タグ別アーカイブ: お札と切手の博物館

【特別展示】お札と切手の博物館|体験イベント 凹版印刷体験 体験無料|’24年4月27日-5月6日|開幕

お札と切手の博物館新札紹介お札と切手の博物館 ウェブサイト ホームページ  トップ画像
聖徳太子から渋沢栄一へ
20年ぶりに新しい「日本銀行券」が 2024年7月3日[水]から発行されます。
お札と切手の博物館凹版イメージ

お札と切手の博物館
特別展示
体験イベント 凹版印刷体験  体験無料
開  催  日  令和6年(2024年)4月27日[土]- 令和6年(2024年)5月6日[月]
開催時間  体験イベント午前の部:午前10時 - 午前11時50分(受付は午前9時50分から開始)
      体験イベント午後の部:午後1時10分 - 午後4時    (受付は午後1時から開始)
休  館  日  4月30日[火]
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
      〠 114-0002 東京都北区王子1-6-1 Tel:03-5390-5194
入  場  料  無 料
──────────────────────
お札に使われる印刷方式「凹版印刷」の体験イベントを開催します。
版面の画線(図柄部分の凹み)に専用のインキを詰め、余分なインキをふき取って、印刷機で手刷りします。
体験時間は約20分、その後乾燥に約10分で完成です。印刷物は記念にお持ち帰りいただけます。
  ※ 体験には約30分程度の時間を要するため、早めに受付を終了する場合があります。
  ※ 体験の対象者は小学生以上とさせていただきます。

※ 下掲の公式詳細サイトで最新情報を確認のうえご観覧ください。
[ 詳 細 : お札と切手の博物館

【展覧会】お札と切手の博物館|令和5年度 第2回特別展|鳳凰はばたく朝陽閣 ~ 明治・大正期の印刷局工場案内 ~|’23年12月19日-’24年2月25日|終了

お札と切手の博物館12月

お札と切手の博物館
令和5年度 第2回特別展
鳳凰はばたく朝陽閣 ~ 明治・大正期の印刷局工場案内 ~
開  催  日  令和5年(2023年)12月19日[火]- 令和6年(2024年)2月25日[日]
開催時間  9:30 - 17:00
休  館  日  月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日休館)、12月29日[金]-1月3日[水]、
      2月11日[日]
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
      114-0002 東京都北区王子1-6-1 Tel:03-5390-5194
入  場  料  無 料
──────────────────────
朝陽閣とは、明治9(1876)年、東京・大手町に印刷局が建設した工場の呼称です。赤レンガ造りのモダンな西洋建築で、当時その外観が大きな話題となりました。一方、その内部では、最新の機械設備を備え、西洋式印刷技術を駆使して、お札や切手等の製造を一手に担っていました。
朝陽閣は、新たな東京名所として、また先進技術のパイオニアとして、名実ともに評判を呼びましたが、大正12(1923)年の関東大震災によって、惜しくもその姿は永遠に失われてしまいました。
本展では、震災から100年を迎え、改めて朝陽閣の優美な姿や当時の風景、業務内容を多種多様な絵画や写真資料とともに振り返ります。ぜひご覧ください。
また、会期中の1月-2月には、以下の期日に凹版印刷体験イベントも実施します。

◉ 体験イベント「凹版印刷体験」 体験無料
お札に使われる印刷方式「凹版印刷」の体験イベントを4年ぶりに開催します。
版面の画線(図柄部分)に専用のインキを詰め、余分なインキをふき取って、印刷機で手刷りします。ここまで約20分の工程を経た後、約10分乾燥すれば完成です。印刷物は記念にお持ち帰りいただけます。
今回は、新たに特別展にちなんだ朝陽閣のデザインもご用意しています〔下掲詳細参照〕。

※ 下掲の公式詳細サイトで最新情報を確認のうえご観覧ください。
[ 詳 細 : お札と切手の博物館 ]
{新宿餘談}
お札と切手の博物館では、これまで「新しいお札が2024年7月前半を目途に発行される予定」としていた。報道によると、日本銀行は2023年12月12日、実業家の渋沢栄一を図柄とした1万円札など3種類の新紙幣の発行開始日について、来年2024年7月3日とすると発表した。5千円札は津田塾大創設者の津田梅子、千円札は細菌学者の北里柴三郎で、紙幣の刷新は20年ぶりとなる。
[ 参 考 : 活版アラカルト〔展覧会〕お札と切手の博物館|特別展示 お札が変わる! なぜ変わる? お札の知られざる歴史を探ろう|’23年7月19日-8月27日|終了 ]

【展覧会】お札と切手の博物館|特別展示 お札が変わる! なぜ変わる? お札の知られざる歴史を探ろう|’23年7月19日-8月27日|終了

お札と切手の博物館0801 お札と切手の博物館0802

お札と切手の博物館
特別展示 お札が変わる! なぜ変わる? お札の知られざる歴史を探ろう
開  催  日  令和5年7月19日[水]- 8月27日[日]
開催時間  9:30 - 17:00
休  館  日  月曜日
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
      114-0002 東京都北区王子1-6-1 Tel:03-5390-5194
入  場  料  無 料
────────────────────
◆ お札と切手の博物館 ウェブサイトゟ
image_r05_summer
新しいお札が2024年7月前半を目途に発行される予定です。お札のデザインや製造技術を新しくして発行することを改刷(かいさつ)と言います。

本展では、20年振りに行われる新しいお札の発行にちなみ、これまでの日本のお札の改刷を振り返り、その理由を紐解きます。また、日本とは異なる事情で行われる海外の例もご紹介します。
お札の改刷はただ肖像が変わるだけではありません。皆さんの生活に大きく関わる理由があります。 夏休みの自由研究のテーマとしても最適ですので、お札の改刷を学びにぜひご来館ください。

