タグ別アーカイブ: ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

【展覧会】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション|南桂子銅版画展 ― 春|’24年3月9日-5月19日

2024_minami_omote (002) 2024_minami_spring_ura (002)

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
南桂子銅版画展 ― 春
会  期  2024年3月9日[土]- 5月19日[日]
会  場  ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
      〠 東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7
      Tel:03-3665-0251 Fax:03-3665-0257
開館時間  11:00-17:00(土日祝 10:00-17:00) * 最終入館 16:30
      《ナイトミュージアム》
      会期中の第 1・3 金曜日は 20:00 まで開館、最終入館19:30
休  館  日  月曜日
入  館  料  大 人 600 円、 大学生・高校生 400 円、 中学生以下 無 料
──────────────────────
銅版画家・南桂子(1911-20041)は富山県に生まれ、高等女学校時代から絵画や詩作を試み、のちに20世紀を代表する銅版画家となる浜口陽三との出会いをきっかけに、1953年に渡仏、銅版画の世界で作品を作り続けました。
南桂子の作品は、透明感のある色で溢れています。緑色1 つにとっても、生命力溢れる木の緑や、あたたかな背景の緑など細部まで気配りを感じます。
草木の芽吹く季節、優しい色彩の作品を中心に約50点展示します。
移りゆく世界の中で変わらない色をゆっくりとご鑑賞ください。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧ください
[ 詳 細 : ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

【展覧会】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション|浜口陽三展 3つの小説で出会うメゾチント|’23年11月25日-’24年2月25日|終了

20231024183009_00007 20231024183009_00008

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
浜口陽三展 3つの小説で出会うメゾチント
会  期  2023年11月25日[土]- 2024年2月25日[日]
開館時間  11:00-17:00(土日祝 10:00-17:00) * 最終入館 16:30
      《ナイトミュージアム》
      会期中の第 1・3 金曜日は 20:00 まで開館、最終入館19:30
休  館  日  月曜日
入  館  料  大 人 600 円、 大学生・高校生 400 円、 中学生以下 無 料
──────────────────────
浜口陽三(1909-2000)は、20世紀後半に活躍した芸術家です。カラーメゾチントという新しい技法を開拓し、柔らかな奥行と静けさのある色彩表現を生み出しました。
銅版画の中でも、とりわけメゾチントは、日本でなじみが薄い技法の一つですが、一度目にすると忘れられない独特の風合いがあります。
この展覧会では浜口陽三の作品と共に、メゾチント作品を題材にした小説を紹介します。イギリスの作家、モンタギュー・ローズ・ジェイムズ(1862-1936)の怪談『銅版画』、北村薫(1949- )の時をめぐるSF小説『ターン』、歌人でもある塚本邦雄(1920-2005)の絢爛な短編小説『七星天道虫』です。
版画作品は、それぞれの時代の空気を帯びて、小説の中にかけがえのない存在感を放ちます。文学におけるメゾチントの感触を、浜口陽三のメゾチント作品と共にご鑑賞ください。

< 浜口陽三について >
浜口陽三は、1909年にヤマサ醤油株式会社の先々代の社長、濱口儀兵衛の三男として和歌山県に生まれました。生家は、1645年以来お醤油造りを続けてきましたが、陽三は家業を離れて東京美術学校(現東京藝術大学)の彫塑科に入学しました。1930年には大学を中退してパリに渡り、油彩、水彩、銅版画など幅広い創作活動を行います。
第二次世界大戦により帰国し、戦後の1948年頃から本格的に銅版画の制作を始めます。1953年に再び渡仏し、1955年頃からカラーメゾチントという銅版画技法を独自の解釈から開拓しました。以来1957年のサンパウロ・ビエンナーレ版画国際部門での最優秀賞受賞をはじめ多くの国際美術展で受賞を重ね、世界を代表する銅版画作家の一人として広く知られるようになりました。1981年にはサンフランシスコに移り住み、それから15年間制作を続け、1996年に帰国、2000年に逝去しました。高度な技術から生まれる繊細で静謐な作風は、他の追随を許さず、高い評価を獲得しており、エンサイクロペディア・ブリタニカの「メゾチント」の項目では、「カラーメゾチントの新しい版画技法を開拓した作家」と紹介されています。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧ください
[ 詳 細 : ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

