月別アーカイブ: 2014年10月

Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 07 こんな辞書をつくりたい-若き薩摩青年の希求 通称「薩摩辞書」とは

goando-ロゴ2色Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 07  
こんな辞書をつくりたい-若き薩摩青年が希求した
通称「薩摩辞書」とは

【 名 称 】 Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO
【 会 期 】 2014年11月1日[土], 2日[日], 3日[月 ・祝] 3日間
【 時  間 】   開場 8 : 30 ― 閉場 17 : 30
【 会 場 】 仙巌園〔磯庭園〕  尚古集成館本館 展示室 鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
【 主  催 】 朗文堂  アダナ ・ プレス倶楽部

尚古集成館 http://www.shuseikan.jp/  仙巌園  http://www.senganen.jp/
朗文堂 アダナ・プレス倶楽部  http://robundo.com/adana-press-club/
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【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 01  開催のお知らせ
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 02  告知はがき印刷篇
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 03  お先でゴアンド  鹿児島を往く
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 04   薩摩藩と三代木村嘉平の活字
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 05 薩摩辞書 ―― あまりにも多くの未解明の謎にせまる第一歩 】
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 06   鹿児島 おすすめ情報Ⅰ 仙巌園/尚古集成館 】
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 08   鹿児島 おすすめ情報Ⅱ 長島美術館 】
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 07  こんな辞書をつくりたい-若き薩摩青年が希求した通称「薩摩辞書」とは

【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 00 番外編 しろくまは カゴンマ de ゴアンド ! 花筏 】

以下の画像は<スライドショー>でご覧いただけます。
テキストは以下のURLをご参照ください。
[ 撮影協力 : 松尾篤史氏 ]
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 05 薩摩辞書 ―― あまりにも多くの未解明の謎にせまる第一歩 】

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俗称「薩摩辞書」は、アメリカの語学者/ウェブスター(Noah Webster, 1758-1843)による英語辞書 『 ウェブスター大辞典 』 を主要な典拠(第二版の日本語序文文中に記録がある)としており、以下の三版が知られています。
ここに紹介した図版は、おもに ◯ B 第二版 『 大正増補 和訳英辞林 官許 』 (明治四歳辛未 カノトヒツシ ゙ 十月) をもちいています。

◯ A 第一版
『 和訳英辞書 』(明治二歳 己巳 ツチノト ミ  正月 千八百六十九年新鐫)。
鐫センは深く掘る。年月は旧暦/1869年-明治02年。印刷所 : American Presbyterian Mission Press 上海 美華書館。和文序に「改訂増補和訳英辞書」、英文扉に「THIRD EDITION」とある。 後述。
◯ B 第二版
『 大正増補 和訳英辞林 官許 』 (明治四歳辛未 カノトヒツシ ゙ 十月)。
年月は旧暦/1871年-印刷所 : American Presbyterian Mission Press 上海 美華書館。欧文扉に 「 FORTH EDITION REVISED 」 とある。 後述。 ここにみる「大正」は元号を意味するものでは無い。
◯ C 第三版
『 稟准 和譯英辞書 』 (明治六年十二月 紀元二千五百三十三年)。
年月は新暦/1873年-明治06)。 印刷所 : 東京新製活版所 天野芳次郎蔵版(一部複写のみ所有。未見)。 複写資料を見る限り、あまり見かけない活字書体が用いられている。

DSCN1461 DSCN1462 DSCN1464 DSCN1414DSCN1417DSCN1433鹿児島市の中央部に、歴代の薩摩藩主の居城であった鶴丸城があります。その鶴丸城の跡地の一画に鹿児島県立図書館があります。
その正面入り口には 《 薩摩辞書之碑 》 があり、「AN ENGLISH-JAPANESE DICTIONARY  薩摩辞書之碑  American Presbyterian Mission Press 1869」 と刻まれています。

「薩摩辞書」とは俗称であり、『 和譯英辭書 』 の名が、初版(1869年/明治02年)における正式名称です。 この英和辞書は、幕末の大混乱のさなかに密かに上海で刊行作業が進行し、維新ののちに完成をみた大冊の英和辞書です。
したがっていかに衰微していたとはいえ、幕府の正式な許可を得ないまま、薩摩藩庁から資金提供をうけて刊行に着手した、薩摩藩の若き俊才たちは、正式な刊記(刊行記録、現代の奥付にあたる)をのこすことなく、わずかな記録として、日本語の序文の末尾に <日本 薩摩学生> と、若い実務者の名前だけを記録しています。

鹿児島中央駅前広場には「若き薩摩の群像」が建立されています。
ここに登場する青年たちの調査は、郷土史家を中心に相当の進捗をみますが、こと活版印刷と図書刊行という見地からの調査はほどんど未着手とみられます。

その研究のてがかりに、おそらく、若い薩摩の学生が手にし、見入ったであろう、英語辞書 『 ウェブスター大辞典 』、『 WEBSTER’S NEW INTERNATIONAL DICTIONARY 』(G. & C. MERRIAM COMPANY, PUBLISHERS  1956) の画像を中心に紹介しましょう。
この版は比較的あたらしいものの、専用の書見台がついた、重厚感のあるものです。
そういえば、鹿児島中央駅前広場の「若き薩摩の群像」には、書見台にのせられた大判の図書がみられました……。 

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【朗文堂タイプコスミイク】 足立涼子さんのアート・ブック 『 ジャックと豆の木 』 