※ 下掲の公式詳細サイトで最新情報を確認のうえご観覧ください。
[ 詳 細 : お札と切手の博物館 ] 

【展覧会】お札と切手の博物館|令和5年度 秋の特集号|すかしの技と美 工芸官作品展|’23年10月11日-11月26日|終了

お札と切手の博物館秋季01全

お札と切手の博物館
令和5年度 秋の特集号
すかしの技と美 工芸官作品展
開  催  日  令和5年10月11日[水]- 11月26日[日]
開催時間  9:30 - 17:00
休  館  日  月曜日
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
      114-0002 東京都北区王子1-6-1 Tel:03-5390-5194
入  場  料  無 料
────────────────────
工芸官と呼ばれる印刷局の専門職員は、お札の原版の彫刻やデザイン等に携わるほか、すかしの作製も行っています。紙に繊細な図柄を表現するすかしは、印刷局で145年の長きにわたり受け継がれてきた独自の技術であり、工芸官はその伝統を継承するため、また技術練磨や研究などを目的に、すき入れ作品の数々を作製しています。
今回は、明治から現代までの作品を選りすぐってご紹介します。ぜひ会場で実物のすかしの技と美をご覧ください。
なお、本ページで特設ページも公開されていますので、併せてご覧ください。

令和5年度 秋の特集号 特設ページ
すかしの技術 -工芸館作品展
お札と切手の博物館

※ 下掲の公式詳細サイトで最新情報を確認のうえご観覧ください。
[ 詳 細 : お札と切手の博物館 ] 

【展覧会】お札と切手の博物館|令和4年度 冬の特別展示 お札を彩るさまざまな模様|’22年12月20日-’23年2月26日

お札と01 お札とお札と切手の博物館
令和4年度  冬の特別展示 お札を彩るさまざまな模様
開  催  日  令和4年(2022)12月20日[火]- 令和5年(2023)2月26日[日]
開催時間  9:30-17:00
休  館  日   月曜日、年末年始、2月12日[日]
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
114-0002  東京都北区王子1-6-1  Tel : 03-5390-5194  Fax : 03-3911-8905114-0002
入  場  料  無 料
────────────────────
お札には、肖像や風景などの図柄、数字や文字といった模様のほかに、枠模様や地模様など、1枚のお札の中にも様々な種類の模様が描かれています。このような模様はデザインや製造技術の進展などと関わり合いながら、時代ごとに変化してきました。
本展ではお札の装飾的な部分、特に枠模様や地模様に着目し、それらが日本歴代のお札の中で、どのように変わってきたのか紹介します。あわせて海外のお札に見られるさまざまな模様も取り上げます。
なお、この展示では展示解説アプリポケット学芸員を使用した展示解説も行います。お札の模様について、展示では紹介しきれないエピソードや、小さな模様の拡大図をお手元で見ていただくことが可能です。展示室で実物を見ながら、またおうちでもご覧いただけます。是非この機会にご活用ください。

※ 感染症予防対応実施中です。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
※やむを得ず会期や開館時間を変更する場合があります。
詳しくはホームページをご覧いただくか、電話にてお問い合わせください。
[ 詳 細 : お札と切手の博物館 ]

【展覧会】お札と切手の博物館|令和4年度 第2回特別展|加藤倉吉 ─ 飽くなき版画表現の追求|’ 22年10月12日-12月4日

印刷局01 印刷局02

令和4年度 第2回特別展
加藤倉吉 ── 飽くなき版画表現の追求
開  催  日  令和4年(2022年)10月12日[水]-12月4日[日]
開催時間  9:30-17:00
休  館  日  月曜日
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
      114-0002  東京都北区王子1-6-1  Tel : 03-5390-5194  Fax : 03-3911-8905114-0002
入  場  料  無 料
──────────────
加藤倉吉 -かとう くらきち- は、大正から昭和にかけて、お札や切手の原版彫刻に腕を振るった印刷局の工芸官(専門職員)です。
倉吉は、戦時中の印刷局が製造を担った膨大な数のお札、切手、証券類の原版彫刻のほとんどに携わりました。多忙を極めた厳しい時代に、彫刻部門のトップとして気概をもって業務に臨み、時代の要請に応えたのです。
また、こうした製品類とともに、在職中から退職後にわたって、いち凹版彫刻者として数々の肖像画や風景画も彫り上げています。その彫刻に当たっては、飽くなき探求心から、さまざまな製版技法や表現方法を研究、模索し続けました。

本展は、令和2年度 第2回特別展「加藤倉吉 最も多くの「顔」を彫り上げた男」の第2弾として、加藤倉吉の人となりと技を改めてご紹介するものです。今回特にご注目いただきたいのは、加藤倉吉を軸とした歴代の工芸官による様々な肖像画を比較しながらご鑑賞いただけるコーナーです。また、前回はご紹介しきれなかった数々の風景画についても、今回新たに展示します。
伝統の技を駆使したお札や切手、師弟による肖像画及び退職後の倉吉がより自由に彫り上げた風景画等の作品との対比も併せてお楽しみください。

※ 感染症予防対応実施中です。下掲詳細を確認の上ご参観を。
[ 詳 細 : お札と切手の博物館

【展覧会】お札と切手の博物館|令和四年度第1回特別展示|お札探偵団 お札のウラの謎にせまる|’22年7月20日ー8月28日

お札と切手01 お札と切手02

お札と切手の博物館
令和四年度第1回特別展示
お札探偵団 お札のウラの謎にせまる
開  催  日  令和4年7月20日[水]ー8月28日[日]
開館時間  9:30 ー 17:00
休  館  日  月曜日
開催場所  お札と切手の博物館 2 階展示室
      114ー0002 東京都北区王子1ー6ー1 Tel:03-5390-5194 Fax:03-3911-8905
入  場  料  無 料
──────────────
お札といってまず思い浮かべるのは表面の肖像でしょうか。
本展示は、「お札の顔」として注目を集める表面の図柄に隠れてしまいがちな裏面にスポットを当てるものです。三つ子の探偵キャラクターとともに日本を含む世界中のお札の裏面にまつわる様々な事柄を発見していきます。
夏休みの自由研究のテーマとしても最適です。

