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【展覧会】東京国立近代美術館|企画展 ゲルハルト・リヒター展|’22年6月7日-10月2日|+α 映画『ある画家の数奇な運命』紹介

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東京国立近代美術館
企画展 ゲルハルト・リヒター展
会  期  2022年6月7日[火]-10月2日[日]
会  場  東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
      〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1
休  館  日  月曜日(ただし7月18日、9月19日は開館)、7月19日[火]、9月20日[火]
開館時間  10:00-17:00(金曜・土曜は 10:00-20:00) * 入館は閉館30分前まで
観  覧  料  一 般 2,200円、大学生 1,200円、高校生 700円、
      中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は  無 料。
主  催  東京国立近代美術館、朝日新聞社
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ドイツ・ドレスデン出身の現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター(1932- )。リヒターは油彩画、写真、デジタルプリント、ガラス、鏡など多岐にわたる素材を用い、具象表現と抽象表現を行き来しながら、人がものを見て認識するという原理に、一貫して取り組み続けてきました。
画家が90歳を迎えた今年2022年、本展では画家が手元に置いてきた初期作から最新のドローイングまでを含む約110点によって、一貫しつつも多岐にわたる 60 年の画業を紐解きます。
日本では 16 年ぶり、東京では初となる美術館での個展です。

ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)
29998bc51d25817d8d49e6c7db32d06b-1024x6831932年、ドイツ東部、ドレスデン生まれ。ベルリンの壁が作られる直前、1961年に西ドイツへ移住し、デュッセルドルフ芸術アカデミーで学ぶ。コンラート・フィッシャーやジグマー・ポルケらと「資本主義リアリズム」と呼ばれる運動を展開し、そのなかで独自の表現を発表し、徐々にその名が知られるように。
その後、イメージの成立条件を問い直す、多岐にわたる作品を通じて、ドイツ国内のみならず、世界で評価されるようになる。
ポンピドゥー・センター(パリ、1977年)、テート・ギャラリー(ロンドン、1991年)、ニューヨーク近代美術館(2002年)、テート・モダン(ロンドン、2011年)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク、2020年)など、世界の名だたる美術館で個展を開催。現代で最も重要な画家としての地位を不動のものとしている。
Photo : Dietmar Elger, courtesy of the Gerhard Richter Archive Dresden
© Gerhard Richter 2022 (07062022)

展覧会の見どころ
1.現代アートの巨匠、待望の大規模個展
リヒターの日本の美術館での個展は、2005-2006年にかけて金沢21世紀美術館・DIC川村記念美術館で開催されて以来、実に16年ぶり。また東京の美術館での大規模な個展は今回が初めてとなります。
2.最新作を含むリヒター所蔵の作品で、60年におよぶ作家の画業をたどる
世界のアートシーンで常に注目を集めてきたリヒター。彼が手放さず大切に手元に置いてきた財団コレクションおよび本人所蔵作品を中心に、最新作のドローイングを含む貴重な作品約110点が、初めて一堂に会します。これらの多様な作品を通じて、2022年に90歳を迎えたリヒターの、60年におよぶ画業をたどります。
3.近年の大作《ビルケナウ》、日本初公開
幅2メートル、高さ2.6メートルの作品4点で構成される巨大な抽象画《ビルケナウ》は、ホロコーストを主題としており、近年の重要作品とみなされています。出品作品のなかでも最大級の絵画作品である本作が、この度、日本で初めて公開されます。

会場では、初期のフォト・ペインティングからカラーチャート、グレイ・ペインティング、アブストラクト・ペインティング、オイル・オン・フォト、そして最新作のドローイングまで、リヒターがこれまで取り組んできた多種多様な作品を紹介。特定の鑑賞順に縛られず、来場者が自由にそれぞれのシリーズを往還しながら、リヒターの作品と対峙することができる空間を創出します。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳細 : 東京国立近代美術館  特設サイト

