タグ別アーカイブ: 国立西洋美術館

【展覧会】国立西洋美術館|小企画展 真理はよみがえるだろうか:ゴヤ〈戦争の惨禍〉全場面|’24年2月27日-5月26日

西洋美術館小企画展

国立西洋美術館
小企画展
真理はよみがえるだろうか:ゴヤ〈戦争の惨禍〉全場面
会  期  2024年2月27日[火]- 5月26日[日]
開館時間  9:30 - 17:30
      毎週 金・土曜日 9:30 - 20:00  * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日、5月7日[火](ただし 3月25日[月]、4月29日[月・祝]、4月30日[火]、
      5月6日[月・休]は開館)  
会  場  国立西洋美術館 版画素描展示室(常設展示室内)
      〠 110-0007 東京都台東区上野公園7-7
      お問合せ 050ー5541-8600(ハローダイヤル)
観覧料金  一 般 500円、 大学生 250円
      * 高校生以下及び18歳未満、65歳以上は無料(学生証、年齢確認できるものを提示)
      * 各種割引、優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照
主  催  国立西洋美術館
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〈戦争の惨禍〉は、スペインの芸術家フランシスコ・デ・ゴヤ (1746-1828年) が制作した版画集です。1808-14年に戦われたスペイン独立戦争に取材し、戦いの光景やその中で苦しむ民衆の姿、そして政治風刺を主題としています。ゴヤは、フランス軍の暴挙に対するスペイン民衆の抵抗という図式を超え、戦争という非常事態に生み出される様々な暴挙や愚行を驚くほど冷静に、かつ仮借なく捉えました。人間の抱える深淵なる闇の世界を抉り出している点で、時代を超越した普遍的なメッセージを放つ傑作といえるでしょう。

本連作はゴヤの存命中には公開されず、1863年になってようやく、スペインのマドリードで80点からなる初版が出版されました。国立西洋美術館は1993年度にその初版を収蔵、以降多くの場面を様々な機会に展示してきました。また2017年度には、番号が振られながら初版には含まれなかった未発表作2点も収蔵しています。しかし、これらのうち半数近い37点はこれまでに展示したことがありません。そこで本展では、連作全点と未発表作2点を合わせた計82点を披露、版画集の全像をご紹介します。

2022年2月にロシアがウクライナに侵攻し、2023年10月にイスラエルとパレスチナの間で軍事衝突が勃発したことは周知のとおりです。ゴヤが銅版に刻んだ、時に目を逸らしたくなるような悲劇は、遠い昔の出来事ではなく、我々のアクチュアルな問題でもあるのです。真理や真実、正義が歪められ、文明の闇が露呈した時、我々は何をすべきなのか、根源的な問いを投げかける作品と向かい合ってみたいと思います。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 国立西洋美術館      本展特設サイト ] 

【展覧会】国立西洋美術館|企画展 ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?──|国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ|’24年3月12日-5月12日

国立西洋トップ 240201国立西洋美術館

国立西洋美術館
企画展
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?
── 国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ
会  期  2024年3月12日[火]- 5月12日[日]
開館時間  9:30 - 17:30
      毎週 金・土曜日 9:30 - 20:00  * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日、5月7日[火](ただし、3月25日[月]、4月29日[月・祝]、
      4月30日[火]、5月6日[月・休]は開館)
会  場  国立西洋美術館 企画展示室
      〠 110-0007 東京都台東区上野公園7-7
      お問合せ 050ー5541-8600(ハローダイヤル)
観覧料金  一 般 2,000円、大学生 1,300円、高校生 1,000円 ※ 中学生以下は無料。
      * 高校生以下及び18歳未満、65歳以上は無料(学生証、年齢確認できるものを提示)
      * 各種割引、優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照
主  催  国立西洋美術館
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19世紀後半のフランスおよびイギリス美術と聞いて、みなさんが思い描くのは一体どんな絵画でしょうか。フランスにおけるレアリスムや印象派、あるいはイギリスのラファエル前派や唯美主義による作品が浮かんだ方も少なくないでしょう。
しかし、今日エポックメーカーとして俎上にあがる芸術運動と画家たちの背後には、常にアカデミー画家たちがおり、彼らこそが当時の画壇の主流を占め、美術における規範を体現していました。
かれらは、それぞれの国において最も権威ある美術教育の殿堂であったアカデミー ―― 1648年、フランスで創立された王立絵画彫刻アカデミーと1768年にイギリスで誕生したロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ ―― に属し、古典主義的な芸術様式を遵守した画家たちです。

しかしアカデミーの権威と伝統は、社会の急速な近代化によって揺らぎ、19世紀後半になるとアカデミスムは衰退の危機をむかえます。そんななか、アカデミーで地歩を固めた画家たちは時代の変容や新たな画派の登場に決して無関心ではありませんでした。むしろ変化に富んだ時代において、需要に応じて主題や様式、媒体を変容し制作を行いながら、アカデミーの支柱としてその伝統と歴史を後世に継承しようと努めたのです。
本小企画展では、ウィリアム・アドルフ・ブーグロー(1825-1905)やジョン・エヴァレット・ミレイ(1829-1896)をはじめとする両国のアカデミー画家たちのキャリアを辿り、多様化した主題やモティーフ、モデルに焦点をあてることで、その柔軟かつ戦略的な姿勢と彼らが率いた「もうひとつの19世紀」を浮き彫りにします。西洋美術館92 0301西洋美術館☆ 活版アラカルト掲載図版のほとんどは 図版画面をクリック or タップすると拡大表示されます ☆

