カテゴリー別アーカイブ: 展覧会

【展覧会】泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷|企画展 歌と物語の絵 ─ 雅やかなやまと絵の世界|’23年6月10日-7月17日

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泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷
企画展 歌と物語の絵
── 雅やかなやまと絵の世界
会  期  2023年6月10日[土]- 7月17日[月・祝]
休  館  日  月曜日(7月17日は開館)
開館時間  午前10時 - 午後5時(入館は 午後4時30分 まで)
会  場  泉屋博古館(京都・鹿ヶ谷)
      606-8431 京都府京都市左京区鹿ケ谷下宮ノ前町24
入  館  料  一 般 800円、高大生 600円、中学生以下 無 料
      * 本展覧会の入場料で青銅器館もご覧いただけます
主  催  公益財団法人泉屋博古館、京都新聞
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悲喜こもごもの逸話に、あまたの恋物語、華麗な王朝行事に謎の鳥人間・・・・
絵画がいろどる古典文学の世界をご堪能ください。

伊勢物語図屏風(右隻)伝俵屋宗達 江戸・17世紀 伊勢物語図屏風(左隻)伝俵屋宗達 江戸・17世紀《伊勢物語図屏風》宗達派 上図)右隻 下図)左隻 桃山-江戸・17世紀
平家物語_大原御幸図屏風 桃山・16世紀《平家物語・大原御幸図屏風》 桃山・16世紀
竹取物語絵巻 江戸・17世紀《竹取物語絵巻》 江戸・17世紀
是害房絵巻 南北朝・14世紀 重要文化財《是害房絵巻》南北朝・14世紀 重要文化財

古来、語り読み継がれてきた物語は、古くから絵巻物など絵画と深い関係にありました。和歌もまた、三十一文字の世界が絵画化されたり、絵から受けた感興から歌が詠まれたりと、絵画との相互の刺激から表現が高められてきました。
物語絵や歌絵の特徴のひとつは、精細な描写と典雅な色彩。宮廷や社寺の一級の絵師が貴人の美意識に寄り添い追求した「やまと絵」の様式を継承することでしょう。そしてストーリーに流れる時間を表すかのような巻物、特別な場面を抽出してドラマティックに描き出す屏風など、長大な画面にさまざまな表現が生まれました。
古典文学は、後世の人々が自身に引き寄せて味わうことで、読み継がれ輝き続けてきました。それに基づく絵画もまた同様です。本展では、近世の人々の気分を映し出す物語絵と歌絵を、館蔵の住友コレクションから選りすぐってご紹介します。雅やかで華麗、時にちょっとユーモラスな世界をお楽しみ下さい。

※ 展示作品の画像は 泉屋博古館(京都) から拝借しました。二次流用などはご遠慮ください。
※ 下掲詳細を確認の上参観を。

[ 詳 細 : 住友コレクション 泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷 { 活版 à la carte 過去ログ }

【展覧会】山種美術館|【特別展】小林古径 生誕140年記念 小林古径と速水御舟 ― 画壇を揺るがした二人の天才 ―|’23年5月20日-7月17日

古径と御舟展校了データ_チラシ-1古径と御舟展校了データ_チラシ-2

山種美術館
【特別展】小林古径 生誕140年記念 小林古径と速水御舟
― 画壇を揺るがした二人の天才 ―
会  期  2023年5月20日[土]- 7月17日[月・祝]  * 会期中、一部展示替えあり。
         前 期:5月20日[土]- 6月18日[日]
         後 期:6月20日[火]- 7月17日[月・祝]
開館時間  午前10時 - 午後5時 (入館は午後4時30分まで)
      * 今後の状況により、会期・開館時間等は変更する場合があります。
休  館  日  月曜日 (但し、7月17日[月・祝]は開館)
入  館  料  一 般 1400円、大学生・高校生 1100円、中学生以下 無料 (付添者の同伴が必要です)
      * 上掲は、個人・当日・税込料金を表示。各種割引・特典などは下掲 公式HP にて
会  場  山種美術館
      150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36
問い合せ  050-5541-8600  (ハローダイヤル 電話受付時間: 9:00-20:00)
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01 A0003d 小林古径 闘草(修復後)_C_1000小林古径 《闘草》1907(明治 40)年
絹本・彩色   山種美術館

02 東京国立近代美術館 小林古径 極楽井 J00438_1000小林古径 《極楽井》1912(大正元)年
絹本・彩色 東京国立近代美術館 [前期展示 5/20-6/18

03 A0355 速水御舟 錦木_C_1000速水御舟 《錦木》1913(大正 2)年
絹本・彩色   山種美術館

近代日本画の歴史に大きな足跡を残した小林古径(こばやし こけい 1883-1957)と、速水御舟(はやみ ぎょしゅう 1894-1935)。
二人には 11 歳の年齢の差がありますが、彼らの画業をたどると多くの共通点が見出せます。
古径と御舟はともに歴史画・人物画から画業をスタートさせました。1914(大正3)年に再興された院展で活躍した二人は、大正時代半ば以降、細密描写による徹底した写実へと同時期に作風を変化させています。また、実業家・原三溪から支援を受けたことも共通しています。さらに、それぞれの渡欧体験を経て、古径は東洋画の「線の美」に目覚めて独自の画風を確立し、御舟は人物表現や水墨を基調とした花鳥画へと新境地を拓いたのです。

古径と御舟は互いに尊敬し合い、切磋琢磨した仲でもありました。御舟は先輩画家である古径を「自分の信じた道を真直(まっすぐ)に歩んでいく」と称賛しています。一方の古径も年下の御舟に対して「あれほど芸術に熱烈だった友のことを想うと尊敬の念にかられる」と述べており、互いに敬意を持って交流したことがわかります。

古径の生誕 140 年を記念する本展では、古径の代表作である《極楽井》(東京国立近代美術館)、《出湯》(東京国立博物館)、《清姫》、御舟芸術の粋ともいうべき《炎舞》【重要文化財】、《翠苔緑芝》をはじめ、初期から晩年までの名品の数々を展示し、二人の交流を示す作品や言葉もあわせて紹介します。互いに刺激を受け合いながら、時代の先駆けとなって活躍し、同時代や後世の画家たちに大きな影響を与えた、特筆すべき二人の天才画家の軌跡をご堪能ください。
*  上掲文中のうち、所蔵先表記のない作品はすべて山種美術館所蔵です。

※ 作品画像は 山種美術館 より拝借した物です。二次引用などはご遠慮ください。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上観覧を。
[ 詳 細 : 山種美術館

【展覧会】東京ステーションギャラリー|甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性|’23年7月1日-8月27日|6月1日ゟ前売り開始

甲斐荘東京01 甲斐荘東京02東京ステーションギャラリー
甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性
会  期  2023年7月1日[土]- 8月27日[日]
      * 会期中、展示替えをおこないます
休 館 日  月曜日[7/17、8/14、8/21 は開館]、7/18[火]
開館時間  10:00-18:00  * 入館は 閉館30分前 まで
      * 金曜日は 20:00 まで開館
会  場  東京ステーションギャラリー
      100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 TEL : 03-3212-2485
入 館 料  当日・個人 一 般 1,400円、高校・大学生 1,200円、中学生以下 無 料
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照
      * 6月1日[木]から前売り〔割引〕券販売 ! 下掲詳細参照!
主  催  東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]、日本経済新聞社
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あやしさを超えて、誰も見たことのない甲斐荘楠音の全貌にせまる
甲斐荘楠音(1894-1978/かいのしょう ただおと)は、大正期から昭和初期にかけて日本画家として活動し、革新的な日本画表現を世に問うた「国画創作協会」の一員として意欲的な作品を次々と発表しました。しかし、戦前の画壇で高い評価を受けるも、1940年頃に画業を中断して映画業界に転身。長らくその仕事の全貌が顧みられることはありませんでした。

本展は1997年以降26年ぶり、東京の美術館では初となる本格的な甲斐荘の回顧展です。これまで知られてきた妖艶な絵画作品はもとより、スクラップブック・写真・写生帖・映像・映画衣裳・ポスターなど、甲斐荘に関する作品や資料のすべてを等しく展示します。
画家として、映画人として、演劇に通じた趣味人として ── さまざまな芸術を越境する「複雑かつ多面的な個性をもった表現者」として甲斐荘を再定義します。

※ 6月1日[木]から前売り〔割引〕券販売 ! 下掲詳細参照!
[ 詳 細 : 東京ステーションギャラリーkazari-upper甲斐荘東京03 甲斐荘東京04

< 甲斐荘楠音が携わった時代劇映画 >
甲斐荘楠音は衣裳・風俗考証家として、日本の時代劇映画の黄金期を支えました。
本展に展示される映画衣裳の制作には甲斐荘が携わっています。映画監督・溝口健二をして「甲斐荘君が手伝ってくれると品がよくなる」と言わしめた考証家としての手腕は、伊藤大輔や松田定次ら時代劇映画の名監督たちから厚い信頼を得ていました。
本展には、東映京都撮影所に保管されていた往年の映画衣裳の数々が展示されます。名優・市川右太衛門が袖を通した絢爛豪華な衣裳をはじめ、数々の映画資料が甲斐荘の見識や感性を物語ってくれます。

< Highlights みどころ >
1 過去最大スケールの回顧展、ついに創作の全貌が明らかに!
デカダンス薫る大正画壇の異才にして、昭和チャンバラ時代劇の陰の立役者。そして芝居を愛し、自らも演じることに興じた趣味人にして数寄者 ──。謎多き「あやしい画家」から「多面的な個性をもった不世出の表現者」へ、甲斐荘のイメージをアップデートする過去最大の回顧展。多彩な作品と資料から甲斐荘の知られざる「越境性」を明らかにします。
2 甲斐荘・昭和初期の傑作がメトロポリタン美術館から凱旋!
「国画創作協会」解散後、甲斐荘が新たな活動の場とした絵画団体「新樹社」。その記念すべき第1回に出品された甲斐荘の意欲作《春》が、はるばるニューヨークから凱旋します。甲斐荘絵画のエッセンス、圧倒的な存在感を感じられる秀逸な作品は必見です。
3 甲斐荘の知られざる後半生を物語る、昭和の銀幕を彩った映画衣裳の数々!
東映時代劇の最も華々しい時代を彩った珠玉の衣裳が目白押し。名優・市川右太衛門と甲斐荘楠音がともに作り上げた「旗本退屈男」シリーズの豪華衣裳を中心に、甲斐荘が考証・提案した映画衣裳をポスターやスチル等と併せて展示します。
また、甲斐荘が『雨月物語』(溝口健二監督・1953年)のために考案し、アカデミー賞衣裳デザイン賞にノミネートされた衣裳もパリのシネマテーク・フランセーズから海を越えて来日します。

<Sections 章立て>
序   章    描く人
第 1 章    こだわる人
第 2 章    演じる人
第  3  章    越境する人
終   章    数奇な人

※ 6月1日[木]から前売り〔割引〕券販売 ! 下掲詳細参照!
[ 詳 細 : 東京ステーションギャラリー ]

【展覧会】神奈川県立近代美術館 葉山|企画展 生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良|’23年4月22日-7月2日|前期 4月22日-5月28日 後期 5月30日-7月2日|後期展開催

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神奈川県立近代美術館 葉山
企画展 生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良
会  期  2023年4月22日[土]- 7月2日[日]
         前 期 : 4月22日[土]- 5月28日[日]
         後 期 : 5月30日[火]- 7月 2 日[日]
会  場  神奈川県立近代美術館 葉山  展示室 2、3、4
休  館  日  月曜日
開催時間  午前9時30分 – 午後5時(入館は 午後4時30分 まで)
観  覧  料  一 般 1,200円、20歳未満・学生 1,050円、65歳以上 600円、高校生 100円
      * 中学生以下と障害者手帳等をお持ちの方(および介助者原則1名)は無料です。      
      * 各種割引、優待などは 下掲詳細 をご覧下さい。
同時開催  コレクション展 野崎道雄コレクション受贈記念 見えないもの、見たいこころ
主  催  神奈川県立近代美術館
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戦後日本彫刻史に大きな足跡を残した彫刻家・佐藤忠良(さとう ちゅうりょう 1912−2011)。東京美術学校(現・東京藝術大学)で彫刻を学び、従軍とシベリア抑留を経て復員したのちは、新制作派協会(現・新制作協会)を基点に一貫して具象彫刻の道を歩みました。また、力強く現実感をたたえた素描力を生かし、絵本や挿絵でも広く活躍しています。

本展はその傑作として知られる彫刻《群馬の人》と《帽子・夏》、今なお読み継がれるベストセラー絵本『おおきなかぶ』の3作品が、いかにして誕生したのか、各年代の代表作を制作年順に紹介するとともに、佐藤が蒐集し生涯手元においた西洋美術のコレクションを手がかりとして、その創造の秘密に迫ります。

<展覧会の見どころ>
1.「佐藤忠良」を再読する
日本人の手で初めて日本人の顔を表現したと評された《群馬の人》、身体と衣服の造形のバランスを追求し独自の様式に至った《帽子・夏》。佐藤が一貫して作り、描いたのは、人間でした。社会における芸術の役割とは何か、人はなぜ人間の姿を作るのか、自らに問い続けた 「佐藤忠良」という作家を読み直す展覧会です。
2. 蒐集と創作 - コレクションからみえるもの
フランス近代彫刻に魅せられて彫刻を志した佐藤は、敬愛する西洋作家の作品を蒐集し、その仕事を注意深く観察することから創作のヒントを得てきました。本展では佐藤忠良コレクション(宮城県美術館蔵)から、彫刻家のオーギュスト・ロダンやマリノ・マリーニやジャコモ・マンズー、画家のエドガー・ドガ、パブロ・ピカソ、アメデオ・モディリアーニ、ベン・シャーンらの作品を展覧します。

※ 同時開催  コレクション展  野崎道雄コレクション受贈記念 見えないもの、見たいこころ
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。

[ 詳 細 : 神奈川県立近代美術館 ]