※やむを得ず会期や開館時間を変更する場合があります。
 詳しくはホームページをご覧いただくか、電話にてお問い合わせください。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳細 : お札と切手の博物館

【展覧会】お札と切手の博物館|令和3年度 冬の特集展| 祭 ~切手で魅せるふるさと~|’22年1月18日-3月27日

印刷局A お札と切手うら

お札と切手の博物館
令和3年度 冬の特集展
 祭 ~切手で魅せるふるさと~ 
開  催  日  令和4年1月18日[火]-3月27日[日]
開催時間  9:30-17:00
休  館  日  月曜日、2月13日[日]
開催場所  お札と切手の博物館 2 階展示室
      114-0002 東京都北区王子1-6-1
      Tel:03-5390-5194 Fax:03-3911-8905
入  場  料  無 料
──────────────
日本各地にはさまざまな種類の祭があります。祭は感謝や祈り、慰霊のために神仏及び、祖先を奉る行為(儀式)ですが、華やかな祭を通じて郷土愛を呼び覚ましたり、観光資源をPRするなど、その土地の魅力を発信する側面もあります。多くの人が魅了される祭は、切手のモチーフに適した素材のひとつでもあることから、ふるさと切手にもたびたび採用されてきました。

ふるさと切手は日本各地の名所・行事・風物を、その土地にゆかりのある画家やイラストレーターなどが原画を手掛け、地域の郵便局限定で発売してきた切手であり、その土地の魅力を発信する役割を期待された切手です。
本展ではふるさと切手において「祭」の切手が果たしてきた役割と、そのモチーフを表情豊かに表現するために使用されてきた国立印刷局の印刷技術を紹介します。 

小さな紙面の中に、躍動感あふれる祭の切手をご覧ください。

※ やむを得ず会期や開館時間を変更する場合があります。
詳しくは下掲詳細ページをご覧いただくか、電話にてお問い合わせください。

[ 詳細 : お札と切手の博物館

【展覧会】お札と切手の博物館|令和3年度第1回特別展(創立150年記念展)|印刷局150年 伝統が紡ぐ信頼|令和3年10月5日-12月5日

きょく01 きょく02

お札と切手の博物館
令和3年度第1回特別展(創立150年記念展)
印刷局150年 伝統が紡ぐ信頼
開  催  日  令和3年10月5日[火]-12月5日[日]
開催時間  9:30-15:00
休  館  日  月曜日
開催場所  お札と切手の博物館 2 階展示室
入  場  料  無料
──────────────
2021年、国立印刷局は創立150年を迎えます。
国立印刷局は創業以来、紙幣や切手、官報などの製品づくりに携わってきました。これらの製品は、国民生活を送るうえで必要不可欠なものばかりであり、国立印刷局の使命は、安定的な製品の供給を通じて、日本の社会と経済の安定に寄与することです。
この150年間には、災害や戦争など通常の製造体制を維持できなくなる事態に陥ることがありました。しかし、知恵と気概と確かな技術で課せられた責務を全うし、社会からの信頼を損なうことなく現在に至っています。
本展示では、その事績を辿りながら国立印刷局が培ってきた信頼の証に迫ります。

※やむを得ず会期や開館時間を変更する場合があります。 詳しくはホームページをご覧いただくか、電話にてお問い合わせください。
[ 詳細 : お札と切手の博物館

【展覧会】お札と切手の博物館|令和2年度 第2回 特別展|加藤倉吉 ── 最も多くの「顔」を彫り上げた男|令和3年1月13日-5月9日|展示再開

2021-03-22 2021-03-22 (1)

お札と切手の博物館
令和2年度 第2回特別展
加藤倉吉 ── 最も多くの「顔」を彫り上げた男
開  催  日  令和3年1月13日[水]-5月9日[日]* 3月23日[火]より再開
開催時間  9:30-17:00
休  館  日  月曜日(祝日の場合は翌平日)
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
入  場  料  無 料
──────────────
加藤倉吉(かとうくらきち)は、大正から昭和にかけて、お札や切手の原版彫刻に腕を振るった印刷局の工芸官(専門職員)です。 倉吉が業務に従事したのは、戦時中という特殊な時代でした。
当時は、日本国内のお札や切手のみならず、日本が戦地で使用するための膨大な数のお札や切手等を発行していたことから、その製造を担う印刷局は、多忙を極めていました。この時、原版彫刻の主力として八面六臂の活躍をしたのが倉吉です。
その確かな技術と驚異的なスピードで、印刷局史上類を見ないほど多種多様な製品の原版を彫り上げ、責務に応え続けました。

また、彫刻にあたっては、天性の芸術感覚を活かし、技術の研鑽はもちろんのこと、飽くなき探求心から、さまざまな製版技法や表現方法を研究、実践し、画期的な製品・作品を数多く残しました。
さらに、原版彫刻部門のトップ・彫刻課長として、後進の技術指導にも積極的に携わり、後に活躍する多くの工芸官を育成するなど、多方面に活躍、貢献しています。
本展では、倉吉本人から寄贈を受けた資料を選りすぐり、戦時の緊急増産体制を支えた倉吉の技と作品の妙をご紹介します。
国の「顔」たるお札や切手等の製品とともに、印刷局伝統の技・凹版彫刻技術が生み出すモノクロームの美をぜひご鑑賞ください。