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 国立西洋美術館
{新宿餘談}
「仕立て」は地味ながら、ずいぶんと重い問いかけをここで国立西洋美術館 している。金沢に移転した国立工芸館「
企画展 印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1 9 5 7 - 1 9 7 9」には、編者は刃を向けられたおもいがしたが、今回は博物館(美術館をふくむ)構成者、すなわちみずからに矢を向け、暗にアーチストへも指弾の弾丸を放っている。ここはすこし立ち止まって、両館の慎重ながら厳しい指弾に耳を傾ける(テキストを読む)ときであろうが、美の饗宴に溺れているひとひとには如何であろうか。さもなければ「断層」か「陥穽」への顚落があろう。

【展覧会】国立西洋美術館|企画展 「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」|’23年7月4日-9月3日|終了

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国立西洋美術館
企画展
「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」
会  期  2023年7月4日[火]- 9月3日[日]
開館時間  9:30 - 17:30
      毎週 金・土曜日 9:30 - 20:00
休  館  日  月曜日、7月18日[火](ただし、7月17日[月・祝]、8月14日[月]は開館)
会  場  国立西洋美術館 企画展示室
      110-0007 東京都台東区上野公園7-7
      お問合せ 050ー5541-8600(ハローダイヤル)
観覧料金  一 般 1,700円、大学生 1,300円
      * 各種割引、優待情報などは下掲詳細参照
主  催  国立西洋美術館、朝日新聞社
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20230704191436_00006 20230704191436_00005 20230704191436_00007スペインは、今でこそ世界中の観光客から高い人気を誇る国ですが、歴史的には「ピレネーの向こうはアフリカである」と揶揄されたほど、他のヨーロッパ諸国にとって未知の、馴染みの薄い異国でした。
しかしナポレオンの侵略とスペイン独立戦争(1808-14年)を契機に、ヒトとモノの本格的な往来が始まり、ロマン主義の時代にスペインは他のヨーロッパ諸国からそのエキゾチックな魅力を本格的に「発見」されてゆきます。

フラメンコ、闘牛、アルハンブラ、ベラスケス、そしてドン・キホーテ …… 我々が思い浮かべるスペインの典型的な「イメージ」の多くは、19世紀にこの国を訪れた外国人旅行者たちによって確立されたものでした。そしてそうしたイメージの形成、流通に大きな役割を果たした媒体が、大量に刷ることができ、簡単に持ち運びができた版画でした。

「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」展は、スペインに関わる版画制作の史的展開を 17世紀初頭から 20 世紀後半までの長大な時間軸で概観し、写し伝えることのできる版画が、スペインの文化・美術に関するイメージの形成や流布にどのように貢献したか、約240 点の作品から探るこれまでにない企画です。
リベーラからゴヤ、フォルトゥーニ、ピカソ、ミロ、ダリら、巨匠たちの仕事を含んだスペイン版画の系譜を辿ることに加え、ドラクロワやマネなど19世紀の英仏で制作された、スペイン趣味の作品を多数紹介します。

また、本展は国立西洋美術館の収蔵品を中心に、国内約40箇所から作品を拝借し、今日までの日本におけるスペイン美術の受容と豊かなコレクション形成の様相を浮き彫りにすることも試みます。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参加を
[ 詳 細 : 国立西洋美術館 ]

【展覧会】国立西洋美術館|憧憬の地 ブルターニュ ― モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷|’23年3月18日-6月11日|終了

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国立西洋美術館
憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷
La Bretagne, source d’inspiration : regards de peintres français et japonais
会  期  2023年3月18日[土]- 6月11日[日] * 会期中、一部作品の展示替えを行います。
会  場  国立西洋美術館(東京・上野公園)
      110-0007 東京都台東区上野公園7-7
開館時間  9:30-17:30(毎週金・土曜日は20:00まで)
      * 5月1日[月]-5月4日[木・祝]は20:00まで開館 * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日 * 3月27日[月]と5月1日[月]を除く
お問合せ  050ー5541-8600(ハローダイヤル)
主  催  国立西洋美術館、TBS、読売新聞社
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19世紀後半から20世紀はじめにかけ、モネ、ゴーガンをはじめ多くの画家たちがフランス北西端のブルターニュ地方を訪れ、この地を作品に描きとめました。
本展では国立西洋美術館の「松方コレクション」を含む、30か所を超える国内所蔵先と海外の2館からブルターニュをモティーフにした作品約160点を精選。彼らがこの「異郷」に何を求め、何を見出したのかを探ります。
また、同時期に渡仏し、パリからブルターニュを訪れた黒田清輝、藤田嗣治といった日本の画家たちにも光をあてる、これまでにない試みでもあります。今回は絵画や素描、版画にとどまらず、当時の画家たちが旅先から送った、あるいは受け取った絵葉書や旅行トランクなども展示。多様な画家たちのまなざしを感じつつ、東京・上野からブルターニュへ旅してみませんか。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参加を
[ 詳 細 : 国立西洋美術館
[ 参 考 : TBS公式 YouTube【憧憬の地 ブルターニュ】ーモネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷 3/18(土)-6/11(日)開催【国立西洋美術館】 0:15 ]

{活版印刷 à la carte}はめいっぱい長尺型のブログです。動画などの閲覧後は「画面を更新」していただくと、次回からのスクロールが円滑になります。

【展覧会】国立西洋美術館|企画展 パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 ― 美の革命|ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ|’23年10月3日-’24年1月28日|

