カテゴリー別アーカイブ: Viva la 活版 Let’s 豪農の館

【追 憶】Viva la 活版 Let’s 豪農の館|「気骨」の写真家:細江英公先生 対談 伊藤文吉翁|最前列に正座して拝聴|2015年の記録を再録紹介|

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Viva la 活版 Let’s 豪農の館
開催期間  2015年10月10日[土]-12日[月・祝] 09:00-17:00
会  場  「北方文化博物館 豪農の館」 内 「吉ヶ平古民家」(登録有形文化財)
      新潟県新潟市江南区沢海 2丁目15-25
主   催   朗文堂  アダナ・プレス倶楽部(現:サラマ・プレス倶楽部)
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《 豪農の館-北方文化博物館と、同館館長・第八代 伊藤文吉翁 》
活版礼讃<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>の会場、北方文化博物館を訪問するのは四回目、宿泊地となった北方文化博物館の付属施設「Museum  大呂菴-だいろあん/かたつむりのいおり」に宿泊したのは二度目であった。

寺泊の夕日-002uu寺泊の夕陽をみるuu北方文化博物館の伊藤館長と-0061[1]新潟旅行2011.10-234[1]新潟旅行2011.10-169[1]最初に北方文化博物館を訪問したのは、あの地震の年、2011年10月08-10日の三連休、二泊三日の新潟旅行のときであった。
ふりかえってみると、あの年はなにかがおかしかった。だから友人のたれかが、
「日本海に没する夕陽をみたい」
といいだし、それがきっかけとなってなんとなく新潟まででかけた。

その旅の記録は下記のページ、とりわけⅡに詳しい。
◯ 花筏 朗文堂好日録012 新潟旅行Ⅰ
◯ 花筏 朗文堂好日録013 新潟旅行Ⅱ
◯ 花筏 朗文堂好日録014 新潟旅行Ⅲ

最初の旅で北方文化博物館館長・伊藤家第八代・伊藤文吉(世襲名:本名 吉彦  1927-2016)翁とお会いした。今夜は「大呂菴-だいろあん」に宿泊予定であることをつげたら、文吉翁はだまって手をさしのべ、かたく掌を握りしめてきた。
おもえば北方文化博物館の訪問にあわせ、あのとき「Museum 大呂菴」に宿泊することがなければ、かくまでこの越後平野の 複合型博物館 にこだわることはなかったとおもう。

◯ 花筏 朗文堂好日録013 新潟旅行Ⅱ より <大呂菴での宿泊>
ここまでやるのか …… とおもった。すべてがおおぶりで隙だらけ、一見豪放かつ大胆、なんにもしていないようににみせながら、大呂菴はじつにこまやかなこころ配りがなされていた。それもわざとらしくなく、さりげなくである。
「大呂菴-だいろあん」は隣接する「北方博物館の関連施設」であるが、同館は全域にわたって落ち葉をふくめて入念に手入れが行きとどいている。しかし農薬を散布しないとみえて、周囲からチョウやトンボや蛙などが敷地内にわんさかおしよせていた。もちろん夕べともなると秋の蟲が艸叢ですだくように鳴いている。
食事は食器のひとつひとつがすごい。それもチマチマとした京懐石のまねごとではなく、ど~んと大胆な盛りつけと、繊細な味つけの料理が山をなしていた。あちこちに置かれた生花は、翌朝にはあたらしい野草にかわっていた。やつがれ真底、本当に、
「まいった、降参!」

< 写真展示と対談:細江英公   人間写真展  気骨 >
このときに得た情報をもとに、翌11月21日、日帰りで、北方文化博物館本館で開催された<細江英公 人間写真展 気骨>を参観し、同時開催された細江英公氏と文吉翁の対談を最前列に陣取って聴講した。
細江さんのアトリエは四谷舟町にあり、わが住吉町と隣接している。この住吉町・四谷愛住町・四谷三栄町・荒木町・舟町界隈は、街道をはずれてすこしでも路地に入ると、急峻な傾斜地が多く、また一部の作家・画家・カメラマンなどが「四谷は トウキョウ の モンマルトル  !?」と称して住居やアトリエを好んで置いた。さきに紹介した「アンパンマンショップ」のやなせたかしさん、細江英公さんもそんなおひとりであった。

聞き手は伊藤文吉翁で洒脱な話題の連続に〝細江英公カメラの大家〟も軽妙に応じていた。話題はもっぱら「コンパクトなデジタルカメラは面白いよ」とその能力と可能性をわかりやすく語られていた。和室での聴講席は座布団で、ノー学部はその最前列から怖れもなく「写真界の最長老」に、こちらも〝おもちゃのような小型カメラ〟を向けていた。どうやらはじめは、隣組のオジサンくらいにおもったらしいが、北方文化博物館本館のあちこちに「置かれている」『気骨』と題された展示写真をすでに見ていたから、ノー学部にしては恐る恐るだったのかも知れない。
この日、常磐荘(吉ヶ原民家の向かい)では、伊藤夫人がちいさな席札をかかげて<お茶会>を開いていた。うかがえば 「綺麗さび」で知られる小堀流 だとのことであった。
会場にはこれもちいさく「すべての収益は東日本大震災の被災者に向けた席」であることがしるされていた。

DSCN4426DSCN4427DSCN44282014年の暮れ、常磐荘を会場候補として<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>の開催交渉に、これも日帰りで北方文化博物館にでかけた。同館のスタッフは小社WebSiteをときおりご覧になっていた。したがって開催は快諾されたが、会場としては常磐荘よりも、むしろ向いにある「吉ヶ原民家」のほうが効果的ではないかという提案をいただいた。
これまでその民家の内部には入ったことが無かったが、百年余のときを刻んだ「吉ヶ原民家」の障子を開けはなった空間はすばらしかった。
DSCN1926DSCN1927こうして<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>は、エアコンが無く、蟲よけの網戸もない、なによりもことさらな照明設備もない「北方文化博物館 吉ヶ原民家」を会場ときめた。
このため清涼な気候の2015年10月10日[土]-12日[月・祝]の三日間を会期とし、一泊はできるだけ「大呂菴での宿泊を推薦」ということに決定した。

伊藤文吉翁は1927年うまれであるから、まもなく90歳になるはずであるが、<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>の開催中、会場の吉ヶ原民家までおいでいただき、うれしそうに活版印刷機とその製作品をご覧になっていた。
伊藤夫人からは、おいしいお酒の差し入れが「大呂菴」にあった。

《 場の力、ひとの力 》
活版礼讃イベントとして開始した、東京での<ABC dé タイポグラフィ >、<活版凸凹フェスタ>を一旦中断して、地方での活版印刷の普及を後押しし、その土地の『場の力』をバックにしながら、あらたな展開を<活版礼讃 Viva la 活版>では試みてきた。
おもへらく、『場の力』とはエトスのごとく自然ジネン自ばえのものも存するが、その根底にはアルテピアッツァ美唄における安田侃氏の力があり、尚古集成館における島津家歴代の蓄積があった。そして「北方文化博物館」館長で豪農とされる伊藤家も、阿賀野川の氾濫とたたかい、荒蕪地を田畑に開墾し続けた伊藤家八代にわたる『ひとの力』があった。
『場の力』とは『ひとの力』と両両相まってその本当の力を発揮するものとおぼえた。

2015年もあとわずかでおわるこのとき、伊藤文吉翁にきちんとお礼を述べて帰るのをわすれていたことがくやまれる。それよりなにより、会場ではサラマ・プレス倶楽部会員の何台かのカメラが稼働していたはずだが、たれも伊藤夫妻の写真を抑えていなかったことにおどろかされている。
『ひとの力』とは、その存在がおおきすぎるときには、ときとしてオーラのごとき風圧となって、カメラも向けられなかったのかもしれないともおもえた。
まもなく2016年がはじまる。そしてすでに「来年の」<活版礼讃 Viva la 活版>の開催候補地との交渉がはじまっている。

{ご報告 伊藤文吉翁のその後}
八代伊藤文吉となる伊藤吉彦は、1927年(昭和2年)に誕生した。
八代伊藤文吉は、多くの人びとに愛され、惜しまれつつ、2016(平成28)年10月に他界しました。 また、250年余りの歴史をもつ伊藤家の遺構、北方文化博物館は、郷土新潟をはじめ、日本、そして世界から訪れる人びとへ、この歴史と、育まれた文化をいまなお伝え続けています。

【艸木風信帖】 06 新潟県長岡市の会員「紙漉 サトウ工房」さんからトロロアオイと吾亦紅の開花のお便りをいただきました

【紙漉 サトウ工房 佐藤徹哉さんからのメール】

サラマ・プレス倶楽部の皆さま
ごぶさたしております。
『 Salama Press Club NewsLetter  Vol. 35 』無事に到着しております。
会報誌35号表紙resized