本展示は、政府による緊急事態宣言の解除に伴い、令和3年3月23日[火]より再開します。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : お札と切手の博物館

【展覧会】お札と切手の博物館|令和元年度 第2回特別展|乙百円-おつひゃくえん-誕生の軌跡 日本人が初めて肖像をデザインしたお札|令和元年12月17日-令和2年3月1日|終了

印刷局おもて 印刷局うらお札と切手の博物館
令和元年度 第2回特別展
乙百円-おつひゃくえん-誕生の軌跡 日本人が初めて肖像をデザインしたお札
開  催  日  令和元年12月17日[火]-令和2年3月1日[日]
開催時間  9:30-17:00 
休  館  日  月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日)、年末年始(12/29-1/3)、2月9日
開催場所  お札と切手の博物館 2 階展示室
入  場  料  無 料
──────────────
明治時代初期、日本のお札や切手は、お雇い外国人として来日したキヨッソーネの尽力により近代化を遂げました。図案・原版彫刻・製版といった技術の全てを担っていたキヨッソーネが印刷局を去った後、日本の技師たちは自らの力でお札をつくる道を歩みはじめます。
アメリカで技術を研鑽した工芸官の大山助一-おおやますけいち-が伝えた技法を弟子の森本茂雄-もりもとしげお-らが受け継ぎ、欧米の技術や様式を吸収しながら、印刷局は発展を遂げ、昭和5(1930)年に日本銀行兌換券「乙百円」(以下、乙100円券)が誕生しました。

当時最新の技術と日本独自の図柄を用いた乙100円券は、初めて聖徳太子の肖像が採用されたお札としても知られますが、その肖像は日本人が初めてデザイン・彫刻を手がけたものです。
乙100円券が発行されるまでの日本のお札は、キヨッソーネの残した原版に基づいて肖像が作成されていましたが、初めて聖徳太子の肖像が採用された乙100円券では、人物の描写、考証、文様、図柄などのすべてを一から製作する必要がありました。
また、その図柄には肖像にゆかりのある法隆寺の宝物などを元に図案化したものが多用されていることが特徴で、当時最新の印刷技術を用いることによって実現したものです。

本展では、お雇い外国人から学んだ技術を日本の技術者たちが自ら成熟させ、生粋のお札を生み出すまでの軌跡を辿り、乙100円券が誕生するまでの背景や肖像の下図が完成するまでの過程、当時最新の偽造防止技術などについて、同時代の海外のお札や関連資料と併せてご紹介します。

[ 詳細: お札と切手の博物館 ] {活版 à la carte 既出まとめ

【展覧会】お札と切手の博物館|令和元年度秋の特集展|改元と歴代天皇 ~ 印刷局の逸品から ~|10月1日-11月4日|会期終了

印刷局おもて 印刷局うらお札と切手の博物館
令和元年度秋の特集展
改元と歴代天皇 ~ 印刷局の逸品から ~
開  催  日  令和元年10月1日[火]-11月4日[月・祝]
開催時間  9:30-17:00 
休  館  日  月曜日(祝日の場合は翌平日)
開催場所  お札と切手の博物館 2 階展示室
入  場  料  無 料
──────────────
国立印刷局(以下、印刷局)は、明治4(1871)年の創設以来、お札や切手、官報、諸証券類の製造に携わっており、これらの重要製品に欠かせない高度な製紙・印刷技術の研究開発、実用化を続けています。
印刷局が携わる製品の中で、歴代の改元や、天皇の即位等の重要な皇室行事に最も関係が深いのは、官報や記念切手です。
一方、明治から昭和にかけて、印刷局の独自技術を用いて製造した献納品や、宮内庁からの受注品のほか、技術練磨を目的とした試作品等のなかにも、歴代天皇に関連するものを見出すことができます。
天皇にまつわる記念切手や製品の数々は、見た目に華やかなだけでなく、当代の印刷局の最高技術を駆使した特別仕様のものが多く、印刷局製品のなかでも特に歴史的、技術的に意義深い「逸品」といえます。
本展では、令和改元を記念し、初公開を含む印刷局の逸品を取り上げ、特別にご紹介します。

[ 詳細: お札と切手の博物館

【展覧会】お札と切手の博物館|令和元年度 第1回特別展|なるほど! なっとく! お札の文字のひみつ|7月17日-9月1日

20190708231725_00001 20190708231725_00002

お札と切手の博物館
令和元年度 第1回特別展
なるほど! なっとく! お札の文字のひみつ 
開  催  日  令和元年7月17日[水]-9月1日[日]
開催時間  9:30-17:00
休  館  日  月曜日(祝日の場合は翌平日)
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
入  場  料  無 料
────────────────
今回の特別展は、お札に書いてある文字がテーマです。使う人がお札を便利に、そして本物であると信用して使えるように、お札の文字にはさまざまな役割があります。

どんな文字が入っているのか、どうしてその文字がお札に入れられるようになったのか、いろいろな人が使うお札だからこその工夫など、日本のお札と海外のお札を比べながら、お札の文字のひみつに迫ります。