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東京近美でリヒター展をやるらしい……、と話題にしたら、リヒター・ファンの知人が、主人公はあきらかに ゲルハルト・リヒター なのに、ほかの登場人物ともども名前が変えてあって、虚実綯い交ぜながら、面白い映画があると教えてくれた。
それが映画『ある画家の数奇な運命』で、3時間ほどの長編映画だった。わが国でも劇場公開はほぼ終え、地上波・衛星テレビでも 数局で公開されたらしい。
アマゾン prime ビデオ では、レンタルも販売もされている。筆者は U-next 字幕版ビデオ『ある画家の数奇な運命』── 世界屈指のアーティスト、ゲルハルト・リヒターの半生にイマジネーションを得た感動作|2018年|ドイツ|189分 をパソコン画面上で見た。妙な時代になったものだ。

【 参考:YouTube 映画『ある画家の数奇な運命』本編映像 予告編   03:25 】

映画『ある画家の数奇な運命』公式サイト

Introduction
現代美術界の巨匠をモデルに 苦悩と悲しみを希望と喜びに変えた半生を描き、
観る者すべてに勇気をくれる感動作
長編映画監督デビュー作『善き人のためのソナタ』でアカデミー賞®外国語映画賞を受賞したフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督の、祖国ドイツの歴史の闇と、芸術の光に迫る最新作。第75回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で高評価を獲得し、第91回アカデミー賞®外国語映画賞にノミネートされた。
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主人公・クルトのモデルは、オークションに出品すれば数十億円の価格がつくことで知られる、現代美術界の巨匠、ゲルハルト・リヒター。監督がリヒターに映画化を申し込んだところ、1か月にわたっての取材が許された。ただし映画化の条件は、登場人物の名前は変えて、何が事実か事実でないかは、互いに絶対に明かさないこと。そんなミステリアスな契約のもと、観る者のイマジネーションをさらに膨らませる作品が誕生した。

クルトの苦悩と葛藤は、信じるものに向き合い、命をもかけることで、希望と喜びへと昇華していく。今日の悲しみを、未来の幸福へと変える術があることを、美しい絵画と共に見せてくれる感動の物語。

【展覧会】東京国立近代美術館|企画展 没後50年 鏑木清方展|’22年3月18日-5月8日|

国立近代美術館

東京国立近代美術館
企画展 没後50年 鏑木清方展
Kaburaki Kiyokata : A Retrospective
会  期  2022年3月18日[金]-5月8日[日]
会  場  東京国立近代美術館 1 F 企画展ギャラリー
      102-8322 千代田区北の丸公園 3-1
休  館  日  月 曜
開場時間  9:30-17:00(金・土曜は 9:30-20:00)
      * 入館は閉館30分前まで
観  覧  料  一 般 1,800円、大学生 1,200円、高校生 700円、中学生以下 無 料
主  催  東京国立近代美術館、毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション
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なんでもない一瞬が、なによりも美しい。
鏑木清方(1878-1972)の代表作として知られ、長きにわたり所在不明だった《築地明石町》(1927年)と、合わせて三部作となる《新富町》《浜町河岸》(どちらも1930年)は、2018年に再発見され、翌年に当館のコレクションに加わりました。この三部作をはじめとする109件の日本画作品で構成する清方の大規模な回顧展です。

浮世絵系の挿絵画家からスタートした清方は、その出自を常に意識しながら、晩年に至るまで、庶民の暮らしや文学、芸能のなかに作品の主題を求め続けました。
本展覧会では、そうした清方の関心の「変わらなさ」に注目し、いくつかのテーマに分けて作品を並列的に紹介してゆきます。関東大震災と太平洋戦争を経て、人々の生活も心情も変わっていくなか、あえて不変を貫いた清方の信念と作品は、震災を経験しコロナ禍にあえぐいまの私たちに強く響くことでしょう。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参観を。
[ 詳細 : 東京国立近代美術館  特設サイト

【展覧会】東京国立近代美術館|柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年|’21年10月26日-’22年2月13日