『 Salama Press Club NewsLetter  Vol. 35 』 (Previous 2017 )
表紙使用活字 : 36 pt.  セントール〔Centaur〕、 18 pt.  花形活字
★ 【会員からのお知らせ】
新潟会員 紙漉き「サトウ工房」佐藤徹哉さんからの「良寛と巻菱湖」展報告レポート

秋のバタバタにとり紛れ、お礼遅くなり申し訳ありませんでした。
ひと月ほど前からでしょうか、種を分けて頂いた背の高い方のトロロアオイ〔東京都あきる野市五日市町由来〕がようやく花を咲かせています。よかったです。
この先が心配になるほど肌寒くなったと思ったら、明日はまた暑くなるとか、ややこしい陽気で勘弁してもらいたいですが、皆さまどうかお体に気をつけてお過ごし下さい。
それではまた!
* 
紙漉 サトウ工房 佐藤徹哉
新潟県長岡市軽井沢
IMG_3086【サラマ・プレス倶楽部から 紙漉 サトウ工房さんへの返信メール】

紙漉 サトウ工房
佐藤 徹哉 様  奥 様

こちらこそご無沙汰いたしております。
このたびはサラマ・プレス倶楽部会報誌に寄稿くださりありがとうございました。
おかげさまで、今号は充実した掲載内容となりました。
 
また今般はトロロアオイの写真を添付くださりありがとうございます。
吾亦紅 ワレモコウ とトロロアオイが一緒に咲いている風景をはじめて見ました。なんと風情があることでしょう。
両方の花の色や質感、大きさの対比も素敵ですね。トロロアオイの花の芯と顎の赤茶色がかった部分の色と、吾亦紅の渋みのある赤との色味に共通するものがあり、とてもおもしろいコラボレーションですね。
 
ご報告が遅れましたが、佐藤さんからいただいた背の低いトロロアオイの種から、田中智子さんが育てた株に、花が咲いた写真と記事を サラマ・プレス倶楽部の website に掲載しておりますのでご覧ください。
このように背の低いトロロアオイを鉢植えにしたものを写真で見ると、なんだか黄色いハイビスカスの鉢植えにも似て見える気がします。
 
気温の変化の激しい時節ですし、これからますます紙漉きのお仕事のお忙しい季節到来
となるのではと思います。
佐藤さんも奥さんも、お身体をおいたいのうえ、どうかお健やかにお過ごしください。
朗文堂 サラマ・プレス倶楽部  大石 薫

{文字壹凜 トロアオイ Summary

鹿児島イベント DSCN7733[1] DSCN7734[1]2014年 Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO  出品作品紹介

【 テーマ 】     コトバと活字
【 作品名 】    連作 『 秋 』 より ― 吾 亦 紅 ―
【 作者名 】    桐島カヲル ( Lingua Florens )
【 版式 ・ 技法 】  文字 : 凸版 ( 活字版印刷 )  図版 : 凸版 ( 樹脂凸版 )

吾 亦 紅 ―― ワレモコウ ――
―― 野辺に咲く すべての紅い花を集めよ ――
と命じた殿様の
帰路を眺める いにしへの女 ひとり
―― ワレも紅ナリ ――

気位という 衣を纏い
乞うことも 恋がれることもなく
古血の味のみぞ知る

さりとて
女は産まれながらにして 女
そしてまた
女は枯れ尽き果てて なおも 女

【展覧会報告】 小津和紙ギャラリー/手漉き紙四人展2017  新潟長岡の「紙漉サトウ工房」佐藤徹哉さん

20170622141040_00001

DSCN2692 DSCN2703 DSCN2701紙漉技芸士:佐藤徹哉さんとは、2015年活版礼讃イベント{Viva la 活版 Let’s 豪農の館}ではじめてお会いした。以来サラマ・プレス倶楽部の皆さんとはすっかり親しくされている。今回は小津和紙ギャラリーに登場、
会場には横ちゃんこと横島大地さん、藤現代版画研究所の楚山さんがおみえだった。
小津和紙】 {文字壹凜まとめ
DSCN21661[1]1c451c_36d32d1a8103478caf0e36a94631017f.jpg_srb_p_653_490_75_22_0.50_1.20_01[1]759739c254d60d36087880ab103460c0[1]

【展覧会】 小津和紙ギャラリー/手漉き紙四人展2017 新潟の「紙漉サトウ工房」佐藤徹哉さんが参加 6月26日-7月1日

20170622141040_00001 20170622141040_00002小津和紙ギャラリー
手漉き紙四人展 2017
6月26日[月]-7月1日[土]
10:00-18:00 * 初日13:00から、最終日15:00まで
☆ 佐藤徹哉さんが6
30日[土]・7月1日[日]在廊されています!

1c451c_36d32d1a8103478caf0e36a94631017f.jpg_srb_p_653_490_75_22_0.50_1.20_01[1]紙漉技芸士 : 佐藤徹哉さんとは、2015年活版礼讃イベント、新潟北方文化博物館での<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>で、松尾和夏さんの紹介ではじめてお会いした。以来、サラマ・プレス倶楽部の皆さんとはすっかり親しくされている。
ところが「紙漉 サトウ工房」を自営されている佐藤徹哉さんは、やつがれと同様にアナログ系古典派に属されており、パソコンはつかわれているが、携帯電話やカーナビのたぐいは苦手とされる。

「紙漉 サトウ工房」 佐藤徹哉 連絡先
940-0243  新潟県長岡市軽井沢1192
電話 : 0258-51-5134  メール : tty*nct9.ne.jp 〔*→@〕

【詳細:小津和紙ギャラリー】  {文字壹凜 まとめ

実りの秋の越後路新潟で新潟会員との熱い交流ふたたび[Ⅰ] 9月30日-10月2日 初日09月30日編 光の饗宴/ジェームス・タレル「光の館」

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Viva la 活版 Let’s 豪農の館

【 イベント名 】  Viva la 活版 Let’s 豪農の館
【 展示 期間 】  2015年10月10日[土]-12日[月・祝]
【 会       場 】  「北方文化博物館 豪農の館」 内 「吉ヶ平古民家」
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あついこころの交流があった<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>からほぼ一年。
2016年9月30日[金]-10月2日[日]にかけ、実りの秋をむかえた越後路で、ふたたびあわただしく旅をした。今回もまたサラマ・プレス倶楽部 新潟会員の多大なご支援をいただいた。

今回の旅は途中合流・途中帰京などがあってあわただしかった。
秋の越後路をめぐる旅の初日は、十日町市にある「光の館/ジェームス・タレル設計」を訪問し、そこで合宿予定。
以下三点の写真と解説は「光の館 http://hikarinoyakata.com/」公式サイトから拝借した。

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光の館 House of Ligh    James Turrell

「光の館 - House of Light」は、光のアーティスト、ジェームズ ・ タレルの作品として
第一回「大地の芸術祭  越後妻有 アート トリエンナーレ」(2000年)で生まれたものです。
この実験的な作品は、彼の作品世界を滞在生活の中で体験いただける
 世界にも例を見ないものであり、瞑想のためのゲストハウスとして構想されました。

タレルはこの構想を谷崎潤一郎の『陰翳礼讃   いんえい-らいさん』の中から見出しました。
伝統的な日本家屋における親密な光に、自らが制作してきた光の作品を融合させることを着想したのです。
越後妻有の豊かな自然の中、様々な光と向き合う時間を過ごして頂きたいと思います。

光 の 館
〒948-0122  新潟県十日町市上野甲2891  TEL/FAX  025-761-1090
E-mail : hikari01@hikarinoyakata.com
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実りの秋の越後路新潟で新潟会員との熱い交流ふたたび[Ⅱ] 9月30日-10月2日 中日10月01日編 長岡市栃尾地区「紙漉 サトウ工房」

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Viva la 活版 Let’s 豪農の館

【 イベント名 】  Viva la 活版 Let’s 豪農の館
【 展示 期間 】  2015年10月10日[土]-12日[月・祝]
【 会       場 】  「北方文化博物館 豪農の館」 内 「吉ヶ平古民家」
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あついこころの交流があった<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>からほぼ一年。
2016年9月30日[金]-10月2日[日]にかけ、実りの秋をむかえた越後路で、ふたたびあわただしく旅をした。今回もまたサラマ・プレス倶楽部 新潟会員の多大なご支援をいただいた。