【展覧会】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション|2023年 夏のコレクション展|南 桂子 銅版画展 ─ 静かな王国|’23年5月27日-8月6日|終了

2023_minami_chirashi_omote 2023_minami_chirashi_ura

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
2023年 夏のコレクション展
南桂子 銅版画展 ── 静かな王国
会  期  2023年5月27日[土]-8月6日[日]
開館時間  11:00-17:00(土日祝 10:00-17:00) * 最終入館 16:30
      《ナイトミュージアム》  会期中の第 1・3 金曜日
      *は 20:00 まで開館、最終入館19:30(*6/2、 6/16、 7/7、 7/21、 8/4) 
休  館  日  月曜日 * ただし 7/17[祝]は除く、7/18[火]
入  館  料  大 人 600 円、 大学生・高校生 400 円、 中学生以下 無 料
──────────────────────
20 世紀後半、日本人女性としては、いちはやく銅版画の可能性を見つけ、パリで制作し
南 桂子(1911- 2004)の展覧会です。
富山県高岡に生まれ、幼少の頃から絵を描いていた桂子は、戦後東京に出て油彩画を
団体展に発表し、さらにパリに渡ると、銅版画家として頭角を現しました。
南桂子のモチーフは約40年間、ほとんど変わりませんでした。
鳥、少女、一本の木。
自分の足でひとり立ち、或いはたたずみ、透明感に満ちた世界にいます。
絵の中には孤独と、それをくぐりぬけた幸福が、穏やかに調和しているかのようです。
銅版画の肌合いは、この静かな世界を表現するのにふさわしく、
やさしさ、さびしさ、あこがれ、希望が、
淡い色彩として光の粒子のようにちりばめられています。
作品をめぐる、つかの間の一人旅。
南 桂子 約45点、浜口陽三 約10点の銅版画をご鑑賞ください。

※ 下掲詳細をご確認の上ご観覧ください
[ 詳 細 : ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション ]

【展覧会】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション|柔らかな光と闇 ~浜口陽三とフランス文学者、柏倉康夫氏との対談より~|’23年2月11日-5月7日|終了

やまさ01 やまさ02浜口陽三の世界
柔らかな光と闇  ~浜口陽三とフランス文学者、柏倉康夫氏との対談より~
会  期  2023年2月11日[土・祝]- 5月7日[日]
会場住所  103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7
      Tel:03-3665-0251 Fax:03-3665-0257
開館時間  11:00-17:00 土日祝は10:00-(最終入館閉館 30分前)
      〈ナイトミュージアム〉毎月第1・3金曜日 20:00まで開館
入  館  料  大人 600円 大学、高校生 400円 中学生以下 無料
────────────────────
浜口陽三は2 0 世紀後半を代表する銅版画家です。この展覧会は、本人の回想をもとに、創作の秘密の一端をひもときます。
1930年、浜口は東京美術学校の彫塑科を退学し、国際芸術都市パリに赴きました。その地で油彩画や水彩画を試みますが、第二次世界大戦勃発のためやむなく帰国し、戦後、4 0 歳を過ぎる頃、はじめて銅版画に本格的に取り組みはじめます。その後、再びパリに渡ると版画家としての道を一気に切り開きました。生前、自作について饒舌には語らなかった浜口陽三ですが、1987年、東京で行われたインタビューの朗らかな対話からは、静かな作品が、いつも柔らかな発想と探究心に支えられていたことが浮かび上がってきます。聞き手は、NHK特派員として7年間パリに住み、作家と交流のあったフランス文学者、柏倉康夫氏です。
11年前に展覧会でとりあげたインタビューを、その後、発見された作品や資料を加え、新たな角度から紹介します。