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東京国立近代美術館
柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年
会  期  2021年10月26日[火]-2022年2月13日[日]
休  館  日  月曜日[’22年1月10日は開館]、年末年始[12月28日-2022年1月1日、1月11日]
開場時間  10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00) * 入館は閉館30分前まで
観  覧  料  一 般 1,800円、大学生 1,200円、高校生 700円
会  場  東京国立近代美術館 1 F 企画展ギャラリー、2 F ギャラリー 4
主  催  東京国立近代美術館、NHK、NHKプロモーション、毎日新聞社
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ローカルであり、モダンである。
今、なぜ「民藝」に注目が集まっているのでしょうか。「暮らし」を豊かにデザインすることに人々の関心が向かっているからなのか。それとも、日本にまだ残されている地方色や伝統的な手仕事に対する興味からなのか。
いずれにせよ、およそ100年も前に柳宗悦、濱田庄司、河井寬次郎が作り出した新しい美の概念が、今なお人々を触発し続けているのは驚くべきことです。

柳宗悦の没後60年に開催される本展覧会は、各地の民藝のコレクションから選りすぐった陶磁器、染織、木工、蓑、ざるなどの暮らしの道具類や大津絵といった民画のコレクションとともに出版物、写真、映像などの同時代資料を展示し、総点数400点を超える作品と資料を通して、民藝とその内外に広がる社会、歴史や経済を浮かび上がらせます。

今回とりわけ注目するのは、「美術館」「出版」「流通」という三本柱を掲げた民藝のモダンな「編集」手法と、それぞれの地方の人・モノ・情報をつないで協働した民藝のローカルなネットワークです。
民藝の実践は、美しい「モノ」の蒐集にとどまらず、新作民藝の生産から流通までの仕組み作り、あるいは農村地方の生活改善といった社会の問題提起、衣食住の提案、景観保存にまで広がりました。「近代」の終焉が語られて久しい今、持続可能な社会や暮らしとはどのようなものか―「既にある地域資源」を発見し、人・モノ・情報の関係を編みなおしてきた民藝運動の可能性を「近代美術館」という場から見つめなおします。

※ 感染症「COVID – 19」予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 東京国立近代美術館   特設サイト

【展覧会】東京国立近代美術館 企画展|ピーター・ドイグ展|’20年2月26日-6月14日

20200312180316_00004 20200312180316_00003東京国立近代美術館
企画展 ピーター・ドイグ展
会  場  東京国立近代美術館 1 F  企画展ギャラリー
会  期  2020年2月26日[水]-6月14日[日]
開館時間  10:00-17:00 (金曜・土曜は10:00-20:00) * 入館は閉館30分前まで
休  館  日  月曜日(3/30、5/4は開館)、5/7[木]
      * 2月29日[土]-3月15日[日]は臨時休館いたします。
観  覧  料  ⼀般 1,700円、大学生  1,100円、高校生 600円
主  催  東京国立近代美術館、読売新聞社、ぴあ
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イギリスが誇る現代の「画家の中の画家」、日本初個展
ピーター・ドイグ(1959- )は、ロマンティックかつミステリアスな風景を描く画家です。今日、世界で最も重要なアーティストのひとりといわれています。

彼は、ゴーギャン、ゴッホ、マティス、ムンクといった近代画家の作品の構図やモチーフ、映画のワンシーンや広告グラフィック、自らが暮らしたカナダやトリニダード・トバゴの風景など、多様なイメージを組み合わせて絵画を制作してきました。
私たちが彼の作品に不思議と魅せられるのは、どこかで見たことのあるようなイメージを用いながらも、全く見たことのない世界を見せてくれるからだといえるでしょう。
本展は、ピーター・ドイグの初期作から最新作までを紹介する待望の日本初個展です。絵画から広がる想像の旅へみなさんをお連れします。

ピーター・ドイグとは
1959年、スコットランドのエジンバラ生まれ。カリブ海の島国トリニダード・トバゴとカナダで育ち、1990年、ロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで修士号を取得。1994年、ターナー賞にノミネート。2002年よりポート・オブ・スペイン(トリニダード・トバゴ)に拠点を移す。
テート(ロンドン)、パリ市立近代美術館、スコットランド国立美術館(エジンバラ)、バイエラー財団(バーゼル)、分離派会館(ウィーン)など、世界的に有名な美術館で個展を開催。
同世代、後続世代のアーティストに多大な影響を与え、過去の巨匠になぞらえて、しばしば「画家の中の画家」と評されている。

* 新型感染症対策のため臨時休館が続く可能性があります。下記をご確認の上ご参観を。
[ 詳細 : 東京国立近代美術館    特設サイト ]

