月別アーカイブ: 2020年9月

【会員情報】銀座伊東屋|藤原弥生 7 days cards 40th Anniversary|10月8日-10月21日

藤原彌生展20200925140341_00001

藤原弥生  7 days cards
40th Anniversary
期  間  10月8日[木]-10月21日[水]
会  場  銀座 伊東屋 G. Itoya 1F
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一週間いつでも好きな人に手紙を書きたい
思いを伝えるポストカード 7 days cards
10.5 cm × 15 cm のポストカードは小さいけれども無限の宇宙です。感動、感謝、はげまし、色々な思いをさりげなく送ることのできるコミュニケーションツールのひとつです。季節、季節の移り変わりに大切な気持ちを伝えることもできます。

[ 詳細 : 銀座 伊東屋 ]

【展覧会】B – gallery|笹井祐子 ドローイング展|風の色・水のかたち|10月6日-10月18日

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B – gallery
笹井祐子 ドローイング展
風の色・水のかたち
会  場  B – gallery http://bgallery.xsrv.jp
会  期  10月6日[火]-10月18日[日]
開  場  14:00-18:00  休廊:12日[月]

[ 詳細 : 笹井祐子 ] { 活版 à la carte : 笹井祐子/奥村浩之まとめ } 

【展覧会】Gallery A R K|宮 崎 文 子 展|10月1日-10日

20200923174951_00005 20200923174951_00006Gallery   A R K
宮 崎  文 子 展
会  期  10月1日[木]-10日[土] * 日曜日休廊

会  場  ギャラリー A R K
      〒231-0024 横浜市中区吉浜町2-4 アクシス元町1F
      e-mail:ark@art-sq.com
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今回は油彩画がメインの展示となります。
コロナ禍で心配な時期でもありますが
お近くにお越しの際などにお立ち寄りくださると幸いです。

[ U R L  :  宮崎文子 ホームページ ]

【展覧会】町田市立国際版画美術館|西洋の木版画 ── 500年の物語|’20年9月26日-11月23日

20200923174951_00001 20200923174951_00002町田市立国際版画美術館
西洋の木版画 ── 500年の物語
会  期  2020年9月26日[土]-11月23日[月・祝]
休  館  日  毎週月曜日
      ※ただし11月23日[月・祝]は開館
会  場  企画展示室 1・2
観  覧  料  一般800円、大学・高校生400円 ※ 中学生以下は無料
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ヨーロッパで木版画が作られるようになったのは西暦1400年頃のこと。
その半世紀ほどあとにグーテンベルクが活版印刷を発明すると、木版画は本の挿絵に広く用いられ発展をとげました。15世紀末にはアルブレヒト・デューラーの登場により早くも最初の頂点を迎えます。しかし版画制作の中心を銅版画が占めるようになると、木版画は日常的な印刷物に細々と残るばかりになっていきました。

18世紀末に登場した木口木版の技法は、新聞や雑誌、書籍の挿絵をはじめあらゆる図像印刷に利用され、19世紀の文化を彩りました。
近代に登場した新たな技術により、版画はそれまで担ってきた実用的な役割から解放され、美術表現として新たな道を探ることになります。

木版画の見直しの動きが現れるのは1880年代末のことで、その大きなきっかけとなったのが日本美術でした。浮世絵版画をはじめとする異文化の影響を受けて、西洋の木版画は新たな表現を創り出し、それは今日もなお続いています。
仏教版画や浮世絵版画などから思い浮かべる日本の木版画とは異なる展開をとげてきた西洋の木版画。その500年の歴史を120点の作品でご紹介します。