Jack07ジャックと豆の木/Jack and the beanstalk

2008年/東京/20部限定
サ   イ  ズ : 32 x 32 x 3.5cm/桐箱入り
印     刷 : 2種類の楮紙と三椏紙にインクジェット、 木版印刷、 亜鉛凸版印刷(タイトル)
使用書体 : 四川宋朝体 龍爪、Weiss
製   本 : 30cm × およそ7m の2枚の長紙を交互に折り曲げた構造。1枚にテキストと木版ブロック、もう1枚に豆の蔓のイメージを印刷。
2枚の紙は重なり合いながら一続きの螺旋構造を成し、印刷された面は折る毎に異なった方向に向けられる。三椏紙による英訳冊子は16ページ中綴じ 。
内   容 : イギリス民話「ジャックと豆の木」を下敷きに創作した本。空まで伸びる巨大な豆の木に、世界に広まりつつある遺伝子組み換え作物とその背景を比喩的に重ねて制作。(日本語 : 足立涼子、 英訳 : 佐藤公俊)
──────────
足立涼子さんは東京都に生まれました。多摩美術大学大学院修了。
ブック ・ アーティストとしての積極的な活動がつづいています。
ここでは足立涼子さんの解釈による、イギリスの民話『ジャックと豆の木』を
中心とするアート ・ ブック
『 ジャックと豆の木 』 の製作を紹介しましょう。

足立 涼子
『 ジャックと豆の木 』

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────────── 足立涼子さんのコメント
荒々しい豆の蔓のイメージに合う、力強い日本語書体はないものかと探していたところ、

折よく朗文堂さんで 『四川宋朝体  龍爪』 をご紹介いただき、「これだ!」 とおもって
『 ジャックと豆の木 』 に選択しました。

印刷は活版で刷ることも模索しましたが、全ページ手漉き和紙を使用し、
さらに制作費が回収できるかどうかもわからぬ私家版刊行のゆえ
印刷費を落としました。

したがってタイトルは亜鉛凸版印刷ですが、中の文章はインクジェット印刷となりました。
活版印刷のように力強く表現したかったので、邪道ですが少し字を太らせて印刷しました。
英字にはWeiss-エミル ・ ワイス製作の欧文を合わせました。

『 ジャックと豆の木 』 は、幸いなことにアメリカのアーティストブック普及のNPO団体 “Booklyn” によって紹介される機会を持ち、ボストン図書館( The Boston Athenæum ) などの幾つかのパブリック ・ コレクションに加えて頂きました。
ご高覧いただければ幸いです。
足立涼子
【 関連URL : 『ジャックと 豆の木/Jack and the beanstalk 』 】
四川宋朝体

中国の南西部四川省は、ふるくは蜀とよばれていました。
蜀は唐王朝末期の木版印刷術の発祥地のひとつで、「蜀大字本」と呼ばれ、「字大如銭、墨黒似漆――文字は古銭のように大きく、文字の墨の色は黒漆のように濃い」 とされます。
唐王朝ののち、五代十国の混乱をへて建朝された北宋時代にも、唐王朝官刊本の伝統的な体裁を四川刊本は継承していました。

また女真族金国との争乱に敗れ、都を開封から臨安(現 ・ 杭州)に代えて建朝された南宋での刊刻事業の継続と、覆刻(かぶせぼり)のための原本の供給に、四川刊本は大きな貢献をはたしました。
ところがこうした四川刊本も、相次ぐ戦乱と文書弾圧のなかに没して、『新刊唐昌黎先生論語筆十巻』 『蘇文忠公奏議』 『周礼 しゅらい』 など、きわめて少数の書物しかのこっていません。その代表作がわが国に現存する 『周礼』(静嘉堂文庫所蔵)です。

『周礼』 の力強い字様には、横画の収筆や曲折に 「龍爪 りゅうそう」 とされる、鋭角な龍の爪にも似た特徴が強調されています。
これは起筆にもあてはまり、またどっしりとした収筆です。
縦画の起筆にみられる蚕頭の筆法は 『周礼』 においてはさらに強靱になり 龍爪 に相対しています。

このような顔真卿の書風が四川刊本字様となり、力強く独自性のある刊本字様へと変化したといえます。これは工芸の文字として整理がすすんだことをあらわしますが、唐代中期の顔真卿の筆法の特徴を十二分に引き継いでいるともいえます。
「四川宋朝体  龍爪」 は、このような顔真卿書風と、四川刊本字様を継承した、あたらしいデジタル ・ タイプとして誕生しました。

[パッケージ平面設計 : 白井敬尚形成事務所]
【 詳細情報 : 朗文堂タイプコスミイク 四川宋朝体 龍爪 】

【朗文堂タイプコスミイク】 伊藤形成事務所,近作の ほんの一部をご紹介。

犬山焼フライヤー三折り
伊藤嘉津郎カヅオさん、伊藤 恵メグミさんによるデザイン事務所 : 伊藤形成事務所のおふたりとは、なが~いおつきあいになります。
もともとおふたりとも、いっときは新宿周辺を職場とされていました。ですからご主人の郷里にもどられ、名古屋に事務所を開設してからも、ときおり新作を送っていただいています。
2013年08月05日には <【書体使用例紹介】 伊藤形成事務所  和字:いけはら、総合書体:正調明朝体の使用例をご紹介> として、そのお仕事ぶりの一端をご紹介いたしました。

伊藤形成事務所
460-0008 名古屋市中区栄2-3-16 伏見コンビル307号
Telephone : 052-202-7412 E mail : ito-keisei@air.ocn.ne.jp