【展覧会予告】東京国立近代美術館|鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開|2019 年 11 月 1 日-12 月 15 日

20190919214734_00005 20190919214734_00006東京国立近代美術館 特別公開
鏑木清方 幻の《築地明石町》
会  期  2019 年 11 月 1 日[金]-12 月 15 日[日]
会  場  東京国立近代美術館 所蔵品ギャラリー10 室(東京都千代田区北の丸公園 3-1)
開館時間  午前 10 時-午後 5 時、金曜・土曜は午後 8 時まで * 入館は閉館の 30 分前まで
休  館  日  月曜日(ただし 11 月 4 日は開館)、11 月 5 日
観  覧  料  一般  800円、大学生 400円
主  催  東京国立近代美術館、文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会──────────────
東京神田に生まれ、挿絵画家として画業をスタートさせた鏑木清方(1878-1972)は、美人画で上村松園と並び称された日本画家です。

今年、当館では、清方の代表作として知られながら、1975(昭和50)年以来所在不明であった《築地明石町》と、あわせて三部作となる《新富町》《浜町河岸》の三点を新しく収蔵しました。
これを記念し、三部作のお披露目と、所蔵の清方作品をあわせた特別展示をおこないます。
小規模ですが、重要文化財《三遊亭円朝像》や、12幅対の《明治風俗十二ヶ月》など、粒よりの名作が並ぶ贅沢な展示です。

[ 詳細: 東京国立近代美術館    同館特設サイト

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鏑 木  清 方 ── かぶらき・きよかた   (写真:根本章雄氏 提供)

鏑木清方(根本章雄氏 提供)

鏑木清方(1878-1972)は東京神田に生まれ、浮世絵系の水野年方に入門し、挿絵画家として画業をスタートさせました。日本画では文展、帝展を主たる舞台とし、美人画家として上村松園と並び称されました。

清方は明治末から大正にかけて、浮世絵をもとにした近世風俗を主なテーマとしていました。しかし関東大震災を大きなきっかけとして、失われゆく明治の情景を制作のテーマに加えます。そうして生まれたのが《築地明石町》(1927年)や、《三遊亭円朝像》(1930年)、《明治風俗十二ヶ月》(1935 年)といった名作の数々でした。

また、その頃から展覧会向きの絵とは別の、手もとで楽しめる作品を「卓上芸術」と名づけ、手がけるようになり、晩年は画帖、絵巻などの制作に打ち込みました。
文筆家としても名高く、『銀砂子』、『築地川』、『こしかたの記』などの著作があります。

これぞ清方の代表作
美人画家として上村松園と並び称された清方ですが、本人はそう呼ばれることを嫌っていました。清方が理想としたのは、ともすれば絵空事として社会から遊離してしまうような芸術ではなく、我が事として多くの共感が得られるような芸術だったからです。やがて清方は、明治20年代から30年代の人々の生活というテーマに行き着きました。
《築地明石町》は、そのスタートラインに位置する作品であり、早くも清方会心の作となりました。ここに描かれているのは、清方がじかに体験した明治半ばのひととき。そして、清方が実際に遊び場とし、慣れ親しんだ町の情緒そのものでした。《築地明石町》は、発表されるや否や、美術界のみならず一般からも絶賛され、清方を名実ともに帝展を代表する日本画家のひとりに押し上げたのです。

なぜ幻の名作?
《築地明石町》が「幻の名作」といわれてきたゆえんは、歴史に残る近代日本画の名作であるにもかかわらず、1975(昭和50)年以来 44 年もの間、所在不明となっていたからです。
戦禍を免れた《築地明石町》が清方のもとにもたらされたのは1955(昭和30)年のことでした。それを機に、清方自身が出品の仲介役を果たすことで、《築地明石町》はしばしば展覧会に出品されるようになりました。
しかし、1972(昭和47)年に清方が亡くなると事情が変わります。翌年から3回にわたってサントリー美術館で開催された「回想の清方」シリーズの3回目(1975 年)に出品されたのを最後に、《築地明石町》は忽然と姿を消したのです。以来44年、多くの人々が《築地明石町》の再登場を待ちわびてきました。