柏倉康夫
1939年東京生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。NHK解説主幹。京都大学大学院文学研究科教授を経て、放送大学教授・副学長・付属図書館長。現在同大学名誉教授。京都大学博士(文学)。フランス共和国国家功労勲章シュバリエを叙勲。
主な著訳書に、『生成するマラルメ』(青土社、2005年)、『評伝 梶井基次郎 ― 視ること、それはもうなにかなのだ』(左右社、2010年)、『思い出しておくれ、幸せだった日々を 評伝ジャック・プレヴェール』(左右社、2011年)、ジャン=リュック・ステンメッツ『マラルメ伝―絶対と日々』(共訳、筑摩書房、2004年)、ステファヌ・マラルメ『詩集』、『賽の一振り』(共に月曜社、2018年、2022年)など

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参観を。
[ 詳 細 : ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション ]

【展覧会】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション|2023年 秋のコレクション展|光へ漕ぐ舟 ~ 手から生まれるはるかな広がり ~ 浜口陽三と桑原弘明、高島進、前田昌良|’23年8月26日-11月19日|終了

2023_autumn_chirashi_omote2023_autumn_chirashi_ura

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
2023年 秋のコレクション展
光へ漕ぐ舟 ~ 手から生まれるはるかな広がり ~ 浜口陽三と桑原弘明、高島進、前田昌良
会  期  2023年8月26日[土]- 11月19日[日]
開館時間  11:00-17:00(土日祝 10:00-17:00) * 最終入館 16:30
      《ナイトミュージアム》  会期中の第 1・3 金曜日
      *は 20:00 まで開館、最終入館19:30(*6/2、 6/16、 7/7、 7/21、 8/4) 
休  館  日  月曜日 * ただし祝日の 9/18 、10/9は開館) 、9月19日[火]、10月10日[火]
入  館  料  大 人 600 円、 大学生・高校生 400 円、 中学生以下 無 料
──────────────────────
浜口陽三の銅版画の前に立つと、色の柔らかさと静けさに包みこまれます。
その浜口陽三作品と共に、現代において繊細で澄んだ表現を追う作家三人を紹介します。
手に包めるようなスコープの中に、静かな世界をつくる美術家・桑原弘明。主観を排除し、
素材と道具のためのドローイングを続ける高島進。
小さな動く彫刻に、純真な夢を込める前田昌良。

小さな形や微かな線が遥かな広がりを内包します。
地平から空へ永遠へといざなう、四人の作品世界をご鑑賞ください。
展覧会の顧問として、美術史家の矢内みどりさんをお招きしました。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧ください
[ 詳 細 : ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

【展覧会】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション|2022年 秋の展覧会 瞳に映るファンファーレ ー|浜口陽三の銅版画と川瀬巴水をはじめとした新版画 ー|’22年10月29日-’23年1月29日

やまさ001 やまさ02

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション 2022年 秋の展覧会
瞳に映るファンファーレ
ー 浜口陽三の銅版画と川瀬巴水をはじめとした新版画 ー
会  期  2022年10月29日[土]- 2023年1月29日[日]

開館時間  11:00 - 17:00(土日祝 10:00- )最終入館 16:30
休  館  日  月曜日(ただし 1/9 は開館)、12/26[月]-1/6、1/10[火]
      《ナイトミュージアム》 会期中の第 1・3 金曜日
      (11/4、11/18、12/2、12/16、1/20)は 20:00 まで開館、最終入館 19:30
入  館  料  大 人 600 円、大学生・高校生 400 円、中学生以下 無 料
会場住所  103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7
      Tel:03-3665-0251 Fax:03-3665-0257
──────────────