[ 詳細 : 町田市立国際版画美術館

【展覧会】ギンザ・グラフィック・ギャラリー第380回企画展|いきることば つむぐいのち|永井一正の絵と言葉の世界|’20年10月09日-11月21日

ggg 01 20200924205100_00001ギンザ・グラフィック・ギャラリー第380回企画展
いきることば つむぐいのち
永井一正の絵と言葉の世界
会  期  2020年10月09日[金]-11月21日[土]
会  場  ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
104-0061 東京都中央区銀座7-7-2  DNP銀座ビル 1 F / B 1 F
開館時間  11:00 am-7:00 pm
休  館  日  日曜・祝日 / 入場無料
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日本においてもコロナ禍がいよいよ深刻化してきた頃、1冊の本、『いきることば つむぐいのち』が芸術新聞社より刊行されました。長年の創作活動のなかから生まれた、永井一正氏の “ 言霊 ” と、“ いきものたち ”  から紡がれた本書は、まさにこの状況と共鳴し、心にしみるものでした。
「人間は地球上の生き物のひとつでしかない。」(本文 p.12)、「共に生きていく。すべてはつながっているから。」(本文  p194)…… 。 今まで好き勝手に生きてきた人間どもが、いよいよ “ 共生 ” ということを真剣に考えなければならない窮地に追い込まれていることを、痛感させられる言葉が並びます。

今秋、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)では、この本の豊かな世界観を展覧会というかたちで、立体的に展開することを試みます。1階では、『いきることば つむぐいのち』と、東日本大震災を機に刊行された『つくることば いきることば』のなかから厳選した絵と言葉による、異空の森が出現します。地階では、1980年代後半から現在まで、常に変化を遂げながら生みだされ続けている「LIFE」シリーズのいきものたちが、生き生きと躍動しはじめます。
今までの価値観を見直し、共生の時代を生きるエールとして、ご覧いただけましたら幸いです。

[ 詳細 : ggg ギンザ・グラフィック・ギャラリー ]

【かきしるす】新刊『Parenthesis』-パレンヂスィス/丸括弧-を持参|アンドリューさん Andrew Schullers/ジェニーさん Jenny Corbett 夫妻がご来社

p38-cover-768x1022fpba-top-parens《新刊『Parenthesis 38』を持参され、アンドリューさん・ジェニーさんのカップル来社》『Parenthesis 38』( Fine Press Book Association )は、高度な印刷と図書に関する逐次刊行図書(ジャーナル)である。
刊行は年二回、装本は標準版と特装版がある。また、その活力と多様性をもたらすために、春号はイギリスで、秋号はアメリカでの交代制で刊行されている。
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昨2019年の晩夏、アンドリューさん ( 出版コンサルタント Andrew Schullers ) が数次にわたって新宿二丁目時代の小社に来社された〔以下敬称略〕。取材対応はほとんど大石があたったが、当時のアンドリューはこうかたっていた。
「日本の活字版印刷の歴史と現状を調査して、イギリスのジャーナルに報告する予定でいます」
その報告が「Letterpress in Japan|Andrew Schuller」として『 Parenthesis 38 』に掲載され、その掲載号をご夫妻で持参していただいた。
アンドリューさんジェニーさん

右)アンドリューさん  Andrew Schullers / 左)ジェニーさん Jenny Corbett
お庭にて(動)

《 Lingua Florens は 花のときから 深い緑のとき。紅珊瑚にも似た ハゼラン がふたりをお迎え》
アンドリューとジェニーさんが朗文堂/サラマ・プレス倶楽部の住吉町の新事務所にお見えになったのは六月下旬、梅雨の晴れ間の夕方であった。
アンドリューとの久しぶりの再開と、はじめてジェニーとの出会いの場となった。大石は来社予告メール交換である程度知っていたようだったが、ジェニーはどんな資料をみても、Professor Jenny Corbett と記されるほどの、経済と金融、そして国際関係の碩学で、国際金融機関、国際機構の要職を歴任し、現役の大学教授でもある。
さらに、アンドリューはまったく日本語を解さないが、ひとりで平気で朗文堂に押しかけていた。ところが、ジェニーは流暢な日本語をかたる。

再会の挨拶もそこそこに、
「神楽坂から自転車できました。すこし息切れしているが、ここではマスクは必要か」
とふたりはたずねてきた。
「きょうは天気もいいし、よろしかったら、狭いですけど、テラスでお話ししましょう」
大石の提案にホットしたのは自由人:アンドリュー。
ここ新宿区住吉町と新宿区神楽坂は、ともに、地勢学でいうところの多摩丘陵・住吉台地にあり、地盤は強固で、防衛省・大日本印刷・市ヶ谷八幡神社などがある。しかしとかく台地にありがちな起伏と坂道が多い。テラスで大石がそれを指摘すると、