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国立西洋美術館
企画展
パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 ― 美の革命
ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ
会  期  2023年10月3日[火]- 2024年1月28日[日]
開館時間  9:30 - 17:30
      毎週 金・土曜日 9:30 - 20:00  * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日(ただし10月9日[月・祝]、2024年1月8日[月・祝]は開館)、
      10月10日[火]、12月28日[木]-12月31日[日]、1月9日[火]
会  場  国立西洋美術館 企画展示室
      110-0007 東京都台東区上野公園7-7
      お問合せ 050ー5541-8600(ハローダイヤル)
観覧料金  一 般 2,200円、 大学生 1,400円、 高校生 1,000円
      * 本展は日時指定予約制ではありません。
      * 各種割引、優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照
主  催  国立西洋美術館、ポンピドゥーセンター、日本経済新聞社、
      テレビ東京、BSテレビ東京、TBS、BS-TBS
────────────────────20230912185755_00035 20230912185755_00032☆ 活版アラカルト掲載図版のほとんどは、画面をクリック or タップすると拡大表示されます ☆

◆ 国立西洋美術館|企画展  パリ ポンピドゥーセンター  キュビスム展 ― 美の革命|ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ ◆

20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックという2人の芸術家によって生み出されたキュビスムは、西洋美術の歴史にかつてないほど大きな変革をもたらしました。その名称は、1908年にブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来します。
西洋絵画の伝統的な技法であった遠近法や陰影法による空間表現から脱却し、幾何学的な形によって画面を構成する試みは、絵画を現実の再現とみなすルネサンス以来の常識から画家たちを解放しました。また絵画や彫刻の表現を根本から変えることによって、抽象芸術やダダ、シュルレアリスムへといたる道も開きます。慣習的な美に果敢に挑み、視覚表現に新たな可能性を開いたキュビスムは、パリに集う若い芸術家たちに大きな衝撃を与えました。そして、装飾・デザインや建築、舞台美術を含む様々な分野で瞬く間に世界中に広まり、それ以後の芸術の多様な展開に決定的な影響を及ぼしています。

本展では、世界屈指の近現代美術コレクションを誇るパリのポンピドゥーセンターの所蔵品から、キュビスムの歴史を語る上で欠くことのできない貴重な作品が多数来日し、そのうち50点以上が日本初出品となります。20世紀美術の真の出発点となったキュビスムの豊かな展開とダイナミズムを、主要作家約40人による絵画を中心に、彫刻、素描、版画、映像、資料など約140点を通して紹介します。
日本でキュビスムを正面から取り上げる本格的な展覧会はおよそ50年ぶりです。


※ 関連イベントがたくさん発表されています。下掲詳細をご覧ください。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 国立西洋美術館  本展特設サイト

【展覧会】国立西洋美術館|小企画展 もうひとつの19世紀 ── ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち|’23年9月19日-’24年2月12日|終了

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国立西洋美術館
小企画展
もうひとつの19世紀
── ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち
会  期  2023年9月19日[火]- 2024年2月12日[月・休]
開館時間  9:30 - 17:30
      毎週 金・土曜日 9:30 - 20:00  * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日(10月9日[月・祝]、2024年1月8日[月・祝]、2月12日[月・休]は開館)、
      10月10日[火]、12月28日[木]-12月31日[日]、1月9日[火]
会  場  国立西洋美術館 版画素描展示室(常設展示室内)
      110-0007 東京都台東区上野公園7-7
      お問合せ 050ー5541-8600(ハローダイヤル)
観覧料金  一 般 500円、 大学生 250円、 高校生 1,000円
      * 高校生以下及び18歳未満、65歳以上は無料(学生証、年齢確認できるものを提示)
      * 各種割引、優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照
主  催  国立西洋美術館
────────────────────
19世紀後半のフランスおよびイギリス美術と聞いて、みなさんが思い描くのは一体どんな絵画でしょうか。フランスにおけるレアリスムや印象派、あるいはイギリスのラファエル前派や唯美主義による作品が浮かんだ方も少なくないでしょう。
しかし、今日エポックメーカーとして俎上にあがる芸術運動と画家たちの背後には、常にアカデミー画家たちがおり、彼らこそが当時の画壇の主流を占め、美術における規範を体現していました。

かれらは、それぞれの国において最も権威ある美術教育の殿堂であったアカデミー ―― 1648年、フランスで創立された王立絵画彫刻アカデミーと1768年にイギリスで誕生したロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ ―― に属し、古典主義的な芸術様式を遵守した画家たちです。

しかしアカデミーの権威と伝統は、社会の急速な近代化によって揺らぎ、19世紀後半になるとアカデミスムは衰退の危機をむかえます。そんななか、アカデミーで地歩を固めた画家たちは時代の変容や新たな画派の登場に決して無関心ではありませんでした。むしろ変化に富んだ時代において、需要に応じて主題や様式、媒体を変容し制作を行いながら、アカデミーの支柱としてその伝統と歴史を後世に継承しようと努めたのです。
本小企画展では、ウィリアム・アドルフ・ブーグロー(1825-1905)やジョン・エヴァレット・ミレイ(1829-1896)をはじめとする両国のアカデミー画家たちのキャリアを辿り、多様化した主題やモティーフ、モデルに焦点をあてることで、その柔軟かつ戦略的な姿勢と彼らが率いた「もうひとつの19世紀」を浮き彫りにします。