浜口陽三は、20世紀を代表する銅版画家の一人です。銅版画の技法カラーメゾチントを開拓し、世界的に活躍しました。
本展では浜口陽三の銅版画とともに収蔵品から風景を中心とした「新版画」30点を紹介します。版画は描いただけでは完成しません。描く、彫る、刷るという工程を重ね、長い時間をかけて1つの作品を生み出します。
手仕事から生まれた端正な作品は、静かな調和をたたえ、音楽を聴いた後のように、気持ちを楽しませてくれます。作品が謳いあげる、何気ない風景の中の一場面や日常は、普段私たちが見過ごしてしまう隠れた美しさを気づかせてくれるかもしれません。うけとめるように絵の前に立てば、感動に満ちた世界のはじまりを告げる音が聴こえてくることでしょう。深く澄んだ銅版画と、典雅な木版画の饗宴です。いつまでも続く作品の余情をご堪能ください。

〇 浜口陽三のカラーメゾチント作品
柔らかな色のニュアンスあふれる独自の作風は、銅の板を気の遠くなるほどの時間をかけて繊細に彫り上げることによって生まれます。
黄、赤、青と黒の4版を作り、4回プレス機にくぐらせます。

〇 新版画とは
浮世絵の伝統を汲みつつ、近代日本の絵画の美意識を盛り込み、明治大正、昭和初期まで発達をとげた木版画。
絵師、彫師、摺師の分業によって制作された、その時代の「新しい版画」です。本展では、一人のコレクターの目を通して蒐められた、鏑木清方門下を中心としたの画家の手による、静かで気品溢れる作品が並びます。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参観を。
[ 詳 細 : ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

【展覧会】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション|南 桂子展 透き通る森|’22年7月16日-10月23日

ヤマサ01 ヤマサ02

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
南 桂子展 透き通る森
会  期  2022年7月16日[土]-10月23日[日]
開館時間  11:00-17:00 * 土日祝は10:00-(最終入館16:30)
      * ナイトミュージアム──毎月第1・3金曜日は20:00まで開場
会  場  ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
      103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7
      Tel:03-3665-0251  Fax:03-3665-0257
入 館 料  大 人 600円、大学生・高校生 400円、中学生以下 無 料
主  催  ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
──────────────
銅版画家・南桂子(1911-2004)の静かな作品を展示します。
広がる空、澄み渡る風、水の輝き、
ひっそりとした透明な世界に、物語を見つけてください。
本展では、会場の一角にて、小説家・小川洋子氏が選んだ南作品
「書かれたい物語がひそんでいる絵」を展示します。

特別企画
小説家・小川洋子「書かれたい物語がひそんでいる絵」
小川洋子氏の小説には、いつも美しさに満ちた、独自の静謐な作品世界があります。
葉の中の鳥、視線を合わせない少女・・・小川氏の見た南桂子作品をお楽しみください。

小川洋子
91年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。著書は『博士の愛した数式』『密やかな結晶』『薬指の標本』『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』はじめ多数。近著に『遠慮深いうたたね』(河出書房)『小川洋子の作り方』(田畑書店編)、『掌に眠る舞台』(集英社)など。 多くの作品は世界各国語に翻訳されている。

[ 詳細 : ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

【展覧会】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション|色彩への招待|’22年5月14日-7月10日

やまさ01 やまさ02ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
色彩への招待
会  期  2022年5月14日[土]-7月10日[日]
開館時間  11:00-17:00 * 土日祝は10:00- (最終入館16:30)
会  場  ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
      103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7
      Tel:03-3665-0251  Fax:03-3665-0257
入  館  料  大 人 600円、大学生・高校生 400円、中学生以下 無 料
主  催  ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
──────────────
浜口陽三(1909-2000)は、20世紀を代表する銅版画家のひとりです。1950年代にフランスにて “カラーメゾチント” という新しい銅版画の技法を編み出し、世界的に活躍しました。
浜口陽三の開拓した銅版画技法 “カラーメゾチント” は、黄、赤、青、黒の 4 つの色から作られています。色ごとに版を彫り分け、4 つの色版を紙に順に重ねて刷ることで作品が完成します。 一見すると絵具で描いたように見えますが、画面全体が意図的に構成された色の重なりによって制作されています。版面に広がる点描のような凹みは、限りなく繊細です。その凹みによって、作品に無数の色と奥行きが生まれます。
本展では浜口陽三の銅版画を約 50 点展示します。複雑に重なり合って生まれた、豊かな色彩の世界をご堪能ください。