お仕事は、堅実でケレンの無い作風が顧客の信頼を呼び、美術館や博物館の図録、図書製作などが多いようです。
今回もすこし勝手をいって、小社販売書体を使用した製作物を中心にご紹介いたします。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA今井焼フライヤー上) 特別展/今 井 焼 ― 埋もれた創業の記憶 ―
   図録 4c, 1c,  A4判 あじろ綴じ ・ 44ページ
下) 特別展/今 井 焼 ― 埋もれた創業の記憶 ―
   フライヤー  A4判 4c  / 0c

岩田洗心館 : 特別展/今 井 焼 ― 埋もれた創業の記憶 ― の図録製作、フライヤー製作にあたって、表題部分の主要書体として、漢 字 : タイプバンク 花胡蝶、和 字 : 朗文堂 ・ 欣喜堂 Ambition 9 所収 <いけはら> をご使用いただきました。
【 関連URL : 岩田洗心館 URL
 和字Ambition9和字書体のパッケージ 「アンビション Ambition 9 」は、さよひめ、もとい、いけはら、まなぶ、くらもち、ひさなが、ゆかわ、みなみ、たいらの 09 種類の伝統のたかみにある和字を複刻 ・ 再生したもので、「 Ambition  大志」 という意味を込めて命名しました。

わが国の活字書体の開拓にあたって、版下を描いた書家である、池原香穉、久永其頴、湯川梧窓をはじめ、研究者 ・ 企業家として大きな貢献をした、本居宣長、本木昌造、平野富二、吉川半七、江川次之進、青山安吉、津田伊三郎、寿岳文章らの「大志」をたたえて、「欣喜堂和字シリーズ」第 4 弾の名称に「和字 Ambition 9 」を採用しました。

[パッケージ平面設計 : 白井敬尚形成事務所]
【 詳細情報 : 朗文堂タイプコスミイク 和字 Ambition 9

上野雄次展DOC花道家 上野雄次の 花いけ ライブ ・ パフォーマンス
  フライヤー  A4判 4c  / 1c

岩田洗心館 : 花道家 上野雄次の 花いけ ライブ ・ パフォーマンスのフライヤー製作にあたって、表題部分の主要書体として、漢 字 : モリサワ 光朝、和 字 : [花]いけ ライブ ・ パフォーマンスに、朗文堂 ・ 欣喜堂 Ambition 9 所収 <ゆかわ> に「太らせ加工」を加えてご使用いただきました。

犬山焼フライヤー三折り 犬山焼見開き01犬山本窯 尾関作十郎陶房 犬 山 焼
フライヤー  A4判 変形三つ折り 4c  / 4c

犬山本窯 尾関作十郎陶房 犬 山 焼のパンフレット製作にあたって、主要書体として、漢 字 : タイプバンク 花胡蝶、和 字 : 朗文堂 ・ 欣喜堂 Ambition 9 所収 <もとい> をご使用いただきました。
 【 関連URL : 犬山焼本窯元尾関作十郎陶房

【展覧会】 世田谷美術館 ユートピアを求めて 講演記録 ―― 木村雅彦氏

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松本瑠樹コレクション――ポスターに見るロシア ・ アヴァンギャルドとソヴィエト ・ モダニズム

ユートピアを求めて

DCブランド「BA-TSU」の創業者であり、デザイナーの故 松本瑠樹ルキ氏 (1946-2012) のコレクションには、ロシア革命期のポスターが多数含まれています。この世界的に著名なポスター ・ コレクションから、未公開作品も多数公開されます。
本展ではこのコレクションより、カンディンスキーやマレーヴィチといった著名な画家や、ステンベルク兄弟、ロトチェンコなど、ロシア ・ アヴァンギャルドのデザイナーたちが手掛けたものなどおよそ180点を紹介し、社会の変革期に花開いたポスター芸術の多様性を概観します。
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◯ 会   期
2014年09月30日[火]-11月24日[月 ・ 休]
◯ 
開館時間
10  :00 - 18 : 00 ( 最終入場は 17 : 30 )
◯ 
休  館 日
毎週月曜日
*ただし10月13日[月 ・ 祝]、11月03日[月 ・ 祝]、11月24日[月 ・ 休]は開館、 10月14日[火]、11月4日[火]は休館
◯ 会  場
世田谷美術館 1 階展示室
◯ 
観 覧 料
一般1000円、大高生800円
◯ 主  催
世田谷美術館 (公益財団法人せたがや文化財団)、東京新聞

【 詳細情報 : 世田谷美術館 企画展
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【 講演記録 ――情報提供/木村雅彦氏 】
<ポスターに見るロシア ・ アヴァンギャルドと ソヴィエ ト・ モダニズム-ユートピアを求めて
関連企画 : 特設 世田谷デザイン学校
第02講 「ロシア ・ アヴァンギャルドのタイポグラフィ」
講   師 : 木村雅彦(GKグラフィックス取締役、タイポグラフィ学会副会長)
日   時 : 2014年10月19日[日] 午後04時-05時
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Bonami  さくらとカトリ 原画展

さくらとカトリ_01 さくらとカトリ_02さくらとカトリ 原画展
11月01日-30日の間の 金 ・ 土 ・ 日 ・ 祝日開催
会場と開催時間 : Bonai   11 : 00-17 : 00
【 詳細情報 : Bonami facebook
【 関連情報 : 湯河原・真鶴 アート散歩 】

アダナ・プレス倶楽部会員の Bonami さんが 湯河原・真鶴 アート散歩 の一環として
意欲的に展覧会を開催されます。

皆さまご参加を!


Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 06 鹿児島 おすすめ情報Ⅱ 長島美術館

鹿児島市街地マップ

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【 名 称 】 Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO
【 会 期 】 2014年11月1日[土], 2日[日], 3日[月 ・祝] 3日間
【 時  間 】   開場 8 : 30 ― 閉場 17 : 30
【 会 場 】 仙巌園〔磯庭園〕  尚古集成館本館 展示室 鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
【 主  催 】 朗文堂  アダナ ・ プレス倶楽部

尚古集成館 http://www.shuseikan.jp/  仙巌園  http://www.senganen.jp/
朗文堂 アダナ・プレス倶楽部  http://robundo.com/adana-press-club/

◎ そのⅡ  長島美術館
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鹿児島中央駅からすぐちかくの高台にあるため、鹿児島市内と、錦江湾 ・ 櫻島が見渡せる穴場的なスポットです。
残念ながら、公共交通機関は経由していませんが、鹿児島中央駅からタクシーに乗車すればすぐのところにあります。
南国の植物が茂る庭園も南九州ならではの旅情を存分にかきたててくれます。
このすばらしい景観を眺めながら、レストランのランチ ・ コースをいただいて優雅に時間を過ごすのもおすすめです。
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常設展では、郷土画家の黒田清輝、藤島武二、東郷青児など、鹿児島ゆかりの画家の作品はもちろんのこと、私設美術館ならではの ピカソ、ゴッホ、ルノアール、セザンヌ、シャガールなどの絵画、ロダン、マイヨール、ムーアなどの彫刻といった西洋美術の収集品も名品揃いで、隠れた九州一の美術館との呼び声も高い施設です。
また、薩摩焼のコレクションも充実しており、「黒薩摩ルーム」と「白薩摩ルーム」は圧巻です。
鹿児島にお越しの皆さまにはぜひ、長島美術館も見学コースに加えていただくことをおすすします。

【 関連URL : 長島美術館
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【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 01  開催のお知らせ
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 02  告知はがき印刷篇
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 03  お先でゴアンド  鹿児島を往く
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 04   薩摩藩と三代木村嘉平の活字
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 05   鹿児島 おすすめ情報Ⅰ 仙巌園/尚古集成館 】
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 06   鹿児島 おすすめ情報Ⅱ 長島美術館 】

【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 00 番外編 しろくまは カゴンマ de ゴアンド ! 花筏 】

Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 05 鹿児島 おすすめ情報Ⅰ 仙巌園/尚古集成館

 

仙岩園マップ

WebSite用青【 名 称 】 Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO
【 会 期 】 2014年11月1日[土], 2日[日], 3日[月 ・祝] 3日間
【 時  間 】   開場 8 : 30 ― 閉場 17 : 30
【 会 場 】 仙巌園〔磯庭園〕  尚古集成館本館 展示室 鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
【 主  催 】 朗文堂  アダナ ・ プレス倶楽部

◎ そのⅠ  仙巌園 と 尚古集成館

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仙巌園は、1658年(万治元)薩摩藩主 : 19代島津光久によって築かれた別邸です。錦江湾や桜島を庭園の景観にとりいれた、雄大な景色が仙巌園の最大の魅力です。
幕末の名君、島津家28 代: 島津斉彬ナリアキラがこよなく愛し、徳川将軍家に嫁いだ篤姫アツヒメも、しばしばこの仙巌園に足を運んでいたとされます。
また、南の玄関口といわれた薩摩の歴史と風土にふさわしく、中国文化の影響が色濃く見られることが仙巌園の特色のひとつです。さらに温帯と亜熱帯の境に位置することから、数多くの珍しい植物が植えられています。

幕末から近代にかけて、仙巌園は薩摩藩と鹿児島県の迎賓館のような存在でもありました。
幕末にはオランダ海軍将校、幕臣 : 勝海舟、イギリス公使 : パークスなどが来園しました。
明治以降になると、大正天皇、昭和天皇をはじめとする皇族方、ロシア皇太子ニコライⅡ世、イギリス皇太子エドワードⅦ世など、国内外の数多くの要人が訪れています。

仙巌園の園内の一部と、その隣接地は、島津斉彬と、その遺志を継いだ人々によって建てられた、日本初の工業地帯「集成館」の跡地でもあります。
ここは近代日本の技術力、工業力の原点ともいえる地でもあり、2009年にはこれらの史跡 ・ 建物を構成資産とする 「九州 ・ 山口の近代化産業遺産群」 が、世界遺産の暫定リストに記載されました。

仙巌園の広い園内には、見どころもいっぱいあります。
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【 鉄製150ポンド砲 】
仙巌園に入園すると、来場者を最初にお出迎えしてくれるのが、150ポンド(約70Kg)の砲弾を射撃することができたとされる鉄製の巨大な大砲です。
これはレプリカではありますが、28代当主:島津斉彬の富国強兵策の象徴として、また、その背後に鎮座する反射炉の成果品としての意味合いをもつ存在です。
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【 反 射 炉 跡 】
反射炉とは金属溶鉱炉の一種です。燃焼室の熱や炎を天井や壁に反射させて溶解室の鉄を溶かす構造から、反射炉と呼ばれていました。
鉄製の大砲を鋳造するために、薩摩藩では1857年(安政04)に反射炉を完成させ、わが国ではじめての近代的な大量の製鉄を行うことに成功しました。