今回の新潟旅行は三日間とはいえ、会員の皆さんは多忙な秋の日日とあって、中途帰京・中途参加と、在京会員九名の出入りがはげしく、二日目の10月01日[土]長岡市(旧栃尾市)軽井沢の「紙漉 サトウ工房」でのワークショップが、新潟会員四名も加わって最大人数の参加であった。

したがって整理の都合上、旅行行程からいうと逆順、つまり二泊三日の旅のうち、最終日の10月02日[日]から紹介したい。
それでも三回連載の本項の紹介は、ブログロールでは降順にアップされるので、のちからみれば行程順になる・・・・・・といいわけをばしておこう。

◎ 10月01日[土]-新潟滞在ふつか目 初日の宿、ジェームス・タレル【光の館】で「日の出プログラム・朝風呂」

新潟旅行、旅の初日の前夜は、新潟県十日町市上野甲2891、ジェームス・タレルの設計による【光の館】に合宿した。
初日に東京から車を運転して新潟入りした石田さんは、【光の館】に一泊宿泊しただけで、疲れもみせず、翌早朝、群馬県沼田市でのイベント参加のためにひとりで車で出発。
六名の会員は、「光の館」での日の出プログラムを楽しみ、ライティングが効果的な、おおきな浴槽で、おもいおもいに朝風呂としゃれ込んだ。

タクシー二台に分乗して十日町駅前に移動。そこから至近の「越後妻有交流館/キナーレ」内のレストランで朝食をとる。
館内に「温泉 明石の湯」があり、入湯したかたもいたようである。

◎ 十日町駅から「私鉄 ほくほく線」、六日町経由「JR 上越線」で長岡駅へ移動。長岡にて松尾愛子さん・イラストレーター「しおた まこ」さん合流DSCN7986 DSCN7988 DSCN7992 DSCN799311:11 十日町駅から「私鉄 ほくほく線」で六日町まで15分、そこから「JR 上越線」に乗り換えて12:36長岡駅に到着。都合1時間25分のローカル線でのゆっくりした旅となった。
つり革のところどころハート型をしていた。理由は知らないが若いカップルならよろこびそう。
長岡駅前で松尾愛子さんと合流して、東口の「庄屋」で昼食。ここは喫煙可でホッとする。

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<紙漉 サトウ工房>
DSCN801613:30 長岡駅東口に「紙漉 サトウ工房」の技芸士:佐藤徹哉さん、イラストレーター「しおた まこ」さんにそれぞれ車で出迎えていただいた。
長岡駅前からさっそく「紙漉 サトウ工房」に向けて出発。

かつては急峻な峠越えの道だったというが、いまは二車線のゆったりした道が開通しており、山越えにはトンネルを掘削してあった。
「あっという間に着きますよ。もとは家も工房も栃尾市でしたが、平成の大合併でいまは長岡市です。長岡駅からでも距離は近いんです」
と佐藤徹哉さんは笑う。
長岡駅前から二台の車に分乗して25分ほど、目的地の「紙漉 サトウ工房」に到着。現地には新潟市から参加された sketch & note|松尾和夏 さんが笑顔で待機されていた。

紙漉技芸士 : 佐藤徹哉さんとは、昨年の<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>で、松尾和夏さんの紹介ではじめてお会いした。以来、サラマ・プレス倶楽部の皆さんとはすっかり親しくされている。
ところが「紙漉 サトウ工房」を自営されている佐藤徹哉さんは、やつがれと同様にアナログ系古典派の人種に属されており、パソコンはつかわれているが、携帯電話やカーナビのたぐいは苦手とされる。

「紙漉 サトウ工房」 佐藤徹哉 連絡先
940-0243  新潟県長岡市軽井沢1192
電話 : 0258-51-5134  メール : tty@nct9.ne.jp

DSCN7996 DSCN8009 DSCN8000 DSCN8001 DSCN8006しばらく越後平野に悠然と流れる「信濃川 ―― 信州では千曲川と呼ぶ」にそった田園がつづく。その穀倉地帯からトンネルをぬけると、にわかに山並みがせまってきた。
田圃の稲は、あらかた刈り取られていたが、「しおた まこ」さんのご配慮で、景色の良いところで一旦停車して、ちょっとした休憩。刈り取られたばかりの稲わらのにおいがいっぱい。

<紙漉 サトウ工房 と 佐藤徹哉さん>

DSCN8032 DSCN8029 DSCN8031 DSCN8030アトリエ拝見、紙漉き研修の前に、まず屋敷畑といった近さの「楮 こうぞ」と、「トロロアオイ」の畑を拝見。
身長より高く成長した「楮」はまだまだ元気だった。
意外だったのは佐藤さんが育てている「トロロアオイ」。茎がとても短くて、30センチぐらいで花をつけ、いまは種子のときだったこと。
すこし吾が空中花壇のものとは品種がことなるようだった。さっそくお願いして、この茎が短く、根が太くなるという「トロロアオイ」の種子を晩秋にわけていただくことにした。
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<吾が空中花壇のトロロアオイの由来と、過去の手漉き紙研修旅行の記録>

DSCN7556いまでこそ「空中花壇の女王」となったトロロアオイであるが、そのはじめはかなりふるい。
2010年05月に、秋川渓谷めぐりでたまたま訪問した「あきる野ふるさと工房 軍道紙の家 グンドウガミ 」で黒ポットで数株の苗をわけていただいたことにはじまった。
【 サラマ・プレス倶楽部ニュース : [会員の皆さまへ] トロロアオイを育ててみませんか? 2010年06月08日
トトトアオイ 黒ポット人物入[1] トトトアオイ 密集-225x300[1] トロロアオイ 単体[1]この偶然の訪問とトロロアオイが縁となって、秋に<研修旅行 紙漉きツアー>を企画した。
あきる野市は東京都内で、交通も便利なので、このときは17名の参加だった。
重複するが、記録と記憶整理のためにも、その折りのデーターを下記にアップした。
【 朗文堂ニュース : [研修旅行]東京都あきるの市五日市町の秋川渓谷にある「ふるさと工房」で{紙漉きツアー} 好評裡に終了! 2010年10月05日 】

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【研修旅行】東京都あきるの市五日市町の秋川渓谷
「ふるさと工房」で{紙漉きツアー} 好評裡に終了!
自分で漉いた本物の手漉き紙と、美味しい空気がお土産でした!

2010年10月02日、好天に恵まれ、東京都あきるの市五日市町の秋川渓谷にある「ふるさと工房」で《手漉き紙ツアー》が開催されました。
主催は朗文堂サラマ・プレス倶楽部「活版カレッジ」でしたから、皆さんは本物のタイポグラファであり、ほとんどが活版印刷実践者の皆さん17名+1 (やつがれ)でした。

会員の皆さんに研修旅行をご案内したときは、東京都内で本当に手漉き紙の抄造が体験できるのかと半信半疑のかたもいらっしゃいました。
それでも五日市町の軍道紙 グンドウガミ の伝統を継承する「ふるさと工房」に集合したときは、あたりの緑豊かな景観と、清らかな秋川の渓流と渓谷美にううっとりとした表情でした。

総勢17名+1 の紙漉き風景は壮観でした

まず「ふるさと工房」の学芸員によって、手漉き紙の主原料となる楮(こうぞ)と、ネリにつかわれるトロロアオイの根の説明があって、さっそく紙漉き作業を開始。
今回は舟(材料槽)三つを借り切っての本格抄造とあって、ほとんど全員が初体験とは思えない鮮やかな手つきで抄造に励みます。
サイズはA3サイズ、ハガキサイズ、名刺サイズとさまざまでしたが、みんな目的意識をもってそれぞれのサイズを選択しての抄造でした。

楮の植栽の前で学芸員から説明を受ける

ところで堂主やつがれ!
実はオヤジの生家が信州信濃の千曲川にそった雪国の貧しい農家で、農閑期となる冬場は丈余どころか三メートルほどの雪に埋もれ、冬期間の内職として紙漉きが盛んであった関係で、しもやけとあかぎれの手で紙漉き作業を手伝わされた苦い思い出があった。

そこで途中は中抜けして秋川渓谷をお散歩。そして「喫茶むべ」の絶品の珈琲を愉しんでおりました。皆さんは熱中していましたから気づかれなかったはず。
そしてやおら最終局面に再登場して、なにくわぬ顔で抄造作業開始。ハガキサイズ二面付け枠を用いての堂々の勇姿ですが、あとで写真をみると、メンバーの心配そうな視線を浴びての抄造ではありました。

皆さんは笑いを堪えているのか、はたまた心配しているのか?