【展覧会】水野美術館|水野コレクション 美術館でめぐる歳時記 〜 日本画家たちが描く四季|’23年6月10日-7月17日

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水野美術館
水野コレクション
美術館でめぐる歳時記 〜 日本画家たちが描く四季
会  期  2023年6月10日[土]- 7月17日[月]
開館時間  9時30分 - 17時30分(入館は17時まで)
休  館  日  毎週月曜日(但し7月17日[月・祝]は開館)
入  館  料  一 般 1,000円、 中 高 生 600円、 小学生 300円
      予約不要 美術館窓口で当日券を販売
会  場  水野美術館
      380-0928 長野県長野市若里6-2-20 TEL:026-229-6333 FAX:026-229-6311
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春の花見に、秋の紅葉狩り、端午の節句や七夕まつり、あるいは五月雨、吹雪など――。
こうした四季ごとの行事や生活、植物や気候などの情報をまとめた書物『歳時記』をご存知でしょうか。現代では俳句の季語辞典として多くの書籍が発行され、季節ごとの森羅万象を表わす膨大な言葉の数々が納められています。
いわば歳時記とは、“ 季節の百科事典 ” とも言い換えられるでしょう。

本展では、展示室全体を歳時記に見立て、日本画のなかから季節を感じるモチーフやことばを探ります。例えば上村松園《夏の美人圖》に描かれた、女性の吊るす蚊帳や足元に置かれた団扇は、夏を表わす暮らしの道具です。あるいは菊池契月《流鏑馬図》や山本丘人《紅葉の季》では、秋を感じる紅葉の情景を見ることができます。
このように日本画家たちの捉えた四季のすがたを、歳時記をたよりにどうぞお楽しみください。

※ 水野美術館は、岡倉天心の流れをくむ、横山大観、菱田春草、下村観山、川合玉堂らの近代日本画を系統立てて集めた美術館です。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳 細 : 水野美術館 ]

【展覧会】茨城県陶芸美術館|コレクション展Ⅰ 新収蔵品展|’23年5月10日-10月22日

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 茨城県陶芸美術館
コレクション展Ⅰ 新収蔵品展
会  期  2023年5月10日[水]- 10月22日[日]
会  場  茨城県陶芸美術館1階 第1展示室
      309-1611 茨城県笠間市笠間2345(笠間芸術の森公園内)TEL:0296-70-0011
開館時間  午前9時30分 - 午後5時(入場は 午後4時30分 まで)
休  館  日  毎週月曜日(ただし7月17日、8月14日、9月18日、10月9日は開館)、
      7月18日[火]、9月19日[火]、10月10日[火]
観  覧  料  一般320円、70歳以上160円、高大生260円、小中生160円
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照。
      * 同時開催中の企画展覧会券にて、本展もご覧いただけます。
主  催  茨城県陶芸美術館
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茨城県陶芸美術館では、令和4年度に34作家による95件の作品を新たに収蔵しました。
富本憲吉、荒川豊蔵、加守田章二をはじめ、昆虫やいきものをモチーフとした現代作家や、2021年笠間陶芸大賞入賞・入選の作など、近現代の陶芸の展開をたどるにあたって重要な作品を収蔵いたしました。新収蔵品展を通して、日本の近現代陶芸の豊かな世界をお楽しみください。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳 細 : 茨城県陶芸美術館 ]

【展覧会】クリエイションギャラリーG8|第25回亀倉雄策賞受賞記念|岡崎智弘 個展「STUDY」|’23年6月6日-6月28日

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クリエイションギャラリーG8
第25回亀倉雄策賞受賞記念
岡崎智弘 個展「STUDY」
会  期  2023年6月6日[火]- 6月28日[水]
時  間  11:00 a.m. - 7:00 p.m.
会  場  クリエイションギャラリーG8
      104-8001 東京都中央区銀座 8-4-17 リクルート GINZA8 ビル 1F
      TEL 03-6835-2260
      日曜休館 入場無料
主  催  クリエイションギャラリーG8 
共  催  公益社団法人日本グラフィックデザイン協会、亀倉雄策賞事務局
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岡崎智弘 OKAZAKI Tomohiro
受賞のことば
亀倉雄策さんは私にとって本の中で出会う人です。学生時代から数々の作品や言葉と接してきました。
受賞作品の「デザインあneo あのテーマ」は、子供達に向けたテレビ番組の中のひとつのコーナーです。この世界を自分の目で見たり、何かを自分の手でつくろうとする時の、その手前にある気づきや心の有り様をテーマに、「あ」と「丸い穴」という要素のみで、視覚的な実験を積み重ねて構成したコマ撮り手法による映像です。映像が映るテレビが置かれた部屋に生まれる空気感や、テレビの前でじっと観察する子供の姿、そのような場面と時間の中にある豊かさとは何か?と想像しながら取り組んだ仕事です。
思い返してみると、この「デザインあ」というテレビ番組の仕事が、若き日の私にとって映像をデザインするきっかけとなった初めての仕事でした。発端は、私が誰からも頼まれずに自分だけで面白がり、制作したコマ撮り映像を、運良く、尊敬する「つくる人」が観てくれて、誰も知らなかった私を発見してくれたことでした。
その時、「つくったものが、私をあたらしいところへと連れて行ってくれた」と、もがき閉ざされた小さな私の世界から、広大で未知なる空間へとポンと身を置かれたように感じた心の感触を、しっかりと覚えています。

それから10年ほど、この表現の探求を続けながら、様々なデザインの仕事をしていく中で、幸運にも多くの「つくる人」と出会い、沢山の影響を私自身が受けながら、時間を過ごしてきました。
私のまわりにいる「つくることが好きな人達」はとてもキラキラしています。つくられた物や発せられる言葉に、私はいつも心踊る思いで反応してしまいます。「つくることが好きな人」はきっと「つくっている人」が好きなのだと思います。

亀倉雄策さんとは直接お会いしたことも、お話をさせていただいたこともありません。それでも、「つくる」ことで、様々な「つくる人」との繋がりが生まれたように、今つくろうとする自分の指先のずっとずっと延長線上の向こうのほうに、沢山のつくる人を介しながら、もしかしたら、亀倉雄策さんと繋がっているのかもしれないと、想像する機会となりました。
デザイナーは、各々が個で仕事に取り組んでいたとしても、私たちに通底する大きな「つくる人の文化」に、いつだって接し、繋がっているのだと感じました。そして、故人に出来なく、今生きている私達に出来ることは「つくる」ことなのかもしれません。もがいても楽しみ、つくることを続けていきたいと思います。

< 岡崎智弘 OKAZAKI Tomohiro プロフィール >
1981年神奈川県生まれ。2003年東京造形大学デザイン学科視覚伝達専攻を卒業。広告代理店、デザイン事務所勤務を経て、’11年9月よりデザインスタジオ SWIMMING を設立し活動。グラフィックデザインの姿勢を基軸に、印刷物/映像/展覧会など視覚伝達を中心とした領域を柔軟に繋ぎながら、仕事の規模を問わず、文化と経済の両輪でデザインの活動に取り組んでいる。
デザインの仕事は、自分が知らない世界や事象と向き合う機会となることや、人や社会と繋がる行為となること、また世界の捉え方や構造を発見し関与することができるものであり、その可能性に大きな魅力を感じている。

https://www.swimmingdesign

※ 下掲詳細を確認の上 ご観覧を。
[ 詳 細 : クリエイションギャラリーG8   日本グラフィックデザイン協会

【展覧会 予告】クリエイションギャラリー G8|第25回亀倉雄策賞受賞記念|美澤 達 個展「Just by」|’23年7月4日-7月27日

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クリエイションギャラリー G8
第25回亀倉雄策賞受賞記念
美澤 達 個展「Just by」
会  期  2023年7月4日[火]- 7月27日[木]
時  間  11:00 a.m. - 7:00 p.m.
会  場  クリエイションギャラリーG8
      104-8001  東京都中央区銀座 8-4-17 リクルート GINZA8ビル  1 F
      TEL 03-6835-2260
      日曜休館 入場無料
主  催  クリエイションギャラリーG8 
共  催  公益社団法人日本グラフィックデザイン協会、亀倉雄策賞事務局
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三 澤   遥 MISAWA Haruka
受賞のことば
私には未完プロジェクトがいくつかある。敢えて、完成させないようにしている。例えば、紙の可能性を探求する『動紙』はそのうちのひとつで、5年に亘って研究している。まだまだこれから、10年、20年と続けていくかもしれない。
継続的な試みの中にしか見えてこないものづくりの質を追求し、仲間と数々の実験や検証をしていく時間は、まるで社会との接点を暗闇で探るようで、地道ながら刺激に満ちている。わくわくすることもあるし、途方もない気持ちになることもある。つくることで、もっとわからなくなることもある。つくり続けるその先で何に出会えるかはまだわからないが、想像も及ばないものと遭遇できる可能性に大いに期待し、つくることを止めないでおく。
これまで制作発表した作品も、まだ変化している途中の状態かもしれない。そう捉えてみると、まだまだ先の姿を考えてみたくなる。まだまだ、をつくる。すると、まだまだ面白がれる。まだまだ、の思考が次に進む力となる。

玉造幼稚園のサインは、金属の輪っかの組み合わせから成る。これらはすべて、輪っかの大きさ、重なりやずれの違いから生まれた簡潔な形状をしている。一見、オブジェや彫刻のようなサインらしからぬ佇まいは、子どもたちに観察し想像することを問う。これはなんだろう、と。サインに書かれた文字がまだ幼くて読めなくても、彼らは柔軟な発想で周辺や世界を捕まえようとする。
子どもたちのことをそっと近くで見守るような、柔らかなコミュニケーションをサインに。最初から具体的なイメージを決めず、原寸の紙模型で検証を重ね、要素を削ぎ落としながら造形やストーリーを編集して構築していくプロセスは、これまで三澤デザイン研究室が繰り返し行なってきた実験と検証の延長にある。

最近になってようやく、未完プロジェクトが多種多様なかたちでつながりはじめ、絡まり合い、広がり出している。でも、まだまだ。これから先が、きっともっと面白い。

< 三 澤 遥 MISAWA Haruka プロフィール >
1982年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、デザインオフィス nendo を経て、日本デザインセンター原デザイン研究所に所属。2014年より 三澤デザイン研究室 として活動開始。
ものごとの奥に潜む原理を観察し、そこから引き出した未知の可能性を視覚化する試みを、実験的なアプローチによって続けている。
主な仕事に、水中環境を新たな風景に再構築した「waterscape」、かつてない紙の可能性を探求した「動紙」、国立科学博物館の移動展示キット「WHO ARE WE」、隠岐ユネスコジオパークの泊まれる拠点「Entô」のアートディレクション、上野動物園の知られざる魅力をビジュアル化した「UENO PLANET」がある。

https://misawa.ndc.co.jp/

※ 下掲詳細を確認の上 ご観覧を。
[ 詳 細 : クリエイションギャラリーG8   日本グラフィックデザイン協会 ]

【展覧会】たばこと塩の博物館|没後200年 江戸の知の巨星 大田南畝の世界|’23年4月29日-6月25日|5月30日ゟ 後期展示開始

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南畝の多岐にわたる偉大な業績を およそ180点の資料で紹介
没後200年 江戸の知の巨星 大田南畝の世界
期  間  2023年4月29日[土・祝]- 6月25日[日]

         前 期:4月29日[土・祝]- 5月28日[日]
         後 期:5月30日[火]- 6月25日[日]
会  場  たばこと塩の博物館 2 階特別展示室
      130-0003  東京都墨田区横川 1-16-3 電 話 03-3622-8801 
開館時間  午前10時 - 午後5時(入館締切は 午後4時30分まで)
休  館  毎週月曜日
入  館  料  大 人・大学生 100円、満65歳以上の方(要証明書)50円、小・中・高校生 50円
後  援  日本近世文学会、法政大学江戸東京研究センター
主  催  たばこと塩の博物館
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狂歌の名人「蜀山人 – しょくさんじん」こと大田南畝(おおた なんぽ 1749-1823)の名は、江戸文化に関心をもつ方なら一度は耳にしたことがあるかもしれません。平賀源内や山東京伝、喜多川歌麿や版元の蔦屋重三郎などに彩られた、華やかな江戸の出版界の中心人物であり、当意即妙な狂歌の名手として、現代でも落語や時代小説などで知られる人物です。
幕臣としても有能で、御家人という低い身分ながら、幼少の頃から積み重ねた知識と能力によって登用され、職務においても高く評価されていきます。くわえて、同時代の事件や風聞から歴史的な典籍まで、見聞きしたあらゆる事物を書き残した功績ははかり知れません。浮世絵や江戸文学の歴史ひとつとっても、南畝の記録なしには多くの事物が埋もれてしまったことでしょう。

南畝没後200年記念となる本展は、このような 大田南畝 について、多角的に取り上げているのが特徴です。さらに、たばこと塩の博物館で開催する展示として、彼と深い関わりを持ったたばこ屋の平秩東作 – へずつ とうさく- と蘭奢亭薫 – らんじゃてい かおる – についても特別に紹介しました。
情報が氾濫し、知識の価値が問われている今日とは対照的に、情報伝達手段が限られた江戸時代にあって、情報を吟味し記録し続けた南畝の生涯を通じて、知とは何か、あらためて考える契機となれば幸いです。

譛玲枚蝣・蜊礼幅螻慕判蜒・Photo_02寝惚先生文集 個人蔵
譛玲枚蝣・蜊礼幅螻慕判蜒・Photo_04
三十六人狂歌撰 個人蔵

譛玲枚蝣・蜊礼幅螻慕判蜒・Photo_05狂歌百人一首  古今狂歌袋 たばこと塩の博物館蔵
譛玲枚蝣・蜊礼幅螻慕判蜒・Photo_06鎌倉太平序 個人蔵

 ※ 展示作品の写真画像はたばこと塩の博物館から拝借しました。二次流用などはご遠慮ください。※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を
[ 詳 細 : たばこと塩の博物館 ]

【展覧会】根津美術館|企画展 救いのみほとけ お地蔵さまの美術|’23年5月27日-7月2日

根津5-6月根津美術館
企画展 救いのみほとけ
お地蔵さまの美術
2023年5月27日(土)- 7月2日(日)
会  期  2023年5月27日[土]- 7月2日[日]
休  館  日  毎週月曜日
開館時間  午前10時-午後5時 * 入館は 閉館30分前 まで
入  場  料   オンライン日時指定予約入館制  * 下掲詳細参照
      一 般 1300円、学 生 1000円、中学生以下 無 料
      * 障害者手帳提示者および同伴者は200円引き
会  場  根津美術館 展示室 1・2
      107-0062 東京都港区南青山 6-5-1 Tel. 03-3400-2536
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親しみを込めて “ お地蔵さま ” とよばれる地蔵菩薩は、おそらく日本人の誰もが知るほとけでしょう。日本では平安時代に入ってから本格的に信仰されるようになり、平安時代後期に衆生を救済するほとけとしての信仰が確立すると、それ以降は地域や時代を超えて崇められ、数多くの仏画や仏像が作られました。
本展では、館蔵品の仏画や仏像を中心として、日本における地蔵信仰の歴史とその広がりを概観します。この展覧会が、地蔵菩薩にかかわる美術の華麗で多様な世界を知る機会となれば幸いです。

