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【展覧会】東京都現代美術館|豊嶋康子 発生法 ─ 天地左右の裏表|’23年12月9日-’24年3月10日

豊嶋康子01 豊嶋康子02

東京都現代美術館
豊嶋康子
発生法 ── 天地左右の裏表
会  期  2023年12月9日[土]-2024年3月10日[日]
休  館  日  月曜日(1月8日、2月12日は開館)、12月28日-1月1日、1月9日、2月13日
開館時間  10:00 - 18:00(展示室入場は 閉館の30分前 まで)
会  場  東京都現代美術館 企画展示室 1F
      135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)TEL 03-5245-4111(代表)
      または ハローダイヤル(9:00-20:00 年中無休) 050-5541-8600
観  覧  料  一般 1,400円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 900円 / 中高生 600円 / 小学生以下 無料
      * 本展チケットで「MOTコレクション」もご覧いただけます。
      * チケット各種割引・優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照
協  力  株式会社フォレステクナ
主  催  公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
──────────────────────────豊嶋康子03 豊嶋康子04☆ 活版アラカルト掲載図版のほとんどは 図版画面をクリック or タップすると拡大表示されます ☆

豊嶋康子(とよしま やすこ 1967- )は、1990年より30年以上にわたって、私たちを取り巻くさまざまな制度や価値観、約束事に対して「私」の視点から独自の仕方で対峙し続けてきた作家です。物や道具の仕組み、学校教育、経済活動から日常の様々な行為まで、私たちに避けがたく内面化、自動化されてきた思考や行為の枠組みやルールを、自身の感じる違和感や関心を梃(てこ)として独自の仕方で読み替え、捉え返すことで、人の思考の型の形成、社会と自己の成り立ちの在り様を問うてきました。
豊嶋の制作は、1990年の《エンドレス・ソロバン》や《鉛筆》など、物の使用法や構造に従い、守りつつ攻めるといった方法で別様に展開、その機能を宙吊りにする作品に始まります。90年代後半からは、「表現」の領域を広く考察し、銀行での口座の開設や株式の購入、生命保険への加入といった社会・経済活動そのものを素材として用いて、特定のシステムの全体を「私」の一点から逆照射するような《口座開設》《ミニ投資》などを発表しました。2005年の《色調補正1》では、一般的に共有される色の体系を「私」の設定のもと、ひたすらに塗り替えることを試みています。作品それぞれの外観は幅広いものですが、それらはいずれも、いわゆる既成の仕組みや枠組み、順列などに対して、脈絡を守りつつ「私」を用いて別の見方を挿入し、本来の意味作用を逸脱させ、歪ませ、反転や空回りをさせることで、その構造と私たちの認識や体験の「発生」を捉えようとするものだといえるでしょう。〈ある順番に並べる〉(2014-2016)や〈隠蔽工作〉(2012)、一連の〈パネル〉(2013-2015)、〈地動説2020〉(2020)などは、こうした構造それ自体を抽象的に展開した作品と捉えることができそうです。順序や表/裏、支持体と図、天と地、作ると作らない…、こうした二項自体をずらし、重ね、また反転させ続け、複数の見方が現れる作品群が生み出されています。
本展は、こうした豊嶋の制作の全貌を、初期作品から新作まで400点近くを一堂に集め検証する初めての試みです。あまたある世の決まりごとに「私」を交差させる豊嶋の作品は、システムと不可分の存在であり続ける私たちに、多くの示唆を与えてくれます。「天地」や「左右」はどのようにして決まるのでしょうか?あるいは裏と表をひっくり返すことは?
自身の思考を素材とする一種の潔さとユーモアをもって、私たちをめぐる事物に対する「私」の応じ方をかたちにし、さまざまなシステムと「私」双方の「発生法」を捉えようとする豊嶋の制作は、私たちの思考や行為、そして自由の領域について、あらためて捉え返す契機を与えてくれるに違いありません。

< 作家プロフィール >
豊嶋康子(とよしま・やすこ)
1967年埼玉県生まれ。同地在住。
1993年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修士課程修了。1990年田村画廊にて初個展。その後、秋山画廊(東京)、M画廊(足利市)、ガレリア フィナルテ(名古屋)、Maki Fine Arts(東京)などで継続的に個展を開催。
近年の個展に、「公開制作27 豊嶋康子『色調補正』」(2005年 府中市美術館)、「資本空間 スリー・ディメンショナル・ロジカル・ピクチャーの彼岸vol.1」(2015年 ギャラリーαM)ほか。
グループ展に「ART TODAY 1990」(1990年 高輪美術館)、「傾く小屋」(2002年 東京都現代美術館)、「第9回恵比寿映像祭 マルチプルな未来」(2017年 東京都写真美術館)、「アッセンブリッジ・ナゴヤ2017」(2017年 旧・名古屋税関港寮)、「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」(2019年 国立新美術館)ほか多数。東京造形大学教授。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 東京都現代美術館 ]