しつこいようですがトロロアオイ。ふるさと工房の前には大型フラワー・ポットに植えられたトロロアオイがもう種子をたくさん付けており、花は下掲写真の一輪だけでした。
ふるさと工房から再度この種をわけていただきましたので、来年はたくさんの苗をおわけできそうです。五月初旬に種まき、六月定植、九月末開花のスケジュールです。

ところで……、ウチのトロロアオイはまだ花をつけません。毎朝の水遣りのあと、「ロダンの椅子」に腰を下ろしてジーッと見ているのですが。
もしかすると……、此奴は花をつけてしまったら、根っこごと抜かれるのをいやがっているのかな? と。

ふるさと工房、トロロアオイの花と種子

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おもわぬながい寄り道をした。閑話休題。
じつはやつがれ、初日の探訪地 兼 合宿所「光の館」で、ぬるいお湯にはいって長湯をしたせいか風邪気味であった。また吹きわたる爽やかな風がなんとも心地よく、なんと紙漉き作業の開始を前に、ここでウトウトとうたた寝をしてしまったのである。
DSCN8106 リッキーと遊ぶ片塩さんしかもである、前述した五日市の「ふるさと工房」でも中途脱出して、オーナーと懇意にしていた「喫茶むべ」の珈琲をたのしんでいたが、なんら証拠がのこっていなかったから、再登場して素知らぬふりで手漉き紙作業に取り組めた。

ところが最近のように、デジカメやスマホで気軽に撮影できるようになると、かかるけしからん行為は即刻証拠写真を撮影され、言い逃れができなくなってしまう。実に困った時代になったものだ。
したがって、ここちよい昼寝から目覚めても、いまさら作業の仲間に入りづらく、佐藤夫人の愛犬「リッキー」をリシツキーと呼んで、小一時間もじゃれあっていたのである。
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< sketch & note|絵と版画 松尾和夏さんのURL紹介 >
そこでお詫びに<紙漉サトウ工房の手漉き和紙について>の特設コーナーを設けられている松尾和夏さんのURLを紹介して、そこから「紙漉サトウ工房の手漉き和紙について」を知っていただきたい。
下掲のアトリエ写真も松尾和夏さんによるが、松尾さんはふるくからのサラマ・プレス倶楽部の会員ですし、< Adana-21J >のユーザーでもある。ともかく松尾和夏さんの WebSite の画像とコンテンツは豊富で、丁寧に造りこまれている。

< atelier
活版印刷とシルクスクリーン印刷
手刷りの印刷機をつかったオーダーメイドや印刷体験
sketch & note のアトリエは、新潟市街地に近い場所にあり、新潟駅から徒歩20分程度です。アトリエは自宅の離れに設計し、2016年4月に完成しました。

アトリエには、活版印刷機とシルクスクリーン、謄写版などの印刷機があり、手刷りによる印刷を行っています。アトリエにて印刷の体験や、オーダーメイドのご相談を承ります。

紙漉サトウ工房の手漉き和紙について >
紙漉サトウ工房は、新潟県長岡市の山間にある紙漉の工房です。

栃尾とよばれるこの地域は、新潟県内でも雪の多い地域で、冬は建物の一階部分はすべて雪に埋もれてしまう程です。
かつて新潟では、自分の畑で育てた楮を使い、雪に閉ざされた季節に紙を漉く紙屋さんがたくさんありました。
いま現在、そういった昔ながらの材料と製法で、和紙を作り続ける紙屋さんはすごく少なくなっていますが、紙漉サトウ工房では、自家栽培の楮と、周辺地域で採れる材料だけをつかった、昔ながらの和紙作りを続けています。

紙漉 サトウ工房  佐藤徹哉
1967年 新潟県長岡市生まれ。
1999年-2010年 越後門出和紙に勤務。
2013年 長岡市軽井沢にて「紙漉 サトウ工房」を開業。
1c451c_c90f8c1bddf84a0bb2fa9d7fe3e21679[1]

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以下、東京から押しかけた<サラマ・プレス倶楽部>会員による写真画像を、順不同、しかも中途爆睡の身なれば説明も無しでご紹介する。

DSCN8019 DSCN8020 DSCN8021 DSCN8035 DSCN8039 DSCN8041 佐藤徹哉さんによる「手漉き紙」の工程に関する短いレクチャーがあって、さっそく作業に取りかかる会員の皆さん。
DSCN8042 DSCN8052 DSCN8054 DSCN8058 DSCN8096 DSCN8065 DSCN8066 DSCN8085 DSCN8062 DSCN8107 DSCN8092 DSCN8091 DSCN8090 DSCN8087R0056857teiやっぱりやつがれ、カバンを抱えこんで爆睡している。けしからん証拠写真がのこされた。
この翌日にいった<三条鍛冶道場>でも実はかなり中抜けして、裏庭の「四つ葉のクローバー」などをみていた。
ときおり進行状況を「観察」していたが、加久本君の背後霊のように、サボっているやつがれが写真に写り込んでいたとは、迂闊なことに読者の指摘を受けるまで知らなかった。

DSCN8106DSCN8213下掲正面中央が「紙漉き サトウ工房」アトリエ。その10メートルほど奥に佐藤夫妻の自宅がある。豪雪地帯でなるこのあたりでは、しんしんと降りつもる新雪の翌朝など、このわずか10メートルがとてつもない距離感になることもある。

楮畑のわきの台地は「栃尾市立一之貝小学校 軽井沢分校」の跡地。
明治7年(1874)の開校で平成13年(2001)の閉校というから、創立はきわめてふるく、125年余の歴史を刻んで閉鎖された。
旧栃尾市の一之貝地区と軽井沢は、さほどの距離ではないが、なにぶんこのあたりは豪雪地帯。やつがれの郷里 : 信州飯山でも「冬期分校」はいくつもあった。紀念碑には晩秋の夕べ陽ざしのぬくもりをもとめて、トンボが羽をやすめていた。

アトリエのかたわらに、艸にうももれるようにして味わいのある歌碑がのこされていた。

ふるさとの 陽のやわらかき 蓬つむ  一子

「蓬」はよもぎと詠む。春の野面の情景をうたったものか。
佐藤さんも、この歌碑のゆえんをご存知ないとされた。
秋のゆうぐれははやかった。こののち長岡にもどって、駅前の「たこの壺」で10名での懇親会にのぞんだ。 DSCN8076 DSCN8074 DSCN8072 DSCN8013 DSCN8014

【活版カレッジ】 10月27日アッパークラス定例会 新潟旅行参加者も断念されたかたも大集合 

活版カレッジ DSCN8313 DSCN83122016年9月30日[金]-10月2日[日]にかけ、実りの秋をむかえた越後路で、ふたたびみたび、あわただしい旅をした。 そのレポートは順次本コーナーにもアップされるが、今回も新潟サラマ・プレス倶楽部、「しお たまこ」さん、「sketch & note|絵と版画 松尾和夏」さん、のご協力をいただいた。

旅のふつかめは、<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>で大活躍された「「紙漉 サトウ工房」の佐藤徹哉さんのアトリエ訪問、紙漉き研修を実施。
<活版カレッジ>アッパークラス10月定例会は、10月01日に漉いた手漉き紙が到着しており、その受け取りも兼ねての集まりだったので、通年テーマの「歌留多製作」とあわせ、当然話題は新潟旅行に集中。 DSCN8016 DSCN8032 DSCN8039ところが「紙漉 サトウ工房」を自営されている佐藤徹哉さんは、やつがれと同様にアナログ系古典派の人種に属されており、パソコンはつかわれているが、携帯電話やカーナビのたぐいは苦手とされる。
ご本人からの了承をいただいたので、佐藤さんご夫妻からのお便りをご紹介する。

「紙漉 サトウ工房」 佐藤徹哉 連絡先
940-0243  新潟県長岡市軽井沢1192
電話 : 0258-51-5134  メール : tty@nct9.ne.jp 20161107160803_00001 20161107160803_0000220161107160803_00003

実りの秋の越後路新潟で新潟会員との熱い交流ふたたび[Ⅲ] 9月30日-10月2日 最終日10月02日編「三条鍛冶道場」ほか

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Viva la 活版 Let’s 豪農の館
【 イベント名 】  Viva la 活版 Let’s 豪農の館
【 展示 期間 】  2015年10月10日[土]-12日[月・祝]
【 会       場 】  「北方文化博物館 豪農の館」 内 「吉ヶ平古民家」
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あついこころの交流があった<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>からほぼ一年。
2016年9月30日[金]-10月2日[日]にかけ、実りの秋をむかえた越後路で、ふたたびあわただしく旅をした。今回もまたサラマ・プレス倶楽部 新潟会員の多大なご支援をいただいた。