「わたしの自転車は補助のモーターがあるので坂道でも平気だけど、アンドリューは登り坂は汗だくで押してあがっている」
とジェニーは屈託がなくコロコロと笑っていた。本物の碩学は偉ぶることはまったくなかった。
短時間ではあったが、ミニテラスでの語らいは、なごやかで知的なよろこびがあった。

アンドリューはいくぶんリタイヤ気味であるが、ふたりはオーストラリアのキャンベル、英国のロンドン、日本の東京・神楽坂に、それぞれ独自の根拠地を有し、プロジェクトにあわせて滞在地としているそうである。
おりしも日本滞在中に、世界規模での感染症「COVID – 19」の猖獗をみるにいたったようである。昨年から東京大学を根拠地とする大きなプロジェクトが、ジェニーが枢要メンバーとなって展開しており、そのさなかに「COVID – 19」の警戒状況となって出入国が困難になり、神楽坂に「巣ごもりしている」とジェニーは笑ってかたっていた。
このふたりのような、国境をこえて飛び回るひとには不幸なときともいえた。

「Lingua Florensーことのはの花園」で、赤い花柄のワンピースをまとったジェニーの足もとで咲いていたのは、西インド諸島原産、わが国には明治初期に鑑賞用に輸入されたとされる、通称:ハゼラン-爆蘭 である。ジェニーは時折その花をみていたが、オーストラリアにもこの花があるのかは聞きそびれた。

ハゼランはまた、シュッコンハゼラン -宿根爆蘭 、サンジソウ -三時草、ハナビグサ -花火草、サンジカ -三時花、珊瑚草、コーラルフラワー、fame flower、Jewels – of – Opar などの多くの異名をもつ。
午後三時ころから咲きはじめるので三時花、線香花火の火花にも似たバラバラの花をつけるので花火草、紅珊瑚のような枝ぶりと花から珊瑚草などである。吾輩は花火艸と呼んでいる。

ハゼラン(爆蘭、三時草、三時花、花火草、コーラルフラワー )1《 ふたりが帰ったあと Parenthesis/パレンヂスィス/丸括弧 に問題が 》
やっかいな問題は、アンドリューが寄稿した『Parenthesis』のタイトルである。吾〻はふるくからこれを、もっぱら「パーレン」と呼んできた。アメリカにはスペル違いの同義語もある。

これを主張すると、言語学におけるイギリス人特有の必殺キックが飛んでくるので困惑する。
「女王陛下は、そのようなことばはお使いになりません」

◉『広辞苑』(第六版 岩波書店)
ちなみに国語事典として『広辞苑』(第六版 岩波書店)の「パーレン」をみると、いかにも辞書的ないいまわしで、次のようにある。
    パーレン
    (Parenthesis の略訛) 丸括弧。( )
辞書における「略訛ーりゃっか」とは、「転訛-てんか」とともに、使用時には注意すること、あるいは消極的ながら、あまり使わない方が良いことを含意している。すなわち パーレン とは Parenthesis の略語であり、訛っている-標準的ではない-としている。

◉ 『研究社 新英和大辞典』(第6版第5刷、研究社、ともにp.1798  2007年11月)
    paren.     ((略)) parenthesis
    parens.   ((略)) parentheses
大型英和辞典として『研究社 新英和大辞典』の「パーレン」に相当する語を調べてみた。ここには ((略語)) とされる parenthesis と parentheses が紹介されている。
注目したいのは、これらの省略にあたっては「 . -ピリオド」が必要なことである。また同じページにそれぞれ parenthesis , parentheses も紹介されているが 長文にわたるので、いずれ別項を設けて紹介したい。

したがって、ここでも「Parenthesis → パレンヂスィス」と表記するのにも勇気が必要だった。近ごろの電子辞書やスマホには、一部に音声表示機能があるが、それをカタ仮名にするのにも難儀した。ここで「パレンヂスィス」とカタ仮名表記の参考にしたのは『印刷術教科書 第二学年用』(ヨゼフ・ナジ著、帝都育英工業高等学校、昭和29年4月1日)によった。
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しばらく本コーナーでも、アンドリューが寄稿した『 Parenthesis 』を契機に、「パンクチュエーション/句読法」といった、古くて新しいテーマを、のんびり取りあげてみたいとおもいたったゆえんである。
もちろん吾輩の取り組みゆえ、「こうすべきだ」「こうすべきではない」といった「べき論」は避けて、読者諸賢と歩んでみたい。

