【展覧会】練馬区立美術館|三島喜美代 ― 未来への記憶|’24年5月19日-7月7日|終了

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練馬区立美術館
三島喜美代 ― 未来への記憶
会  期  2024年5月19日[日]- 7月7日[日]
休  館  日  月曜日
開館時間  10:00-18:00  * 入館は 17:30 まで
観  覧  料  一 般 1,000円、 高校・大学生 および 65-74歳 800円
      * 中学生以下および75歳以上 無料
      * 同館は事前予約制ではありません。当日チケットカウンターでお求めください。
      * 各種割引、優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照。
アクセス  練馬区立美術館
      〠 176-0021 東京都練馬区貫井1-36-16 TEL 03-3577-1821
      西武池袋線中村橋駅下車 徒歩3分 ▶ 詳しくは こちら をクリック!
協  力  株式会社東横イン/株式会社ギャラリー1045
主  催  練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)
──────────────────────20240409180455_00019☆ 活版アラカルト掲載図版のほとんどは 図版画面をクリック or タップすると拡大表示されます ☆

三島喜美代(1932- )は、絵画を出発点に現代美術家としての活動を1950年代にスタートさせました。60年代には新聞や雑誌などの印刷物をコラージュした作品やシルクスクリーンを用いた平面作品を制作していましたが、70年代に入ると表現媒体を一転、シルクスクリーンで印刷物を陶に転写して焼成する立体作品「割れる印刷物」を手掛け、大きな注目を集めます。日々発行され、膨大な情報をあふれさせる印刷物と、硬く安定しているかに見えながら、割れやすく脆い陶という素材を組み合わせることで、氾濫する情報に埋没する恐怖感や不安感が表現されました。
しかし、大量の新聞や雑誌がすぐに消費されてゴミとなるように、情報からゴミへと三島の問題意識も次第に移っていき、空き缶や段ボールなど身近なゴミを題材に陶で再現した作品、産業廃棄物を高温で処理した溶融スラグを素材とする作品を発表しました。近年は、自ら集めた鉄くずや廃材を取り込んだ作品制作も行っています。

本展覧会は、70年にわたる三島の創作の軌跡を、主要作品を通して概観するものです。大量消費社会や情報化社会へ厳しい視線を投げかけつつも、情報やゴミを異化作用を通して造形表現へと転化させた三島作品は、日々の暮らしの中から遊び心をもって生み出されてきました。
会場では、初期のコラージュ作品から、「割れる印刷物」のオブジェの数々、環境に配慮した素材による近作などが並ぶなか、ハイライトとして三島の代表作であり、最大規模のインスタレーション作品 ≪20世紀の記憶≫ を展示します。ぎっしりと床に敷き詰められた大量の耐火レンガ・ブロックから成るこの作品は、各レンガの表面に三島が20世紀の100年間から抜き出した新聞記事が転写され、文字通り20世紀の記憶の断片を視覚化するとともに、その時代に向き合った彼女自身の記憶が刻まれているように思われます。三島が作品に刻印した20世紀の記憶を、来るべき未来への記憶として改めて受け止める機会となれば幸いです。 

三島作品は、国内外の多くの美術館に収蔵されていますが、特に2020年以降に受賞や展覧会が相次ぎ、国内はもとより海外からの評価も近年急上昇しています。本展は、そうした流れのなかでの、東京の美術館における初の個展となります。
展覧会を通して、三島が社会の現実を見つめながら、情報とゴミの問題をテーマに一貫して追い求めてきた作品世界の全貌を明らかにし、その魅力と実像に迫ります。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 練馬区立美術館 ]

<本展のみどころ>
1 代表作《20世紀の記憶》をフルスケールで展示
《20世紀の記憶》(1984-2013年)は、三島の代表作にして最大規模のインスタレーション作品です。床に敷き詰められた中古の耐火レンガは1万個を数え、表面には20世紀の100年間の新聞記事が転写されています。その圧倒的なスケールと、戦災とも情報洪水の果てともとれる廃墟のような光景は、言葉を失うほどに衝撃的です。1984年に制作が開始され、制作過程での部分的展示を経て、2014年にART FACTORY城南島において完成作が披露されました。それ以降、同地で常設展示が続けられてきましたが、このたび株式会社 東横インのご厚意により城南島を初めて離れ、当館にてフルスケールによる展観を行います。
2 平面から立体へ、「知られざる」絵画作品を一堂に
新聞やチラシ、コミック・ブックなどを陶を用いて立体化する作品を手がける作家としてのイメージが定着している三島ですが、その出発点が絵画であったことはあまり知られていません。本展では、1950年代の油彩画、1960年代以降の新聞や雑誌などをコラージュした作品、シルクスクリーンの技法を取り入れた作品など、創作活動の初期に取り組んだ平面作品を一堂に紹介します。三島は1970年頃に陶を使った立体作品へと表現媒体の転換をはかりますが、初期の平面作品で試みた技法が立体作品のベースとなっており、両タイプの作品が基底においてつながっていることが判ります。
3 東京の美術館では初の個展
三島は現代美術家として70年にわたるキャリアを誇り、その作品は日本国内はもとより海外の美術館にも広く収蔵されていますが、意外なことに、昨年秋の岐阜県現代陶芸美術館における展覧会が最初の美術館における個展となりました。本展は、東京の美術館で開催される初の三島の個展です。初期の油彩画や、新聞、雑誌等をコラージュした前衛的な絵画から、陶にシルクスクリーンで印刷物を転写した多様な立体作品、大型インスタレーション、産業廃棄物を素材に取り込んだ近作まで約90点の作品を通して、これまでの三島の創作活動を振り返ります。
<会期中のイベント>
講演会や鑑賞プログラム、ワークショップなど、各種イベントを開催します。
イベントの詳細は後日発表いたします。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 練馬区立美術館