[ 詳細: お札と切手の博物館

【展覧会】お札と切手の博物館|平成30年度第2回特別展|お札の色・切手の色 ~ 偽造を防ぐ技と美 ~|’18年12月18日-’19年3月3日

お札と切手01 お札と切手02

お札と切手の博物館
平成30年度第2回特別展
お札の色・切手の色 ~ 偽造を防ぐ技と美 ~
開  催  日  平成30年12月18日[火]-平成31年3月3日[日]
開催時間   9:30-17:00
休  館  日  月曜日(祝日の場合は翌平日)、2月10日[日]
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
入  場  料  無  料
────────────────
お札の独特な重厚感、小さな切手にちりばめられた彩色の美。これらを支えるのが、印刷局の特製インキです。
お札や切手は、国の重要な印刷物であり、常時発行が続けられています。そのため、これらの印刷用インキには高い品質と機能が求められます。
お札や切手に必要な偽造防止機能や、精緻なデザインの再現性、耐久性といった条件を満たすのが、印刷局が門外不出の製法によって開発する特殊インキであり、また、色と印刷を知り尽くした職人が編み出す特別な色なのです。
印刷局は、明治5(1872)年、日本で初めて洋式の印刷インキを製造して以来、およそ150年にわたってインキの技術開発を続けてきました。

本展は、明治・大正期のインキ製造を振り返り、本業はもちろん、当時手掛けた副業製品などを通じて、印刷局のインキ事業がどのように展開されていたかをご紹介するものです。
現在も貫かれる印刷局製インキの使命が記された資料を始め、今回初公開となる色見本帳の全色展示、当時最高峰の技術を使った『国華余芳-こっかよほう』の見本校正刷りなど、明治・大正期に編み出した特別なインキや「色」にまつわる資料を展示します。インキ開発・製造のプロが選ぶ現代の「色の逸品」も併せて取り上げます。

時代を越え、連綿と続く伝統あるインキの美、多種多様な「色の逸品」をぜひ実際にご覧ください。

【 詳細: お札と切手の博物館

【展覧会】お札と切手の博物館|明治150年関連施策展示(第3回)|『明治期印刷局の装丁技術』|9月26日-11月11日

お札と切手の博物館01 お札と切手02

お札と切手の博物館
明治150年関連施策展示(第3回)
『明治期印刷局の装丁技術』
開  催  日  平成30年9月26日[水]-11月11日[日]
開催時間  9:30-17:00 
休  館  日  月曜日(祝日の場合は翌平日)
開催場所  お札と切手の博物館 2 階展示室
入  場  料       無   料
────────────────
国立印刷局と「本作り」との関わりは、明治8 年(1875)に太政官印書局との合併により、紙幣寮(国立印刷局の前身)内に活版局ができたことにさかのぼります。
当時、図書製品販売のため、お雇い外国人パターソンから手ほどきを受けた洋式の装丁技術は、現代にまで受け継がれています。
本展では、明治期の国立印刷局図書製品から、当時の装丁技術について紹介します。

【 詳細: お札と切手の博物館

【展覧会】お札と切手の博物館|平成30年度 第1回特別展|お札の世界で宝さがし 7つの島の大冒険|7月18日-9月2日 終了企画

紙博おもて 紙博うら

お札と切手の博物館
平成30年度 第1回特別展

お札の世界で宝さがし 7つの島の大冒険
開  催  日  平成30年7月18日(水)-9月2日(日)
開催時間  9:30-17:00
休  館  日  月 曜 日(祝日の場合は翌平日)

開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
入  場  料  無 料
────────────────
世界ではじめてお札が誕生してから約1000年。今では日々の暮らしに欠かせないものとなったお札には、金額だけでなく、さまざまなものが描かれています。
世界のお札をじっくり眺めてみると、肖像、風景、建築物、動植物などの図柄や模様とともに、多種多様なデザインがあり、それぞれの国の歴史や文化、政治、自然環境などの背景も見えてきます。お札とはその国を映し出す鏡のような存在でもあるのです。

今回の特別展では、お札に描かれる図柄やデザイン、偽造防止技術などを集めたコーナーを「7つの島」に見立て、その島を冒険しながら、世界にはどんなお札があるのか、その背景にはなにがあるのかを探っていきます。
また「7つの島」の中には、宝物のお札が隠されています。この夏の自由研究は、「宝さがし」をしながら、世界のお札について学んでみませんか。宝物のお札を見つけるヒントやおまけの付いたガイドブックを用意して、会場でお待ちしております。

【詳細: お札と切手の博物館

{手すき紙体験のご案内}   続きを読む

【展覧会】お札と切手の博物館 明治150年関連施策展示(第 2 回) 江戸から明治へ ── 紙幣の技術革新 ── 5月8日-7月16日 終了企画

印刷局05お札と切手の博物館
明治150年関連施策展示(第 2 回)
江戸から明治へ ── 紙幣の技術革新 ──
開  催  日  平成30年5月8日[火]-7月16日[月・祝]
開催時間  9:30-17:00
休  館  日  月曜日(祝日の場合は翌平日)
開催場所  お札と切手の博物館 2 階展示室
入  場  料  無 料
──────────
約400年にわたる日本のお札の歴史の中で、明治時代は、それまでのお札の姿を一新し近代化へと転換した時代です。この時に新しくお札の製造技術として導入された原版彫刻技術と複製版の製造技術は現在のお札の製造技術の基本となるものです。本展示では、これらの技術のうち原版彫刻技術に焦点を当て、前時代からの技術の変遷とあわせてご紹介します。

【詳細情報: お札と切手の博物館

【展覧会】お札と切手の博物館 特別展示 明治150年関連施策展示『キヨッソーネの描いた西郷どん』 3月27日-4月22日 終了企画

お札と切手の博物館01

お札と切手の博物館
特別展示
明治150年関連施策展示『キヨッソーネの描いた西郷どん』
開  催  日 平成30年3月27日[火]-4月22日[日]
開催時間  9:30-17:00 
休  館  日  月曜日(祝日の場合は翌平日)
開催場所  お札と切手の博物館 2階展示室
入  場  料  無 料
──────────