※ 入館はオンライン日時指定予約制。下掲詳細を確認のうえご観覧を
[ 詳 細 : 根津美術館 ] { 根津美術館 活版アラカルト まとめ }

【展覧会】ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション|2023年 夏のコレクション展|南 桂子 銅版画展 ─ 静かな王国|’23年5月27日-8月6日

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ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
2023年 夏のコレクション展
南桂子 銅版画展 ── 静かな王国
会  期  2023年5月27日[土]-8月6日[日]
開館時間  11:00-17:00(土日祝 10:00-17:00) * 最終入館 16:30
      《ナイトミュージアム》  会期中の第 1・3 金曜日
      *は 20:00 まで開館、最終入館19:30(*6/2、 6/16、 7/7、 7/21、 8/4) 
休  館  日  月曜日 * ただし 7/17[祝]は除く、7/18[火]
入  館  料  大 人 600 円、 大学生・高校生 400 円、 中学生以下 無 料
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20 世紀後半、日本人女性としては、いちはやく銅版画の可能性を見つけ、パリで制作し
南 桂子(1911- 2004)の展覧会です。
富山県高岡に生まれ、幼少の頃から絵を描いていた桂子は、戦後東京に出て油彩画を
団体展に発表し、さらにパリに渡ると、銅版画家として頭角を現しました。
南桂子のモチーフは約40年間、ほとんど変わりませんでした。
鳥、少女、一本の木。
自分の足でひとり立ち、或いはたたずみ、透明感に満ちた世界にいます。
絵の中には孤独と、それをくぐりぬけた幸福が、穏やかに調和しているかのようです。
銅版画の肌合いは、この静かな世界を表現するのにふさわしく、
やさしさ、さびしさ、あこがれ、希望が、
淡い色彩として光の粒子のようにちりばめられています。
作品をめぐる、つかの間の一人旅。
南 桂子 約45点、浜口陽三 約10点の銅版画をご鑑賞ください。

※ 下掲詳細をご確認の上ご観覧ください
[ 詳 細 : ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション ]

【展覧会】松岡美術館|美しい人びと 松園からローランサンまで|’23年2月21日-6月4日|会期末

松岡美術館A4_表ol再.松岡美術館A4_裏ol-四 松岡美術館
美しい人びと 松園からローランサンまで
会  期  2023年2月21日[火]- 6月4日[日]
      * 会期半ばで一部展示替えを行います。
          前期展示 2月21日[火]- 4月16日[日]
          後期展示 4月18日[火]- 6月 4 日[日]
展  示  室  松岡美術館
      108-0071 東京都港区白金台5-12-6 TEL:03-5449-0251
開館時間  10:00-17:00(入館は16:30まで)
      第一金曜日のみ 10:00ー19:00(入館は18:30まで)     
休  館  日  毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
入  館  料  一 般 / 1,200円、25歳以下 / 500円、高校生以下 / 無 料
      * 障がい者手帳をお持ちの方 無料
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「美人画」という言葉が一般的になったのは明治期以降ですが、日本では古来より美しい女性の姿が描かれてきました。一方、物語の登場人物として人気の高い 在原業平 や 光源氏 など、魅力的な男性の姿も絵画や工芸などにあらわされてきました。
今展では、上村松園、伊藤小坡、鏑木清方、伊東深水ら人気の高い「美人画家」たちの作品とともに、下村観山、吉川霊華らによる男性像や、ローランサン、ドニ、ヴァン・ドンゲン、ペルジーニなどの西洋絵画も紹介します。性別・年齢にとらわれない東西の美しい人びとをご覧ください。

E203-2555上村松園《春宵》 1936 (昭和11)年 前期展示

上村松園《春宵》を長期休館からの再開後、初公開
《春宵》は名作《序の舞》(重要文化財)と同じ 1936(昭和 11)年の制作で、美人画家松園の全盛期に描かれた優品です。桜花散る春の宵、年かさの女性の囁きに僅かに微笑む若い芸妓、舞台は京のお茶屋の外廊下でしょうか。
白粉で綺麗にお化粧をした芸妓と貝髷(ばいまげ / 巻貝に似た形の髷)を結った年長の女性二人は、表情や仕草、化粧法や着衣、結髪など、それぞれに美しく描き分けられ、松園の徹底した美意識と的確な描写力とを存分に味わえます。
本作は松岡美術館の日本画コレクションで最も人気の高い作品(2007-2014年に実施した来館者の人気投票による)ですが、2022年1月の再開以後、今回が初めての公開で、展示期間(前期 2月21日-4月16日)中の三月下旬頃には、中庭の桜花もあわせてお楽しみいただけるでしょう。

E203-2556ラスター彩人面鳥文把手壺 イラン 13世紀

E203-2560青釉子持壺 イラン 12世紀

魅惑的な館蔵ペルシア陶器を16年ぶりに一挙公開
ペルシア、中国、インドは東洋美術の三大潮流といわれます。年代は違えども、そのすべてを松岡清次郎は追いました。文明の十字路と称され、多民族が行きかうペルシアの地で育まれた陶器にも優品が揃います。異国情緒あふれる器形、変化にとんだ文様の面白さは、この地域ならではのもの。ユニークな表現の人物像や鳥、山羊、牛などの動物文、文字、そして放射状に限りない広がりを展開する幾何学文といった特徴的な表現が器を飾ります。さらに、光沢のあるラスター彩やターコイズブルーの美しい青釉陶器など、今も憧憬の的となっている魅惑的なペルシア陶器を16年ぶりに一挙公開いたします。

※ 作品画像は 松岡美術館 より拝借した物です。二次引用などはご遠慮ください。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳 細 : 松岡美術館

【展覧会 予告】松岡美術館|モネ、ルノワール 印象派の光|’23年6月20日-10月9日

E233-2956 E233-2957

松岡美術館
モネ、ルノワール 印象派の光
会  期  2023年6月20日[火]- 10月9日[月・祝]
会  場  松岡美術館 展示室5・6
      東京都港区白金台5-12-6
時  間  10:00 - 17:00(最終入館時間 16:30)
      * 毎月第1金曜日 10:00 - 19:00 (入館は 18:30 まで)
休  館  日  毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
観  覧  料  一 般 1,200 円、25歳以下 500 円、高校生以下、障がい者手帳をお持ちの方 無料
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E233-2935クロード・モネ《サン=タドレスの断崖》1867年

E233-2936ピエール=オーギュスト・ルノワール《リュシアン・ドーデの肖像》1879年
8月15日より展示

E233-2940クロード・モネ《ノルマンディの田舎道》1868年

松岡美術館は、実業家 松岡清次郎 が蒐集した美術品を公開するため、1975(昭和 50)年に設立された私立美術館です。1917(大正 6)年 貿易商から身を起こした清次郎の理想は、自らの眼にかなった「美しいもの」を追い求め、蒐めていくことでした。清次郎は東洋陶磁蒐集のため欧米のオークションに参加するうちに、印象派やエコール・ド・パリなど西洋画にも興味を抱き、コレクションを築きました。
今回は同館所蔵の西洋画コレクションの中から、松岡清次郎が晩年に蒐集したモネ、ルノワールをはじめとする、フランス印象派・新印象派の絵画を一堂に会します。

< 見どころ >
館蔵のフランス印象派・新印象派コレクションを 6 年ぶりに一挙公開
モネ、ルノワールをはじめとするフランス印象派・新印象派コレクションを、 2017年以来6年ぶりに一挙公開いたします。まとまっての公開は再開後初めてです。
同館の創設者 松岡清次郎は、美術史をたよりに系統立って作品を集めるのではなく、「良いものは良い」というスタンスで自らの審美眼をたよりに蒐集しました。そのため、印象派コレクションにはモネ、ルノワール、ピサロといった印象派の中心メンバーに加え、ギヨマンの作品が多数あり、新印象派コレクションにはスーラはない一方で、リュスやマルタンの作品が多いという珍しい内容になっています。この偏りからも松岡の趣味がうかがえます。コレクションを通して、蒐集家 松岡清次郎の理想の美を感じ取っていただければと思います。

※ 作品画像は 松岡美術館 より拝借した物です。二次引用などはご遠慮ください。
※ 下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 松岡美術館 ]

【展覧会】京都文化博物館|特別展 四百年遠忌記念特別展|大名茶人 織田有楽斎|’23年4月22日-6月25日|中入り

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京都文化博物館
特別展 四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎
会  期  2023年4月22日[土]- 6月25日[日]
      * 会期中、一部展示替えをおこないます。
開室時間  10:00 - 18:00(金曜日10:00 - 19:30)* 入場は閉室30分前まで
休  館  日  月曜日(ただし、5月1日は臨時開館)
入  場  料  一般1,600円、大高生1,000円、中小生500円
      * 当日、個人、税込価格を表示。各種割引、優待などは 下掲詳細 参照
会  場  京都文化博物館 4・3階展示室
      604-8183 京都市中京区三条高倉 TEL. 075-222-0888      
主  催  京都府、京都文化博物館、正伝永源院、読売新聞社
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鳴かぬなら 生きよそのまま ホトトギス
有楽斎 – うらくさい – こと 織田 長益 – ながます- は、天文16年(1547)、織田信秀の子、信長の弟として生まれました。信長、秀吉、家康のもと、武将として活躍し、晩年には京都・建仁寺の塔頭である 正伝院 – しょうでんいん – を再興、隠棲します。正伝院内に建てた茶室(如庵)は国宝に指定され、各地に如庵の写しが建てられました。近代化の中で寺名を改めつつ、正伝永源院には現在も有楽斎ゆかりの文化財が数多く伝来しています。

文化人・有楽斎として名高い一方、武士・長益には悲観的なイメージが付きまといます。天正10年(1582)本能寺の変では、二条御所に籠る自らが付き従う織田信忠(信長長男)の切腹後、二条御所を脱出します。このため、京の人々からは「切腹をすすめておいて、逃げた男」と揶揄されました。さらにその後、織田信雄(のぶかつ  信長次男)に仕え、家康と秀吉の講和を調整するなど存在感を示したものの、信雄が改易されると、今度は秀吉の 御伽衆 – おとぎしゅう – に加わります。関ヶ原の戦いでは東軍として参戦、戦後も豊臣家に仕えましたが、大坂夏の陣の前には家康の許可を得て主人から離れました。
織田、豊臣、徳川の3天下人に仕えて時流を乗り切り、75歳までの長い人生を「有楽斎」として、京に隠棲した彼の心中には、どのような思いがあったのでしょうか。戦乱を生き延びた彼の美意識は現代の茶道に息づき、規範とされています。
有楽斎の四百年遠忌にあたり、正伝永源院に伝わる文化財を再度調査しました。ここで得られた知見をもとに、織田有楽斎という人物を今一度捉え直す展覧会です。

織田有楽斎(おだ・うらくさい)
天文16年(1547)-元和7年(1622)
有楽斎は織田信秀の子で、信長の実弟として天文16年(1547)尾張に生まれ、通称源五郎、名を長益といい、剃髪して有楽斎如庵と号しました。
本能寺の変で信長が倒れた後は、豊臣秀吉の配下となります。また、関ヶ原の戦い後、その功により家康から禄を与えられ、豊臣秀頼の補佐役として大坂城にて、東西対立の和平に奔走しますが不調に終わり、夏の陣を前にして大坂を退き、京都・二条に隠棲します。
元和3年(1617)12月には、禅寺・建仁寺の塔頭の一つ「正伝院」の借用を打診、翌年秋には優美な林泉と典雅な茶亭「如庵」ならびに客殿、庫裏を完成したようです。そうして75年の生涯を閉じるまで、茶道三昧の生活をこの寺で送りました。如庵は現在は愛知県犬山市に移築されており、現存する国宝茶席三名席の1つとなっています。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 京都文化博物館

【展覧会 予告】京都文化博物館|発掘された珠玉の名品 少女たち ─ 夢と希望・そのはざまで|星野画廊コレクションより|’23年7月15日-9月10日

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京都文化博物館
特別展 発掘された珠玉の名品 少女たち ── 夢と希望・そのはざまで
星野画廊コレクションより

会  期  2023年7月15日[土]- 9月10日[日]
開室時間  10:00 - 18:00(金曜日 10:00 - 19:30) * 入場は閉室30分前まで
休  館  日  月曜日(ただし、7月17日、7月24日は開館)、7月18日[火]休館
会  場  公益財団法人 京都文化博物館 4・3 階展示室
主  催  京都府、京都文化博物館、産経新聞社、関西テレビ放送、京都新聞
入  場  料  (消費税込)   一  般  1,500円、 大高生  1,000円、 中小生  500円
      * 前売り、各種割引・優待情報などは 下掲詳細 参照
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明治、大正、昭和……。時代のうねりの中で、いつしか忘れられてしまった実力ある画家たち。
本展では、彼(女)らが遺した素晴らしい作品を見つけ出し、紹介してきた、星野画廊のコレクションから「少女たち」をテーマに紹介します。
女性たちの人生のさまざまが描かれた日本画と洋画、約120点を展示しますので、作品の放つ魅力を存分にお楽しみください。

01岡本神草《拳の舞妓》1922年頃

02笠木治郎吉《花を摘む少女》1897-1912年頃
菊花を摘む爽やかな少女を描いた明治期の水彩画です。作者の笠木治郎吉は横浜で活動した画家で、長年「謎の画家」とされてきましたが、近年の研究の進展とともに光が当てられ、再び注目
が集まっています。

03甲斐荘楠音 – かいのしょう ただおと《畜生塚の女》1919年頃
独特の妖艶な女性像を描いたことで知られる日本画家、甲斐荘楠音の代表作《畜生塚》の関連作品です。畜生塚とは豊臣秀吉が養子秀次を自害させ、妻妾、子供を処刑して三条河原に埋め
た事件。描かれているのは処刑される直前の呆然とした女性の姿です。