会員の皆さんは多忙な秋の日日とあって、今回の新潟旅行は三日間とはいえ、中途帰京・中途参加と、在京会員九名の出入りがはげしく、二日目の10月01日[土]長岡市(旧栃尾市)軽井沢の「紙漉 サトウ工房」でのワークショップが、新潟会員四名も加わって最大人数の参加であった。

したがって整理の都合上、旅行行程からいうと逆順、つまり二泊三日の旅のうち、最終日の10月02日[日]から紹介したい。
それでも三回連載の本項の紹介は、ブログロールでは降順にアップされるので、のちからみれば行程順になる・・・・・・といいわけをばしておこう。

◎ 10月02日[日]-最終日午前中 長岡周辺 博物館めぐり
「馬高縄文館 (愛称:火焔土器ミュージアム)」、「新潟県立歴史博物館」


前夜は長岡駅周辺のホテルに宿泊していた数名の参加者が、早朝08:30長岡駅前に集合。
「紙漉 サトウ工房」佐藤徹哉氏の車などに同乗して、「火焔土器」の発見で知られる「馬高・三十稲場遺跡」の隣接地に、火焔土器をテーマとした日本で唯一の博物館として設立された「馬高縄文館(愛称:火焔土器ミュージアム)」と、「新潟県立歴史博物館」の参観に出発。
top_mainfigA[1]馬高縄文館(愛称:火焔土器ミュージアム)」にはやつがれもおおいに関心があったが、なにぶん早起きが苦手なことと、初日「光の館」の大風呂で長湯をしすぎて風邪気味だったのでスルーした。

あとで加久本くん、大石に、
「馬高縄文館、火焔土器ミュージアムはどんな感じだった」
と感想を聞いたところ、
R0056770tei「こんな凄い迫力の縄文土器がいっぱい」
として、とったポーズが上掲写真(春田さん写真)。わが国縄文時代の火焔型土器とは斯様な姿であったらしい。
いずれにせよ、質問相手を間違えた。このふたりが一緒になるとろくなことは無い。

朗文堂サラマ・プレス倶楽部には、「おかわかめ倶楽部」、「掃苔会」などのいくつかの分科会がある。そのひとつ、<本邦ラーメン文化研究会 会員:真田幸文堂 ・ 横島大地>はいくら会員募集をしても「肥満のもと」としてたれも新加入しないようだ。
そのふたりぼっちの会員の横島大地さんは、ここで仕事のため、泣く泣く新幹線で帰京した。それでもやはり横島さんに聞くべきだった。

東京国立博物館蔵 ウィキペディアより火焔型土器参考図版 ウィキペディアより
「伝馬高出土」として東京国立博物館に所蔵されている火焔型土器(列品番号J -39036)

◎ 10月02日[日]-最終日午後 燕市/三条市へ移動
「燕市産業史料館」、「三条鍛冶道場」、「燕三条地場産業振興センター」、「ととや(魚屋)」

午後13:00 ふたたび長岡駅前に集合。午後からはイラストレーターにして、パワフルな造形者「しおた まこ」さんが乗用車に乗ってわざわざ新潟からの参加。
しおたさんのご自身の紹介によれば、以下のようなかたである。
「プロフィール : 新潟在住のユルいイラストレーター。三人の男の子に君臨するアマゾネスの母。そして自称キュートでセクシーな妻」。
たまたま「しおた まこ」さんの個展<ひとり文化祭>が東京・青山で予定されている。皆さんの参観をお勧めする次第である。
しおたまこ個展 しおたまこ02午後からは佐藤さんと、「しおた まこ」さんの二台の車に分乗して、長岡から燕市・三条市方面をめざして北上した。

上越新幹線の「燕三条駅」は燕市と三条市の市境に設置されている。この両市は隣接しているが、もともと旧選挙区の地割りでは、燕市は新潟一区、三条市は故田中角栄が地盤としていた新潟三区であったため、なにかとライバル心が強かったという。
そのため新幹線の駅舎の位置や駅の名称で紛糾し、議論の末に、駅名を燕を先にした「燕三条駅」とし、駅長室を三条市側に配置して、駅の所在地を「三条市」とすることで最終的に合意したという。

燕市は新潟県の中央部に位置し、ゆたかな田園がひろがってものなりがゆたかである。
また洋食器の生産では世界的なシェアを誇る工業都市でもある。
三条市もまた穀倉地帯でありながら、金属加工を中心に栄えたこともあって、この両市はふるくから競合しながらも相互補完の関係が深く、燕は「職人の町」、三条は「商人の町」とも称されている。

<燕市産業史料館>
燕市産業史料館 野鍛冶・和釘 DSCN8117 DSCN8146燕市産業史料館をたずねるのは、田中さんら古参会員にとっては二回目。むしろ地元の「紙漉 サトウ工房」さん、「しお たまこ」さんが熱心に参観。
野鍛冶の現場再現、木製の大型ふいご(鞴)の展示が改善されていた。また「和釘」の見本がたくさん陳列されていた。

東京築地活版製造所出身の最後の活字父型彫刻士とされた安藤末松は、こうした砂鉄からつくられた良質の和釘が活字原字の彫刻刀に最適だとして、ふるい土蔵の取り壊しなどがあると、しばしば出かけて貰いうけて彫刻刀に研磨していたとされる(参考 : 『活字に憑かれた男たち』片塩二朗 朗文堂)。
この「燕市産業史料館」の参観をおえて、車で10分ほど、「三条鍛冶道場」で参加者は和釘ならぬ市販の五寸釘と格闘してペーパーナイフをつくることになる。

<三条鍛冶道場>
DSCN8230 DSCN8234DSCN8177 DSCN8181三条鍛冶道場」で 鍛冶の世界を体験
鍛冶の世界は、叩く(鍛造)の技術だけでなく、砂鉄と炭から鉄と鋼を生み出す独特の製鉄方法や、熱処理(焼き入れ・焼きなまし)、削る(研削)、磨く(研磨)、刃付けなど、多様な範囲にわたっている。

三条鍛冶道場」のワークショップ、「五寸釘からペーパーナイフ作る」では、いまやさすがに炭火や木製ふいご(鞴)にかえて、コークス炉、電気送風ファンをもちいるが、伝統鍛冶独特の、叩く、ねじる、削る、磨くの工程を体験し、より広い鍛冶の世界を味わうことができた。
DSCN8168この市販の五寸釘(意外におおきい)が、みごとに「ペーパーナイフ」に変貌する。
古来鍛冶士や鋳物士は、紅蓮の火焔を怖れ、敬い、火焔から製造され再生する金属機器や鋳物に執着する特殊技能者であった。

かれらの心性は、火をあがめ、おそれてきたので、すっかり近代化した工場のここ「三条鍛冶道場」にもひっそりと火伏せの祭神が祀られていた。
[参考:花筏 平野富二と活字*02 東京築地活版製造所の本社工場と、鋳物士の習俗
DSCN8172 DSCN8227 DSCN8177 DSCN8179 DSCN8181 DSCN8187 DSCN8191 DSCN8193 DSCN8196 DSCN8197 DSCN8205 DSCN8206 DSCN8213 DSCN8208 DSCN8214 DSCN8225DSCN8229作業中は火の粉が飛び散るので、眼球保護のためゴーグルをつけ、ともかく火傷防止。
できあがった「自作ペーパーナイフ」を手に、満足げな会員の皆さん。しばしスマホ写真の撮り合いと、うれしそうな自撮りがつづいた。
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このあと、しおたさんお勧めの「燕三条地場産センター物産館」にたちよる。今回の旅では唯一のお買い物タイムとなった。
足指の爪が曲爪で悩みがつづいていたやつがれは、ここでチョイと高かったが爪切りを購入。これは絶品、やつがれもお勧めしたい。長年の悩みが解消される切れ味だった。

旅の最後の〆は「和旬喰燗 魚家 TOTO-YA」。18:00予約済み。ここもしおたさんお勧めの店。
ともかくいうことなし。旨かったし、安かった。これで上戸ならばここに越後の銘酒がくわわり、さらに印象はふかくなるのだろうが・・・・・・。いずれにせよいうことなし、お勧めの店である。

収穫の多い旅だった。佐藤さん、しおたさん、松尾さんといった新潟会員にすっかりお世話になった。また新生児を抱えているため顔は見れなかったが山下情報もずいぶん助かった。
そんなおもいでを胸に燕三条駅20:31「Max とき348号」東京行きで帰京した。