【 錫  門 】
活字の三大合金のひとつである「錫(すず)」ですが、錫はかつて錫鉱山を有した薩摩藩の特産品でもありました。
錫門は、その錫で屋根を葺き、当時は地位の高いひとにしか許されていなかった朱色をもちいた漆塗りの門です。錫瓦葺きの建造物としては、わが国唯一のものとされています。
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【 御  殿 】
本来は島津家の別邸として代々受け継がれてきた磯庭園ですが、明治時代に29代当主 : 島津忠義が鶴丸城からここに移り住むことによって、この地が本邸となり、現在の御殿の姿へと改築されました。
忠義が本邸として使用したのは、政府の命により東京へ移住するまでのわずか10年あまりのことであり、また現存する建物は往時の半分ほどとなっていますが、当時のお殿様の生活の様子を知ることができます。
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【 石  灯  篭 】
園内にはたくさんの灯篭がありますが、なかでも園内最大で 8 畳分もの大きさを誇る「獅子乗大灯篭」や、28代 : 島津斉彬が1857年(安政04)に日本で最初にガス灯をともした「鶴灯篭」が見どころです。

【 望  嶽  楼 】
望嶽楼(ぼうがくろう)は、19代当主 : 島津光久の時代に、琉球王国から薩摩藩に贈られたと伝わる中国風のあずまやで、歴代の薩摩藩主が琉球使節を応接するときに用いられた建物です。
床には秦の始皇帝が建立した阿房宮の敷き瓦を模したとされる273枚の「塼(せん)」と呼ばれるタイルが敷き詰められ、内部には東晋の書家で、
書聖と称される王羲之(おうぎし)の書を模したとされる額も掲げられています。
幕末には、28代当主島津斉彬が、長崎からヤ―パン号(のちの咸臨丸)に乗船して薩摩を訪れた勝海舟と会談をもった場所としても、歴史的価値のある建造物です。

DSCN9769 DSCN9772【 曲水の庭 】
王羲之の蘭亭序に描かれ、わが国でも平安貴族などの宮中行事としても知られる「曲水の宴」ですが、仙巌園には江戸時代の姿をとどめる、わが国唯一にして最大とされる「曲水の庭」が残されています。
仙巌園の曲水の庭は、中国の浙江省紹興にあったと伝えられる蘭亭を意識して、21代当主島津吉貴の時代に作庭されたものと考察されています。

DSCN9774 DSCN9773【 江南竹林の碑 】
仙巌園の裏山は、わが国の「孟宗竹」発祥の地とされています。元文元(1736)年21代当主島津吉貴が琉球から江南竹(孟宗竹)を02株取り寄せて繁殖させ、藩内だけでなく、国内各地に移植しました。そのおかげでわが国では美味しい筍(竹の子)を食することができるようになりました。
なおこの碑の文面は、明治の大実業家、五代友厚の父である儒家 : 五代秀尭(ひでたか)によるものとのことです。
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【 猫 神 神 社 】
豊臣秀吉による朝鮮出兵の文禄 ・ 慶長の役に際して、出兵を命じられた17代当主:島津義弘は、時計のかわりに猫を朝鮮に連れて行き、猫の眼の瞳孔の開き具合で時刻を推察したとされます。このとき同行した猫07匹のうち、生きて帰った02匹を祀ったのが猫神神社です。
例年06月10日の「時の記念日」には、時計業者が参列して例祭も執り行われているそうです。また全国の愛猫家から、愛猫の健康と長寿を願う絵馬が寄進され、毎年「ニャン、ニャン、ニャンの日」となる2月22日には「愛猫長寿祈願祭」も開催されています。
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DSCN4359【 示現流展示室 】
「チェストー!」の掛け声で知られる薩摩藩の古流剣術「示現流(じげんりゅう)」。
400年の歴史をもつ示現流が薩摩武士に与えた影響を、実際に木刀を振りながら体感することができます。

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【 両  棒  餅 】
武士が刀を二本脇に差している様子になぞらえた餅菓子で、「両棒餅(ぢゃんぼもち)」と呼ばれます。
焼き餅にみたらし団子に似た、タレがかかった郷土菓子で、仙巌園内の茶店のものが有名です。

DSCN9762DSCN9775DSCN9763【 集仙台 トレッキングコース 】
お時間のあるかたには、片道20分、往復40分のショート トレッキングコースがおすすめ。
裏山の中腹にある「千尋巌(せんじんがん)」のまわりを巡り、展望台からの眺めも良好です。なお「千尋巌」は、27代当主:島津斉興が03ヶ月をかけて、延べ3,900人の人夫をつかって文字を刻ませた一枚岩で、03文字で約11mの大きさがあり、貝殻を砕いた白い粉である胡粉(ごふん)が塗り固められています。

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【 鶴 嶺 神 社 】
島津家の歴代当主とその家族が祀られている神社で、仙巌園と隣接しています。なかでも、16代当主 : 島津義久の三女であり、のちに18代当主島津家久の正室となる「持明院(じみょういん)/亀寿姫 」ゆかりの神社として、「美人祈願」 にご利益があるとされています。
なお、鹿児島市城山町にある鹿児島市美術館の一角(西郷隆盛銅像の裏手)にも、「じめさぁ(持明院様)」 と呼ばれる石造があり、毎年命日の10月05日には恒例の化粧直しがおこなわれています。