04粥川伸二 – かゆかわ しんじ《 娘 》1928年
黒いパラソルをさした女性は華やかな柄の着物の下に、ブラウスを着ています。小脇に抱えている書物は聖書でしょうか。このモダンガールを描いた粥川伸二は、長崎をテーマにした日本画を多く描きました。

05太田喜二郎 – おおた きじろう《花摘図》1911-1912年頃
点描風に描かれたこの作品は、洋画家の太田喜二郎がベルギーに留学をしていた時に描いた作品です。モデルの女性は画家の下宿先のお嬢さんで、服飾関係の仕事に就くことを目指していたそうです。明るい光に溢れた油絵です。

<展示構成>
第一章 明治の少女たち/第二章 四季のうつろいの中で/第三章 大正の個性派画家たち/第四章 歴史画に見る少女たち/第五章 夢見る少女たち/第六章 慈しむ母として/第七章 モダンガールズ/第八章 日仏画家の競艶

※ 作品画像は 京都文化博物館 より拝借したものです。二次引用などはご遠慮ください。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 公益財団法人 京都文化博物館 ]

【展覧会】町田市立国際版画美術館|企画展 出来事との距離 ― 描かれたニュース・戦争・日常|’23年6月3日-7月17日

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町田市立国際版画美術館
企画展 出来事との距離 ― 描かれたニュース・戦争・日常
会  期  2023年6月3日[土]- 7月17日[月・祝]
休  館  日  月曜日  * ただし7月17日[月・祝]は開館
会  場  町田市立国際版画美術館 企画展示室 1、2
      194-0013 東京都町田市原町田 4-28-1
      Tel. 042-726-2771・0860 / fax. 042-726-2840
観  覧  料  一 般 800円、大・高生400円、中学生以下 無 料
      * 各種割引。優待情報などは 下掲詳細 参照
主  催  町田市立国際版画美術館
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E248-3219フランシスコ・ゴヤ『戦争の惨禍』より「見るにたえない」1810-20年
エッチング、ラヴィ、ドライポイント、ビュラン、町田市立国際版画美術館蔵

E248-3220月岡芳年『魁題百撰相』より「森蘭丸」明治元年(1868)
大判錦絵、町田市立国際版画美術館蔵

E248-3221篠原清興《栄城湾上陸后之露営》明治28年(1895)
大判錦絵三枚続、町田市立国際版画美術館蔵

ニュースや戦争を描いた作品に触れるとき、時代や立場によって表現できることが違うことに気づきます。また当事者として経験したことも、時が経ってからやっと伝えらえることがあるでしょう。例えば同時代の事件を描けなかった江戸期の浮世絵は、故事や古典になぞらえて時事を伝えようとしました。また自身の軍隊経験を描いた浜田知明は、時を経るにつれ戦争の構造に迫る作品も発表していきます。

展覧会ではこうした視点から町田市立国際版画美術館収蔵品を紹介するとともに、若手アーティストたちの作品も展示。なかでも特集する 松元 悠 は、メディアや SNS が伝えるニュースの現場を訪れて想像を働かせ、当事者の姿を自画像で描くことで、日常と地続きにある「事件と人間の不可解さ」に分け入る注目のアーティストです。本展を通じて過去、現在のアーティストが「出来事との距離」にいかに向き合ってきたかを探ります。

<展示構成>(予定)
1 章 ゴヤが描いた戦争
2 章 戦地との距離
3 章 浮世絵の見立てと報道
4 章 ニュースに向き合うアイロニー
5 章 若手作家の作品から

町田市立国際版画美術館  外観

町田市立国際版画美術館 外観

<主な出品作家>(生年順)
フランシスコ・ゴヤ、月岡芳年、小林清親、畦地梅太郎、浜田知明、馬場檮男、石井茂雄、郭徳俊、松元悠、土屋未沙、小野寺唯、ソ・ジオ

<出品点数>(予定)
約150

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 町田市立国際版画美術館 ]

【展覧会】茨城県近代美術館|企画展 猪熊弦一郎展『いのくまさん』|’23年4月15日-6月25日|会期後半

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茨城県近代美術館
企画展 猪熊弦一郎展『いのくまさん』
会  期  2023年4月15日[土]- 6月25日[日]

会  場  茨城県近代美術館
      茨城県水戸市千波町東久保666-1 TEL 029-243-5111
開館時間  午前9時30分 - 午後5時(入場は 午後4時30分 まで)
休  館  日  毎週月曜日  * ただし5月1日[月]は開館
観  覧  料  一 般 1000円 / 満 70 歳以上 500円 / 高大生 730円 / 小中生 370円
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照
特別協力  丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団
主  催  茨城県近代美術館
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E229-2905

猪熊弦一郎《飛ぶ日のよろこび》1993年
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵 © 公益財団法人ミモカ美術振興財団E229-2923猪熊弦一郎《サクランボ》1939年

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵 © 公益財団法人ミモカ美術振興財団
E229-2928猪熊弦一郎《金環食》1987年
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵 © 公益財団法人ミモカ美術振興財団

猪熊弦一郎(1902-1993)は香川県に生まれ、東京美術学校(現・東京藝術大学)の藤島武二教室で油彩画を学びました。1936年に小磯良平らと新制作派協会(現・新制作協会)を結成。東京、パリ、ニューヨーク、ハワイと拠点を移しながら、マティス、ピカソ、藤田嗣治、イサム・ノグチら様々な芸術家と交友し、彼らに刺激を受けつつ独自の画風を追究しました。またその制作活動は幅広く『小説新潮』の表紙絵を40年間描いたほか、三越の包装紙「華ひらく」のデザインや、JR上野駅中央改札の壁画《自由》の制作を担ったことでも知られています。

絵本『いのくまさん』(小学館発行)は、画家・猪熊弦一郎の作品の魅力をこどもたちにもわかりやすく紹介した本で、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 の企画により 2006年に発刊されました。本文は詩人・谷川俊太郎のシンプルかつ軽妙なタッチの言葉で綴られ、ページをめくっていくたびに、猪熊作品の多彩で生命力にあふれた世界が広がります。
本展はこの絵本をもとに構成した、大人からこどもまで楽しめる展覧会です。また作品に加え、戦後の社会を彩った猪熊の様々な仕事等も併せて紹介し、その魅力に迫ります。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 茨城県近代美術館

【展覧会】細見美術館 琳派展23|琳派の扉絵と涼の美|’23年6月10日-8月20日

細見美術館01 細見美術館02

細見美術館
琳派展23
琳派の扉絵と涼の美
会  期  2023年6月10日[土]- 8月20日[日]
      * 会期中に一部展示替えあり
所  在  地  京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 TEL 075-752-5555
開館時間   午前10時 - 午後5時(入館は 午後4時30分 まで)
休  館  日  毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)
入  館  料  一 般 1,400円  学生 1,100円
      * 各種割引、優待条件などは 下掲詳細 参照
主  催  細見美術館 京都新聞
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琳派の創始者、俵屋宗達(生没年不詳、江戸前期に活躍)は扇絵を制作する「絵屋」を営んでいました。「扇絵」は言わば宗達工房の主力商品であり、その独創的な意匠は後に屛風などの大画面に明快な画風を展開する原点ともなりました。
「扇絵」や「団扇絵」といった小画面の調度は、尾形光琳、中村芳中、酒井抱一、鈴木其一、神坂雪佳ら宗達以降の絵師たちも積極的に手掛け、デザイン性の高い身近な調度として親しまれました。一方、琳派では朝顔など夏の草花図も多く描かれ、爽やかな画面は凌ぎ難い夏の暮らしに一風の涼味をもたらしました。

琳派展の第23弾となる本展では、細見コレクションを中心に「扇絵」「団扇絵」や、夏の草花図や秋草図を選び、琳派による涼の美を展覧します。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳 細 : 細見美術館 Hosomi Museum ]

【展覧会】徳川美術館・名古屋市蓬左文庫|特別展 よそおいの美学|’23年6月3日-7月17日

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特別展 よそおいの美学
会  期  2023年6月3日 [土]- 7月17日[月]
開館時間  午前10時 - 午後5時(入館は午後4時30分まで)
休  館  日  月曜日 * ただし7月17日[月・祝]は開館
観  覧  料  一 般 1,600円 ・ 高 大 生 800円 ・ 小 中 生 500円
      (企画展「極める!江戸の鑑定」展と共通)
      * 毎週土曜日は小・中・高生入館無料
会  場  徳川美術館
      461-0023 名古屋市東区徳川町1017 TEL 052-935-6262
主  催  徳川美術館・名古屋市蓬左文庫
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江戸時代の武家社会では、身分や年齢、季節や儀礼などによる細やかな決まりごとのなかで、格式に相応しく、おごそかに、あるいは美麗によそおうことが求められました。
男性は儀礼など最もフォーマルな場面では、公家の伝統的な装束を身に着ける一方、日常のカジュアルな場面で着用する羽織や刀剣の拵(こしらえ)、また火事装束や陣中着などに武家ならではの粋を凝らしました。
女性は生地や模様によって格の異なる着物を時に応じて使い分け、華麗な筥(はこ)迫(せこ)を携帯し、化粧によって美を体現しました。
尾張徳川家で誂えられた衣服や装身具などをトータルコーディネートの演出でご紹介しつつ、「よそおい」にかける武家の美学を探ります。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 徳川美術館・名古屋市蓬左文庫 ]

【展覧会】静嘉堂文庫美術館|特別展 明治美術狂想曲|’23年4月8日-6月4日|後期展も愈〻会期末

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静嘉堂文庫美術館
特別展 明治美術狂想曲
会  期  2023年4月8日[土]- 6月4日[日]
         [前 期]4月 8 日[土]- 5月7日[日]
         [後 期]5月10日[水]- 6月4日[日]
休  館  日  月曜日、5月9日[火]
開館時間  10:00 - 17:00 (入館は 16:30 まで)
      * 金曜日は 18:00 (入館は 17:30 まで)
会  場  静嘉堂@丸の内 (明治生命館1階)
入  館  料  日時指定予約 優先入館
      一 般 1,500 円  大学・高校生 1,000 円  中学生以下 無 料
お問合せ  電 話 050-5541-8600(ハローダイヤル)
主  催  静嘉堂文庫美術館(公益財団法人静嘉堂)
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江戸幕府が倒れ、西洋文明が流入した明治時代は「美術」が産声を上げた時代でした。
政治体制・身分制の改革、西洋風の建築やファッションの普及など、社会の面でも、文化の面でも、人々の生活と意識に大きな変化がもたらされました。
「美術」という言葉が誕生し、博覧会が開催され、美術館が初めて設置されたのもこの時代です。油彩画が普及し、欧米好みの華麗な工芸品が輸出され、博覧会では絵画や彫刻が並びました。社会全体が西洋化する一方、古美術品の再評価や保護、日本美術史の編纂も、明治時代の重要な出来事です。

本展では、現代の「美術」につながる諸制度・文化が生まれた明治時代を立脚点として、静嘉堂のコレクションを展観します。初めて重要文化財に指定された近代美術の一つである橋本雅邦「龍虎図屛風」、論争を巻き起こした黒田清輝「裸体婦人像」など、岩﨑家とゆかりが深く、当時としてはセンセーショナル、しかし現代でも色あせない明治美術の魅力をお楽しみください。

01落合芳幾「末広五十三次程ケ谷」初公開 落合芳幾「末広五十三次 程ヶ谷」 慶応元年(1865)、大判錦絵
第二次長州征伐にともなう第 14 代将軍徳川家茂の上洛を 主題とした東海道シリーズ。「程ヶ谷」には西洋人も表現され、 幕末の世相を感じさせます。 展示期間:5/10-6/4

02河鍋暁斎「地獄極楽めぐり図」河鍋暁斎 「地獄極楽めぐり図」のうち 「極楽行きの列車」 明治 5 年(1872)、紙本着色
歌川派、狩野派に学んだ画狂・暁斎(1831-89) がパトロンの娘の追善供養に描いた画帖。 当時珍しかった列車をさっそく描いています。 展示期間:4/8-5/7

06曜変天目国宝「曜変天目(稲葉天目)」 南宋時代(12-13 世紀)
光彩が得も言われぬ名碗。完品は世界に 3 碗 のみ。 明治 13 年(1880)、古美術再評価のきっかけとなった 第1回観古美術会に稲葉家より出品されました。 「曜変天目」が展示された最初の展覧会で、明治時代の 人々も「曜変天目」を見ていたのです。

08濤川惣助「七宝四季花卉図瓶」渡辺省亭原画 濤川惣助「七宝四季花卉図瓶」 明治時代 19-20 世紀、七宝
花鳥画を得意とした渡辺省亭(1852-1918) の原画をもとに、濤川惣助(1847-1910)が無線 七宝で製作した瓶。この2人は迎賓館 赤坂離宮の室内を飾る額も製作しています。

<三菱第 2 代社長・岩﨑彌之助と明治美術の接点>
静嘉堂を創設した三菱第 2 代社長・岩﨑彌之助(1851-1908)と明治美術の接点には、明治 28 年(1895)、 京都で開催された第 4 回内国勧業博覧会や岩﨑家の邸宅を飾る室内装飾があります。

第 4 回内国勧業博 覧会では、当時を代表する日本画家に屛風絵を依頼、マスコミを賑わす博覧会の目玉企画となりました。
「裸体画論争」を巻き起こした黒田清輝「裸体婦人像」は、後に岩﨑家高輪邸に飾られました。

09-1重文_橋本雅邦「龍虎図屏風(龍図)」 09-2重文_橋本雅邦「龍虎図屏風(虎図)」重要文化財 橋本雅邦「龍虎図屛風」 明治 28 年(1895)、絹本着色
第4回内国勧業博覧会(京都)に 出品された橋本雅邦(1835-1908) の代表作。しかし、当時の評価は……。 展示期間:4/8-5/7

11黒田清輝「裸体婦人像」 (1)黒田清輝「裸体婦人像」 明治 34 年(1901)、キャンバス、油彩
裸体画論争」を巻き起こした話題作。 当時の洋画を牽引した画家・黒田清輝(1866-1924)の代表作で、岩﨑家の高輪邸撞球室 (ビリヤード室)に飾られました。