◉ 『英和 印刷書誌百科辞典』(日本印刷学会、印刷雑誌社、昭和13年1月15日)
『英和 印刷書誌百科辞典』から parenthesis ,  punctuation mark を紹介した。同書はいまなお『印刷事典』の名称のもとに印刷学会出版部から刊行されており、第五版までの刊行をみるが、本書を第一版として位置づけている。今後の展開の参考に記録した。

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【Lingua Florens】ひよどりが巣をかけた。孵化と巣立ちが待たれる日〻……そして残念な報告 ……

わが家のクマガイモリカズ《新型ウイルス感染症「COVID – 19」で外出自粛の日々
新型ウイルス感染症が世界規模で拡大しているために厳重に警戒せよという。不急不要の外出や、人混みをさけ、ひとと会うのも、会食も自粛せよという。
2020年4月7日から5月6日のあいだ「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」が{ 発 出 }された[リンク:内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室 PDF]。

もともとが出不精だから、外出を避けるのはさほどいとはないが、8月中旬のいまもって「自粛のお願い」は続いている。
そんな無聊の慰めにもってこいの、猫のひたいほどの庭があり、ここを「Lingua Florens」と呼んでいる。ここは「ことのは の 花園」の意から、河野三男さんが名づけられた、四坪ほどの小庭とテラスで、人工地盤の浅い土壌の上にある。ともかくゴシャゴシャと様〻な艸花が植えてある。

《七月下旬、隣家の庭木にビニール紐がからまって、鳥がしきりに鳴いていた》
7月23日-26日は四連休であった。「自粛要請」のため、逆に連日出社して「Lingua Florens」の手入れにあたった。その折り大石が、

「お隣さんの庭木-レッドロビン-に、ビニール紐が変なふうにからまっている」
と珍しそうに見上げていた。

もともと レッドロビン とは「赤いコマドリ」の意。園芸植物のレッドロビンは、カナメモチとオオカナメモチを掛け合わせた園芸品種で、都市部の垣根としては近年もっとも一般的に見られる樹種のひとつとなった。
面白いのは、季節を問わず剪定をすると真っ赤な新芽が発生する。そしてふつうの植物とは逆に、新芽は開く前から赤いのが特徴で、生長すると緑化する。 春には真っ白の小花を咲かせ、秋には赤い実をつける。ただし、頻繁に刈り込まれることが多いため、花や実を楽しむ木という印象は乏しいのが現実である。
お隣さんのレッドロビンは垣根ではなく、珍しい立木仕立てになっていて、その枝の間に梱包用のビニール紐がからんでいた。

そこに番いらしき二羽の鳥がいて、「ピィーヨ、ピィーヨ」 と盛んに鳴きかわしていた。前述のレッドロビンを含め、植物に関してはおおかた大石からの受け売りであるが、鳥類にかけては悪童時代にいろいろな鳥を育てた経験があり、吾輩もうるさい。なによりもひよどりは、ホオジロ、ムクドリ、メジロなどと並んで「空中庭園」の定連の鳥でもある。

ひよどりは、波打つように上下しながら飛来して、「空中庭園」の花の実や果肉を啄んでいく。ともかく甘党の鳥で、ノー学部が黒ポットにはいったイチゴの苗をふたつ買ってきて、植木鉢に定植した翌朝、まず果肉を食べ、翌朝にはひと株を根こそぎひき抜いて持ち去った。
ノー学部はカラスを疑っていたが、吾輩は「逆毛のモヒカン鳥-ひよどり」の犯行だと知っていた。つまり「逆毛のモヒカン鳥」が、もうひとつのイチゴの苗も持ち去ろうとしている犯行現場を「ロダンの椅子」でそっと不動のまま見ていたからである。
「ロダンの椅子」の別名は「喫煙席」ともいう。

レッドロビン-赤いコマドリ(紅カナメモチ)ヒヨドリの巣
00194294000301ヒヨドリ科で最北限に分布する日本列島特産種。暗青灰色で、頭頂から後頸-こうけい-にかけての羽毛の先端はとがる。全長約 27.5 cm。ヒヨドリ科 (『日本大百科全書』 ゟ © 相 澤 弘)

