【展覧会】平塚市美術館|平野杏子展-生きるために描きつづけて HIRANO Kyoko – A dedicated life for painting|’24年4月6日ー6月9日|開幕壹箇月再紹介

平塚市美術館A 平塚市美術館B

平塚市美術館
平野杏子展-生きるために描きつづけて
HIRANO Kyoko – A dedicated life for painting
会  期  2024年4月6日[土]ー 6月9日[日]
休  館  日  月曜日(ただし4月29日、5月6日は開館)、4月30日[火]、5月7日[火]
開館時間  9時30分 - 17時(入場は 16時30分 まで)
会  場  平塚市美術館 展示室1
      〠 254-0073 神奈川県平塚市西八幡1-3-3 電話:0463-35-2111
観  覧  料  一 般 800円 / 高大生 500円 / 中学生以下無料
      * チケット各種割引・優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照
主  催  平塚市美術館
────────────────────平塚市C☆ 活版アラカルト掲載図版のほとんどは 図版画面をクリック or タップすると拡大表示されます ☆

平野杏子は1930年に伊勢原市に生まれ、戦後1954年から平塚市に住む洋画家です。平野は共立女子専門学校在学中に師事した長屋勇のもと旺玄会展に出品、受賞を重ねます。女性作家が稀であった時期であり、結婚、出産、育児と制作の両立という課題に向き合いながら、描くことはそのまま生きることであり、常に絵筆を握る生活をつづけました。
40歳代になると充実した画境を迎え、華厳経の世界観に触発された幻想的な大作を総合美術展「潮」に発表。こうした作品には平塚・出繩に構えたアトリエの幻想的な自然の印象も反映し、画業の一つの頂点となりました。女性作家9人によって結成された潮展のほか現代女流画家展などでも大きな役割を果たし、女性が活躍する先駆けとなって画業を切り拓きました。あわせて韓国慶州、南山の取材で邂逅した磨崖仏に新羅時代の石匠による美の淵源を探り、代表作《磨崖仏讃》シリーズへ結実させました。
平野杏子の画業は具象から抽象、平面から立体まで多彩ですが、《磨崖仏讃》に見られる原初的な風土や歴史への興味は、故郷伊勢原の大山信仰や出土品、遺跡に惹かれた幼少期から一貫するもので、多くの作品を特徴づけています。
1980年代には、かねてから交流のあったサロン・ド・メに招待出品するほか、内外での取材や各地での発表など、90歳代となった現在も活き活きと新たな画境を求めて制作する姿勢からは、現代の長寿社会のなかでいかに生きるかをわれわれに示しているように感じます。地元平塚に目を向ければ、平塚市総合公園にモニュメント『トキオコシ』(1990年)が設置され、多くの人々に親しまれています。アトリエには近隣の画家や評論家が集い、その交流は平塚の文化振興の原動力となりました。
本展は県内美術館では平野杏子の17年ぶりの本格的な回顧展であり、その代表作や初公開の作品を含めたおよそ60点により70年あまりの画業を振り返ります。

展覧会のみどころ
1.平塚を代表する女性作家、17年振りの紹介
平野杏子(1930-伊勢原生まれ)は、およそ70年間平塚に住み、現在も第一線で活躍する地元作家です。本展では作家の70年余に及ぶ画業のうち、結婚や子育てをへて画風を確立し、密度のある大作を手掛けた60年代以降の作品から新作にいたる作品およそ60点を紹介します。当館での本格的な展示は17年振りとなります。
2.なぜ、今「平野杏子展」なのか
作家は長い画業のなかで多彩な画風を変遷させています。ただそのなかで一貫しているのは、平塚や湘南の地に太古から息づく風土を見いだし、普遍的な哲学や造形思想を加えながら表していることです。うつろいやすく人間関係が希薄になっているポストコロナの現代にあって、実際に自ら感じ、地に足をつけて描く作家のまなざしは貴重で、描くことのよろこびが伝わってきます。
3.美術関係者との幅広い交流の紹介
戦後、平野杏子と美術関係者との幅広い交流によって、平塚が湘南文化の揺籃の地となった知られざる歴史があり、その輪のなかに美術史家の竹田道太郎や藤田経世、日本画家・工藤甲人らがおり平塚の文化をより豊かなものにしてきました。こうした動向を改めて紹介することによって、現代の平塚の地を舞台に交流し、生き、描いた軌跡を振り返ります。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 平塚市美術館