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[ 詳 細 : 国立西洋美術館

【展覧会】国立西洋美術館|版画で「観る」演劇|フランス・ロマン主義が描いたシェイクスピアとゲーテ|’22年10月8日-’23年1月22日|終了

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国立西洋美術館
版画で「観る」演劇
フランス・ロマン主義が描いたシェイクスピアとゲーテ
会  期  2022年10月8日[土]- 2023年1月22日[日]
開館時間  9:30 - 17:30
      毎週 金・土曜日:9:30 - 20:00 * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日、10月11日[火]、12月30日[金]-2023年1月1日[日]、1月10日[火]
      (10月10日[月・祝]、2023年1月2日[月・祝]、1月9日[月・祝]は開館)
会  場  国立西洋美術館 新館2階 版画素描展示室
主  催  国立西洋美術館
観覧料金  一 般  500円、大学生  250円      * 本展は常設展の観覧券または「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」観覧当日に限り、同展観覧券でご覧いただけます。
──────────────
18世紀後半から19世紀前半にかけて勃興したロマン主義運動は、文学・音楽・美術など分野を超えて展開し、なかでもフランス・ロマン主義においては外国文学を着想源とした情感豊かな作品が生み出されました。特に古典演劇の規範から外れた自由な構成で、運命や自然に抗い苦悩する人間の姿と心理を描いたシェイクスピアとゲーテの戯曲は様々な芸術家たちに影響を与え、美術においては画家ウジェーヌ・ドラクロワ(1798-1863年)とテオドール・シャセリオー(1819-56年)に霊感をもたらしました。

本企画では、当館所蔵作品より、ドラクロワ最初の文学主題版画とされる《魔女たちの言葉を聞くマクベス》をはじめ、ロマン主義版画における金字塔ともいうべき連作の数々―ドラクロワの〈ファウスト〉と〈ハムレット〉、そしてシャセリオーの〈オセロ〉―を展覧します。同時代の舞台表象の影響をうかがわせる一方で、いずれも場面にみなぎる感情の描出において独創性を有するこれらの作品は、まさに二人の画家の綿密な精読と豊かな想像の結実ともいうべきものです。
ドラクロワとシャセリオーによって命を吹き込まれた登場人物たち、そして鮮烈に描き出されたドラマの数々をご堪能ください。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳 細 : 国立西洋美術館

【展覧会】国立西洋美術館|ピカソとその時代|ベルリン国立ベルクグリューン美術館展|’22年10月8日-’23年1月22日|会期終了|

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国立西洋美術館
ピカソとその時代
ベルリン国立ベルクグリューン美術館展
会  期  2022年10月8日[土]-2023年1月22日[日]
会  場  国立西洋美術館
      110-0007 東京都台東区上野公園7−7
主  催  国立西洋美術館、ベルリン国立ベルクグリューン美術館、東京新聞、TBS、共同通信社
──────────────
まだ見たことのないピカソ、35点が日本初公開。
ドイツ生まれの美術商 ハインツ・ベルクグリューン(1914-2007)は、1948年からパリで画廊を経営しながら自分自身のために作品を収集し、世界有数の個人コレクションを作り上げます。その多くは1996年以後、生まれ故郷であるベルリンのシャルロッテンブルク宮殿に面した建物の中で公開され、広く知られるに至りました。
コレクションの主要作品は2000年にドイツ政府により購入されましたが、これは同国の美術館史上最も高額な購入のひとつです。彼のコレクションを収める施設はベルクグリューン美術館と改称され、現在はベルリン国立美術館群の一翼を担っています。2007年にベルクグリューンが他界した後も、彼の遺族が美術館への支援を続け、多数の作品を寄託しています。

ベルクグリューンは晩年まで作品の購入と売却を続けながら、コレクションに際立った特色を持たせることに努め、最終的には、最も敬愛した同時代の4人の芸術家たち、ピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティの作品に重点をおきました。ベルクグリューンの類い稀なる審美眼と情熱によって厳選された粒よりのコレクションは、創造性と生命力に溢れた20世紀の巨匠たちの芸術を集約しています。
ベルクグリューン美術館の開館以来、主要作品がまとめて国外に貸し出されるのは今回が最初で、来日する作品97点のうち、76点が日本初公開です。

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[ 詳 細 : 国立西洋美術館 ]

【展覧会】国立西洋美術館|自然と人のダイアローグ|’22年6月4日-9月11日|リニューアルオープン記念展

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国立西洋美術館
自然と人のダイアローグ
会  期  2022年6月4日[土]-9月11日[日]
会  場  国立西洋美術館(東京・上野公園)
      110-0007 東京都台東区上野公園 7-7
開館時間  午前9時30分-午後5時30分(金・土は午後 8 時まで)
休  館  日  月曜日、7月19日[火](ただし、7月18日〔月・祝〕、8月15日〔月〕は開館)
主  催  国立西洋美術館、読売新聞社、NHK、NHK プロモーション
共同企画  フォルクヴァング美術館(Museum Folkwang)
問い合せ  TEL:050−5541−8600(ハローダイヤル)
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国立西洋美術館リニューアルオープン記念として、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館の協力を得て、自然と人の対話(ダイアローグ)から生まれた、近代の芸術の展開をたどる展覧会を開催します。
フォルクヴァング美術館と国立西洋美術館は、同時代を生きた、カール・エルンスト・オストハウス(1874-1921)と、松方幸次郎(1866-1950)の個人コレクションをもとに設立された美術館です。本展では開館から現在にいたるまでの両館のコレクションから、印象派とポスト印象派を軸に、ドイツ・ロマン主義から20世紀絵画までの100点を超える絵画や素描、版画、写真を通じ、近代における自然に対する感性と芸術表現の展開を展観します。
産業や社会、科学など多くの分野で、急速な近代化が進んだ19世紀から20世紀にかけて、芸術家たちも新たな知識とまなざしをもって、自然と向き合い、この豊かな霊感源から多彩な作品を生み出していきます。

足元の草花から広大な宇宙まで、そして 人間自身を内包する「自然」の無限の広がりから、2 つの美術館のコレクションという枠で切り出した、さまざまな風景の響き合いをお楽しみください。
自然と人の関係が問い直されている今日、見る側それぞれの心のなかで作品との対話を通じて、自然をめぐる新たな風景を生み出していただければ幸いです。

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[ 詳細 : 国立西洋美術館

【展覧会】国立西洋美術館|小企画展 調和にむかって|ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ ― 大成建設コレクションより|’22年4月9日-9月19日|終了企画