ボサボサ頭に茶色いほっぺ
「ヒーヨ ヒーヨ」と名を名乗る
[参考:サントリー 日本の愛鳥百科 ヒヨドリ]豊富な写真があり、鳴き声の音声が聴ける。

お庭でバードウォッチング中のヤツガレ2抱卵中のひよどり給餌するひよどり0819《ひよどりーオヒョイー観察録》
◉ 08月01日[土]
ビニールテープを混用した巣が完成した。雄はこの時点から見かけなくなった。追い出されたか?
◉ 08月03日[月]
雌が巣にこもりはじめた。産卵か。どこからか飛来してレッドロビンの枝に止まり、ヒョイ、ヒョイと枝を伝って身軽に巣に入り、あとはスフィンクスのようにジーッと不動。まったく鳴かなくなった。オペラグラスで連日の観察の結果、枝をヒョイヒョイと飛び歩くさまが面白く、「オヒョイ」と名づけた。

◉ 08月18日[火]
オヒョイが「ピィーヨ」と鳴く。雄らしき鳥がしきりに枝にとまる。雛が孵化したらしく、大石が裸眼で三羽の雛の嘴が見えるという。オヒョイは採餌のためか巣を出る時間が伸びる。

◉ 08月19日[水]
オヒョイの給餌風景の撮影に大石成功。ヤブ蚊がいるからとしばらく「Lingua Florens」に出なかったのに、オヒョイの戻りを待って撮影。二羽の雛の嘴がのぞいている。

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◉ 08月21日[金]
隣家の庭のレッドロビンで、夕方にいつもの地鳴き「ピッ、ピッ」ではなく、三羽のひよどりが激しく鳴きかわす。なにか異変がおこった予感。その後オヒョイの姿が見られなくなった。
◉ 08月23日[日]
おヒョイが気になったせいもあって出社した。遅れて出社した大石が
「廊下の突きあたりのレッドロビンに、オヒョイがとまっている」
と、あわたしくデジカメをもって撮影に走る。吾輩もあとを追った。

ふつうひとが近づくとひよどりはすぐ飛びさるが、ジッと動かない。ふと下をみて足がすくんだ。そこには息尽きた雛鳥が一羽。おそらくオヒョイとその番いだったひよどりの雄は、よその雄との営巣争いに負けたものとおもわれた。
このレッドロビンの近くに雛を埋めてやった。ここには春にスミレが咲くが、ひよどりの好きな甘い実のなる草木も植えることにした。悲しい週末となった。

悄然とするおひょい

ひよどりの こぼし去りぬる 実の赤き 蕪村

〔本稿の初出は2020年08月19日であった。09月17日追加補充して再紹介する〕


【 ヒヨドリ ひよどり / 鵯 】
 『日本大百科全書』(ニッポニカ 小学館)
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【展覧会】国立公文書館|令和2年度 第2回企画展|「グルメが彩るものがたり-美味しい古典文学-」 |令和2年10月3日-11月29日

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国立公文書館
令和2年度第2回企画展「グルメが彩るものがたり-美味しい古典文学-」
会  期  令和2年10月3日[土]-11月29日[日]
      ※「COVID – 19」の感染予防・拡大防止のため、会期を変更する場合があります。
      ※展示室内の密接を避けるため、入室制限を行うことがあります。
開館時間  月-日曜日  午前9時15分-午後5時00分
      ※期間中無休 入館は、閉館30分前まで
会  場  国立公文書館 本館
入  場  料  無 料
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――食べることも、文学だ。
毎日のありふれた食卓はそのほとんどが記録に残ることはありません。しかし、それらがあえて和歌や物語に書き留められるときには、ただ空腹を満たすための行為としてだけではなく、 読む者の心を動かす特別な意味を持つことになります。
本展では、古典文学に描かれた「食」の多彩な姿を、当館所蔵の貴重な資料からご紹介します。

{主な展示資料}

日本書紀日本書紀-にほんしょき
日本最初の勅撰の歴史書で、養老4年(720)に舎人親王-とねりしんのう-らによって編纂されました。保食神-うけもちのかみ-という神の死体から穀物や家畜が生まれたという神話が載っています。
当資料は慶長年間(1596-1615)に書写されたもので、完本としては現存最古。紅葉山文庫旧蔵。

