【展覧会】永青文庫|令和6年度初夏展 殿さまのスケッチブック|’24年4月27日-6月23日

20240318152643_00001 20240318152643_00002

永青文庫
令和6年度初夏展 殿さまのスケッチブック
会  期  2024年4月27日[土]- 6月23日[日]
      * 会期中、一部場面替えをいたします。
      前 期:4月27日- 5月26日、後 期:5月28日- 6月23日
開館時間  10:00 - 16:30 (入館は 16:00 まで)
休  館  日  月曜日(ただし2/12 は開館し、2/13 は休館)
会  場  永青文庫
      〠 112-0015 東京都文京区目白台1-1-1 TEL:03-3941-0850
入  館  料  一 般:1000円、シニア(70歳以上):800円、大学・高校生:500円
      * 中学生以下、障害者手帳をご提示の方及びその介助者(1名)は無料
特別協力  熊本大学附属図書館、熊本大学薬学部薬用植物園、熊本県立美術館、熊本博物館、
      ホテル椿山荘東京
主  催  永青文庫
────────────────────
日本の博物学は、中国の薬学・博物学である「本草学」の影響を受けて発達し、18世紀には「博物趣味」に熱中する大名が多く現れました。その先駆けの一人が細川家熊本藩6代藩主の重賢(しげかた、1720~85)です。重賢は、熊本藩の藩政改革や産業奨励、藩校時習館、医学校再春館、薬草園蕃滋園の設立などを行って「肥後の鳳凰」と称される一方、動物、昆虫、植物などに強い関心を示しました。参勤交代の途次では植物採集にいそしみ、精緻な博物図譜を作らせています。図譜に掲載された多様なスケッチは驚くほど細かく描き込まれており、自然に対するひたむきな情熱と好奇心が感じられます。
永青文庫では1991年に「殿様の博物学」展を開催し、所蔵する図譜を多く公開しましたが、本展はそれ以来33年ぶりとなります。細川家の殿さまが見た「リアル」が写された「殿さまのスケッチブック」をご覧ください。

細川重賢(ほそかわ しげかた 1720-85)
細川家熊本藩6代藩主の細川重賢は、4代藩主宣紀(のぶのり)の5男として江戸に生まれました。延享4年(1747)に藩主となりますが、熊本藩の財政は窮乏しており、藩政改革を進めることになります。重賢は自ら粗衣粗食を率先し、税制や刑法を改正し、行政機構を見直し、産業を奨励しました。そのような藩政で名君と称えられる一方、博物学に没頭し、多くの博物図譜を作らせました。

※ 状況により、臨時に休館や開館時間の短縮を行う場合がございます。
※ ご来館にあたって事前予約は必要ありませんが、混雑時はお待ちいただく場合がございます。
※ 同館の感染症予防対策については、公式ウェブサイトをご覧ください。
[ 詳 細:永青文庫  永青文庫感染症対策 ]

◉ 永青文庫とは
永青文庫は、肥後熊本54 万石を治めた細川家の下屋敷跡にある、東京で唯一の大名家の美術館です。細川家は南北朝時代の頼有(1332~91)を始祖とし、近世細川家の初代藤孝(幽斎、1534〜1610)と2 代忠興(三斎、1563〜1645)が大名家の礎を築き、3 代忠利より240 年にわたって熊本藩主をつとめました。永青文庫の名称は、中世細川家の菩提寺である建仁寺塔頭・永源庵の「永」、初代藤孝の居城・青龍寺城の「青」に由来します。所蔵品は、細川家伝来の美術工芸品や歴史資料、そして設立者である16 代細川護立(1883~1970)の蒐集品で、国宝8 件・重要文化財35 件を含む9 万4000 点にのぼり、テーマごとに展覧会を開催しています。永青文庫の建物は、昭和5 年(1930)に建てられた細川家の家政所(事務所)を展示施設としたものです。

◉ 博物図譜とは
博物趣味の大名の先駆けとなったのが、熊本藩の細川重賢と高松藩の松平頼恭(よりたか 1711-71)です。重賢と頼恭は、採集・飼育した動植物を彩色で写生し、その情報をメモした「博物図譜」作りに熱中しました。博物趣味の大名たちは写生図の貸し借りを行い、お互いに写しを作ることも行いました。大名たちの作った博物図譜は、各地の博物館などにも残されています。

◉「毛介綺煥-もうかいきかん」
「毛・介」の文字には動物・貝類、「綺・煥」にはうつくしい・光かがやくさま、という意味があります。哺乳類や爬虫類、魚類などの様々な動物が、名称、年月日、場所とともに記録されています。インパクトのあるアサヒガニの描写が有名で、書籍などでも多く紹介されてきました。絶滅したといわれるニホンオオカミには、宝暦8年(1758)の年記とともに、胴や顔、足の長さが記録されていることも貴重です。
   
◉「昆虫胥化図-こんちゅうしょかず」
昆虫が幼虫から蛹になり、羽化して成虫になる様子を、日付とともに緻密に描いた日本初の昆虫生態記録です。幼虫の食べる草も合わせて描かれており、種を判定する重要な情報になっています。虫かごの網が描かれている図もあり、重賢が飼育・観察させていたと考えられます。

< 展覧会のみどころ >
1.33年ぶり!永青文庫の所蔵する博物図譜の全容を大公開
永青文庫の博物図譜は、熊本大学附属図書館や熊本県立美術館などで度々紹介されてきました。永青文庫では1991年の「殿様の博物学」展以来、33年ぶりに全20件の博物図譜を展示します。
2.迫真の描写の「毛介綺煥(もうかいきかん)」全場面を一挙に展示
特に有名な「アサヒガニ」「ニホンオオカミ」の図を含む裏面は前期、「ヤマネ」「アナグマ」の図を含む表面は後期に全場面を広げて展示します。哺乳類や魚介類など様々な図を通覧できる初めての機会です。
3.展覧会場では実物の動植物の写真も紹介
図譜の描写と比較して見ることができます。

※ 状況により、臨時に休館や開館時間の短縮を行う場合がございます。
※ ご来館にあたって事前予約は必要ありませんが、混雑時はお待ちいただく場合がございます。
※ 同館の感染症予防対策については、公式ウェブサイトをご覧ください。
[ 詳 細:永青文庫  永青文庫感染症対策 ]