【展覧会】国立近代美術館|高 畑 勲 展 ── 日本のアニメーションに遺したもの|7月2日-10月6日

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国立近代美術館
高畑勲展 ── 日本のアニメーションに遺したもの
会  場  東京国立近代美術館 1 F 企画展ギャラリー
会  期  7月2日[火]-10月6日[日]
開館時間  10:00-17-00(金曜・土曜は10:00-21:00)* 入館は閉館30分前まで
休  館  日  月曜(7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)、7月16日(火)、 8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)
観  覧  料  一般 1,500円  大学生 1,100円  高校生 600円
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初の長編演出(監督)となった「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968年)で、悪魔と闘う人〻の団結という困難な主題に挑戦した高畑は、その後つぎつぎにアニメーションにおける新しい表現を開拓していきました。
70年代には、「アルプスの少女ハイジ」(1974年)、「赤毛のアン」(1979年)などのTV名作シリーズで、日常生活を丹念に描き出す手法を通して、冒険ファンタジーとは異なる豊かな人間ドラマの形を完成させます。
80年代に入ると舞台を日本に移して、「じゃりン子チエ」(1981年)、「セロ弾きのゴーシュ」(1982年)、「火垂るの墓」(1988年)など、日本の風土や庶民生活のリアリティーを表現するとともに、日本人の戦中・戦後の歴史を再考するようなスケールの大きな作品を制作。
遺作となった「かぐや姫の物語」(2013年)ではデジタル技術を駆使して手描きの線を活かした水彩画風の描法に挑み、従来のセル様式とは一線を画した表現上の革新を達成しました。

このように常に今日的なテーマを模索し、それにふさわしい新しい表現方法を徹底して追求した革新者・高畑の創造の軌跡は、戦後の日本のアニメーションの礎を築くとともに、他の制作者にも大きな影響を与えました。
本展覧会では、絵を描かない高畑の「演出」というポイントに注目し、多数の未公開資料も紹介しながら、その多面的な作品世界の秘密に迫ります。

[ 詳細: 国立近代美術館  特設サイト

【展覧会】東京国立近代美術館|イメージコレクター・杉浦非水展| 会場/東京国立近代美術館 2階 ギャラリー 4|前期:2月9日-4月7日 後期:4月10日-5月26日

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東京国立近代美術館
イメージコレクター・杉浦非水展
会  場  東京国立近代美術館 2階 ギャラリー 4

会  期  前期 2019年2月9日[土]-4月7日[日]
      後期 2019年4月10日[水]-5月26日[日]
開館時間  10:00-17:00(金曜・土曜は20:00まで)
      * 入館時間は閉館30分前まで

休  館  日  月曜日(G W 中の休館情報はリンク先で)
観  覧  料  一般500円、大学生250円
主  催  東京国立近代美術館

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日本のグラフィックデザインの創成期、重要な役割を果たした図案家の杉浦非水(1876-1965)。当館ではご遺族から一括寄贈された非水のポスター、絵はがき、原画など700点以上を収蔵しています。本展では三越のためのポスターや、数多く手がけた表紙デザインの仕事、原画やスケッチなど、19年ぶりに当館の非水コレクションを一堂に展示します。

さらに今回は、非水が手元に残した海外の雑誌やスクラップブック、16mmフィルムなど、貴重な旧蔵資料も初公開します。図案の創作にいたるまでの「イメージの収集家」としての側面に焦点をあて、杉浦非水の活動を改めて紹介します。

【 詳細: 東京国立近代美術館

【展覧会】生誕150年 横山大観展 ─ 画は人なり。─ 東京国立近代美術館 4月13日-5月27日 東京展終了 京都展へ

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東京国立近代美術館 企画展
生誕150年 横山大観展
2018年4月13日[金]-5月27日[日]
開館時間:10:00-17:00(金曜・土曜日は20:00まで)* 入館は閉館の30分前まで
休  館 日: 月曜日  * 4月30日は開館
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横山大観(1868-1958)の生誕150年、没後60年を記念し、回顧展を開催します。

東京美術学校に学んだ大観は、師の岡倉天心とともに同校を去り、日本美術院を設立。新たな時代における新たな絵画の創出を目指しました。西洋からさまざまなものや情報が押し寄せる時代の中、日本の絵画の伝統的な技法を継承しつつ、時に改変を試み、また主題についても従来の定型をかるがると脱してみせました。
やがてこうした手法はさらに広がりを見せ、自在な画風と深い精神性をそなえた数々の大作を生み出しました。

本展では、40メートル超で日本一長い画巻《生々流転》(重要文化財)や《夜桜》《紅葉》をはじめとする代表作に、数々の新出作品や習作などの資料をあわせて展示し、制作の過程から彼の芸術の本質を改めて探ります。
総出品数約100点。本画約90点、習作ほか資料約10点を展観する大回顧展です。

【詳細情報: 東京国立近代美術館 特設コーナー

【展覧会】 東京国立近代美術館  没後40年 熊谷守一 生きるよろこび

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東京国立近代美術館 企画展

没後40年 熊谷守一 生きるよろこび
Kumagai Morikazu: The Joy of Life
2017.12.1 - 2018.3.21

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熊谷守一(くまがい-もりかず  1880-1977)は、明るい色彩とはっきりしたかたちを特徴とする作風で広く知られます。特に、花や虫、鳥など身近な生きものを描く晩年の作品は、世代を超えて多くの人に愛されています。
その作品は一見ユーモラスで、何の苦もなく描かれたように思えます。しかし、70年以上に及ぶ制作活動をたどると、暗闇でのものの見え方を探ったり、同じ図柄を何度も使うための手順を編み出したりと、実にさまざまな探究を行っていたことがわかります。
描かれた花や鳥が生き生きと見えるのも、色やかたちの高度な工夫があってのことです。

穏やかな作品の背後には、科学者にも似た観察眼と、考え抜かれた制作手法とが隠されているのです。
東京で久々となるこの回顧展では、200点以上の作品に加え、スケッチや日記などもご紹介し、画家の創造の秘密に迫ります。
明治から昭和におよぶ97年の長い人生には、貧困や家族の死などさまざまなことがありました。しかし熊谷はひたすらに描き、95歳にしてなお「いつまでも生きていたい」と語りました。その驚くべき作品世界に、この冬、どうぞ触れてみて下さい。  

クマガイ モリカズってどんな人?

1880(明治13)年-1977(昭和52)年。岐阜県恵那郡付知(つけち)村に生まれる。
1897(明治30)年上京。1900(明治33)年、東京美術学校西洋画科撰科に入学し、黒田清輝、藤島武二らの指導を受ける。同期に青木繁、和田三造らがいる。
1904(明治37)年に同校を卒業。1909(明治42)年には《蝋燭(ローソク)》により第3回文展で褒状を受ける。
翌年一時帰郷、1915(大正4)年に再上京するまで、材木運搬などの仕事につく。上京後は二科会で発表を続け、二科技塾の講師も務める。
1922(大正11)年、大江秀子と結婚。1928(昭和3)年に次男・陽を、32(昭和7)年に三女・茜を、47(昭和22)年に長女・萬(まん)を失くすなど、戦争をはさんで次々と家族の死に見舞われる。

戦後は明るい色彩と単純化されたかたちを特徴とする画風を確立。97歳で没するまで制作を行った。住まいの跡地は現在二女、熊谷榧(かや)氏を館長とする「豊島区立熊谷守一美術館」となっている。

【 詳細情報 : 国立近代美術館 熊谷守一特設ページ

【展覧会】 瑛九1935→1937 闇の中で「レアル」をさがす 東京国立近代美術館

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企画展
瑛九1935-1937 闇の中で「レアル」をさがす
EI-Q 1935-1937 : Seeking the “Real” in the Dark

瑛九(えいきゅう、本名:杉田秀夫、1911-1960)は1936年にフォト・デッサン集『眠りの理由』で鮮烈なデビューを飾り、その後さまざまな技法を駆使しながら独自のイメージを探求した芸術家です。
当館は近年、彼の評伝を著した友人の画家、山田光春の旧蔵していた作品と資料を収蔵しました。
本展は、その中から約50点の初公開作品、書簡などの関連資料に加え、以前から所蔵している作品もまじえて、「レアル(リアル)」を求めて苦闘するデビュー前後の瑛九の実像を紹介します。

【 詳細 : 東京国立近代美術館 開催中の展覧会