タグ別アーカイブ: 甫木元 空-ほきもと そら

【展覧会】高知県立美術館|ARTIST FOCUS # 04|甫木元 空 窓外 1991-2021|’23年12月16日-2024年2月18日|

1201高知県立美術館 1202高知県立美術館

高知県立美術館
ARTIST FOCUS  # 04
甫木元 空  窓外 1991-2021
会  期  2023年12月16日[土]- 2024年2月18日[日]
開館時間  9:00 - 17:00(⼊場は 16:30 まで)
休  館  日  12月27日-1月1日(臨時休館があります)
観  覧  料  一般当日 370円、大学生 260円、高校生以下 無 料
      * 各種割引、優待情報などは下掲詳細公式サイト参照。
会  場  高知県立美術館 1 階 第 4 展示室 
      781-8123 高知県高知市高須353-2 TEL 088-866-8000
主  催  高知県立美術館(公益財団法人高知県文化財団)
──────────────────────
高知と東京を拠点に活動する映画作家、甫木元 空(ほきもと そら 1992ー ) の個展「窓外(そうがい) 1991-2021」を開催します。映画を基軸に据えながらも、音楽や小説などジャンル横断的に展開する甫木元の表現は、いま各界から注目を集めています。
本展は、自らの肉親の死に向き合った映画作家が、展示という枠組みを用いて私的な「記憶」と外的な「記録」の関係性を問い直す試みです。
甫木元は2017年に祖父と母が住む高知県四万十町に移住しました。その後病身の母を看取った21年までの約 4 年間、まるで日記をつけるかのように家族との日常をスマートフォンやフィルムカメラで撮り溜めてきました。そうしたある種の家族写真と、生前の父と母が甫木元の誕生以前の91年から撮り続けていたホームビデオが、本展の出品作品を構成する主な素材です。

少しずつ病み衰えていく母の姿と、健やかに成長していく息子の姿。極めて近しい人間関係のなかで蓄積された、死と生に向かうそれぞれの旅路が収められた記録は、編集を通じてドキュメンタリーからフィクションへと変化します。本来の文脈から引き離して再構成された記録は、あたかも作家自身の記憶を繋ぎ合わせたロードムービーのように、新たな意味をもって私たちの前に現れるのです。
展覧会名の「窓外」における「窓」という言葉に、甫木元はこちらとあちら、ひいてはこの世とあの世を隔てる境界のイメージを重ねています。「窓の外」に旅立った故人の面影を編み直し、新たな表現の回路を拓こうとする作家の試みを、この機会にぜひお楽しみください。
   ❖ ARTIST FOCUS とは ❖    ジャンルや年齢を問わず、当館学芸員が推薦した高知ゆかりの
作家を紹介する展覧会シリーズです。

< 本展のみどころ >
① ジャンルを横断して活動する新進気鋭の表現者、甫木元空の美術館での初個展
映画監督・青山真治(1964-2022)に師事し、2 人組バンド「Bialystocks(ビアリストックス)」のボーカルや作詞を担当。今年には小説家としてもデビューするなど、ジャンルを横断する活動で注目を受ける映画作家、甫木元空の公立美術館では初となる個展です。
② 出品作品は全て初公開の新作で構成。これまでの制作テーマを総括する展覧会
亡父が残したホームビデオを再編集した『終わりのない歌』(2014)、母が最期の日々を送った高知の実家が舞台となった『はだかのゆめ』(2022)などの監督映画にみられるように、甫木元はドキュメンタリーとフィクションを掛け合わせる手法によって「身近な人の不在/喪失」や「不在への向き合い方」といった普遍的なテーマを追求してきました。本展では、作家にとって初の試みとなる連作写真作品〈窓外〉のほか、新作のマルチチャンネルの映像インスタレーションを発表します。映画を表現の基軸に据える甫木元が、展示の枠組みを通じて記憶と記録の関係を問い直し、これまでの仕事に通底するテーマを総括します。
③ 甫木元の多岐にわたる活動を知ることができる、充実した関連イベント
作家本人によるトークイベントのほか、シンガーソングライターの前野健太とのライブ「はだかのまど」、極上の音響と音量で映画を上映する「爆音映画祭」などを実施予定。マルチに活躍する甫木元の表現を、さまざまな角度からお楽しみいただけます。

< 作家略歴 甫木元 空-ほきもと そら >
映画作家、音楽家、小説家。1992 年、埼玉県越生町生まれ、高知県四万十町在住。多摩美術大学映像演劇学科卒業。大学在学中に映画監督・青山真治の指導を受ける。2016 年、青山真治と仙頭武則の共同プロデュースにより、自身が監督、脚本、音楽をつとめた『はるねこ』で長編映画デビュー。『はるねこ』は全国劇場公開を果たし、第 46 回ロッテルダム国際映画祭コンペティション部門をはじめ国内外の複数の映画祭に招待された。21 年、すさきまちかどギャラリー/旧三浦邸(高知)で開催した初個展「その次の季節」で、高知在住のビキニ事件被害者に取材した映像インスタレーションを発表して話題となる。
また、2019 年にバンド Bialystocks を結成し、ボーカルや作詞などを担当。22年にメジャーデビュー作『Quicksand』をリリースする。本作が収録する楽曲「はだかのゆめ」を主題歌とする長編第 2 作『はだかのゆめ』が同年に公開。23年には同名の小説で小説家としてもデビューした。主な著作に、『その次の季節 高知県被曝者の肖像』(this and that、2022 年)、『はだかのゆめ』(新潮社、2023 年)がある。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上、ご観覧を。
[ 詳 細 : 高知県立美術館 ]  { 活版アラカルト  高知県立美術館  過去ログまとめ }