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国立西洋美術館
小企画展 調和にむかって
ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ ― 大成建設コレクションより
会  期  2022年4月9日[土]-9月19日[月・祝]
開館時間  9:30-17:30 毎週金・土曜日:9:30-20:00 *入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日
会  場  国立西洋美術館 新館1階 第1展示室   
観覧料金  一般500円、大学生250円
主  催  国立西洋美術館
──────────────
本展はスイスに生まれフランスで活躍した、建築家にして画家、ル・コルビュジエ(1887-1965)の晩年の絵画と素描をご紹介します。それらは、彼の初期とは全く異なる新たな環境から生まれた新しい芸術でした。
第二次世界大戦による荒廃やその後も続いた冷戦による脅威から、機械万能主義を謳った戦前の彼の芸術傾向、いわゆる第一次マシン・エイジ(機械時代)は再検証を迫られ、ル・コルビュジエはモダニストとしての信条を貫きながらも、人間の感情や精神的必要性に寄り添いながら社会の要求に答えていかねばならないと考えるようになりました。以前は単に幾何学的な動物とみなされた人間の生活に、詩的感興を吹き込まんとしたのです。彼が国立西洋美術館の本館(1959年開館)を設計したのは、まさにそうした知的環境においてであり、彼はこの建物を通じて新たな時代にふさわしい新たな理想を表現しようとしました。

そうした考え方に基づき、ル・コルビュジエの絵画も初期のピュリスム様式から大きく異なる方向へ展開します。1930年代半ばより、彼は骨や貝殻、そして人体など、自然界の形象と厳格な幾何学的構図の融合を目指し、開いた手や複数の顔を持つ牡牛などのモチーフがちりばめられ構成される独自の象徴世界を構築しました。
それは第二次マシン・エイジ(機械時代)と呼びうるもので、人間と機械、感情と合理性、そして芸術と科学の調和を目指したのです。とりわけ開いた手は、与える/受け取るという相互関係を象徴するもので、この時代の彼の制作のエンブレムとなりました。

本展示は、世界有数のル・コルビュジエのコレクションを所蔵する大成建設株式会社からの寄託作品を中心に、《牡牛XVIII》のような大作と、制作の過程を示す約10点の素描による合計約20点(展示替含め約30点)から構成されます。この芸術家の円熟期の絵画制作の展開を辿ることができる、貴重な機会となるでしょう。なお素描作品は会期半ば(6/27)で展示替えをしました。本展はロバート・ヴォイチュツケ(国立西洋美術館リサーチ・フェロー)が企画しました。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参加を
[ 詳細 : 国立西洋美術館 ]

【展覧会】国立西洋美術館 企画展示室|ロンドン・ナショナル・ギャラリー展|’20年3月3日-6月14日

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国立西洋美術館 企画展示室
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
会  期  2020年3月3日[火]-6月14日[日]
開館時間  9:30-17:30 毎週金・土曜日/9:30-20:00 
      * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日(ただし3月30日[月]、5月4日[月・祝]は開館)
主  催  国立西洋美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリー、読売新聞社、日本テレビ放送網
観覧料金  一般 1,700円、大学生 1,100円、高校生 700円
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ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、1824年に設立された、西洋絵画に特化した世界屈指の美術館です。本展は、ルネサンスから後期印象派に至る同館所蔵の名品61点をご紹介します。イギリス国外で初めて開催される同館の大規模所蔵作品展である本展では、クリヴェッリの《受胎告知》やゴッホの《ひまわり》など、出品作全てが日本初公開となります。

ロンドン・ナショナル・ギャラリーのコレクションは、王室コレクションを母体とした他のヨーロッパの大型美術館とは異なり、市民が市民のためにコレクションを持ち寄る形で形成されたことに特徴があります。13世紀後半から20世紀初頭までの幅広い時代と地域をまんべんなく網羅する、「西洋絵画史の教科書」とも言える粒ぞろいの作品によって、その後に作られた北米などの美術館のコレクションの手本ともなってきました。
本展は、イギリスで設立された西洋美術の美術館という同館最大の特色を念頭に、以下の7つのテーマによって構成されます。つまり、イタリア・ルネサンス絵画の収集、オランダ絵画の黄金時代、ヴァン・ダイクとイギリス肖像画、グランド・ツアー、スペイン絵画の発見、風景画とピクチャレスク、イギリスにおけるフランス近代美術受容です。本展は、これらを通じて、イギリスにおけるヨーロッパ美術の受容、及びイギリスとヨーロッパ大陸の美術交流の歴史を紐解きながら、西洋絵画史を俯瞰しようとするものです。

[ 詳細: 国立西洋美術館  特設サイト

【 YouTube ロンドン・ナショナル・ギャラリー展  全61点作品紹介 ムービー  1:05 】

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全館臨時休館のお知らせ 2020年2月29日-3月16日
◉ 国立西洋美術館 2020.02.27
国立西洋美術館では、文部科学大臣の要請を受け、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、当面は2020年2月29日(土)から3月16日(月)まで臨時休館とさせていただきます。
また、臨時休館中のイベント等も中止いたします。なお、3月17日(火)以降の予定につきましては、あらためてお知らせいたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

※臨時休館中及び3月末までのイベント等の中止については、下記をご参照ください。
イベント中止のお知らせ[2020.02.25 up]
※ミュージアムショップ、レストラン、研究資料センター等の関連施設も休業いたします。