明治時代にお雇い外国人として印刷局の職員に当時の先進製造技術を伝え、日本紙幣の近代化に大きく貢献した「近代日本紙幣の父」キヨッソーネは、明治の元勲の肖像画家でもありました。
西郷隆盛公は、写真を一枚も残していない人物でありながら、多くの銅像や肖像画がつくられているため、その容貌のイメージは広く知られるところです。

それらの肖像画のうちで最も本人に似ているとされるのが、キヨッソーネが描いた肖像画です。キヨッソーネが肖像画を描いたときには、隆盛公は故人となっていました。
では、キヨッソーネはどのようにして肖像画を描いたのか、その背景について西郷隆盛公に縁のある2人の人物との関わりとともに解説します。

【詳細: お札と切手の博物館

【切手とはがき】年賀状を収納する前に、もう一度左肩の切手と消印部に注目 ! 巧妙かつ精緻な偽造防止のワザの数〻がみられます

2018年年賀状むかしは「官製年賀はがき」といった。いまは日本郵政グループ、日本郵便による「年賀葉書」というらしい。それでも宛名面の中央上部の表記は「郵便はがき」であるが …… 。

2018年2月26日「日本郵便 プレスリリース」によると、2018(平成30)年用年賀葉書の総発行枚数は30億枚弱の 2,965,266 千枚と報告されている。
「年賀葉書」は、生活様式の変化・メディアの多様化・人口減少などのために、2003年の44億5936千枚をピークとして漸減傾向にあるが、それでも30億枚弱という数字はとてつもない数字である。しかも2018年1月1日の速報値によれば、そのうちおよそ半分強の15億43百万通は元旦の01月01日に配達されている。いわゆる私製はがきをふくむのかどうかは発表されていない(日本郵政グループ プレスリリース)。

刻線の美フライヤー表紙お札と切手の博物館 2017年春の特集展《刻線の美》フライヤー 終了企画
《刻線の美》フライヤー PDF

わが国の、お札、切手・収入印紙・国債などの諸証券などの印刷は、独立行政法人国立印刷局が担っている。
これらの証券印刷は、万にひとつでも偽造(印刷)物が流布したら大きな混乱をもたらすので、精緻かつ巧妙、さらには美的要求にまで応ずる、さまざまな工夫と技芸の粋がこらされている。
印刷局でのこれらの原版彫刻、デザインなどの業務は、「印刷局工芸官」という専門職員がおこなっている。

ここであらためて2018年、日本郵便による「年賀葉書」の左側面に朱色で印刷された、切手と消印にあたる部分をみてみよう。基本的な絵柄はお正月らしく、吉祥文としての富士山と、ことしの干支にあたる戌(犬)が主要モチーフである。このふたつの絵柄のなかに富士山がいくつか描かれ、犬の足の爪に擬して、ローマ大文字の「FUJI」が置かれている。
さらに消印部にあたる罫線下側を仔細にみると、右から二行目と四行目に、ひら仮名による「嘉語」が刻されていることが読みとれる。

これらの原版彫刻は、すべて手作業により、図柄や文字を彫刻士が製作したものであり、これを高精度な「OCR  光学式読みとり装置」などをもちいて、真贋を瞬時に判別し、数十億枚という膨大な数量のはがきでも迅速な処理を可能としているとされる。
こうした印刷局工芸官の技倆の一端を、おもにグラビア凹版切手の側面から紹介したのが《お札と切手の博物館 2017年春の特集展 ── 刻線の美》展であった。

《お年玉切手シートにも、楽しい技巧がこらされています》

年賀お年玉切手20172017年(平成29)お年玉切手シート
年賀お年玉切手20182018年(平成30)お年玉切手シート
2017年のメーンビジュアルの「酉・鳥」の絵柄が前の年を継承するように右上側面に描かれ、切り取り穴の「目打ち Perforation ≒ ポッチング」の一部が、ことしの干支「戌・犬」が好きな骨の絵柄になっている。気難し屋がおおい「印刷局工芸官」もすこしは楽しみたかったのかもしれない。

──────────

【展覧会】お札と切手の博物館 日本近代紙幣の礎となった男たち ─ 日本近代紙幣の礎となった男たち ─ 2018年3月4日まで 終了企画

お札と切手の博物館オモテお札と切手の博物館ウラ

お札と切手の博物館
明治150年関連施策特別展(平成29年度 第2回特別展)

日本近代紙幣の礎となった男たち
── 明治150年 ── 印刷局はじまりの物語 ──

開  催 日:平成29年12月19日[火]-平成30年3月4日[日]
開催時間: 9:30-17:00 * 2月23日[金]は、19:00まで
休  館 日 :月曜日(祝日の場合は翌平日)、2月11日[日]
開催場所:お札と切手の博物館 2階展示室
入  場 料:無 料
──────────

国立印刷局は、明治4(1871)年の創設以来、日本の紙幣製造に携わってきました。
明治10年には西欧の先進技術を習得して、近代国家にふさわしい紙幣の完全国産化を実現し、日本の紙幣製造元としての第一歩を踏み出しました。この技術が現在の日本銀行券の製造技術の基盤となっています。

このように印刷局において、創業期にあたる明治時代は重要な時代です。特に明治時代初期から中期にかけては経営基盤を確実なものとするために本業の技術を生かして様々な製品を製造、販売することが行われており、他の時代とは一線を画しています。
本展では、キーパーソンとなった人物の事績を紹介しながら、当時の印刷局の事業について解説します。

【詳細情報: お札と切手の博物館 】

【展覧会】お札と切手の博物館 日本近代紙幣の礎となった男たち ─ 日本近代紙幣の礎となった男たち ─ 3月4日まで

お札と切手の博物館オモテ お札と切手の博物館ウラ

お札と切手の博物館
明治150年関連施策特別展(平成29年度 第2回特別展)