[ 詳細 : ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション ]

【展覧会】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション|浜口陽三、ブルーノ・マトン展 ― ひとつ先の扉|’22年1月15日-4月3日

ヤマサ01 ヤマサ02

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
浜口陽三、ブルーノ・マトン展 ― ひとつ先の扉
会  期  2022年1月15日[土]-4月3日[日]
開館時間  11:00-17:00 * 土日祝は10:00- (最終入館16:30)
会  場  ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
      103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7
      Tel:03-3665-0251  Fax:03-3665-0257
入  館  料  大 人 600円、大学生・高校生 400円、中学生以下 無 料
主  催  ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
──────────────
浜口陽三(1909-2000)は、フランスで新しい銅版画技術を開拓し、20世紀後半を代表する銅版画家として活躍しました。作品には柔らかな空間が広がり、永遠の時間が流れているかのようです。本展ではその浜口作品と共に、日本の芸術・文化に親しんだフランスの画家の一人、ブルーノ・マトン(1938-2020)の銅版画を紹介します。

ブルーノはパリの映画学校を卒業後、短編映画を手がけましたが、より直接的に表現を追い求める決意をして銅版画を学びます。その後、版画や油彩画、アクリル画などを発表しながら、美術評論を続け、短編小説も出版しました。90年代以降は日本を度々訪れ、「手に思考が宿る」日本の工芸に、西洋の芸術にはない可能性を見出しています。
彼は、銅版画のプロセス自体が芸術であると捉え、知的な表現を試みました。例えば「隠された音叉」シリーズでは、作家の問いかけやまなざしが、作品に柔らかに刷り込まれています。物静かで饒舌、繊細でユーモアのある作家の内面も一つの要素となり、銅版画と鑑賞者に対話が生まれます。シンプルに見える線のシリーズは、イメージを超える新しい次元を求めて思索した時期の作品です。見る人の想像をくすぐり、心を象ります。展示にあたり、詩人の大岡亜紀氏、谷川俊太郎氏に、作品から浮かぶ言葉を書いていただきました。ご自身のイメージと合せて心と遊ぶ、参加型の展示をいたします。

銅版画には、油彩画や水墨画とは異なる表現の深さがあります。二人の作品はベクトルが違うものの、静かな引き潮のように、私たちの中にある感覚を遠くへと導き、星の光のように、その先の世界を照らします。浜口作品約20点、ブルーノ作品約50点の構成です。

[ 詳細 : ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

【展覧会】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション|2019年冬の企画展|凹凸に降る ── 小野耕石、滝澤徹也、中谷ミチコ、浜口陽三|10月5日-12月22日

20190919214734_00003 20190919214734_00004

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
 2019年冬の企画展
凹凸に降る ── 小野耕石、滝澤徹也、中谷ミチコ、浜口陽三
開催日時  2019年10月5日[土]-12月22日[日]
開館時間  午前11:00-午後5:00   * 入館は午後4:30まで
      土・日・祝日は午前10:00開館
入  館  料  大人:600円、大学生・高校生:400円、中学生・小学生:200円
休  館  日  毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
──────────
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」とは小説『星の王子様』の一節です。
本展では、はっきりと形をとらない大切なものを、てのひらにさぐり、凹凸のあわいを模索する三人の現代作家を紹介します。

スクリーンプリントを刷り重ね、観念的な立体版画を作り上げる小野耕石、蜘蛛の巣や北欧の岩石を刷りとり、時や歴史を象る滝澤徹也、石膏を型に、樹脂を流し込み、心の結晶を幻影として見せる中谷ミチコ。

かつて東京美術学校の彫刻科を中退してフランスに渡った浜口陽三は、銅の表面を限りなく細かく刻むメゾチントという技法に辿りつきました。
浜口のやわらかな銅版画と共に、とらえられないものを求めて、その触感を実在化するように表現へ深くもぐりこむ、現代の静かな心の象形をご鑑賞ください。

【 詳細: ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション