 ─ 苦鉄没後90年 ─ 開催中 3月初旬まで

20171213204841_00003 20171213204841_00004呉 昌碩うら東京国立博物館・台東区立書道博物館・朝倉彫塑館 連携企画
呉昌碩とその時代―苦鉄没後90年―

清時代の末期から中華民国の初期にかけて、書・画・印に妙腕をふるった呉昌碩(1844-1927)は、300年近く存続した清王朝の悼尾を飾る文人として知られています。

 呉昌碩は終生にわたって紀元前5世紀ごろの古代文字である石鼓文(せっこぶん)の臨書に励み、その風韻を書・画・印に結実させました。不器用なまでの重厚な運筆の中にも、キラリと光る輝きを秘めた作風は多くの人々を魅了し、日本にも熱烈な愛好者がいます。

今年度は呉昌碩の没後90年にあたります。このたび15回目を迎える東京国立博物館と台東区立書道博物館の連携企画では、呉昌碩の若き模索時代から最晩年までの作品を概観し、その業績を顕彰します。

また4年ぶりに台東区立朝倉彫塑館を加えた3館のスペシャル企画として、呉昌碩と日本との交流にも焦点をあて、実は意外に身近な存在であった呉昌碩像を浮き彫りにします。在世中から内外で高い評価を博した呉昌碩の魅力を、台東区内で近接する3館で存分にお楽しみください。
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* 東京国立博物館・台東区立書道博物館・朝倉彫塑館 三館共同企画ですが、開始日・展示内容・展示替え日・終了日が各館でことなります。
* リンク先で十分開催日時、展示内容を確認の上ご参観ください。
東京国立博物館  アジアギャラリー 東洋館第八室
台東区立書道博物館
  ☆ 後期展示開始:2月11日まで蘇軾「行書李白仙詩巻」(重文)を公開中!
台東区立朝倉彫塑館
☆ 初出:2017年12月13日

【展覧会】東京都美術館特別展 {ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜}開催中 ─ 4月1日まで 

ブリューゲル01 ブリューゲル02
東京都美術館 
特別展
ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜
Brueghel: 150 Years of an Artistic Dynasty
2018年1月23日[火]-4月1日[日]
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16-17世紀のヨーロッパにおいてもっとも影響力を持った画家一族のひとつであったブリューゲル一族。一族の祖であるピーテル・ブリューゲル1世は、現実世界を冷静に見つめ、人間の日常生活を何の偏見もなく、ありのままに表現した革新的な画家でした。
この観察眼は、子から孫、ひ孫へと受け継がれ、一族の絵画様式と伝統を築き上げていくことになります。

父の作品の忠実な模倣作(コピー)を手掛けた長男のピーテル2世。父の自然への関心を受け継いで発展させ、多くの傑作を残したヤン1世。そして、ヤン2世やアンブロシウス、アブラハムといったヤン1世の子孫たちが、一族の作風を受け継ぎ、「ブリューゲル」はひとつのブランドとして確立されていくのです。

本展は貴重なプライベート・コレクションの作品を中心とした約100点の作品により、ブリューゲル一族と、彼らと関わりのある16、17世紀フランドル絵画の全体像に迫ろうという挑戦的な展示になります。

【 詳細情報 : 東京都美術館 特設WEBサイト 】 ☆初出:2017年12月18日