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【 尚古集成館 】
島津家第28代 : 島津斉彬によってはじめられた「集成館事業」の一環として、1923年に開館した機械工場です。本館は1865年に建てられたもので、国の重要文化財で、日本で初めてアーチを採用した石造洋風建築物となっています。
今回の <Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO> は、この重要文化財であり、わが国の近代産業の幕開けの先駆けともなった、この機械工場跡で開催されます。
また別館展示室では、島津斉彬が江戸の木版彫刻士 「三代目木村嘉平」 に依頼して、極秘に製造させた 「木村嘉平活字とその関連資料」 を、<Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO> の会期に合わせて特別展示しています。こちらもお見逃しなく。

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【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 01  開催のお知らせ
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 02  告知はがき印刷篇
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 03  お先でゴアンド  鹿児島を往く
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 04   薩摩藩と三代木村嘉平の活字
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 05   鹿児島 おすすめ情報Ⅰ 仙巌園/尚古集成館 】
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 06   鹿児島 おすすめ情報Ⅱ 長島美術館 】

【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 00 番外編 しろくまは カゴンマ de ゴアンド ! 花筏 】

 

【朗文堂ブックコスミイク】『欧文書体百花事典』その後 普及版刊行記念連続講演会 第5回 『 タイプ・サイズとは何か P・S・フールニエとの関係で 』 山本太郎氏 終了のご報告

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たくさんのお客様をお迎えして、『欧文書体百花事典 その後Ⅴ』 は終了いたしました。
颱風18号がこの直後に襲来しました。そのためにあいにくの雨天でした。
雨の中、わざわざのご来場ありがとうございました。
また、いつものように、タイポグラフィ学会、学校法人 専門学校 東洋美術学校の皆さまからご後援をいただき、さまざまなご協力をたまわりました。

次回講演は最終回、12月07日[日] 木村雅彦さん <刻まれた文字を訪ねて> です。 ご期待ください。 関連情報は、随時<朗文堂ニュース>のコーナーに掲載いたします。

告知資料製作 : 杉下城司さん  写真提供 : 木村雅彦さん/アダナ・プレス倶楽部
後援 : タイポグラフィ学会/学校法人専門学校 東洋美術学校  産学連携事務局 デザイン研究会アクティ
活版印刷実演協力 : アダナ・プレス倶楽部 活版カレッジ
この <活版 à la carte> のページは、画像をクリックするとスライドショーでお楽しみいただけます。

『 欧文書体百花事典 』 普及版 刊行記念特別連続講演会(全 6 回)
第 5 回  『 タイプ・サイズとは何か P・S・フールニエとの関係で 』
講    師 :  山 本   太 郎
日    時 :   2014年10 月05日[日]
会   場  :   東洋美術学校
主  催 :  株式会社 朗 文 堂
後  援 :  タイポグラフィ学会
学校
法人専門学校 東洋美術学校  産学連携事務局 デザイン研究会アクティ

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テキスト/ わたしは  わたし
je_1DSC01298 DSC01301 DSC01458 DSC01472 DSC01493 DSC01519 欧文書体百花事典その後Vポスター

新 宿 與 談 ============================
大型颱風18号が、この講演会の直後に日本列島を縦断していきました。被害にあわれた皆さまにお見舞いもうしあげます。
ところでこの講演会には、徳島から日帰りの予定で川崎孝志さん(新宿私塾修了、タイポグラフィ学会)が参加されていました。 講演の終了後、あわただしく羽田に向かわれたのですが、やはりすでに航空便は相当混乱していたようです。
こんな熱心な聴講者もいらっしゃいました。感謝です。
川崎さんからの@メールを記録します。

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本日はおつかれさまでした。 目的地に着陸できない場合は羽田に U ターンという条件付(西日本地区は全て)でのフライトでした。
夜だいぶ遅くなりましたが、なんとか午後09時に徳島に到着しました。
乗客からは悲鳴がでるほど揺れ通しのフライトで、機内は究極の絶叫マシーンと化していました。
あいにくの天気でしたが上京して正解でした。成果の多い講演会でした。
最後はお手伝いもできず失礼しました。  川崎孝志

【企画展示】 印刷と美術のあいだ ― キヨッソーネとフォンタネージと明治の日本

20141001172900686_0001 20141001172900686_000220141018013547989_0002展覧会図録 ミュージアム ・ ショップで販売。頒価 2,160円+税

キヨッソーネ、フォンタネージ ― ふたりのお雇い外国人の教育の成果。
弟子たちがつくってきた日本の近代印刷の姿をたどります。

ひさしぶりに印刷博物館の企画展が開催されます。
前回は<印刷都市東京と近代日本>2012年10月20日-2013年01月14日でした。
同館次回展のフライヤーより一部を補足してご紹介します。 詳細は下部の URL をご確認ください。
【 詳細情報 : 印刷博物館 企画展示 】
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明治時代となると、凸版印刷術、平版印刷術、凹版印刷術
など-具体的には、活字版印刷術、石版印刷術、銅版印刷術、木口コグチ木版印刷術などのあたらしい印刷技術が西洋から日本に到来し、新しい印刷表現が可能になりました。
同じ時期に「洋画」も新しい絵画表現として西洋から日本にもたらされました。

キヨッソーネ(Edoardo Chiossone , 1833-1898)はイタリアの版画家・画家で、明治時代に大蔵省の招聘により、いわゆるお雇い外国人として来日し、紙幣、切手などの印刷原版を彫刻しました。 またその技術をわが国に伝え、弟子を育成し、近代印刷の基礎を築きました。

いっぽうフォンタネージ(Antonio Fontanesi  1818-82)はイタリアの画家でした。かれもキヨッソーネと同様に1876年(明治9)に開校した「工部美術学校」のお雇い外国人教師としてわが国に「洋画」を指導しました。 フォンタネージの在任期間は短く、任期半ばで帰国しましたが、その弟子たちは明治画壇の中心となり、「工部美術学校」の卒業生は印刷術の発展に大きな影響を与えました。

【 印刷博物館 】 企画展示  印刷と美術のあいだ キヨッソーネとフォンタネージと明治の日本

会    期 :  2014年10月18日[土]-2015年01月12日[月・祝]
休 館 日 :  毎週月曜日 開館時間 : 10 : 00-18 : 00(入場は17 : 30まで)
入  場  料 :  一般500円、学生300円、中高生200円、小学生以下無料
特別休館日 ・ 特別開館日 : 11月03日(月 ・ 祝)、24日(月 ・ 休)、2015年0
1月12日(月 ・ 祝]は開館。 11月04日(火)、11月25日(火)、12月27日(土)-2015年01月05日(月)は休館

【 詳細情報 : 印刷博物館 企画展示 

【展覧会】 エミール ・ ルーダーの100年 記念講演 : ヘルムート ・ シュミット氏

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 2014年09月19日、スイス、バーゼルのデザインスクール、S f G 及び HGK FHNW は、エミール ・ ルーダー(Emil Ruder,  1914-70)の生誕百年を祝い、その功績を称えて、<エミール ・ ルーダーの100年> と題するシンポジウムと展覧会を開催した。
その資料をヘルムート ・ シュミット氏よりいただいたので、ここに紹介したい。
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シンポジウムの講演者 :
リチャード ・ ヒリス、ロンドン
ラルス ・ ミュラー、チューリッヒ
ホアン ・ アラウシ、バルセロナ
ミヒャエル ・ レナー、バーゼル
ヘルムート ・ シュミット、大阪

この講演の内容は、TM 誌の 2014年第 3 号に掲載される予定である。

展覧会では、エミール ・ ルーダーのデザインによるポスター30点が展示された。
政治的ポスター「 Liste 1 」は含まれていなかった。
「 Liste 1 」は、2014年3月20日から4月29日まで、東京 ・ プリントギャラリーで開催された
<danke Emil Ruder > 展で展示された。
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写真 : フィヨドル ・ ゲイコ

【 関連情報 : 朗文堂ブックコスミイク 『 japan japanese 』
【 関連URL : プリントギャラリー/<danke Emil Ruder >
以下の情報は『 japan japanese 』に関して2011年12月14日-13年03月21日まで、都合09回にわたって掲載された記事を、降順に並べ替えて掲示した。順を追ってお読みいただけるとおもしろい。
【 関連情報 : 『 japan japanese 』 刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の講演会+展覧会のお知らせ

【訃報】 欧文タイポグラフィの巨星 |旧晃文堂/リョービイマジクス社長:吉田市郎氏がご逝去されました|2014年9月29日

yoshida_sama[1] 吉田市郎  1921(大正10年)01月28日-2014(平成26年)09月29日 行年93

元株式会社晃文堂代表取締役/株式会社リョービ印刷機販売代表取締役、株式会社リョービイマジクス代表取締役、リョービ株式会社取締役、吉田市郎氏が、2014年09月29日肺炎によりご逝去されました。
ここに謹んで皆さまにご報告いたします。

吉田市郎氏にお世話になったのは、朗文堂 : 片塩二朗がまだ小学生のころに、日本橋丸善の店頭にあったスミスコロナ社の欧文タイプライター(パイカとエリートサイズを搭載していた)に惹かれ、神田鍛冶町二丁目18 にあった、株式会社晃文堂-欧文活字の晃文堂をオヤジとともに訪ねたのが最初でした。

以来半世紀余にわたり、筆舌につくせないご薫陶をたまわりました。
ご高齢でもあり、いつかこの日がくることは覚悟していたつもりでしたが、お知らせをいただいて、まさに <巨星 墜つ> のおもいで ことばもございません。

いずれ別項 <タイポグラファ群像> をもうけてご報告いたしますが、吉田市郎氏は、終戦後ようやく復員し、まもなく晃文堂を設立され、金属活字 ・ 活版印刷関連機器の製造販売からスタートし、写真植字、デジタル世代の三代にわたって、つねにその先頭にたって業界を牽引したかたでした。
またタイポグラファの見地から、印刷術をシステムとしてとらえ、その基盤の書体開発から、印刷までの、一貫したシステムの開発に尽力されました。

ともかく仕事一筋のかたでしたから、業界紙誌への寄稿はたくさんありますが、まとまった著述はのこされませんでした。わずかに吉田市郎氏からの聞き語りと、頂戴した資料をもとに記述した拙著 『逍遙 本明朝物語』 (オフセット印刷版は完売。樹脂凸版印刷版のみ在庫。朗文堂) が、わずかにそのタイポグラファとしてのお姿を伝えるばかりです。
【 朗文堂ブックコスミイク : 既刊書案内 『逍遙 本明朝物語』

アダナ・プレス倶楽部の発足 ・ 運営に際しては、終始あたたかいご援助をたまわりました。
そこで、吉田市郎氏が 2006年に発足した、朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の <ニュース第一号> にお寄せいただいたご祝辞を紹介させていただき、せめてもの吉田市郎氏のご人徳をしのぶよすがとさせていただきます。 DSC03368[1] DSC03405[1]
【 元記事 : アダナ・プレス倶楽部ニュース No.001- Adana-21J の誕生おめでとう 2006.09 
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ニュース No.001 【アダナ・プレス倶楽部便り】

アダナ型印刷機 < Adana-21J  現:Salama-21A > の誕生おめでとう  !