つれづれくさ徒然草-つれづれぐさ
鎌倉時代後期-南北朝時代の歌人である兼好法師-けんこうほうし-の随筆。「筑紫-つくし-になにがしの押領使-おうりょうし」ではじまる章段には、薬効を期待して大根を食べ続ける武士の不思議な話が載っています。
当資料は慶長18年(1613)に出版されたもので、和学講談所旧蔵。

今昔物語集今昔物語集-こんじゃくものがたりしゅう
平安時代後期に成立した説話集で、貴族から庶民まで幅広い階層の人々の逸話が描かれています。芥川龍之介の短編小説『芋粥-いもがゆ』の下敷きとなった、芋粥を腹いっぱい食べようとする侍の説話が載っています。
当資料は江戸時代前期に書写されたと考えられる林家旧蔵書で、内容・本文に信頼性が高く善本として知られています。

[ 詳細 : 国立公文書館

【展覧会】台東区立書道博物館 |企画特別展 中村不折の世界|2020年6月26日-12月13日

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台東区立書道博物館
企画特別展 中村不折の世界
会  期  2020年6月26日[金]-12月13日[日]まで
      ※会期等は、今後の諸事情により変更の可能性があります。
開館時間  9:30-16:30(入館は閉館の30分前まで)
休  館  日  月曜日、9月23日[水]、11月24日[火]
      ※9月21日[月・祝]、11月23日[月・祝]は開館
観  覧  料  一般・大学生 500円、高・中・小学生 250円
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中村不折(1866-1943)は画家であり書家でした。新聞挿絵をはじめ、明治の文豪たちが主催する雑誌のブックデザイナーとして手がけた装丁や挿絵、財界や教育界で活躍した人の記念碑、商店の看板やロゴマークなど、今でも身近なところに息づいている不折作品がたくさんあります。
本展では、不折の作品を中心に、不折と交流のあった文豪や、不折が影響を受けた江戸の書画などを交えて、不折の世界を館蔵品のなかから一挙に公開いたします。

◉「COVID – 19」による紆余曲折を経ての本格開催です。下記をご確認のうえご参観を。
[ 詳細 : 書道博物館

【オンラインイベント】チェコセンター|アドルフ・ロース Pioneer of Modern Living|生誕150周年

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チェコセンター
アドルフ・ロース Pioneer of Modern Living
今年は、ブルノ生まれの建築家 アドルフ・ロース の生誕150周年です。モダニズム建築の先駆者のひとりとして活躍し、「装飾は罪悪である」という言葉を生んだロースの建築作品は、今なお多くの建築家に影響を与えています。
チェコセンターでは、生誕150周年を祝い、Facebook を中心として情報発信をしていくほか、オンラインでのイベントを行っていく予定です。

ナビゲーター:アダム・ゲブリアン(建築家)
主 催:チェコセンター・ロンドン
協 力:Mall.tv、ヴィンターニッツ邸 https://www.loosovavila.cz/

【詳細: チェコセンター 】

◉アドルフ・ロース  Adolf Loos (1870 – 1933)
ブルノ生まれ(当時はオーストリア=ハンガリー帝国)。19世紀末のヨーロッパで、最も影響力をもっていた建築家のひとり。同時に、モダニズム運動の基礎を形作る言論を著して注目を集めたことでも知られる。
リベレツおよびドレスデンで建築を学び、その後1893年から1896年まで3年間アメリカ合衆国に滞在し、アメリカの工業建築の革新的な効率の良さに感銘を受け、自身の作品にもその影響が表れている。その後ウィーンに移り、そこで数多くの論評を書き綴った。
特筆すべきなのは『装飾と犯罪』(Ornament und Verbrechen)で、建築において装飾要素をそぎ落とすことは精神力の象徴であると主張した。

ロースは内装の空間配置に関して独自の原理、すなわち「ラウムプラン」を提唱し、プラハのミュラー邸や、ヴィンターニッツ邸で実装した。個人の邸宅を手掛けたほかには、ウィーンのミヒャエル広場にあるゴールドマン&ザラチェの商業ビルや、カフェ・ムゼウム、またアメリカンバー・ケルントナーなどがとりわけ有名である。

