ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
浜口陽三と波多野華涯 ー匂い立つ黒と黒ー
会 期 2024年6月11日[火]- 8月18日[日]
会 場 ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
〠 東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7
Tel:03-3665-0251 Fax:03-3665-0257
開館時間 11:00-17:00(土日祝 10:00-17:00) * 最終入館 16:30
《ナイトミュージアム》
会期中の第 1・3 金曜日は 20:00 まで開館、最終入館19:30
休 館 日 月曜日(ただし7/15,8/12は開館)、7/16[火]、8/13[火]
入 館 料 大 人 600 円、 大学生・高校生 400 円、 中学生以下 無 料
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静かな闇に浮かぶ さくらんぼ。
浜口陽三(1909-2000)の銅版画は、光を含んだ闇のグラデーションが印象的です。本展ではその銅版画と共に、陽三の父と交流のあった南画家・波多野華涯(1863-1944)の「蘭竹図屏風」を展示します。清流と切り立つ岩に竹と春蘭をあしらった銀屏風は、黒の濃淡によって、立ち上る霧や蘭の芳香まで表現され、臨場感をもって迫ってきます。
浜口作品における墨絵の影響は、これまで幾度となく評論家に指摘されてきました。今回は画風を超えたさらなる繋がりを求めて、永遠の時空で響き合う二人の画家の作品、とりわけ黒の諧調をご覧いただきます。
ごあいさつ 華涯文庫代表 小田切マリ
世界的銅版画家:浜口陽三氏の美術館創設25周年を記念して、この度、浜口陽三氏の作品と、私の曽祖母:波多野華涯の南画作品「蘭竹図六曲一双銀屏風」を取合せる企画が実現致しました。
実はこの屏風は、昨年5月、G7広島サミットの宮島会合において、各国首脳達の背後に飾られたものです。今年は奇しくもこの屏風が描かれてから100年目の年にあたります。この度、所蔵者:岩惣旅館の御協力をいただき、初めて東京にやってまいります。
浜口陽三氏の銅版画との出会いが、新たな世界を生み出すかもしれません。一期一会のこの機会に、より多くの皆様に御清鑑いただけますよう祈念致しております。
〇 波多野華涯について
波多野華涯(1863-1944)は、大阪に生まれ、東京に出て跡見花蹊や瀧和亭、のちに地元で森琴石に学んだ後、1017年に岡山に住まいを定め、南画家として生き抜いた女性です。浜口陽三の父、第十代濱口儀兵衛の後半生の南画の師でもありました。
構図やモチーフのとりあわせ、配色など、華涯は南画の伝統を守りつつも、新鮮な感性を盛り込み、当世の南画とも言える力強い作品を残しました。昨年は実践女子大学香雪記念資料館にて展覧会が開かれ、この夏には岡山県立美術館で本格的な回顧展が予定されています。
〇 浜口陽三と南画
浜口陽三は、40歳を過ぎてから本格的に銅版画に取り組み、独自の作風を大成させました。東京芸術大学を中退し、銅版画家に至るまで、陽三は自分なりの芸術を探求しつづけ、油彩、水彩、彫塑など、様々な制作を手がけています。
陽三が試みたのは、西洋の芸術だけではありません。浜口陽三の父、第十代濱口儀兵衛は、南画の収集家として知られ、自身も小室翠雲について南画を描きました。南画は、当時の名士たちの多くが身につけた共通の教養であり趣味でした。浜口陽三も南画に親しんで育ち、画業の転機に際した30代の一時期には墨絵を習いました。
※《蘭竹図屏風》に限り音声ガイドがございます。
※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧ください
[ 詳 細 : ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション ]