こどもとおとなのアツアツこうげいかん
Crafts Gallery for Kids x Adults:Heat and Pressure
From the museum collection
会 場 東京国立近代美術館 工芸館
会 期 2018年6月19日[火]-8月26日[日]
開館時間 10:00-17:00
* 入館時間は閉館30分前まで
休 館 日 月曜日(7月16日は開館)、7月17日[火]
観 覧 料 一般250円、大学生130円
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日常からスペシャルな場まで、気づけば私たちの日々はいつも工芸とともにあります。たとえばお気に入りの湯呑茶わん。立ちのぼる湯気を吹きながらお茶をすすれば人心地がつき、しっくりとなじむ肌合いもくつろぎの時間を演出します。
ありふれた情景に置かれたごく身近なもの。しかし、とりたてて疑問も抱かずに親しんできたそれには、なかに注いだお茶の数十倍もの温度をくぐりぬけた過程があります。そして窯-かま-のなかで焼くあいだも、その前の成形のときも、圧力に抗し、同時にその力をボディのうちに取り込んでいる。そんなことを感じながら手に取ると、今までよく知っていたはずのものごとがちょっと違って見えるかもしれません。
工芸制作の現場をのぞくと、この温度と力のかかり具合が決め手となっているものが少なくないのに気づきます。ジャパンブルーとも呼ばれる藍染-あいぞめ-の青を染めるには、藍の葉っぱを発酵させたスクモを使うのですが、発酵床の熱は70度以上になることもあるのだとか。また、染料液につける前に布の一部をギュッと押さえておくとさまざまな模様があらわれますが、これは絞り染と呼ばれる染め方で、正倉院宝物にも伝わる古い技法です。
いっぽう軽くて丈夫な白竹のカゴの色ツヤは、煮るか火であぶるかして油を抜き、そのうえ日光にさらして青から変化させた結果。なおも息づくしなやかさが許すギリギリまで、押し曲げては組んでいき、パン! と戻ろうとする力でお互いを押さえ込む、それがカゴといういれもの空間を作っているのです。
澄ました顔してそこにある工芸のなんとドラマチックなこと! 今回は「熱」と「圧」を切り口として、アツアツなのにクールな工芸観に迫ります。
【詳細: 国立近代美術館 工芸館 】