日本近代紙幣の礎となった男たち
── 明治150年 ── 印刷局はじまりの物語 ──

開  催 日:平成29年12月19日[火]-平成30年3月4日[日]
開催時間: 9:30-17:00 * 2月23日[金]は、19:00まで
休  館 日 :月曜日(祝日の場合は翌平日)、2月11日[日]
開催場所:お札と切手の博物館 2階展示室
入  場 料:無 料
──────────

国立印刷局は、明治4(1871)年の創設以来、日本の紙幣製造に携わってきました。
明治10年には西欧の先進技術を習得して、近代国家にふさわしい紙幣の完全国産化を実現し、日本の紙幣製造元としての第一歩を踏み出しました。この技術が現在の日本銀行券の製造技術の基盤となっています。

このように印刷局において、創業期にあたる明治時代は重要な時代です。特に明治時代初期から中期にかけては経営基盤を確実なものとするために本業の技術を生かして様々な製品を製造、販売することが行われており、他の時代とは一線を画しています。
本展では、キーパーソンとなった人物の事績を紹介しながら、当時の印刷局の事業について解説します。

【詳細情報: お札と切手の博物館

【特別展】 国立印刷局お札と切手の博物館「印紙・証紙──小さなグラフィック・デザインの世界」

img_main-visual01[1] お札と切手の博物館_01 お札と切手の博物館_02【特別展】
国立印刷局お札と切手の博物館「印紙・証紙 ―― 小さなグラフィック・デザインの世界」
平成28年12月20日-平成29年3月5日

{小さな証明書の形・色・図柄}
本展で取り上げる「印紙・証紙」とは「何かを証明するために貼り付ける小さな印刷物」全般を指します。
これらの「小さな証明書」は貼り付ける対象や証明の内容などの用途に合わせてデザインされるため、多様な大きさや形態、ユニークな色分けや図柄になっています。
下邑政弥氏旧蔵の貴重なコレクションと併せ、製造機関である国立印刷局ならではの収蔵品を展示します。
{詳細:お札と切手の博物館

【お札と切手の博物館】 特別展示 明治の顔 ~ キヨッソーネ、大山助一が彫る元勲の肖像

img_main-visual03[1]

特別展示    平成28年度秋の特集展
明治の顔 ~ キヨッソーネ、大山助一が彫る元勲の肖像

私たちが毎日見慣れているお札の顔は、一見写真のようにも見えますが、実は精巧な版画(凹版画)です。それは、緻密な線と点の彫刻画線で構成されています。
芸術性が高いだけでなく、偽造防止効果にも優れたお札の彫刻技術は、印刷局で独自に発展を遂げたもので、140年にわたって受け継いできた伝統技術です。
その礎を築いたのは、明治初期にお雇い外国人として数々のお札の原版彫刻を担当したイタリア人銅版画家キヨッソーネと、アメリカでも技量が認められた大山助一というふたりの職員でした。
本展では、このふたりの彫刻者たちが本業の傍ら制作した元勲の凹版画を一堂に展示し、併せて彫刻技術についてもご紹介します。

◯ 開   催 日 : 平成28年11月8日(火)-12月4日(日)
◯ 開催時間 : 9時30分-17時
◯ 休   館 日 : 月曜日(祝日の場合は翌平日)
◯ 開催場所 : お札と切手の博物館 2 階展示室
◯ 入  場  料 : 無   料

【 詳細 : お札と切手の博物館 展示 】

よき日がいつも-日日之好日*03 【特別展】 紙幣と官報 2 つの書体とその世界/お札と切手の博物館

印刷局明治10年浮世絵「東京名所 常盤橋内 紙幣寮 新建之図」 広重画 御届 : 明治10年(1877年)01月25日
『 大蔵省印刷局百年史 』 ( 第一巻口絵、大蔵省印刷局 昭和46年06月30日 )
印刷局明治10年ころの写真明治10年ころの紙幣寮

『 大蔵省印刷局史 』( 口絵写真 大蔵省印刷局、昭和37年09月26日 )

1876年(明治09)  近代的なお札の国産化を実現するため、東京大手町に現在の国立印刷局の工場が建設された。 常盤橋はいまも皇居前、日本銀行との間に現存するが、東日本大震災のときの被害があって補修工事中である。
西洋式の赤煉瓦づくり。 正面上部には菊花紋章、その上に鳳凰像をいただいた建物は 「 朝陽閣 チョウヨウカク 」 と呼ばれ、その威容は東京の新名所となった。

「 朝陽閣 」は192年(大正12)、関東大震災によって崩壊したが、幸運なことに 鳳凰像 は事前に颱風にそなえて取り外されていて被害を免れた。
その後さまざまな流転があったが、現在は創建時の姿に補修されて、滝野川にある印刷局東京工場の玄関脇に設置されているという [ お札と切手の博物館ニュース  Vol. 35  2014年12月01日 ]。
──────────
お札と切手の博物館が、まだ大日本印刷市谷工場の脇 ( 国立印刷局市谷工場跡 ) にあったころは、しばしばこの施設を訪れていた。

それが国立印刷局王子工場の脇に移転してからは、はじめての訪館となった。 ゆったりしたスペースだった市谷時代にくらべると、だいぶ手狭にはなっていたが、スタッフの努力で 展示内容はおおいにみるべきものがあった。
DSCN8112 こうぞ、みつまた、がんぴ DSCN8096 DSCN8099JR 王子駅からすぐ近くに印刷局王子工場がある。 その門扉にも「鳳凰」のマークが透かし彫りで入っていた。
工場脇の花壇には、虎ノ門工場にも、市谷工場跡にもあった、良質の製紙材料となる、<雁皮 ガンピ>、< 三椏 ミツマタ >、< 楮 コウゾ > なども植えられていた。
三椏は枝分かれするさい、必ず三つ叉に文枝するのでその名があり、早春のころ、櫻の開花に先だって、
沈丁花とともにつよい薫りを発する。