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活版讃歌|<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>Ⅻ|エンディングロール|八代伊藤文吉翁と<豪農の館 北方文化博物館>|

record豪農02Viva la 活版 Let’s 豪農の館
開催期間  2015年10月10日[土]-12日[月・祝] 09:00-17:00
会  場  「北方文化博物館 豪農の館」 内 「吉ヶ平古民家」(登録有形文化財)
新潟県新潟市江南区沢海 2丁目15-25
主   催   朗文堂  アダナ・プレス倶楽部(現:サラマ・プレス倶楽部)
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《 豪農の館-北方文化博物館と、同館館長・伊藤文吉翁 》
活版礼讃<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>の会場、北方文化博物館を訪問するのは四回目、宿泊地となった付属施設、「Museum 大呂菴」に宿泊したのは二度目であった。

寺泊の夕日-002uu 寺泊の夕陽をみるuu 北方文化博物館の伊藤館長と-0061[1] 新潟旅行2011.10-234[1]新潟旅行2011.10-169[1]最初に北方文化博物館を訪問したのはあの地震の年、2011年10月08-10日の三連休、二泊三日の新潟旅行のときであった。
ふりかえってみると、あの年はなにかがおかしかった。だから友人のたれかが、
「日本海に没する夕陽をみたい」
といいだし、それがきっかけとなってなんとなく新潟まででかけた。
その旅の記録は下記のページ、とりわけⅡに詳しい。
◯ 花筏 朗文堂好日録012 新潟旅行Ⅰ
◯ 花筏 朗文堂好日録013 新潟旅行Ⅱ
◯ 花筏 朗文堂好日録014 新潟旅行Ⅲ

最初の旅で北方文化博物館館長・伊藤家第八代・伊藤文吉(世襲名)翁とお会いした。
今夜は「大呂菴-だいろあん/かたつむりのいおり」に宿泊予定であることをつげたら、文吉翁はだまって手をさしのべ、かたい握手をした。
おもえば北方文化博物館の訪問にあわせ、あのとき「Museum 大呂菴」に宿泊することがなければ、かくまでこの越後平野の複合型博物館にこだわることはなかったとおもう。

◯ 花筏 朗文堂好日録013 新潟旅行Ⅱ より <大呂菴での宿泊>
ここまでやるのか …… とおもった。すべてがおおぶりで、一見豪放かつ大胆、なんにもしていないようににみせながら、大呂菴はじつにこまやかな心配りがなされていた。それもわざとらしくなく、さりげなくである。

「北方博物館の関連施設」は、落ち葉をふくめて入念に手入れが行きとどいているが、農薬を散布しないとみえて、周囲からチョウやトンボや蛙などが敷地内にわんさかおしよせていた。もちろん夕べともなると秋の蟲が草叢ですだくように鳴いている。
食事は食器のひとつひとつがすごい。それもチマチマとした京懐石のまねごとではなく、ど~んと大胆な盛りつけと、繊細な味つけだった。あちこちに置かれた生花は、翌朝にはあたらしい野草にかわっていた。やつがれ真底、本当に、
「まいった、降参!」

このとき得た情報をもとに、翌11月21日、日帰りで、北方文化博物館本館で開催された<細江英公 人間写真展 気骨>を参観し、同時開催された細江英公氏と文吉翁の対談を最前列で聴講した。
この日、常磐荘(吉ヶ原民家の向かい)では、伊藤夫人がちいさな席札をかかげて<お茶会>を開いていた。うかがえば 「綺麗さび」で知られる小堀流 だとのことであった。会場にはこれもちいさく「すべての収益は東日本大震災の被災者に向けた席である」ことがしるされていた。
DSCN4426 DSCN4427 DSCN44282014年の暮れ、常磐荘を会場候補として<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>の開催交渉に、これも日帰りで北方文化博物館にでかけた。同館のスタッフは小社WebSiteをときおりご覧になっていた。したがって開催は快諾されたが、会場としてはむしろ「吉ヶ原民家」のほうが効果的ではないかという提案をいただいた。
これまで民家の内部には入ったことが無かったが、百年余のときを刻んだ「吉ヶ原民家」の障子を開けはなった空間はすばらしかった。

DSCN1926 DSCN1927こうして<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>は、エアコンが無く、蟲よけの網戸もない、なによりもことさらな照明設備もない「北方文化博物館 吉ヶ原民家」を会場ときめた。
このため清涼な気候の2015年10月10日[土]-12日[月・祝]の三日間を会期とし、一泊はできるだけ「大呂菴での宿泊を推薦」ということに決定した。

伊藤文吉翁は1927年うまれであるから、まもなく90歳になるはずであるが、<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>の開催中、会場の吉ヶ原民家までおいでいただき、うれしそうに活版印刷機とその製作品をご覧になっていた。
伊藤夫人からは、おいしいお酒の差し入れが「大呂菴」にあった。

《 場の力、ひとの力 》
活版礼讃イベントとして開始した、東京での<ABC dé タイポグラフィ >、<活版凸凹フェスタ>を一旦中断して、地方での活版印刷の
普及を後押しし、その土地の『場の力』をバックにしながら、あらたな展開を<活版礼讃 Viva la 活版>では試みてきた。
おもへらく、『場の力』とはエトスのごとく自然ジネン自ばえのものも存するが、その根底にはアルテピアッツァ美唄における安田侃氏の力があり、尚古集成館における島津家歴代の蓄積があった。そして「北方文化博物館」館長で豪農とされる伊藤家も、阿賀野川の氾濫とたたかい、荒蕪地を田畑に開墾し続けた伊藤家八代にわたる『ひとの力』があった。
『場の力』とは『ひとの力』と両両相まってその本当の力を発揮するものとおぼえた。

2015年もあとわずかでおわるこのとき、伊藤文吉翁にきちんとお礼を述べて帰るのをわすれていたことがくやまれる。それよりなにより、会場では何台かのカメラが稼働していたはずだが、たれも伊藤夫妻の写真を抑えていなかったことにおどろかされている。
『ひとの力』とは、その存在がおおきすぎるときには、ときとしてオーラのごとき風圧となって、カメラも向けられなかったのかもしれないともおもえた。
まもなく2016年がはじまる。そしてすでに「来年の」<活版礼讃 Viva la 活版>の開催候補地との交渉がはじまっている。

{ご報告 伊藤文吉翁のその後}
八代伊藤文吉となる伊藤吉彦は、1927年(昭和2年)に誕生しました。
八代伊藤文吉は、多くの人びとに愛され、惜しまれつつ、2016(平成28)年10月に他界しました。 また、250年余りの歴史をもつ伊藤家の遺構、北方文化博物館は、郷土新潟をはじめ、日本、そして世界から訪れる人びとへ、この歴史と、育まれた文化をいまなお伝え続けています。

活版讃歌<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>Ⅸ 春田ゆかり会員カメラで豪農の館・大呂菴を中心にご紹介

record豪農02Viva la 活版 Let’s 豪農の館
【 イベント名 】  Viva la 活版 Let’s 豪農の館
【 展示 期間 】  2015年10月10日[土]-12日[月・祝] 09:00-17:00
【 会       場 】  「北方文化博物館 豪農の館」 内 「吉ヶ平古民家」(登録有形文化財)
           新潟県新潟市江南区沢海 2丁目15-25
【 主       催 】  朗文堂  アダナ・プレス倶楽部
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春田ゆかりさんは、タイポグラフィ学会会員、アダナ・プレス倶楽部会員、活版カレッジ修了、そして春田デザインを主宰されておられるかたです。
<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>は、「北方文化博物館 豪農の館」 内 「吉ヶ平古民家」(登録有形文化財)を主会場とし、新潟会員のご支援をいただきながら、新潟市内中央部のホテルに各自が分宿していました。

ただ、イベント中日となる11日[日]だけは、北方文化博物館に隣接する関連施設「大呂菴 だいろあん-この地方のことばでカタツムリ」での懇親会があり、その夜は懇親会後に帰宅された地元会員をのぞいて「大呂菴」で合宿。
春田さんの二泊三日、越後「北方文化博物館 豪農の館」 内、「吉ヶ平古民家」、「大呂菴」での記録をご紹介いたします。

このページはスライドショーでもお楽しみいただけます。
01-1-46708 01-3-46985 01-4-46990 01-5-46992 01-6-46995 01-7-46983 01-9-46996 02-1-46979 02-2-46975 02-2-46977 02-4-4697202-5-4697402-6-46999 02-8-47003 02-9-4700502-7-47002 03-1-46970 03-2-46925 04-1-46889-2 05-0-46728 05-1-46865 05-2-46913 05-3-46939 05-5-46869 05-6-46908 05-7-46965 05-8-46877 06-0-47019-2 06-1-46962 06-2-46916 06-2-46918 06-3-46955 06-4-46919 06-5-46920