プラハ市内 ミュラー邸(2016年 大石 薫撮影)
ゆるやかな傾斜地の頂上部にあり、庭はひろく植栽がゆたか。外観は簡素ながら、内部はきめ細かな配慮がつくされた「装飾」にあふれておどろいた。観覧は事前申告制、撮影は別途許可が必要。
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DSCN0654DSCN0653DSCN0545DSCN0561DSCN0609[参考:活版 à la carte「プラハの機能主義建築 ─ 伝統と現代建築への影響」

アドルフ・ロースの墓地 ウィーン中央市民墓地
(市民墓地正面入口から入場、直ぐ左折・塀沿いに直進して突きあたりに所在)

[参考:タイポグラフィつれづれ艸 文字講座 知識としての文字 石のエクリチュール

【展覧会】武蔵野美術大学 美術館・図書館|イラストレーションがあれば、|9月21日-10月24日

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武蔵野美術大学 美術館・図書館
イラストレーションがあれば、
会  期  2020年9月21日[月]-10月24日[土]

時  間  10:00-18:00(土曜日・祝日は17:00閉館)
休  館  日   日曜・祝日
入  館  料   無 料
会  場  武蔵野美術大学美術館 展示室 4・5 
主  催  武蔵野美術大学 美術館・図書館
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イラストレーションと聞き、何を想像しますか。安西水丸の作り出すポップで爽やかな世界、宇野亞喜良の描く繊細で甘美な情景 − みなさんの頭のなかには、様々なイメージが浮かぶのではないでしょうか。
西洋における〈illustration〉は、印刷技術の発展とともに書物や雑誌と深く結びつき、社会や文化を映し出しながら歴史を重ねてきました。日本では1960年代以降、イラストレーターの活躍をきっかけとして独自の発展を遂げ、今日的な〈イラストレーション〉の概念が一般に定着したといえます。美術評論家の中原佑介が、この広大なイラストレーションという領域を考える上で、なによりもまず「世界地図」を「世界のイラストレーション」と例に挙げたことは、少し意外なことに感じるかもしれません。

本展では当館コレクションより、中世の彩飾写本や16 世紀の世界地図、現代のポスターまで、イラストレーションをめぐり幅広い作品を展観します。現代の〈イラストレーション〉の源泉ともいえる〈illustration〉の実体、日本の多彩な〈イラストレーション〉を生んだイラストレーターの存在を探りながら、その可能性を紐解きます。

※新型コロナウイルス感染症の今後の拡大状況に応じて会期が変更となる場合があります。
[ 詳細 : 武蔵野美術大学 美術館・図書館

【展覧会】武蔵野美術大学 美術館・図書館|脇谷 徹 ― 素描ということ|9月21日-10月24日

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武蔵野美術大学 美術館・図書館
脇谷 徹 ― 素描ということ
会  期  2020年9月21日[月]-10月24日[土]

時  間  10:00-18:00(土曜日・祝日は17:00閉館)
休  館  日  日曜日
入  館  料  無 料
会  場  武蔵野美術大学美術館 展示室 2・3、アトリウム 1・2
主  催  武蔵野美術大学 美術館・図書館
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彫刻家・脇谷徹(同学共通彫塑研究室教授)の最初期の作品から最新作にいたるまで、各時代の彫刻作品約50点と、素描・絵画を中心とした平面作品約150点を紹介します。
200点以上の作品を一望することで、脇谷が制作においてただひたむきに目の前にある対象物と向き合い、視覚的特徴や質感・立体的なヴォリュームをつかみ、実在性を浮かび上がらせようとしてきたさまが見えてきます。

ありのままの「かたち」をつかむ行為全般を「素描」と捉える脇谷は、平面作品も立体作品も同じ「素描」の発露だとしています。装飾を取り払い、必要最低限の描線で空間の中あるいは紙の上に「素描」された「かたち」を目の当たりにすると、普段私たちがいかに印象や概念に影響されて事物を認識しているかに改めて気づかされます。
本展を通して脇谷徹の真っ直ぐで力強い作品世界と、造形における「素描」という表現の本質にふれていただければ幸いです。 ※本展は脇谷徹教授の退任記念展として開催します。

※新型コロナウイルス感染症の今後の拡大状況に応じて会期が変更となる場合があります。
[ 詳細 : 武蔵野美術大学 美術館・図書館