林 昆範氏講演 『中国の古典書物』 余 話

崔護『都城南荘』人面_花牡丹 人面_花蓮華

DSCN4963 DSCN4970 DSCN5063 DSCN4984────────────
タイポグラフィ講演会 『中国の古典書物』増刷版 刊行記念講演会
講  師 : 林 昆 範 リン・クンファン
日  時 : 2014年07月02日[水]

林 昆範さん<タイポグラフィ講演会 『中国の古典書物』増刷版 刊行記念講演会>には、ご来場、ご協力をいただきありがとうございました。 ご来場の皆さまの楽しそうな笑顔を拝見してうれしくおもいました。これもすべて、林 昆範さんをはじめ多くの皆さまのおかげでした。心からのありがとう!

ところでテキストもみずに、林 昆範さんがすらすらと竹簡に書いていた唐詩です。
朗文堂でのリハーサルの際に「この詩はたれの作ですか」と林 昆範さんに質問しました。
「著名な唐詩です」
林 昆範さんとはおよそ七年間にわたって毎週一緒にまなんできた仲ですから、こういうぶっきらぼうな返答のときは、自分で調べよということです。
なにしろ無学なもので、その詳細をしらず、口惜しいのでのちに調べました。
この詩はわが国でも禅宗の僧侶などが好んで書く唐詩で、わが国ではすこし変化して、ひろくは以下のようにして知られるものでした。
「年々歳々、花相似たり、年々歳々、人相同じからず。油斷をすれば人に笑はるゝぞ」

詩の作者は崔護サイゴ:唐代のひとです。貞元12年(796)の進士(最高官吏登用試験合格者)。あざなは殷功インコウ。 博陵(現・河北省定県)のひと。
この淡い恋をえがいた詩の事件は、『太平廣記・巻第二百七十四・情感』に録されています。

こんな詩をスラスラと書けるなど、うらやましいかぎりです。 上掲図は、漢王朝の代表書体:隷書(花牡丹)と、唐王朝の代表書体:楷書(花蓮華)で組版追試にあたったものです。書体をかえただけでずいぶん詩の響きがことなるようにおもわれました。

ところでこの唐詩は、台湾の歌姫としてしられたテレサ・テンも、「人面桃花」と題して歌っていたそうです。台湾ではおなじみのようでした。
「人面桃花」、「崔護」で検索すると、画像集もふくめてたくさんの資料に出会えます。
まず、<崔護 人面桃花 ウェブ> からお楽しみください。また<崔護 人面桃花 画像集>もお楽しみいただけます。
あるいはまた<中国版百度百科:崔護 人面桃花 画像集>には、わが国の櫻花にも似て、桃花をめでる中国の画像が楽しめます。

DSCN5081 DSCN5073 DSCN5084 DSCN5082 DSCN5084 DSCN5089 DSCN5095 DSCN5127 DSCN5130 DSCN5097 DSCN5132 DSCN5098