※ 作品紹介画像は 静嘉堂文庫美術館 のご協力をいただきました。流用などはご遠慮ください。
※ 日時指定予約 優先入館。下掲詳細を確認の上ご観覧を。

[ 詳 細 : 静嘉堂文庫美術館  公式チケットオンライン予約〔 静嘉堂@丸ノ内 〕]

【展覧会】次回展予告-静嘉堂文庫美術館|サムライのおしゃれ ― 印籠・刀装具・風俗画 ―|’23年6月17日-7月30日

静嘉堂01 静嘉堂02

静嘉堂文庫美術館
サムライのおしゃれ

― 印籠・刀装具・風俗画 ―
会  期  2023年6月17日[土]- 7月30日[日]
会  場  静嘉堂@丸の内(明治生命館 1 階)
      100-0005 東京都千代田区丸の内 2-1-1 明治生命館 1 階
休  館  日  毎週月曜日(ただし 7月17日[祝]は開館、7月18日[火]は休館)
開館時間  午前10時 - 午後5時(金曜は午後6時まで) * 入館は閉館の 30 分前まで
入  館  料  日時指定予約 優先入館。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
      一 般 1,500 円 大高生 1,000 円 中学生以下 無 料
お問合せ  TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
主  催  静嘉堂文庫美術館(公益財団法人静嘉堂)
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静嘉堂文庫美術館のコレクションには、武家文化の日常生活の中ではぐくまれたサムライの装身具である、刀装具、提げ物の印籠根付の優品が豊富です。こうした近世の美術工芸品は、海外では浮世絵と同じく日本を代表する美術品として高く評価され、明治期以降、ネクタイピンやカフスボタンのようなおしゃれな品として、世界中の愛好家に愛玩、蒐集されてきました。
本展では、こうしたいわば“サムライのおしゃれ”を御覧いただくとともに、おしゃれな江戸時代の人々の様子を活き活きと描いた、近世初期風俗画なども併せてご紹介いたします。

4_石黒是美 花鳥図大小鐔三所物 5_藤丸写合口拵(長船兼光脇指付属)上図) 石黒是美「花鳥図大小鐔三所物」江戸時代(19世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵
   下図) 藤丸写合口拵(長船兼光脇指付属)江戸時代(19世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵

江戸時代、「士農工商」の身分  制度のなかで、大小の刀を腰にさすことは、武士の特権でした。朱塗や金色のきらびやかな鞘  – さや – の装飾は平和な時代になるとすたれ、黒に統一されます。江戸城はじめ殿中の勤務では、大刀 -だいとう- を預けても、小刀 – しょうとう – は常に腰に帯びました。サムライの 鞘 のおしゃれは、深い光沢の漆黒の艶に凝る結果となり、江戸時代の黒漆塗りは大きく発展したので、海外からも日本の黒漆塗は羨望の的となり、ピアノの黒塗は日本刀の鞘塗りに触発されたといわれます。刀装具のうちの拳を守る 鐔 – つば – や、ペーパーナイフのような 小柄 – こづか – などの細かな金工も発展しました。また、鉄や銅を地金として、彫刻や象嵌、あるいは薄い金などの板を着せ付ける 色絵 といった様々な装飾技法が発展しました。
江戸時代の刀装具の意匠は、ネクタイピンやカフスボタンのように、サムライたちのおしゃれを示す代表となり、富裕な町人の間にも広まりました。

8_1_四条河原遊楽図(左隻) 8_2_四条河原遊楽図(右隻)重要文化財 「四条河原遊楽図屏風」  上)左隻  下)右隻)
江戸時代(17世紀)静嘉堂文庫美術館蔵 

桃山 - 江戸時代初期(16世紀後半から17世紀前半)にかけ、上方を中心に「近世初期風俗画」と呼ばれる、庶民の生活が主題となった屏風や襖絵が誕生します。重要文化財「四条河原遊楽図屏風」はその代表的作品で、等身大の人間模様が活き活きと描かれています。歌舞伎者と呼ばれるオシャレな風態をした人(左隻右側ほぼ中央)、遊女や若衆らがファッションリーダーとして登場し、老若男女がそれぞれのオシャレをして描かれます。

9_1_羯鼓催花・紅葉賀図密陀絵屏風のうち羯鼓催花(左) 9_2_羯鼓催花・紅葉賀図密陀絵屏風のうち紅葉賀図(右)重要文化財 「羯鼓催花・紅葉賀図密陀絵屏風」 上図)羯鼓催花 下図)紅葉賀図
桃山-江戸時代(17世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵

片隻には唐の玄宗皇帝・楊貴妃にちなむ逸話。皇帝が着飾った楽師たちの揃う前で、羯鼓 – かっこ/つづみの一種 – を打ち鳴らすと、木々の花が一斉に開いた吉祥の逸話の瞬間が描かれています。
一方は、『源氏物語』紅葉賀の一場面で、美青年・光源氏と頭中将が御所で 青海波 の舞を披露すると、神のような美しさとたたえられる、『源氏物語』の中でも最も祝福性の高い帖です。舞い姿には 鞘 の先が見え、太刀を佩いて舞っていることが分かります。漆と油彩の一種である 密陀絵 を複合して、性質の違う材料を使用して、人物の肌色や白い花をあらわしています。

本展覧会には、「瓦版」でも報告のとおり、このたび静嘉堂で発見された、岩﨑彌之助の義父・
後藤象二郎が 1868年に 英国ビクトリア女王から拝領したサーベルが初公開されます。

◆ 静嘉堂文庫美術館の 国宝《曜変天目(稲葉天目)》も出品します ◆

※ 作品画像・テキストは 静嘉堂文庫美術館 の協力をいただきました。流用はご遠慮ください。
※ 日時指定予約 優先入館。下掲詳細を確認の上ご観覧を。

[ 詳 細 : 静嘉堂文庫美術館  公式チケットオンライン予約〔 静嘉堂@丸ノ内 〕]

静嘉堂 瓦版|〔次回展示 第一次予告〕静嘉堂文庫美術館|サムライのおしゃれ ― 印籠・刀装具・風俗画 ― |’23年6月17日-7月30日|

静嘉堂文庫美術館瓦版

※ 国宝《曜変天目(稲葉天目)》も出品いたします。

※ 日時指定予約 優先入館。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 静嘉堂文庫美術館  公式チケットオンライン予約〔 静嘉堂@丸ノ内 〕]

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サムライのおしゃれ
― 印籠・刀装具・風俗画 ―
会  期  2023年6月17日[土]- 7月30日[日]
会  場  静嘉堂@丸の内(明治生命館 1 階)
      100-0005 東京都千代田区丸の内 2-1-1 明治生命館 1 階
休  館  日  毎週月曜日(ただし 7月17日[祝]は開館、7月18日[火]は休館)
開館時間  午前10時 - 午後5時(金曜は午後6時まで) * 入館は閉館の 30 分前まで
入  館  料  日時指定予約 優先入館。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
      一 般 1,500 円 大高生 1,000 円 中学生以下 無 料
お問合せ  TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
主  催  静嘉堂文庫美術館(公益財団法人静嘉堂)
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静嘉堂文庫美術館のコレクションには、武家文化の日常生活の中ではぐくまれたサムライの装身具である、刀装具、提げ物の印籠根付の優品が豊富です。こうした近世の美術工芸品は、海外では浮世絵と同じく日本を代表する美術品として高く評価され、明治期以降、ネクタイピンやカフスボタンのようなおしゃれな品として、世界中の愛好家に愛玩、蒐集されてきました。本展では、こうしたいわば“サムライのおしゃれ”を御覧いただくとともに、おしゃれな江戸時代の人々の様子を活き活きと描いた、近世初期風俗画なども併せてご紹介いたします。

また、本稿「瓦版」で報告のとおり、このたび静嘉堂で発見された、岩﨑彌之助の義父・後藤象二郎が 1868年に 英国ビクトリア女王から拝領したサーベルも初公開されます。

※ 日時指定予約 優先入館。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 静嘉堂文庫美術館  公式チケットオンライン予約〔 静嘉堂@丸ノ内 〕]

【展覧会】相国寺承天閣美術館|企画展 禅寺に伝わるものがたり|第Ⅱ期展示開始迫る|無外如大尼生誕八百年記念 女性と仏教|’23年5月28日-7月16日

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相国寺承天閣美術館
企画展 禅寺に伝わるものがたり
会  期  Ⅰ期  仏教説話と漢故事
      2023年3月11日[土]- 5月7日[日]
      Ⅱ期  無外如大尼生誕八百年記念 女性と仏教
      2023年5月28日[日]- 7月16日[日]
場  所  臨済宗相国寺派|相国寺承天閣美術館
      602--0898 京都市上京区今出川通烏丸東入 相国寺 – しょうこくじ- 内
休  館  日  2023年5月8日[月]- 5月27日[土]
開館時間  10:00-17:00 (入館は16:30まで)
拝  観  料  一 般 800円、65歳以上・大学生 600円、中高生 300円、小学生 200円
      * 障碍者手帳をお持ちの方と介護者一名様は無料となります。
      * 館内は土足禁止の為、入館時に履物をお脱ぎください。
特別協力  眞如寺(Ⅱ期)
主  催  相国寺承天閣美術館
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Ⅰ期  仏教説話と漢故事
仏教の教え、禅の教えの中には、数多くの先徳たちの逸話がちりばめられています。それらは経典に文字情報として載りました。さらに、そこに記された仏・諸菩薩や先徳たちは絵画化され、仏教美術が花開きました。
寺院空間を荘厳する様々な作品の意匠には、中国の故事由来の画題も多く取り入れられました。本展観では、仏教説話や漢故事を好んだ禅僧たちの詩文や寺院に伝来する絵画・工芸から、禅林に伝わる様々なものがたりを概観いたします。

Ⅱ期  無外如大尼生誕八百年記念 女性と仏教
令和五年(2023)は、臨済宗の尼僧、無外如大(むがいにょだい 1223-1298)尼の生誕八〇〇年にあたります。彼女は、臨済宗において、女性で仏光国師無学祖元の法を継いだ最初の尼とされています。十刹に列せられる相国寺派寺院、眞如寺の歴史をたどると、弘安九年(1286)に無外如大によって創庵された「正脈庵(しょうみゃくあん)」にさかのぼります。また、眞如寺は十六世紀後半からは宝鏡寺門跡の菩提所となり、その寺宝は尼門跡の典雅な文化を今に伝えます。
今回は照山元瑶尼、徳巌理豊尼や逸巌理秀尼など、出家した皇女達のゆかりの品をご覧いただきます。相国寺派寺院伝来の寺宝から、無外如大尼の時代から近世に至るまでの女性と仏教のかかわりを探ります。

※ 新型感染症対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 相国寺承天閣美術館
[ 関 連 : 活版アラカルト【展覧会】相国寺承天閣美術館|伊藤若冲生誕三〇〇年記念展|[後期]2016年5月21日まで and more|終了企画]

【展覧会】富山県美術館|富山新聞創刊100年記念|「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 ― 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄|’23年6月3日-7月17日

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富山県美術館
富山新聞創刊100年記念
「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容
― 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄
会  期  2023年6月3日[土]- 7月17日[月・祝]
         前期展示 6月 3 日[土]- 6月27日[火]
         後期展示 6月29日[木]- 7月17日[月・祝]
会  場  富山県美術館  展示室2、3、4
      930-0806 富山県富山市木場町3-20
      TEL  076-431-2711  FAX  076-431-2712
開館時間  9:30 - 18:00(入館は 17:30 まで)
休  館  日  毎週水曜日
観  覧  料  一般:900円、大学生:450円、高校生以下 無 料
      * 観覧料は当日・個人・税込価格です。各種割引、優待情報等は下掲 詳細 を参照
特別協力  武蔵野美術大学 美術館・図書館
主  催  富山県美術館、富山新聞社、北國新聞社、チューリップテレビ
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日本の写真史において前衛写真は、シュルレアリスムと抽象主義の影響を受けて1930年代に台頭しました。1938年には「前衛写真協会」が結成され、その中心人物の瀧口修造は、写真の本質である記録性を重視し、技巧に走りつつあった当時の傾向に警鐘を鳴らし、超現実主義は「日常現実のふかい襞のかげに秘んでいる美を見出すこと」であると主張しました。一緒に協会を立ち上げた阿部展也は、瀧口に共鳴し、オブジェや風景の写真を発表しました。2人の影響を強く受けた大辻清司は、「なんでもない写真」と題したシリーズを手掛けます。大辻の愛弟子の牛腸茂雄は、技巧に凝らず日常を誇張なしに撮影した「コンポラ写真」の代表的な一人として注目されました。

本展は、1930年代の前衛写真から1980年代への展開のなかに連綿と流れてきた瀧口の思想の様相を、4人の作品や資料を中心に、ウジェーヌ・アジェ、マン・レイなど関連作家の作品を加えて紹介します。

※ 下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 富山県美術館

【展覧会】東京大学 総合研究博物館|特別展示「東京大学・若林鉱物標本:日本の鉱山黄金時代の投影」|’23年3月23日-9月1日

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東京大学 総合研究博物館
特別展示「東京大学・若林鉱物標本:日本の鉱山黄金時代の投影」
開催期間  2023年3月23日[木] - 9月1日[金]
開催会場  東京大学総合研究博物館
      113-0033 東京都文京区本郷 7-3-1
休  館  日  土・日・祝日
開館時間  10:00 - 17:00(入館は 16:30 まで)
入  場  料  無 料
協  賛  AGC株式会社
主  催  東京大学総合研究博物館
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明治時代初期から蓄積されてきた数万点に及ぶ同館の鉱物標本だが、「若林標本」と呼ばれる標本群が基幹の一つとなっている。三菱合資会社の鉱山技師であった若林彌一郎(わかばやし やいちろう)の名前を冠した、明治末-昭和初期の金属鉱山の鉱石標本を中心として収集した2,000点あまりの標本群で、和田標本(三菱マテリアル)、高標本(九州大学)と並ぶ、日本の三大鉱物標本の一つに数えられている。

これまでは全貌が未公開であった若林標本であるが、今回の特別展では、全体のおよそ半数である約900点を選び、当館が収蔵するその他の鉱物コレクションと合わせて展示することで、日本の鉱山黄金時代を回顧する試みとした。
特に、若林標本の展示コーナーは、昭和期の標本展示室の雰囲気を再現し、床下にも数百点の標本を配した異質な空間となっている。ほとんどの標本にいえることは、採集元の鉱山はすべて閉山して久しいことである。つまり、これらの標本は、日本各地で輝いていた鉱山黄金時代の投影なのである。鉱物研究には、古き良き時代だった往時に想いを馳せて、これらの美しい鉱物結晶をご覧になっていただきたい。

< 主な展示物 >
・三角式黄銅鉱(秋田県荒川鉱山)
・ベゼリ石(秋田県日三市鉱山)
・青鉛鉱(秋田県亀山盛鉱山)
・孔雀石(秋田県阿仁鉱山)
・閃亜鉛鉱(秋田県尾去沢鉱山)
・方鉛鉱(岐阜県神岡鉱山)
・蛍石(兵庫県生野鉱山)
・輝安鉱(愛媛県市ノ川鉱山)

展示企画:三河内 岳(東京大学総合研究博物館・教授)・清田 馨(東京大学総合研究博物館・キュラトリアルワーク推進員)
展示デザイン:洪 恒夫(東京大学総合研究博物館・特任教授)・関岡 裕之(東京大学総合研究博物館・特任准教授)
申込方法:事前申込不要

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参加を
[ 詳 細 : 東京大学総合研究博物館

【展覧会】春日井市道風記念館|館蔵品展 書の魅力|’23年4月26日-7月9日|動画追加紹介

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春日井市道風記念館
館蔵品展 書の魅力
開催期間  2023年(令和5年)4月26日[水]- 7月9日[日]
休 館 日  月曜日(祝休日の場合は翌日)
開館時間  午前9時 - 午後4時30分
観 覧 料  一 般 100円、高校・大学生 50円、中学生以下 無 料
開催場所  春日井市道風記念館  1 階展示室
      486-0932 愛知県春日井市松河戸町5丁目9番地3 電 話 0568-82-6110
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線の美
余白美
造形美
見方を絞ると書は面白い。

「書の魅力」展では、道風記念館が所蔵する近現代書作品のなかで、選りすぐりの作品を展示します。書は、紙に筆で文字を書くという、シンプルな活動によって生まれる芸術ですが、その表現は実に多彩です。書表現の多彩な魅力を知っていただきたいと思います。
この展覧会では、その作品の魅力をより感じられるように、4つの鑑賞の視点を提示しながら書作品をご紹介します。まず視点を絞って鑑賞してみてください。作品に愛着が湧いてきます。そして次にその絞った視点を取り払って自由にご鑑賞いただくと、ひとつの作品がもつ様々な魅力が感じられ、きっと、「書は面白い。」と思っていただけることでしょう。

◉ 展示品の作者
植松茂岳   日下部鳴鶴   永坂石埭   柳田泰麓     巌谷小波
清水比庵   長谷川流石   鈴木翠軒   林 楽園  安東聖空
伊藤東海   田中塊堂    谷辺橘南   植村和堂  山崎大抱
青山杉雨   坪井正庵    神谷葵水   梅 舒適  土田帆山
榎倉香邨   岩田文堂    加藤大碩   小林昭子  黒野清宇
高木大宇   水谷苔徑

<展示品解説>
令和5年5月13日[土]、 6月11日[日]
午前10時半から11時まで、午後2時から2時30分まで
学芸員が初心者向けに展示品の解説をします。事前予約は不要です。お気軽にお越しください。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を
[ 詳 細 : 春日井市 春日井市施設案内 道風記念館 ]  { 活版アラカルト:道風記念館まとめ }
[ 関 連 : youtube 春日井市公式動画チャンネル 道風記念館 館蔵品展「書の魅力」紹介動画  03:59 ]

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【展覧会】高知県立美術館|テオ・ヤンセン展|’23年4月15日[土]-6月25日

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高知県立美術館
テオ・ヤンセン展
会  期  2023年04月15日[土]- 06月25日[日]
休  館  日  年末年始以外は無休(臨時休館があります)
観  覧  料  一般当日 1,200円、大学生 850円、高校生以下 無 料
      * 各種割引、優待などは下掲詳細参照。
時  間  9:00 - 17:00(⼊場は 16:30 まで)
会  場  高知県立美術館 
      781-8123 高知県高知市高須353-2 TEL 088-866-8000
主  催  高知県立美術館(公益財団法人高知県文化財団)、KSSさんさんテレビ
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風をうけて砂浜を歩く生命体「ストランドビースト」。オランダ語で「砂浜の生命体」を意味し、オランダの造形作家テオ・ヤンセン によって1990年から制作が開始されました。
プラスチックチューブやペットボトルを材料にして作られたビーストは、歩行するだけでなく、方向転換、危険察知などの機能を備え、さまざまな環境に適応していくために今なお進化し続けています。物理学に基づいて作られたその動きは有機的で、芸術と科学という既存のカテゴリーを横断し、新たな可能性を私たちに示すかのようです。
四国ではじめてのヤンセンの個展となる本展では、その進化の系譜をたどるだけでなく、映像、木型・パーツ、作家自筆のスケッチや制作に使われた道具等の展示を通じて、ヤンセンの作り出す世界の魅力に迫ります。

◉ テオ・ヤンセン THEO JANSEN
1948年、オランダ・スフェベニンゲン出身。デルフト工科大学で物理学を専攻、1975年に画家に転向。1990年より風力で動く「ストランドビースト」の制作を開始。芸術と科学が融合したさまざまな作品を制作し、“ 現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ ” とも称される。

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[ 詳 細 : 高知県立美術館 ] { 活版アラカルト  高知県立美術館  過去ログまとめ }

【展覧会】茨城県天心記念五浦美術館|椿 × 名品展 ― ふたたび、五浦へ|’23年4月29日-6月12日

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椿 × 名品展 ― ふたたび、五浦へ
会  期  2023年(令和5年)4月29日[土・祝]- 6月12日[日]
休  館  日  月曜日
開館時間  午前9時30分 - 午後5時(入場は 午後4時30分 まで)
会  場  茨城県天心記念五浦美術館
      319-1703  茨城県北茨城市大津町椿2083  TEL 0293-46-5311
入  場  料  一  般  730円 / 満70歳以上  360円 / 高大生  520円 / 小中生  320円
      * 身体障害者手帳等提示の方、および付き添いの方(1人まで)は無料
      * 土曜日は高校生以下無料
特別協力  あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
主  催  茨城県天心記念五浦美術館

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日本原産である椿は、江戸時代には琳派をはじめ多くの作家たちによって絵画や工芸などのモチーフに用いられ、近代以降も日本画、洋画、工芸などの分野で多くの作家たちが椿を表現し、数多くの名品が生まれていきました。
本展では、椿絵のコレクションで知られる あいおいニッセイ同和損害保険 のコレクションから、尾形光琳に代表される琳派の工芸作品をはじめ、横山大観、奥村土牛らの日本画、岸田劉生、香月泰男らによる洋画など -椿- をモチーフにした作品を展示します。
同館のある地は、近代美術の発展に寄与した岡倉天心の隠棲地であると共に、椿の自生地としても知られています。また、北茨城ゆかりの童謡詩人、野口雨情も椿を題材にした詩を残しています。椿に縁の深い当館で、平成19年の展覧会以来16年ぶりに展示される椿の名品の数々を心ゆくまでお楽しみください。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 茨城県天心記念五浦美術館 ]

【展覧会】九州国立博物館|特別展 アール・ヌーヴォーのガラス ─ ガレとドームの自然賛歌 ─|’23年4月18日-6月11日

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特別展 アール・ヌーヴォーのガラス
── ガレとドームの自然賛歌 ──
会  期  令和5(2023)年4月18日[火]- 6月11日[日]
開館時間  日曜日・火曜日-木曜日   9時30分 - 17時00分(入館は16時30分まで)
      金曜日・土曜日【夜間開館】 9時30分 - 20時00分(入館は19時30分まで)
      * 夜間開館の実施については変更になることがあります。
休  館  日  月曜日 * ただし5月1日[月]は開館
会  場  九州国立博物館
      818-0118 福岡県太宰府市石坂4-7-2
      ハローダイヤル  050-5542-8600
観  覧  料  一 般 1,700円、高 大 生 1,000円、小 中 生 600円
      * 上記料金で4階「文化交流展(平常展)」も観覧が可能です。
      * 当日、個人料金を表記。各種割引・優待などは 下掲詳細 参照。
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日本美術から多大な影響を受けて誕生したアール・ヌーヴォー。この運動を牽引したガラス作家エミール・ガレとドーム兄弟による名品の数々を、世界屈指のコレクションを誇る 北澤美術館(長野県諏訪市)所蔵品を中心にご紹介いたします。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 九州国立博物館

【展覧会】萩博物館|長州ファイブ英国渡航160年記念企画展|古写真で見る幕末明治 =海外渡航者編=|’23年3月18日-6月18日

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萩博物館
長州ファイブ英国渡航160年記念企画展
古写真で見る幕末明治 =海外渡航者編=
開催期間  2023年3月18日[土]- 6月18日[日]
開館時間  9時-17時(ただし入館は16時30分まで)
休  館  日  会期中無休
観  覧  料  大 人 520円、高校生・大学生 310円、小学生・中学生 100円
会  場  萩博物館
      758-0057 萩市大字堀内355番地 tel 0838-25-6447
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文久3年(1863)5月、長州藩は井上馨・山尾庸三・井上勝・伊藤博文・遠藤謹助の5名をイギリスへ密かに送り込みました。日本人の海外渡航が禁じられている時代、彼らは国禁を破って密航留学し、帰国後は日本の近代化・工業化に多大の貢献をしたことから、現在は「長州ファイブ」と称えられています。
また「長州ファイブ」以外にも、幕末から明治にかけては多くの人々が海外へ渡りました。海外渡航者たちは、西洋諸国で見聞を広め学ぶことにより、日本の針路を定めるための大きなヒントを得たのです。
本展では、海外渡航者たちの雄姿を写した肖像写真とともに、写真に秘められた逸話についてもわかりやすく紹介します。

◉ ギャラリートーク
展示を担当した学芸員が見どころを解説します。
日  程  3月18日[土]、4月115日[土]、5月13日[土]

場  所  萩博物館・企画展示室
参  加  費  無 料(展示観覧料は必要です)
予  約  不要です。時間までに企画展示室へお越しください

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参加を。
[ 詳 細 : 萩博物館
01-03.長州ファイブ(後列段左より:遠藤謹助、野村弥吉(井上 勝)、伊藤俊輔(博文)、前列左より:井上聞多(馨)、山尾庸三)長州ファイブ/長州五傑
前列右より時計回り、山尾庸三(工学の父)、井上聞多(馨)、遠藤謹助、
野村弥吉(井上 勝/鉄道の父)、伊藤俊輔(博文)

[ 参 考 : 活版アラカルト   2018年12月21日 【明治150年祭】明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業|萩博物館|長州ファイブと工部大学校:山尾庸三 ]

Kobu_Daigakko工学尞 → 工部大学校・工部美術学校 → 東京大学工学部の前身のひとつ
所在地/千代田区霞が関ビル周辺(もと日向国〔宮崎県〕延岡藩 内藤能登守上屋敷)
01-01.工部大学校阯碑01-02.工部大学校阯碑解説板「工部大学校阯」碑および解説板(千代田区霞が関三丁目2-1)工部大学校

日本最初の工学教育機関。東京大学工学部の前身。

伊藤博文・山尾庸三の建議に基づいて設置され、1873年(明治04)専門教育はイギリス人の教頭・機械工学者 H. ダイアー ほか 8 人のイギリス人教師を招いて「工部省工学寮」が開校。工学頭-こうがくのかみ-は山尾庸三、教頭はダイアーであった。工部省工学寮は1877年(明治10)「工部大学校」と改称した。のち工作局長:大鳥圭介が総理となった。

土木、機械、造家、電信、化学、冶金-やきん、鉱山の 7 学科をもつ 6 年制の官費の専門学校で、学理面と実地面とを融合した、当時世界でも進歩的な工学教育機関であった。
工部大学校は1879年(明治12)に最初の卒業生19人を出し、1882年に造船科を増設、1885年(明治12)工部省廃止に伴い文部省に移管され、翌年東京大学工芸学部と合併し、帝国大学工科大学、現東京大学工学部となった。辰野金吾、高峰譲吉、藤岡市助、井口在屋-いのくちありや-ら明治の工学界・産業界の指導者・技術者を輩出した。[参考資料:『日本大百科全書』(小学館)]

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参加を。
[ 詳 細 : 萩博物館 ]

【展覧会】佐川美術館|特別展 生誕 100 年 山下清展 -百年目の大回想|’23年4月8日-6月11日|会期後半

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佐川美術館
特別展 生誕 100 年 山下清展 -百年目の大回想
会  期  2023年 4 月 8 日[土]- 6 月 11 日[日]
開館時間  午前 9 時 30 分 - 午後 5 時(入館は午後 4 時 30 分まで)
休  館  日  月曜日
所  在  地  佐川美術館
      524-0102 滋賀県守山市水保町北川2891 TEL:077-585-7800
入  館  料  ※ 本展は WEB 事前予約制 です
      一 般 ¥1,200/高大生 ¥800/中学生以下 無 料 * ただし保護者の同伴が必要
      * 高大生は学生証ご提示。専門学校・専修学校は大学に準じる。
      * 障害者手帳をお持ちの方(要手帳)、付添者(1 名のみ)無料
主  催  佐川美術館(公益財団法人SGH文化スポーツ振興財団)
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“ 放浪の天才画家 ” と言われた山下清(1922 - 71)。18 歳で放浪の旅を始め創作を続けるなか、31 歳の時、アメリカのグラフ誌がその画才に注目し、脚光を浴びるようになりました。
その後、「今年の花火見物はどこに行こうかな」の言葉を最後に 49 歳で生涯を閉じるまで、「日本の原風景」として人々に愛され続けてきた貼絵など多岐にわたる作品を手掛けてきました。

本展では、貼絵や油彩、水彩画、ペン画、陶磁器など 1961 年のヨーロッパ旅行に持参したスケッチブックのうち初公開の習作を含め、約 190 点を展観。山下芸術の新たな側面を発見するとともに、生誕 100 年を迎えた「百年目の大回想」という名にふさわしく、その生涯にわたる創作活動を振り返ります。

②山下清 © Kiyoshi Yamashita  STEPeast 2023作家紹介   山下 清(1922-71)
© Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2023
1922 年       3 月 10 日、東京・浅草に生まれる。
1924 年( 2  歳) 前年の関東大震災により住居を失い、父母の故郷・新潟県に移住する。
1925 年( 3  歳) 重い消化不良にかかり 3 ヶ月後に完治するが、軽い言語障害を患う。
1932 年(10 歳)父の清治が死去。この頃から知的障害が少しずつ顕著になる。
1934 年(12 歳) 千葉県の養護施設「八幡学園」に入園。翌年には教育の一環であった
「ちぎり絵」において画才を発揮させる。
1940 年(18 歳) 11 月 18 日、学園から突然姿を消し、放浪の旅に出る。
1953 年(31 歳) アメリカのグラフ誌『ライフ』をきっかけに山下清大捜索が始まる。
1954 年(32 歳) 地元の高校生により鹿児島で発見される。
1956 年(34 歳) 東京の大丸百貨店で作品展を開催。26 日間で 80 万人を動員。
1958 年(36 歳) 映画「裸の大将」が公開されるも、自身とのギャップに悩む。
1961 年(39 歳) 約 40 日間で 12 ヶ国を巡るヨーロッパへの旅に出る。
1969 年(47 歳) 高血圧による眼底出血を起こし、倒れる。以後、自宅療養を続ける。
1971 年(49 歳) 7 月 10 日夜、脳溢血で倒れ、7 月 12 日、永眠。

<展示作品の一部 ご紹介>

①《ソニコンロケット》 貼絵 1959(昭和34)年頃 株式会社増田屋コーポレーション蔵 © Kiyoshi Yamashita  STEPeast 2023《ソニコンロケット》 貼絵 1959(昭和34)年頃
株式会社増田屋コーポレーション蔵   © Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2023

③《長岡の花火》 貼絵 1950(昭和25)年 © Kiyoshi Yamashita  STEPeast 2023《長岡の花火》 貼絵 1950(昭和25)年 © Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2023
④ 《群鶏》 油彩 1960(昭和35)年 © Kiyoshi Yamashita  STEPeast 2023《群鶏》 油彩 1960(昭和 35)年 © Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2023
⑤ 《花火》 大橋清(山下清) 鉛筆画 1930-32(昭和5-7)年頃 © Kiyoshi Yamashita  STEPeast 2023
《花火》 大橋清(山下清) 鉛筆画 1930-32(昭和5-7)年頃
© Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2023

<展示構成>
第1章   山下清の誕生 ― 昆虫そして絵との出合い
第2章   学園生活と放浪への旅立ち
第3章   画家・山下清のはじまり ― 多彩な芸術への試み
第4章   ヨーロッパにて ― 清が見た風景
第5章   円熟期の創作活動

※ 本展はWEB 事前予約制です
※ 作品紹介画像は佐川美術館より拝借しました。流用などはご遠慮ください。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。

[ 詳 細 : 佐川美術館 チケット予約専用サイト

【展覧会】ギンザ・グラフィック・ギャラリー第395回企画展|横尾忠則 銀座番外地 Tadanori Yokoo My Black Holes|’23年5月15日-6月30日

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ギンザ・グラフィック・ギャラリー第395回企画展
横尾忠則 銀座番外地 Tadanori Yokoo My Black Holes
会 期:2023年05月15日[月]- 06月30日[金]
■ 会 場: ギンザ・グラフィック・ギャラリー (ggg)
104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP 銀座ビル
tel. 03.3571.5206
開館時間:11 : 00 am - 7 : 00 pm 日曜・祝日休館 入場無料
■ Design : Tadanori Yokoo and Daichi Aijima (Yokoo’s Circus)
■ 編 集:榎本了壱、北沢永志  ■ 協 力:横尾忠則現代美術館
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「一日が未完で終わるように、人間の一生も完成なんてないじゃないですか。
あるのは循環、メビウスの輪である。
完成と未完は表裏一体で魂と肉体みたいなものだ。」 横尾忠則

ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)では、横尾さんには3回のグループ展をはじめ、「横尾忠則ポスター展 吉祥招福繁昌描き下ろし!!」(1997年)、「横尾忠則 初のブックデザイン」(2012年)、「幻花幻想幻画譚1974-1975」(2018年)と3回の個展に登場いただきました。横尾さんのグラフィックデザインの真髄を、ポスター、ブックデザイン、挿絵の3つのジャンル(章)で展覧しました。
そして今回4回目、満を持して、ここ銀座で、「デザインのプロセス」という。横尾作品の番外編に焦点を当てた「横尾忠則 銀座番外地」を開催。横尾忠則という大きなグラフィックデザイン物語4部作の最終章をご覧いただくことになります。
しかし、横尾さんにとってこの展覧会は、未完に向かう単なるプロセスに過ぎません。
ぜひ会場に足をお運びください。

【 詳 細 : ggg ギンザ・グラフィック・ギャラリー
[ 関 連 : 活版アラカルト【展覧会】横尾忠則現代美術館|横尾忠則 原郷の森|’23年5月27日-8月27日

【展覧会】東京ステーションギャラリー|大阪の日本画|’23年4月15日-6月11日|中入り

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東京ステーションギャラリー
大阪の日本画
会  期  2023年4月15日[土]- 6月11日[日]
      * 会期中、展示替えをおこないます
休  館  日  月曜日[5/1、6/5 は開館]
開館時間  10:00-18:00  * 入館は 閉館30分前 まで
      * 金曜日は 20:00 まで開館
会  場  東京ステーションギャラリー
      100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 TEL : 03-3212-2485
入  館  料  当日・個人 一 般 1,400円、高校・大学生 1,200円、中学生以下 無 料
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照
主  催  東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]、毎日新聞社
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浪速の近代日本画、初の大規模展がやってくる!
商工業都市として発展してきた大阪は、東京や京都とは異なる独自の文化圏を形成し、個性的で優れた美術作品を生み出してきました。市民文化に支えられた近代大阪の美術は、江戸時代からの流れをくみつつ、伝統にとらわれない自由闊達な表現を花開かせました。
本展には、妖艶で頽廃的な作風で人気を博し、「悪魔派」と揶揄された北野恒富や、大阪における女性画家の先駆者で、上村松園とも並び称された島成園をはじめ、明治から昭和に至る近代大阪で活躍した、50名以上の才能あふれる画家たちが集結します。
東京や京都の画壇の陰に隠れて、その独自性が見えづらかった大阪の日本画に関する史上初めての大規模展覧会といえるでしょう。

みどころ Highlights
1 近代大阪の日本画が勢ぞろいする史上初の展覧会  *
明治から昭和前期にかけて大阪で生まれた日本画に光をあてた本展には、大阪中之島美術館が長年かけて収集したコレクションと、全国から集めた優品とをあわせた約150点を出品(会期中、展示替えあり)。
※本展は、大阪中之島美術館で開催「開館1周年記念特別展 大阪の日本画」(1/21~4/2)の巡回展です。内容は一部異なります。

2 出品作家は50名超え! 躍動する個性が集結
浪速の女性を表現した北野恒富(1880-1947/きたのつねとみ)、女性画家活躍の道を拓いた島成園(1892-1970/しませいえん)、大阪の文化をユーモラスに描いた菅楯彦(1878-1963/すがたてひこ)、新しい南画を主導した矢野橋村(1890-1965/やのきょうそん)、女性像にモダンな感覚を取り入れた中村貞以(1900-1982/なかむらていい)など。大阪の街で育まれた個性が、展示室を賑やかに彩ります。

3 大阪の文化を考える機会に
本展に登場する画家たちの中には、大阪での成功を目指して移り住んできた者も少なくありません。当時の大阪に暮らす人々がどのような画を求め、画家たちが大阪に惹きつけられたのはなぜなのか、大阪らしい作品が誕生した背景にも目を向けながら、その特色に迫ります。

章立て Sections
第1章  ひとを描く―北野恒富とその門下
第2章  文化を描く―菅楯彦、生田花朝
第3章  新たなる山水を描く―矢野橋村と新南画
第4章  文人画-街に息づく中国趣味
第5章  船場(せんば)派-商家の床の間を飾る画
第6章  新しい表現の探求と女性画家の飛躍7

※ 本展は、大阪中之島美術館で開催「開館1周年記念特別展 大阪の日本画」(1/21-4/2)の巡回展です。内容は一部異なります。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認のうえご観覧を
[ 詳 細 : 東京ステーションギャラリー

【展覧会】そごう美術館|霊気を彫り出す彫刻家 大森暁生展|’23年6月3日-7月9日

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そごう美術館
霊気を彫り出す彫刻家 大森暁生展
会  期  2023年6月3日[土]- 7月9日[日]
会  場  そごう美術館
      220-0011神奈川県横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店 6 階
      TEL:045-465-5515 〔美術館直通〕
時  間  午前10時 - 午後8時(入館は 閉館の30分前 まで)
      * そごう横浜店の営業時間に準じ、変更になる場合があります。
休  館  日  会期中 無休
観  覧  料     〔 事前予約不要 〕
      一  般   1,000円、 大学・高校生  800円、 中学生以下 無 料 
      * 障がい者手帳各種をお持ちの方、およびご同伴者 1 名さまは無料
主  催  そごう美術館
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E244-3171《月夜のテーブル―Cougar―》(2004年) Photography by KATSURA ENDO
E244-3172《死に生ける獣―Babirusa―》(2016年) Photography by KATSURA ENDO
E244-3174《ぬけない棘の狼》(1997年) Photography by gaden.com

彫刻家・大森暁生(おおもり あきお   1971年- )は、主に木と金属を素材として、実在するものから架空のものまで命あるものをモチーフに制作しています。その彫刻は、霊気を帯びているかのように神秘的で、今にも動き出しそうなほどリアルです。
大森は、1996年愛知県立芸術大学卒業後、籔内佐斗司(やぶうちさとし)工房で修業し、独立。国内外のギャラリー、百貨店、アートフェア、美術館などでの発表のみならず、ファッションブランドやレストラン、テレビドラマやミュージシャンなど異分野とのコラボレーションも積極的に行い、表現の幅を広げます。

鏡のギミックによりモチーフが軽やかに浮遊して見える「in the frame」シリーズ、熊本市動物愛護センターに保護された犬や猫を題材にした「光の肖像」の作品群など多様な作品を発表します。
また、約1200年前に空海が東寺に造り、1486年の文明の土一揆で焼失してしまった幻の大日如来像を、空海の定義をもとに大森の解釈を加え10年の歳月をかけて完全な姿で蘇らせ、2023年10月讃岐國分寺(香川県)に奉納予定です。会場では、この大日如来坐像の仏頭および明王の化身である獅子像4体を展示いたします。
本展では、大学の卒業制作《カラスの舟は昇華する》(1996年)から、《ぬけない棘のエレファント》(1999年)や、《死に生ける獣-Babirusa-》(2016年)などの代表作、ファッションブランドとのコラボレーション作品、「ルパンの娘」ドラマ版(フジテレビ)・劇場版(東映)、「Get Ready !」(TBS)への提供作品、讃岐國分寺の「完全版大日如来坐像制作プロジェクト」の紹介、そして最新作までを今日まで作家が発してきた言葉とともに約100点展覧いたします。大森暁生の軌跡とこれからをご覧ください。

<展覧会のみどころ>
1.次代を担う彫刻家 大森暁生の大規模展。
関東の美術館では初開催の大森暁生の大規模個展。初期作品から最新作まで約100点を紹介します。近年ではテレビドラマや映画への作品提供も多く、TBS日曜劇場「Get Ready!」にて話題となった《死に生ける獣―Babirusaー》も展示します。また、大森は今までにさまざまな異分野とのコラボレーションをしてきました。その幅は広く、今展ではその一部として、今まで発表してきたファッションブランドとのコラボレーション作品を紹介します。作家によって霊気が帯びるまで徹底的に創りこまれた作品の数々を間近でご覧いただける展覧会です。
2.讃岐國分寺「完全版大日如来坐像制作プロジェクト」を奉納前に紹介。
大森が10年をかけて取り組んできた「完全版大日如来坐像」を2023年10月讃岐國分寺(香川県)に奉納予定。本展は、奉納前の大日如来坐像の本尊仏頭とともに本尊を支える8頭の獅子のうち4頭、加えて制作関連資料が公開される貴重な機会です。
3.作家の心の内が垣間見える「言葉」も展示。
常に新たな挑戦に挑んできた大森。今回は、日ごろ作家が作品や、彫刻家という仕事に対しての深い思いを言葉にして、作品とともに展示をします。作家が日頃どのようなことを思いながら作品を創り上げて来たのかが垣間見えます。また展覧会に合わせて新刊を発売。その言葉の数々を約100点の彫刻作品写真とともに掲載しています。

[ 詳 細 : そごう美術館 公式サイト ]

【展覧会】細見美術館|特別展 初代 志野宗信没後五百年記念 香道 志野流の道統|’23年3月4日-5月31日

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細見美術館 Hosomi Museum
特別展 初代 志野宗信没後五百年記念
香道 志野流の道統
会  期  2023年3月4日[土]- 5月31日[水]
所  在  地  京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 TEL 075-752-5555
休  館  日  毎週月曜日(ただし、5月29日は開館)
入  館  料  一  般  1,500円、学  生   1,300円
主  催  細見美術館 一般社団法人志野流香道松隠会 京都新聞
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推古天皇 3(595)年、淡路島に香木が漂着したことから、日本の香文化の幕が開けます。仏教という宗教儀礼の中で香木は多用され、平安時代には貴族たちがその栄華を香りの調合と和歌に表し、また、遣唐使の廃止による国風文化の勃興と併せ、中国とは別の日本独自の “ 香の道 ” を歩み始めます。
そして、応仁の乱後、東山慈照寺(銀閣)において、足利八代将軍義政公の同朋衆 志野宗信(しのそうしん 1443-1523)の手によって香道の基礎が作られ、以降現代まで、志野流は500年以上に亘り 20 人の家元によってその道統を継承されてきました。江戸時代には、京都だけに留まらず、徳川将軍家庇護のもと、全国武家や江戸城大奥、公家、僧侶から市井の人々にいたるまで賞玩され、高雅な芸道として成熟します。

1志野流初代志野宗信画像(部分)  江戸時代 松隠軒蔵
2諸国香道門人帳・門人帳 江戸時代 松隠軒蔵
香道具志野流伝来 名香「蘭奢待」 松隠軒蔵
4源氏香図本 土佐守光貞画 江戸時代 松隠軒蔵

