国立民族学博物館
みんぱく創設50周年記念企画展
客家と日本 ―― 華僑華人がつむぐ、もうひとつの東アジア関係史 関連
みんぱく映画会 一八九五
開催日時 2024年9月8日[日] 13:30-16:15(開場13:00)
会 場 国立民族学博物館 みんぱくインテリジェントホール(講堂)
〠 565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1
TEL: 06-6876-2151(代表) FAX : 06-6875-0401
申 込 事前申込制(先着順)
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* オンライン(ライブ配信)はありません。
定 員 350名(当サイトでのご案内遅延をお詫びいたします)
定員に達しましたので申込受付は終了いたしました。キャンセル待ちは受け付けて
おりません。ただし受付期間内に予約システム上でキャンセルがあれば、残席が発
生する場合があります。イベント予約サイト でご確認ください。
協 力 台北駐日経済文化代表処台湾文化センター 青睞影視 范健祐
共 催 人間文化研究機構グローバル地域研究プログラム「海域アジア・オセアニア地域研究」
(東京都立大学拠点)
主 催 国立民族学博物館
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華僑華人の一派に客家〔 編集/ウィキペディア:客家(はっか、Hak-kâ) Google:客家画像一覧 〕と呼ばれる人びとがいます。客家は世界各地に居住し、政治・経済・文化など各方面で成功を収めてきたため、中国地域では「東洋のユダヤ人」と呼ばれることもあります。19世紀後半以降、客家は日本と密接な関係を築きあげてきました。特に1895年に日本が台湾を植民地とすると、台湾の客家にとって日本は身近な存在になります。また、一部の客家は台湾などから日本へ移住し、団体をつくり、暮らしています。客家と日本の関係に焦点を当てることで、これまであまり知られることのなかった東アジア関係史の一面を探ります。
◉ 上映作品 ◉
「一八九五」
日本による植民地化が始まる1895年の台湾を舞台に、客家をはじめとする台湾住民が日本軍に抵抗した状況が、当時軍医として現地に滞在していた若き文豪・森鷗外の視点で語られていきます。
2008年 / 台湾 / 客家語・サイシャット語・日本語・閩南語 / 110分 / 日本語字幕付き
【監督】洪智育(ホン・ジーユィー) 陳義雄(チェン・イーション)
◆ 映画解説
19世紀末、日本が台湾に攻め込んだ時、それに対して立ち上がった地元の義勇軍による抵抗戦争(乙未(いつび)戦争)を描いた作品。義勇軍の総統である呉湯興(ごとうこう)とその家族を中心とする客家に焦点が当てられている。日清戦争で清が日本に敗れると、1895年の下関条約で台湾が日本に割譲されることになった。その報を受けて、革命リーダーである丘逢甲(きゅうほうこう)は、日本の植民地化に反対して独立を宣言し、台湾各地の郷士たちに抗日義勇軍の結成を呼びかけた。
その要請に応じて義勇軍の総統に選ばれたのが、台湾北部の苗栗(びょうりつ)にいた呉湯興であった。呉湯興は、家族の反対を受けながらも、客家を中心とした義勇軍を結成し、抗日ゲリラの準備を進める。客家義勇軍は、閩南(びんなん)人(ホーロー人)や原住民の援軍を得てゲリラ戦を展開し、北白川宮能久親王を司令官とする日本軍に攻撃をしかける。ところが、戦局が長引くにつれ、義勇軍は食糧不足などにより力尽きる。
本作品は、日本帝国軍による台湾接収の歴史を、北白川宮能久親王にともなって台湾に上陸した若き日の森鷗外の視点から描いている。また、客家語を中心に、日本語、閩南語、サイシャット語など、多言語で展開されるストーリーも見逃せない。(河合洋尚)
◆ 客家について
客家は、世界最大の民族である漢族の一集団である。一般的な歴史によると、古代王朝の所在地である中原(ちゅうげん)(北方)の民であり、戦乱を逃れるために華南地方の山岳地帯に移住した。さらに華南地方から世界各地に移住し、華僑・華人の主要な集団の一つとなった。
そのうち、一部の客家は、清代に特に広東省から台湾に移住し、桃園(とうえん)、新竹(しんちく)、苗栗などの地に定住した。
現在、台湾では、同じ漢族である閩南人が大半を占めるが、約15%の客家が居住している。客家は、他の漢族とは異なる「独特の」言語・文化をもつといわれる。また客家には「特有の」パーソナリティがあるともいわれる。客家は、質素・倹約を好み、愛国意識が強く、洪秀全(こうしゅうぜん)や孫文や丘逢甲のような革命リーダーを輩出してきた、というものである。こうした客家をめぐるイメージは、本作品でも顕著に表されている。(河合洋尚)
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[ 詳 細 : 国立民族学博物館 ]