春田さんが会場に到着されたのは、初日10月10日[土]の午後、夕刻にちかいときでした。写真がいくぶんアンダー気味なのはそのせいかもしれません。

11日[日]は展示会中日でした。今回の<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>は、雨が降ったりやんだり、そしてつよい陽射しが照りつけるという妙な天気でしたが、三日間ともお客さまの切れ間がほとんど無く、スタッフは終始対応に追われました。
07-1-46725 07-2-46764 07-3-46765 08-1-46735 08-5-46743 08-7-46746 08-9-46747 09-1-46753 09-2-46748-2 10-1-46727 10-2-46733

あわただしかった11日[日]展示会中日を終え、「吉ヶ平古民家」に戸締まりをして、隣接する「大呂菴」への移動。新潟会員をまじえてのにぎやかな懇親会が開催されました。
「紙漉サトウ工房」さんからはラベルに手漉き和紙が使用されている久保田の上級品を、北方文化博物館・伊藤文吉館長夫人からも越後銘酒の差し入れをいただき、食堂からオープンテラスへ移動しながら、うたげは夜ふけまでつづきました。

やつがれはベットが苦手なのと、すこし疲れていたのか、食堂脇の小部屋でうたたね。たれかが毛布をかけてくれてそのまま朝を迎えていました。
皆さんは、疲れもみせず、翌日も早朝から散歩や見学に忙しかったようです。
春田さんの写真をみても、豪農の館本館まで足をのばして十分楽しまれていたようです。
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先乗り組みは、この間レンタカーで新発田藩下屋敷跡、「北方文化博物館分館 清水園」まで足をのばしたチームと、春田さんのように「巻菱湖記念館」へ行かれたチームがあった。
最終撤収(13日)にあたった皆さんとは、村上方面まで車をとばした。その帰途発見した「ニコタン」報告はいずれまた。

活版讃歌<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>Ⅷ 栃木香織会員カメラを中心に展示作品をご紹介

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☆      ☆      ☆      ☆

おおくのご来場者、新潟のアダナ・プレス倶楽部会員、北方文化博物館のスタッフの皆さま、そして各地から参集された、おおくの活版印刷実践者の皆さまからのご支援をいただき、毎年恒例の活版印刷讃歌イベント<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>は、全日程を盛況裡に終了いたしました。
ご来場・ご支援ありがとうございました。
またご報告が遅延しましたことをお詫び申しあげます。

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Viva la 活版 Let’s 豪農の館
【 イベント名 】  Viva la 活版 Let’s 豪農の館
【 展示 期間 】  2015年10月10日[土]-12日[月・祝] 09:00-17:00
【 会       場 】  「北方文化博物館 豪農の館」 内 「吉ヶ平古民家」(登録有形文化財)
           新潟県新潟市江南区沢海 2丁目15-25
【 主       催 】  朗文堂  アダナ・プレス倶楽部

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────────── 松尾和夏 sketch & note

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【作品名】 tea & books / 恵文社のフランス紅茶展オリジナルカード
【作者名】 絵と印刷:松尾和夏(sketch & note)
手漉き和紙 : 紙漉サトウ工房
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(樹脂凸版)

20151011viva_0023 20151011viva_0026 20151011viva_0027【作品名】 PHILOSOPHY CARD / 誠光社オリジナルポストカード
【作者名】 絵と印刷 : 松尾和夏(sketch & note)
テキストセレクト : 堀部篤史(誠光社)、手漉き和紙 : 紙漉サトウ工房
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(樹脂凸版)

DSCN1656【作品名】 five words /sketch & note オリジナルカード
【作者名】 絵と印刷 : 松尾和夏(sketch & note)
手漉き和紙 : 紙漉サトウ工房
【版式・技法】 文字:凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(樹脂凸版)

20151011viva_0020 20151011viva_0019【作品名】 樹脂凸版のはしっこコラージュ
【作者名】 絵と印刷 : 松尾和夏(sketch & note)
手漉き和紙 : ヨシあし和紙の会
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(樹脂凸版)
樹脂凸版を製版する際にできた、廃棄する樹脂のはしっこの部分をコラージュして、福島潟で越冬する天然記念物のオオヒシクイのような形を作りました。

────────── しおた まこ

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20151011viva_0049【作品名】 Xmas card
【作者名】 しおた まこ
【版式・技法】 凸版印刷
20151011viva_0051【作品名】 message card
【作者名】 しおた まこ
【版式・技法】 凸版印刷

20151011viva_0058 20151011viva_0059【作品名】 calendar 1
【作者名】 しおた まこ
【版式・技法】 凸版印刷

20151011viva_0061【作品名】 calendar 2
【作者名】 しおた まこ
【版式・技法】 凸版印刷

20151011viva_0052【作品名】 calendar 3
【作者名】 しおた まこ
【版式・技法】 凸版印刷

────────── 山下 良子 FAGICA. LLC

20151011viva_0274 20151011viva_0277 20151011viva_0279【作品名】 『ごあいさつ』
【作者名】 印刷 : 山下 良子(新潟やまやま)
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(樹脂凸版)
写真 : 和紙にオンデマンド印刷

──────────  吉沢加也  FAGICA. LLC

20151011viva_0283 20151011viva_0282【作品名】 『送り』
【作者名】 吉沢加也
【版式・技法】 図版 : 凸版(亜鉛凸版)

────────── 関 宙明 ユニバーサル・レタープレス

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ここにご紹介した一連の書籍のアートディレクション・デザインを担当した関 宙明さんは、Adana-21J をもちいた活版印刷部門 ユニバーサル・レタープレス でのみずからの活版印刷実践を、本職であるグラフィック・デザインにも活かし、活版印刷所とのコラボレーションによる書籍づくりを展開しています。

【作品名】 『わが友ユダ』
【作者名】 詩 : 新井延男
版元 : 港の人
本文活字組版・印刷 : 内外文字印刷
表紙箔押し : 真美堂手塚箔押所
デザイン : 関 宙明
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【作品名】 『草地の時間』

【作者名】 詩 : 村野美優
版元 : 港の人
本文活字組版・印刷 : 内外文字印刷
表紙箔押し : 真美堂手塚箔押所
デザイン : 関 宙明
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【作品名】 『鈴を産むひばり』

【作者名】 歌 : 光森裕樹
版元 : 港の人
本文活字組版・印刷 : 内外文字印刷
表紙箔押し : 真美堂手塚箔押所
デザイン : 関 宙明
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【作品名】 『夜の甘み』

【作者名】 詩 : 伊藤啓子
版元 : 港の人
本文活字組版・印刷 : 内外文字印刷
表紙箔押し : 真美堂手塚箔押所
デザイン : 関 宙明
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【作品名】 『詩への途中で』

【作者名】 詩・エッセイ : 高橋 馨
版元 : 港の人
本文活字組版・印刷 : 内外文字印刷
表紙箔押し : 真美堂手塚箔押所
デザイン : 関 宙明

──────────  Bonami

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【作品名】 かみきりサックル
【作者名】 作者 : 三木葉苗
デザイン・印刷・手製本 : Bonami
【版式・技法】 文字:凸版(活字版印刷)、絵 : 凸版(樹脂凸版)
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【作品名】 さくらとカトリ

【作者名】 作者 : 三木葉苗
デザイン・印刷・手製本 : Bonami
【版式・技法】文字 : 凸版(活字版印刷)、絵 : 凸版(樹脂凸版)
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【作品名】 日々への手紙

【作者名】 作者 : 三木葉苗
デザイン・印刷・手製本 : Bonami
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)

──────────  足立涼子

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DSCN1701【作品名】 タイトル : とりのうた (2014年/5部限定版)
【作者名】 企画制作 : 足立涼子
【版式・技法】 枝文字 : 平版/リトグラフ(版画工房カワラボ!)
奥付 : 凸版/樹脂凸版(ada-library)
用紙 : 備中とりのこ紙

──────────  龍骨堂

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【作品名】 『無 題』
【作者名】 龍骨堂
【版式・技法】 凸版(活字版印刷)

────────── すぎもとあきお(ぢゃむ)

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【作品名】 活版小本シリーズ

『芥川龍之介の遺書』 芥川龍之介
『マーク・トウェインの箴言集』 マーク・トウェイン
『菊池寛』 菊池寛
『實語敎』
『盈満の咎』
『黒猫・餅饅頭』 薄田泣菫
『漢詩抄』
『子規随筆』 正岡子規
『死生に関するいくつかの断想』 ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
『狂訳 小倉百人一首』
『盈満の咎 弐』
『獨樂吟』 橘曙覧
『Greise  老人』 リルケ・森鴎外訳
『冬日の窓』 永井荷風
『老嬢物語』 ギ・ド・モーパッサン
『舞鶴心中の事実』 高浜虚子
『我が子の死』 西田幾多郎
『電車の窓』 森鴎外
『尾生の信』 芥川龍之介
『夢十夜より  ─第三夜─』 夏目漱石
『てがみ・二十一のことば』 チェーホフ
『蜜柑』 芥川龍之介
『老人の死』 シャルル・ルイ・フィリップ

【作者名】 印刷・製本 : すぎもとあきお(ぢゃむ)
【版式・技法】 文字 : 凸版(樹脂凸版)

────────── 加久本真美
20151011viva_0079 20151011viva_0075 20151011viva_0077【作品名】 『活字見本帳2015』
【作者名】 加久本真美(東洋美術学校 タイポグラフィ・サークル QP 卒業生)
【版式・技法】 凸版(活字版印刷)
昨年から学校に残る金属活字の整理を開始。
掃除→分類(書体・活字サイズ別)→印刷の手順で、活字の状態と種類を調査している。
昨年に引き続き活字見本帳を制作。

────────── 田中智子(はな工房)
20151011viva_0121【作品名】 『MY TYPE』
【作者名】 印刷・製本 : 田中智子(はな工房)
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)
20151011viva_0119 20151011viva_0116 20151011viva_0115 20151011viva_0118【作品名】 『ざしき童子(ぼっこ)のはなし』

【作者名】 印刷・製本 : 田中智子(はな工房)
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(樹脂凸版)
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【作品名】 『風景』

【作者名】 印刷・製本 : 田中智子(はな工房)
【版式・技法】 文字 ・ 他 : 凸版(活字版印刷)
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【作品名】 『かごっまことば』

【作者名】 印刷・製本 : 田中智子(はな工房)
【版式・技法】 文字・他 : 凸版(活字版印刷)
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【作品名】 『風のうた』

【作者名】 印刷・製本 : 田中智子(はな工房)
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(ゴム版印刷)

────────── タイポグラフィ学会
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【作者名】 紙面設計 : タイポグラフィ学会
        活字組版・印刷 : 大石 薫(タイポグラフィ学会会員)
【版式・技法】 文字 :凸版(活字版印刷)
オーナメント、プリンターズ・マーク : 凸版(銅凸版)
オーナメントは『BOOK OF SPECIMENS』活版製造所 平野富二(明治10年)より採録

────────── 栃木香織(文香―Fumikou―)
20151011viva_0237 20151011viva_0245 20151011viva_0241 20151011viva_0246【作品名】 『photo book』
【作者名】 印刷・製本 : 栃木香織(文香―Fumikou―)
写真 : 上野隆文(文香―Fumikou―)
【版式・技法】 文字:凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(樹脂凸版)、写真 : デジタル印刷―――
【作品名】 『モンヨウ誕生記念』

【作者名】 印刷・製本 : 栃木香織(文香―Fumikou―)
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(樹脂凸版、ゴム版画)

────────── 日本大学藝術学部 美術学科 

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【作品名】 『THE LOVE OF BOOKS ― Old English Song』
【作者名】 版画 : 日本大学藝術学部 美術学科
高浜利也、菊池史子、笹井祐子、宮澤真徳、山﨑香菜、大槻孝之、日比野絵美、宮澤英理子
活字組版 : 大石 薫(アダナ・プレス倶楽部)
製本 : 栃木香織(文香―Fumikou―)
【版式・技法】 版画 : 凸版(リノカット、木版)、凹版(銅板)、平版(リトグラフ)、モノタイプ(モノプリント)など。
文字:凸版(活字版印刷)
本書は、第35回全国大学版画展(主催:大学版画学会/町田版画美術館)において、日本大学藝術学部 美術学科 笹井祐子准教授(当時)と、大学版画学会所属のアダナ・プレス倶楽部 大石薫による公開セミナー「版画と活字」のための参考展示作品として制作されたものである。
活字版印刷を導入した授業展開の一例として、同じ詩をテーマに、各々でイメージをふくらませながら、それぞれのイメージに合った技法で版画を制作し、一冊の折本のかたちにまとめた試みである。手製本はアダナ・プレス倶楽部会員 栃木香織の協力による。

────────── 大石 薫(アダナ・プレス倶楽部)

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【作品名】 良寛と貞心尼 『蓮の露』によせて
【作者名】 活字組版・印刷 : 大石 薫(アダナ・プレス倶楽部)
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(樹脂凸版)

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【作品名】 アダナ・プレス倶楽部「会報誌」表紙
【作者名】 活字組版・印刷 : アダナ・プレス倶楽部
        2015年秋号版画:笹井(奥村)祐子
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(樹脂凸版、リノカット、ゴムカット、木版、その他)

────────── 桐島カヲル(Lingua Florens)

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【作品名】 連作『秋』より ―吾亦紅―
【作者名】 桐島カヲル(Lingua Florens)
【版式・技法】 文字 : 凸版(活字版印刷)、図版 : 凸版(樹脂凸版)

────────── 紙漉サトウ工房 佐藤徹哉
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本格紙漉き士:サトウ工房:佐藤徹哉さんのご出展。佐藤さんには搬入から搬出まで終始ご助力いただいた。デジタル環境を苦手とされるので、 { sketch & note }松尾和夏さんのご協力を得ての出展。
詳細は松尾和歌さんのURL { 紙漉サトウ工房 佐藤徹哉 } に、大量の画像での紹介がある。手漉き紙の工程をわかりやすく、丁寧に紹介したものなのでぜひともリンク先でご覧いただきたい。

残暑お見舞い & 新塾餘談 おもかげのはし

2015残暑見舞い
《 新 宿 餘 談 》

七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき

新宿区神田川に架かる「 面影橋 」ちかくの空き地に咲いていた名をしらぬ野艸。
このあたりは、江戸千代田城の築造者とされる 太田道灌 の逸話にちなむ「山吹の里」の地とされ、江戸時代・明治時代には名所のひとつであった。いまは山吹はみあたらないが、橋のたもとにそれをつたえる記念碑がひっそりとたたずむ。 DSCN0022DSCN0034DSCN0041DSCN0030DSCN0046DSCN0049DSCN0052いまではなんの風情もないコンクリートの橋ではあるが、この橋は歌人:在原業平がきよらかな水面にその姿をうつしたことから「姿見の橋」とも、あるいは徳川三代将軍家光がこのあたりで鷹狩りの鷹をみつけて名づけた橋ともされる。
「おもかげのはし/俤の橋」の名は、和田於戸姫なるものが、かずかずの悲劇をなげいて、この水面に身をなげうったときの和歌から名づけられたとする。

いずれにしても、漢字だけの「面影橋」よりも、どれもが風情のある名前ではある。
その「おもかげのはし」のたもとに水稲荷神社があり、そこのおおきなマンションに友人が事務所を開設していた。その友人「松本八郎」が逝って、はやいものでまもなく一年になろうとしている。夏の夕まぐれ、「おもかげのはし」をたずね、クレマチスの真っ白な花弁を見ながら、勝手に先に逝った友人を偲んだ。

【Viva la 活版-すばらしき活版】 Viva la 活版 Let’s 豪農の館 Ⅲ 会場のいま

2015暑中見舞い 豪農の館_ロゴViva la 活版 Let’s 豪農の館
【 イベント名 】  Viva la 活版 Let’s 豪農の館
【 展示 期間 】  2015年10月10日[土]-12日[月・祝] 09:00-17:00
【 会       場 】  「北方文化博物館 豪農の館」 内 「吉ヶ平古民家」(登録有形文化財)
           新潟県新潟市江南区沢海 2丁目15-25
【 主       催 】  朗文堂  アダナ・プレス倶楽部
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ことしのアダナ・プレス倶楽部の<Viva la 活版-すばらしき活版>イベントは、<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>と題して、新潟市北方文化博物館内、明治初期の農家であった「吉ヶ平民家」を主会場として開催されます。
百数十年前、活版印刷の創始とほぼ同年代に建築されたこの民家は、板敷きの間に囲炉裏がきられていますが、エアコンはありません.。虫除けの網戸、展示用レール、展示用照明などもありません。ただ、ゆたかな自然と、本物の歴史にあふれています。DSCN4205 吉ヶ平古民家 遠景吉ヶ平古民家 吉ヶ平古民家 居間
みのりの秋とともに、この古民家いっぱいに<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>が開催される。
「吉ヶ平民家」の前には、かつては稲田がひろがり、地元の小学生たちが田植えから稲刈りまでを担っていた。いまは「大賀ハス」が植えられており、七月下旬からつぎつぎと凜洌とした花をつけているという。
北方博物館学芸員のブログ から納涼をかねて紹介したい。