吉田市郎01吉田 市郎 株式会社リョービイマジクス顧問 (元 ・ 株式会社晃文堂代表取締役)

このたび、朗文堂/アダナ・プレス倶楽部からアダナ型小型活版印刷機「 Adana – 21J 」が誕生されるとうかがい、大変嬉しく存じます。

古い話しになりますが、株式会社晃文堂の時代に「アマチュア用印刷機 ADANA 」を2機種 (3×5 inch, 5×8 inch) 輸入販売いたしました。
当時のわが国では活版印刷はとても盛んでしたが、国家そのものに外貨の蓄えがなく、外貨の為替管理がきわめて厳しくて、海外からの、活字、活版印刷関連機器など、物資の輸入には様々な困難がありました。

幸い多くのユーザーの皆さまを得て、アダナ印刷機はご好評をいただきましたが、その後イギリスのメーカーが製造を中止し、また活版印刷全般も衰勢をみせるようになって、アダナ印刷機の代理販売業務から撤退いたしました。
従いまして、多くのユーザーの皆さまには、不本意ながらご迷惑をおかけすることになったことにたいして、内心忸怩たるものがありました。

それが今般、長年ご厚誼をいただいている朗文堂さんの新事業部門、アダナ・プレス倶楽部(現:サラマ・プレス倶楽部)によって、新設計による国産活版印刷機 「 Adana-21J 」 が誕生するとうかがい、大変嬉しく思っております。

おそらく活版印刷と鋳造活字には、まだまだ寒風が押し寄せるでしょうが、それにめげず、創意と挑戦の意欲を持って、これからの開発 ・ 販売にあたって頂きたいと存じます。 「 Adana-21J 」 の試作機のご発表、おめでとうございます。

【展覧会】 花王 にほんのきれいあたりまえ展

20141007002048145_0002 20141007002048145_0001朗文堂 新宿私塾 第23期修了生の I M さん(花王クリエーティブハウス勤務)から、情報提供と、フライヤーを数十枚いただきました。
ご参観をおすすめいたします。
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<第 5 回企業のデザイン展  花王 にほんのきれいのあたりまえ展> は東京藝術大学デザイン科が2005年から隔年で開催している「企業のデザイン展」の第 5 回目となります。
日本の 「きれい」 と、
それに連なる日本の 「あたりまえの生活」 を日本独自の文化としてとらえ、それをささえ続けてきた花王の製品に、デザイン的視点から焦点をあて、未来につながるモノづくりやライフスタイルのヒントをみいだす展覧会です。
また、展覧会と同時に、書籍 『にほんのきれいのあたりまえ』 を出版いたします。

会       期 : 2014年10月4日[土]-10月26日[日]
会       場 : 東京藝術大学 大学美術館 陳列館
開催時間 : 10 : 00-19 : 00 (入館時間は18 : 30まで)
会期中無休 入場無料
主催 ・ 企画 : 東京藝術大学 美術学部 デザイン科、花王株式会社
協       力 :  凸版印刷株式会社
【URL : にほんのきれいのあたりまえ 藝大×花王 】

【著者展覧会】 2015 羽原肅郎 カレンダー展 ― 忘れられない本 : その 1

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2015年版カレンダーでは忘れられない本をご紹介します. 子どもの頃に手にした本もあれば数年前に入手した本も. 本を眺めていると多々思い出すことがあります. 是非ご覧ください.

「 山上の垂訓 」
1950年頃, 広島県福山市の書店で英文の “Sermon on the Mount” を戴く.
その帰り道, 何となく立ち寄った教会で,
日本語の 『 山上の垂訓 』 を戴いた.
まだ, まだ敗戦国日本のくらい感のする時期に,
何か明るい希望を感じたものだ.
しかし, この垂訓をどれだけ守って来ただろうか.
背景はエデンの園に見えた.

会  場 : 東塔堂 | totodo
会  期 : 2014年10月06日[月] - 10月25日[土]
時  間 : 12:00-20:00 [日曜休み]
入  場 : 無 料

◆ 羽 原 肅 郎
1935年, 広島県に生まれる.
桑沢デザイン研究所リビング ・ デザイン科研究クラス卒業.
建築写真家 : 二川幸夫に師事.
美術出版社 ・ 月刊 『デザイン』 誌編集責任者, 東京造形大学助教授, 二玄社出版部部長として 『CG』 誌等の編集に参加.
鹿島出版会 『SD』 誌デザインエディター, JIDA事務局長を歴任.
明星大学 造形芸術学部 造形芸術科 教授.
武蔵野美術大学, 筑波大学, 東京YMCAデザイン研究所, 多摩美術大学等の非常勤講師を務めた.
著書に 『構造の芸術』, 『本へ!』(朗文堂 朗文堂ブックコスミイク 『本へ!』 ) 等がある.
『世界デザイン史』等にも執筆.
コンクリート・ポエトリーの制作も行っている.

【 詳細 : 東塔堂 | totodo 2015 羽原肅郎 カレンダー展 忘れられない本:その1 】
【 詳細 朗文堂ブックコスミイク 『本へ!』

BhabaraPh[1]

『本へ!』

羽原 肅郎 著
朗文堂刊

A5 変形判 50 ページ
経本折り製本
スリップケース入り
日英2ヶ国表記
ISBN4-947613-79
定価 : 本体3,000 円+税