【展覧会】 明治の浮世絵師ー清親-光線画の向こうに 町田市立国際版画美術館

20160221173220457_0003 20160221173220457_0004 明治に活躍した浮世絵師、小林清親(1847-1915)は、光と影を印象的に表現した「光線画」と呼ばれる木版画のシリーズで知られます。
明治初期、赤や紫の合成染料を用いた、いわゆる「赤絵」のような派手な色づかいが大勢を占めるなかで、季節や天候の繊細な移ろいを淡い色彩で表現した清親の作品は、浮世絵に新たな風を吹き込みました。

空が赤らむ夕暮れ時や、街灯の灯りがにじむ雪夜の景など、光と影の巧みな操作で明治の空気感と人々の息づかいを今に伝えています。

清親は明治14年を境に、光線画の制作をやめ、風刺画や戦争画に取り組むようになります。「清親ポンチ」や「新版三十二相」シリーズでは、風刺を込めつつ人々の表情を豊かに描き分け、光線画とは異なる手法で人間像を捉えています。日清戦争、日露戦争に取材した戦争画では、光線画で築いた情趣溢れる光の表現を活かし、他の絵師との差異化を図っています。

本展覧会では、清親の没後100年を記念し、光線画に加えてこうした風刺画や戦争画の試みにも光を当てるとともに、町田市立国際版画美術館所蔵の光線画約90点を一堂に展示します。
さらには井上安治、小倉柳村、野村芳国ら、清親に影響を受けた絵師達にも着目し、画業を多角的に辿ります。
【 詳細 : 町田市立国際版画美術館