【展覧会】国立西洋美術館|内藤コレクション展|「ゴシック写本の小宇宙 ─ 文字に棲まう絵、言葉を超えてゆく絵」|’19年10月19日-’20年1月26日

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国立西洋美術館
内藤コレクション展「ゴシック写本の小宇宙 ── 文字に棲まう絵、言葉を超えてゆく絵」
会  期  2019年10月19日[土]-2020年1月26日[日]
開館時間  9:30-17:30
      毎週金・土曜日は 9:30-20:00、12月27日[金]は9:30-21:00
      * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日 *’19年12月28日[土]-’20年1月1日[水・祝]、1月14日[火]は休館
会  場  国立西洋美術館 版画素描展示室
主  催  国立西洋美術館
観覧料金  一般 500円、大学生 250円
      * 本展は常設展の観覧券、「ハプスブルク展」の観覧券でもご覧いただけます。
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いまだ印刷技術がなかった西欧中世のキリスト教世界においては、修道院を中心に制作された手写本が、ひとびとの信仰と知を担う特権的なメディアでした。ただしそれは、もっぱら言葉だけを保存し、運搬する媒体ではありませんでした。
獣皮紙に書かれた中世の写本には、さまざまな挿絵が描かれ、テクストの頭文字やページの余白は、しばしば豊かな装飾なり紋様で彩られたからです。写本ページの小さな平面は、より大きな画面を備えた壁画や板絵に劣ることのない、中世の絵画芸術のまぎれもなく最重要な舞台でした。

そんな中世の彩飾写本に強く魅せられた日本人のひとりに、中毒学を専門とする学者/医師として知られる内藤裕史氏(筑波大学・茨城県立医療大学名誉教授)がいます。数十年にわたって一枚ものの写本零葉を蒐集してこられた氏は、ご自身のコレクション約150点を、2016年春に一括で当館にご寄贈くださいました。日本のミュージアムには、西欧中世のコレクションが欠けているとの思いからでした。
以降、当館では館外の研究者のかたがたに多大なご協力をいただきつつ、従来のコレクションの範囲を押し拡げるそれら寄贈作品の調査をしてきました。またその後も、内藤氏に賛同なさった長沼昭夫氏から寄付金を頂戴し、写本葉のさらなる蒐集をおこなってもきました。

このたびの小企画展は、その内藤コレクションをまとまったかたちでお披露目する最初の機会となります。内藤氏が蒐集した作品は、制作地域/制作年代ともに多岐におよびますが、中核となるのは13世紀以降のゴシック写本です。
この時代の彩飾写本では、絵が文字のなかに寄生するようにして物語や空間をつくりだしたり、欄外の余白へと居場所をもとめながらテクストを注釈したり逸脱したりしてゆきました。そうしたゴシック写本の小宇宙の一端を開示してくれる内藤コレクションの作品群を、東京藝術大学附属図書館からお借りするファクシミリ版の写本とともにご紹介します。

[ 詳細: 国立西洋美術館

【展覧会】国立西洋美術館|[企画展示室]日本・オーストリア友好150周年記念 ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史|’19年10月19日-’20年1月26日|会期末案内

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国立西洋美術館
[企画展示室]日本・オーストリア友好150周年記念
ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史
会  期  2019年10月19日[土]-2020年1月26日[日]
開館時間  9:30-17:30 毎週金・土曜日/9:30-20:00 
      *ただし11月30日[土]は17:30まで
      * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日(ただし1月13日[月・祝]は開館)、
12月28日[土]-1月1日[水・祝]、1月14日[火]

主  催  国立西洋美術館、ウィーン美術史美術館、T B S、朝日新聞社
観覧料金  一般 1,700円、大学生 1,100円、高校生 700円
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13世紀後半にオーストリアに進出後、同地を拠点に勢力を拡大し、広大な帝国を築き上げたハプスブルク家。15世紀以降は神聖ローマ皇帝の位を独占し、同家がオーストリア系とスペイン系に系統分化した16-17世紀には、後者がアジアやアフリカ、南アメリカにも領土を有したことにより、まさに「日の沈むことのない帝国」となります。ナポレオン戦争を引き金とした神聖ローマ帝国の解体後は、オーストリア帝国(1867年にオーストリア=ハンガリー二重帝国に改組、~1918年)を統治しました。数世紀にわたって広大な領土と多様な民族を支配し続けた同家は、まさに欧州随一の名門といえるでしょう。

ハプスブルク家の人〻はまた、豊かな財とネットワークを生かして、質量ともに世界屈指のコレクションを築いたことでも知られます。このうちオーストリアを拠点とし続けた同家本流による収集品の主要部分は、オーストリア=ハンガリー二重帝国「最後の皇帝」ことフランツ・ヨーゼフ 1 世肝煎りで1891年に開館したウィーン美術史美術館の礎となりました。オーストリアと日本の国交樹立150周年を記念する本展では、同館の協力のもと、絵画、版画、工芸品、タペストリー、武具など100点、5章7 セクションによって、そのコレクションをご紹介します。
個性豊かなハプスブルク家の人〻や、当時の宮廷生活の紹介も行いつつ、時代ごとに収集の特色やコレクションに向けられたまなざしのあり方を浮き彫りにしていきます。
数世紀にわたってヨーロッパの中心に君臨した、帝室ならではの華麗なるコレクションの世界をご堪能いただければ幸いです。

[ 詳細: 国立西洋美術館  特設サイト

【展覧会】国立西洋美術館 企画展示室|国立西洋美術館開館60周年記念|松方コレクション展|6月11日-9月23日

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国立西洋美術館 企画展示室
国立西洋美術館開館60周年記念
松方コレクション展
会  期  6月11日[火]-9月23日[月・祝]
開館時間  9:30-17:30 毎週金・土曜日/9:30-21:00
      * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日(ただし7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館)、7月16日(火)
観覧料金  一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円
主  催  国立西洋美術館、読売新聞社、NHK、NHKプロモーション
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神戸の川崎造船所(現・川崎重工業株式会社)を率いた松方幸次郎(1866年-慶応元年12月1日-1950)は、第一次世界大戦による船舶需要を背景に事業を拡大しつつ、1916-1927年頃のロンドンやパリで大量の美術品を買い集めます。当時の松方のコレクションは、モネやゴーガン、ゴッホからロダンの彫刻、近代イギリス絵画、中世の板絵、タペストリーまで多様な時代・地域・ジャンルからなり、日本のために買い戻した浮世絵約8000点も加えれば1万点に及ぶ規模でした。