今回の特別展示は、「 紙幣と官報 ふたつの書体とその世界 」 がテーマであった。
紙幣の書体は、印刷局では紙幣の書体の中心を < 大蔵隷書 > においている。
「 近代的紙幣が発行され、公的書類に使用されていたこの [ 大蔵隷書 ] 書体が用いられてきたのは、この書体が国家の威厳を表すのにふさわしいと考えられたからである。
大蔵隷書は、紙幣に用いつづけられることで、さらなる威厳や信用を付与され、通貨の専用書体として認知されるにいたったのである 」 ―  同展図録より。

また印刷局には 「 官報 」 などにもちいられる、公共性のたかい本文用書体もあり、それを 「 印刷局書体 」 としている。
「 法令は官報の発行をもって効力を発する。 そのため、遅滞なく確実に印刷発行されることが官報の使命であり、安定的に入手できるという利便性が官報の文字にとっての第一義であった。
しかしながら、印刷局書体には公文書で用いられてきた楷書の趣がのこり、大正の書体改造でも正統性を重視していることから、伝統の保持が意識されていたようにおもわれる 」 ―  同展図録より。

《 印刷史研究においても看過されがちだった 印刷局の特異な活字製造 》 ― 同展図録より。
印刷局活版事業の系譜
上掲図は同展図録 「 太政官日誌の活版化 」 より。
明治最初期、印刷局の濫觴が 「 紙幣寮活版局 」 であったことはよく知られるところであるが、既存の、あるいは臨時的な組織が、どのように紙幣寮活版局に、そして印刷局に吸収されていったのかが、今回の特別展パンフレットには、詳細な図版で紹介があった。
同展パンフレットは引用に厳格な制限がみられたので、p.03 の図版をもとに、整理して新製作図版としてここに掲載した。

またp.07-08 にかけて掲載された 「 活版印刷作業工程 」 には、活字鋳造設備の導入時期に関する紹介が写真図版入りでみられた。

  1. [ 活字 ] 母型製造
    活版印刷事業創世時、電胎法 [ 電鋳法 ] によって切片状の文字部 ( ガラ版 ) をつくり、それを真ちゅう製の角材に取り付けたものを [ 活字 ] 母型としていた。
    しかしながら、[ 印刷局は ] 1912年(明治45)にベントン彫刻機を導入し、直接金属片に文字を彫刻して [ 活字 ] 母型をつくる方法に変更した。
     
  2. 活字鋳造
    [ 活字 ] 母型を活字鋳造機の鋳型に密着させて、地金を流し込み、活字を鋳造する。
    活字鋳造機には手回し式と自動式があり、印刷局ではカスチングと呼ばれる手回し式を印書局より引き継いで以降、昭和初年まで使用し、のちに自動式に切り替えた。
     

 ──────────
上掲二項目は、いわば筆者の備忘録ともいえるものであり、もしも難解だとおもわれたら、当分は読み流していただきたい。

こころを打たれたこと ―― 二階展示室に組版台が置かれてあり、その引き出しに 『 日本国憲法 』 とラベルが貼られた 「 置きゲラ 」 が数枚あった。 わが国の新憲法は1946年11月03日に公布され、翌47年05月03日から施行された。

担当職員にお願いしたら、ゲラケースから半分ほどまでを引き出して見せてくれた。 しっかりと結束され、鉛の鈍い光彩をはなっていた。

すなわちこの 「 置きゲラ 」 は、すでに70年近くにわたって、独立行政法人 国立印刷局 の職員であり、印刷技芸家であり、タイポグラファによって、たいせつに守りぬかれてきたものである。

ところで一階の展示には、お札の偽造防止のさまざまが解説されていた。 もともと紙幣の偽造などはまったく考えていないから、サラリとみただけである。
また、現在では前述の 「 大蔵隷書 」、「 印刷局書体 」 もデジタル化されているそうである。
それでも紙幣にあっては、「 大蔵隷書 」 をデジタル出力したものを、そのままもちいているわけではない。
モノクロ「 千円札 」 の表面の左側の図版を示した。 ここには < 日本銀行 > の文字が上下の行にもちいられている。 このふたつの < 日本銀行 > は、すべての字の、字画の一部に相異がみられる。 それでありながら < 日本銀行 > である。

< 字 > の玄妙さ、いいつくせぬ魅力とはこんなところにもある。

お札と切手_hyou


特別展示

平成26年度 第 2 回特別展
紙幣と官報 2 つの書体とその世界

書体とは文字の姿のことです。
活字印刷技術の誕生以来、これまでに多くの書体が生み出されてきました。
印刷局でも、独自の書体をつくっています。
印刷局の独自書体
は 2 種類あり、ひとつはかつて活版印刷物用として開発され、官報に用いられたもの、もうひとつはお札などの偽造防止対策が必要な印刷物用につくられたものです。
本展は、これらの書体が、官報が法令を伝えるために、あるいは、お札がお金としての信頼を得るためにどのような役割を担ったのか、その誕生背景などから探ります。

◯ 開 催  日
平成26年12月16日[火]-平成27年03月08日[日]
◯ 
開催時間
09 : 30 -17 : 00
◯ 
休 館  日
月曜日 ( 祝日の場合は翌平日 )
◯ 
開催場所
お札と切手の博物館 2 階展示室
◯ 
入 場  料
無  料

【 展示詳細 : お札と切手の博物館 特別展示
【 展示詳細 : お札と切手の博物館 特別展示 見どころ解説