【展覧会】渋谷区立松濤美術館|「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容|瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄|’23年12月2日-’24年2月4日|終了

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渋谷区立松濤美術館
「前衛」写真の精神 : なんでもないものの変容
瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄
会  期  2023年12月2日[土]- 2024年2月4日[日] * 会期中展示替えあり
入  館  料  一  般  800 円、 大学生  640 円、 高校生・60歳以上  400 円、 小中学生  100 円
      * 入館料のお支払いは現金のみとなっております。
      * 各種割引、優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照
会  場  渋谷区立松濤美術館
      150-0046 東京都渋谷区松濤2-14-14 TEL. 03-3465-9421
休  館  日  月曜日 (ただし、1月8日は開館)、12月29日[金]-1月3日[水]、1月9日[火]
開館時間  午前10時 - 午後6時  * 最終入館は閉館30分前まで。
特別協力  武蔵野美術大学 美術館・図書館
主  催  渋谷区立松濤美術館
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前衛の終わり。その一歩先へ!

美術評論家の瀧口修造(たきぐちしゅうぞう 1903-79)、絵画と写真で活躍した阿部展也(あべのぶや 1913-71)、そして写真家である大辻清司(おおつじきよじ 1923-2001)と牛腸茂雄(ごちょうしげお 1946-83)。この4人を結びつける、日本写真史における特異な系譜をご紹介します。
1930年代、海外のシュルレアリスムや抽象芸術の影響を受けて、日本各地に前衛写真が流行。東京では、瀧口や阿部を中心とする「前衛写真協会」が設立されます。技巧を凝らした新奇なイメージが珍重された前衛写真の風潮に満足しなかった瀧口は、「日常現実のふかい襞のかげに潜んでいる美」を見つめ、いたずらに技術を弄ぶべきではないと、熱狂に冷や水を浴びせかけます。しかし、太平洋戦争へと向かう時局において前衛写真が次第に弾圧の対象となっていくなか、この瀧口の指摘は一部をのぞいて十分に検討されることなく、運動は終局に向かいました。

戦後、個々人のなかに前衛写真の精神は継承され、特需景気、経済成長からその限界へとひた走る戦後の日本社会に反応し続けます。とりわけ、写真家としての出発点において瀧口と阿部に強く影響を受けた大辻と、「桑沢デザイン研究所」における大辻の教え子だった牛腸の二人は、時代に翻弄され移り変わる「日常現実」を批判的に見つめなおし、数々の名作を生み出しました。その写真には、反抗と闘争の60年代が過ぎ去った70年代、変容を遂げつつあった「前衛」の血脈が隠されています。
4人の精神があぶりだす、「なんでもないもの」の、とんでもなさ。どうぞ穴の開くほど、じっくりとご覧ください。
* 本展覧会の、今後の巡回はございません。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 渋谷区立 松濤美術館 ]  { 活版アラカルト 過去ログまとめ }
[ 参 考 : 活版アラカルト〔展覧会〕武蔵野美術大学 美術館・図書館|生誕100年 大辻清司|眼差しのその先 フォトアーカイブの新たな視座|’23年9月4日-10月1日|終了 ]