しかし1927年、昭和金融恐慌のあおりで造船所は経営破綻に陥り、コレクションは流転の運命をたどります。日本に到着していた作品群は売り立てられ、ヨーロッパに残されていた作品も一部はロンドンの倉庫火災で焼失、さらに他の一部は第二次世界大戦末期のパリでフランス政府に接収されました。戦後、フランスから日本へ寄贈返還された375点とともに、1959年、国立西洋美術館が誕生したとき、ようやく松方コレクションは安住の地を見出したのです。

開館60周年を記念した本展では、名高いゴッホ《アルルの寝室》や、2016年に発見されたモネの《睡蓮、柳の反映》など国内外に散逸した名品も含めた作品約160点や歴史資料とともに、時代の荒波に翻弄され続けた松方コレクションの百年に及ぶ航海の軌跡をたどります。

[ 詳細: 国立西洋美術館 特設コーナー

【展覧会】国立西洋美術館 企画展示室|ルーベンス展 ── バロックの誕生|’18年10月16日-’19年1月20日

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ルーベンス展 ── バロックの誕生
会  期  2018年10月16日[火]-2019年1月20日[日]

開館時間  9:30-17:30 毎週 金・土曜日 9:30-20:00
      (ただし11月17日は9:30-17:30まで) * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日(12月24日、1月14日は開館)
      2018年12月28日[金]-2019年1月1日[火]、1月15日[火]
主  催  国立西洋美術館、TBS、朝日新聞社
観覧料金  一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円
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ペーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)は、バロックと呼ばれる壮麗華美な美術様式が栄えた17 世紀ヨーロッパを代表する画家です。彼は大工房を構え時代に先駆ける作品を量産し、同時代以降の画家たちに大きな影響を与えました。さらにその能力は画業にとどまらず、ヨーロッパ各地の宮廷に派遣されて外交交渉をも行いました。

本展覧会はこのルーベンスを、イタリアとのかかわりに焦点を当てて紹介します。イタリアは古代美術やルネサンス美術が栄えた地であり、バロック美術の中心もローマでした。フランドルのアントウェルペンで育ったルーベンスは、幼いころから古代文化に親しみ、イタリアに憧れを抱きます。そして1600年から断続的に8年間この地で生活し、そこに残る作品を研究することで、自らの芸術を大きく発展させたのです。

本展はルーベンスの作品を、古代彫刻や16世紀のイタリアの芸術家の作品、そしてイタリア・バロックの芸術家たちの作品とともに展示し、ルーベンスがイタリアから何を学んだのかをお見せするとともに、彼とイタリア・バロック美術との関係を明らかにします。近年では最大規模のルーベンス展です。

【詳細: 国立西洋美術館  特設サイト 】

【展覧会】国立西洋美術館 企画展示室  ミケランジェロと理想の身体 6月19日-9月24日

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国立西洋美術館 企画展示室
ミケランジェロと理想の身体
会  期  2018年6月19日[火]-9月24日[月・休]
開館時間  午前9時30分-午後5時30分
      毎週金・土曜日:午前9時30分-午後9時
      * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日、7月17日[火]
      * 7月16日[月・祝]、8月13日[月]、9月17日[月・祝]、9月24日[月・休]は開館
主  催  国立西洋美術館、N H K、N H K プロモーション、読売新聞社
観覧料金  当日:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円
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「神のごとき」と称えられたイタリア・ルネサンスの巨匠、ミケランジェロ・ブオナローティ

彫刻、絵画、建築の各分野で傑出した作品を残しましたが、ミケランジェロ自身は自らを「彫刻家」と呼びました。システィーナ礼拝堂の天井画についても、「天井画は私の本業ではないので、時間の浪費です」と父親への手紙に記し、「我は画家にあらず」という心の深い悲しみをうたった詩を友人に書き送っていることからもわかるとおり、ミケランジェロ芸術の神髄は彫刻にあります。
しかし、フィレンツェ・アカデミア美術館の《ダヴィデ》など彼の大理石彫刻の名作は、所蔵する各地で至宝とみなされているため、それらを紹介する展覧会の実現は、これまで日本では不可能でした。

本展は、初来日となる、ミケランジェロが壮年期に生み出した傑作《ダヴィデ=アポロ》を核に、古代ギリシャ・ローマとルネサンスの作品約70点により、両時代に追求された男性美、理想の身体を紹介します。

【詳細: 国立西洋美術館  特設サイト

【展覧会】 国立西洋美術館 [Fun with Collection 2017] ル・コルビュジエの芸術空間 ─ 国立西洋美術館の図面からたどる思考の軌跡

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[Fun with Collection 2017]

ル・コルビュジエの芸術空間 ― 国立西洋美術館の図面からたどる思考の軌跡
会       期 : 2017年6月9日[金]-9月24日[日]
会       場 : 国立西洋美術館 常設展内(版画素描展示室)
開館時間 : 午前9時30分-午後5時30分

* 6月の金・土曜日は20:00まで、7-9月の金・土曜日は21:00まで
* 入館は閉館の30分前まで
休  館  日 : 月曜日(ただし、7月17日、8月14日、9月18日は開館)、7月18日[火]
主   催 : 国立西洋美術館
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国立西洋美術館ファン・ウィズ・コレクションは、同館の所蔵作品や建物を様々な視点から楽しんでいただくプログラムです。今回は、2016年に世界文化遺産に登録された国立西洋美術館の本館をとりあげ、ル・コルビュジエがその設計の過程で描いた習作図面をもとに彼の本館構想のプロセスを紹介します。

ル・コルビュジエは建築を設計する際、研究を重ねたうえでプロトタイプ(基本型)を作成し、
実際に建設される敷地や環境に応じてプロトタイプに変更を加えて完成させるという手法を用いました。所蔵品の増加とともに展示室を増築していくことを基本理念とするプロトタイプ「無限成長美術館」をもとに、彼は松方コレクションを収蔵・展示するための美術館を上野公園に設計しました。

本展は、1)芸術の総合:広場(エスプラナード)、2)螺旋型に鑑賞する、3)卍型に施設を附属する、4)建物のファサードをなくす、5)太陽の光を採り入れる、6) 19世紀大ホールの6
つのセクションで構成されます。
現存する302点におよぶ本館設計に関わる資料の中から、厳選
した34点の図面やスケッチの複製を用いて、ル・コルビュジエがプロトタイプをどのように日本側の希望と上野という敷地に適応させていったのかをたどります。

【 詳細 : 国立西洋美術館

【展覧会予告】 国立西洋美術館 アルチンボルド展 6月20日[火]-9月24日[日]

20170214173632_00006 20170214173632_00005奇想の宮廷画家アルチンボルド。
謎が謎を呼ぶ、思考の迷宮(Labyrinth)へようこそ。
国立西洋美術館 企画展示室

アルチンボルド展
会       期 : 2017年6月20日[火]-9月24日[日]
開館時間 : 午前9時30分-午後5時30分

           毎週金・土曜日:午前9時30分-午後8時
主       催 : 国立西洋美術館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
──────────
ジュゼッペ・アルチンボルド(1526-1593年)は、16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した、イタリア・ミラノ生まれの画家です。

自然科学に深い関心を示したマクシミリアン2世、稀代の芸術愛好家として知られるルドルフ2世という神聖ローマ皇帝たちに寵愛されたアルチンボルドは、歴史上でもひときわ異彩を放つ、宮廷の演出家でした。
そんな「アルチンボルド」の名は、何よりも、果物や野菜、魚や書物といったモティーフを思いがけないかたちで組み合わせた、寓意的な肖像画の数〻によって広く記憶されています。
奇想と知、驚異と論理とが分かちがたく交錯するそれらの絵画は、暗号のようにして豊かな絵解きを誘い、20世紀のシュルレアリスム以後のアーティストたちにも、大きな刺激を与えました。

本展は、世界各地の主要美術館が所蔵するアルチンボルドの油彩約10点のほか、素描などおよそ100点により、この画家のイメージ世界の生成の秘密に迫り、同時代の文脈の中に彼の芸術を位置づけ直す試みです。
日本で初めて、アルチンボルドのユーモアある知略の芸術を本格的にご紹介するこの機会を、どうかご期待ください。

【 詳細 : 国立西洋美術館  特設サイト

【展覧会】 国立西洋美術館 シャセリオー展 ― 19世紀フランス・ロマン主義の異才

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シャセリオー展 ― 19世紀フランス・ロマン主義の異才

会   期 : 2017年2月28日(火)-2017年5月28日(日)
開館時間 : 午前9時30分-午後5時30分
毎週金曜日:午前9時30分-午後8時
※入館は閉館の30分前まで
※シャセリオー展は土曜日の夜間開館はありません。
休  館 日 : 月曜日(ただし、3月20日、3月27日、5月1日は開館)、3月21日(火)
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本展はフランス・ロマン主義の異才テオドール・シャセリオー(Théodore Chassériau 1819-1856)の芸術を日本ではじめて本格的に紹介するものです。

アングル門下の異端児テオドール・シャセリオーは、10代のはじめに師に入門を許された早熟の天才ですが、ロマン主義の潮流の中でしだいにアングルの古典主義を離れ、独特のメランコリックな情熱と抒情を湛えた作品世界を作りあげていきました。
アルジェリアを旅して彼の地の人々や風物を色彩豊かに描いたシャセリオーはオリエンタリスム(東方趣味)の画家にも数えられます。
しかしカリブ海のスペインの旧植民地に生まれ、父親不在の寂しさや師との芸術的葛藤を抱えつつ独自の芸術の道を模索したこの画家自身が内面に異邦的(エキゾティック)なるものを持っていました。
神話や聖書、シェイクスピア文学の一場面にせよ、東方主題にせよ、あるいは人々の肖像にせよ、いずれの作品にも漂う「エキゾティスム」こそがシャセリオー芸術の本質であり、観る者の心に響きます。

今日ではフランス・ロマン主義を代表する画家に数えられるシャセリオーですが、37歳で早逝したことや、代表作の壁画が破壊されたこともあって正当な評価が遅れ、フランスでも回顧展の開催は1933年と2002年を数えるのみです。
本展では、ルーヴル美術館所蔵品を中心に、絵画約40点、水彩・素描約30点、版画約10点、写真や資料などによってシャセリオーの画業全体を紹介するとともに、師や仲間、そしてこの画家から決定的な影響を受けたギュスターヴ・モローやピュヴィス・ド・シャヴァンヌらの作品約20点もあわせて展示し、ロマン主義から象徴主義への展開、そしてオリエンタリスムの系譜のなかでその芸術の意義を再考します。
今回の展覧会は、フランスでもその作品をまとめて見る機会が少ないシャセリオーの作品世界に触れる絶好の機会となることでしょう。

【 詳細 : 国立西洋美術館 】