本展は、室町時代後期に誕生した日本文化の最高峰 “ 香道 ” を、初代志野宗信から現家元 20 代幽光斎宗玄まで連綿と守り抜いてきた志野流500年の道統を紹介するものです。
細見美術館では、2003年の「香りの美術  -貴なるものへの憧れ-」展以来、20年ぶりの “ 香 ” の展覧会となります。奇しくも本年は 細見美術館開館 25 周年 の節目の年であり、志野流初代志野宗信の500回遠忌を迎える年でもあります。
この記念すべき年に、香道の歩みを振り返り、貴重な名香と香りにまつわる美術工芸品の数々を展観いたします。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳 細 : 細見美術館 Hosomi Museum

【展覧会】泉屋博古館東京|特別展 木島櫻谷 ── 山水夢中|’23年6月3日-7月23日

泉屋博古館東京01 泉屋博古館東京02

泉屋博古館東京
特別展 木島櫻谷 ── 山水夢中
 会  期  2023年6月3日[土]- 7月23日[日] * 会期中展示替えがあります
         前  期:6月 3 日[土]- 6月25日[日]
         後  期:6月27日[火]ー 7月23日[日]
      *《寒月》展示期間:6月3日[土]- 6月18日[日]
休  館  日  月曜日(7月17日は開館)、7月18日[火]
開館時間  午前11時 - 午後6時(入館は午後5時30分まで)
      * 金曜日は午後7時まで開館(入館は午後6時30分まで)
会  場  泉屋博古館東京(東京・六本木)
入  館  料  一 般 1,200円 高大生 800円 中学生以下 無 料
      * 障がい者手帳等ご呈示の方は無料。ほかの割引・優待情報などは下掲詳細参照
主  催  公益財団法人泉屋博古館、公益財団法人櫻谷文庫、BSフジ、ライブエグザム
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E218-2757《万壑烟霧》(ばんがくえんむ) 左隻 明治43年(1910)
株式会社 千總 【展示期間:通期】
E218-2756《万壑烟霧》(ばんがくえんむ) 右隻 明治43年(1910)
株式会社 千總 【展示期間:通期】
E218-2761《駅路之春》(うまやじのはる) 左隻 大正2年(1913)
福田美術館 【展示期間:通期】E218-2760《駅路之春》(うまやじのはる) 右隻 大正2年(1913)
福田美術館 【展示期間:通期】

近代の京都画壇を代表する存在として近年再評価がすすむ日本画家・木島櫻谷(このしま・おうこく  1877-1938)。
動物画で名を馳せた彼ですが、生涯山水画を描き続けたことも見逃すことはできません。何よりも写生を重んじた彼は、日々大原や貴船など京都近郊に足を運び、また毎年数週間にわたる旅行で山海の景勝の写生を重ねました。その成果は、西洋画の空間感覚も取り入れた近代的で明澄な山水画を切り拓くこととなりました。

一方、幼い頃より漢詩に親しみ、また古画を愛した彼は、次第に中華文人の理想世界を日本の風景に移し替えたような、親しみやすい新感覚の山水表現に至ります。
本展では屏風などの大作から、日々を彩るさりげない掛物まで、櫻谷生涯の多彩な山水画をご覧いただき、確かな画技に支えられた詩情豊かな世界をご紹介します。
あわせて画家の新鮮な感動を伝える写生帖、収集し手元に置いて愛でた古典絵画や水石も紹介し、櫻谷の根底にあり続けた心の風景を探ります。

木島櫻谷(このしまおうこく 1877-1938)
明治後半から昭和前期まで、文展帝展で活躍した京都日本画壇の代表的存在。徹底した写生を基礎に、卓越した技術と独自の感性により生み出された叙情的で気品ある画風で、近年再評価の気運が高まっている。
京都の伝統を継承しながら、西洋画の要素をも取り入れた、近代的で洗練されたスタイルは時代・国を超えて支持されている。とりわけ親しみやすい動物画で知られるが、生涯描き続きた山水画も秀逸。

 ※ 展示作品の紹介画像は 泉屋博古館東京 から拝借しました。二次流用などはご遠慮ください。
※ 泉屋博古館東京では入館の事前予約はおこなっていません。希望の日時にお出かけください。

[ 詳 細 : 泉屋博古館(東京・六本木) { 活版 à la carte  泉屋博古館まとめ }

【展覧会】高知県立美術館|石元泰博・コレクション展|HANA / 牧野富太郎記念館の建築|’23年4月15日-’23年8月20日

高知県美コレクション展5月高知県立美術館
石元泰博・コレクション展
HANA / 牧野富太郎記念館の建築
会  期  2023年04月15日[土]- 2023年08月20日[日]
         前  期  4月15日[土]- 6月18日[日]
         後  期  6月20日[火]- 8月20日[日]
         * 6月19日、26日-7月7日は 閉 室
会  場  高知県立美術館 2階 石元泰博展示室
観  覧  料  一 般 370円・大学生 260・高校生以下 無 料
      * 各種割引、優待条件などは下掲 詳細 参照
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高知県出身の植物分類学者・牧野富太郎博士をモデルとしたNHK連続テレビ小説「らんまん」の放映を記念し、同郷の写真家・石元泰博が手掛けた2つのシリーズ、〈HANA〉と〈牧野富太郎記念館〉を紹介します。

〈HANA〉は、とあるきっかけから植物の不思議に魅了された石元が、1986年から翌年にかけて季節の花々を写真におさめたシリーズです。一般的に見頃とされる開花時のみならず、ふっくらと生命力を湛えた蕾や花びらが萎れ枯れゆく姿をも追った本作では、自然が生み出したかたちのもつ美しさや力強さが、鋭い造形感覚によってとらえられています。
「なぜ」を起点に、あくまで目の前の被写体と真剣に対峙することを選んだ写真家の姿勢は、植物図において、筆に描き手の意図を持たせない「筆意のない線」で描くことを重視したという牧野博士と、どこか通じるかもしれません。

いっぽうの〈牧野富太郎記念館〉は、高知市五台山の 高知県立牧野植物園内 に建つ、建築家・内藤廣設計による「牧野富太郎記念館」の竣工写真です。植物の構造や牧野博士の精力的な研究活動からも着想を得たという有機的でダイナミックな形態が、石元の隙のない画面構成のうちに切り取られています。
内藤は石元による撮影を「厳しい目線で自らの仕事の密度を測る機会」ととらえ、牧野富太郎記念館を含めて4つの代表作の撮影を依頼しています。自作を撮影されることを通じて「建築家として石元さんに育ててもらった」と語る内藤と、親子ほど年の離れた石元の交流は、石元が没するまで続きました。
本展では石元の写真とともに、牧野博士、石元、内藤らの言葉も併せて紹介し、三者の思想や研究・創作の魅力に迫ります。

※ 感染症予防対応実施中です。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 高知県立美術館 石元泰博展示室{ 活版アラカルト 高知県立美術館 過去ログまとめ }

【展覧会】須坂版画美術館|『 月 映 』 版に刻まれた青春|’23年4月29日-6月18日

恩地孝四郎『 月  映 』須坂版画美術館

恩地孝四郎『 月 映 』須坂版画美術館田中恭吉 太陽と花『  月映 』 須坂版画美術館田中恭吉  太陽と花『 月 映 』 須坂版画美術館藤森静雄 すすりなくたましひ 1915年  須坂版画美術館藤森静雄 すすりなくたましひ 1915年  須坂版画美術館

須坂版画美術館
『 月 映 』版に刻まれた青春
会  期  2023年4月29日[土]- 6月18日[日]
会  場  須坂版画美術館/平塚運一版画美術館 展示室1
      382-0031 長野県須坂市大字野辺 1386-8(須坂アートパーク内)
      TEL 026-248-6633 FAX 026-248-6711
開館時間  午前9時 - 午後5時 (入館は 閉館30分前 まで)
休  館  日  水曜日(祝日の場合は開館)
入  館  料  300円
      * 高校生以下 及び 18歳未満、須坂市内在住 70歳以上 は 無 料
      * 身体障害者手帳などをお持ちの方と、付き添いの方 1 名は 無 料
交通案内  須坂長野東インターより 5km〔車で約8分〕
      JR 長野駅より 長野電鉄特急15分 須坂駅下車タクシーで 約 7 分
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公刊『月 映』* は、恩地孝四郎、田中恭吉、藤森静雄の3人による自画・自刻の木版画と詩の同人誌です。機械刷り〔版画プレス機〕による 200部 限定で、1914(大正3)年9月から1915(大正4)年11月まで、計7集が 洛陽堂 を出版元として刊行されました。創作版画誌として先駆的なもののひとつです。

死におびえ、魂を削るように作品を刻む田中恭吉。彼の絶望を共にかかえることとなった恩地と藤森も、内面や感情の表現を深めてゆきます。やがて、恩地の表現は日本で最初期の抽象表現へと達しました。若者たちの研ぎ澄まされた感性は、100年余を経てなお私たちの心に、強く痛切に響いてきます。

※ 作品画像は  須坂版画美術館 より拝借したものです。二次引用などはご遠慮ください。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。

[ 詳 細 : 須坂版画美術館 ] { 活版 a la carte まとめ }

* {新宿餘談}公刊図書『月映』の読みかた ── 資料によっていくぶん混乱がみられます。
恩地孝四郎はアオイ書房の愛書誌『書窓』同人向けの消息のなかで、「本来恩地は、和歌山出身の オンヂ家 であり オンチ ではない。図書『月映』は つくはえ である。」として「恩地  ≒ 音痴」に音がかようのを嫌い、また、
版画作品のサイン(シグネチュア)にかえて、恩地家に現存する、ちいさな木ハン o n z i をつくり、版画に押印しているものは多くある。

ただし『月映-つくはえ』への言及はほとんどみられないが、アオイ書房:志茂太郎がそのこだわりを『書窓』通販資料の消息にかき ── 恩地大兄もこのごろは オンチ であきらめたようだ ── としている。

拙稿「朗文堂ブログ 花 筏 【展覧会】 恩地孝四郎展/東京国立近代美術館 会期末迫る & 恩地家三代公式記録 multirhythm WebSite 紹介  2016年02月」

【展覧会】武蔵野美術大学 美術館・図書館|美術館展覧会 若林 奮 森のはずれ|’23年6月1日-8月13日

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武蔵野美術大学  美術館・図書館
美術館展覧会
若林奮 森のはずれ
会  期  2023年6月1日[木]- 8月13日[日]
時  間  11:00 - 19:00(土・日曜日は 10:00 - 17:00)
休  館  日  水曜日
入  館  料  無 料
会  場  武蔵野美術大学 美術館・図書館 展示室 2・4・5、アトリウム1・2
      187-8505 東京都小平市小川町1-736
主  催  武蔵野美術大学 美術館・図書館
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自身と周縁世界との関わりをめぐる思索を内包した作品により、戦後日本の彫刻を牽引した若林奮(1936-2003)。一見すると寡黙で非情緒的とも思われる形態は、自然や時間、距離、空間、表面、境界など、我々を取り巻く普遍的で形を持たない事象を豊かに内包し、没後20年となる今もなお、私たちが考え、向き合うべき多くを語りかけてくれます。

若林は武蔵野美術大学在任時の1981年、学内にある工房内に鉄板をたて、自分自身のために10畳ほどの空間を作ります。その後若林は、この通称「鉄の部屋」の周囲を鉛で覆い、周辺に植物や大気を表す鉛の板やキューブを配置して《所有・雰囲気・振動 ― 森のはずれ》(1981-84年)として発表しました。自分自身が所有できる空間を区切ることで生まれた境界や領域をめぐり、自身を軸とした周縁、自然への思索を一層深めていった本作は、若林自らを含んだ自然や風景そのものの具現化を試みた作品といえるかもしれません。若林が彫刻観を拡張させるきっかけとなった極めて重要な本作を、本展では約30年ぶりに展示します。

また、おなじく自然の精緻な観察をとおして生まれた《Daisy Ⅰ》(1993年)は、人の背丈ほどある角柱に、植物そのものの構造を想像させる彫刻です。ともに自然や風景を具体的な対象とした《所有・雰囲気・振動 ― 森のはずれ》と《Daisy Ⅰ》全10点すべてが、当館の一続きの空間で相対する場で、活動中期から後期にかけて色濃く表れる、若林彫刻の核といえる「自然」をめぐる諸相を読み解くことを試みます。さらにこの2作品再考の糸口となる彫刻として、自身と世界との距離を計るものさしとして1970年代以降通底する概念となる《振動尺》Ⅰ-Ⅳ(1979年)、80年代終わりから若林にとって重要な素材の一つとなる硫黄を用いた《The First White Core》Ⅰ-Ⅲ(1992年)などのほか、若林の夥しい思索の一端が見えるドローイングや小品、資料約100点を展示します。
「自分が自然の一部であることを確実に知りたいと考えていた」という若林が、世界をどのように知覚し、そこで見出した概念をいかに彫刻化したのか。若林が「森のはずれ」に思索を重ねたここ武蔵野の地で、若林彫刻の意義を再考します。

< 出品作家紹介 若 林 奮-わかばやし・いさむ >
1936年東京府町田町生まれ。1959年東京藝術大学美術学部彫刻学科卒業。1975年武蔵野美術大学共通彫塑研究室助教授に就任し、80年教授、84年退任。鉄を主な素材とし、緻密な観察と省察にもとづく固有の彫刻観、自身と周縁世界との関わりをめぐる思索を内包した彫刻作品により、戦後日本の現代彫刻を牽引した。1973年神奈川県立近代美術館、1987年東京国立近代美術館、2002年豊田市美術館など個展多数。1980年代にヴェネチア・ビエンナーレ日本館に2度出品し、海外でも個展を重ねるなど、国内外より高い評価を得た。2003年の没後も各地で個展が開催され、今なお若林の彫刻観は人々を魅了し、鮮烈な印象を残す。  

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 武蔵野美術大学 美術館・図書館

【展覧会】武蔵野美術大学 美術館・図書館|美術館 MAU M&L コレクション:絵画のアベセデール|’23年6月1日-7月2日

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武蔵野美術大学 美術館・図書館
美術館 MAU M&L コレクション:絵画のアベセデール
MAU M&L Collection: Abécédaire de la Peinture
会  期  2023年6月1日[木]- 7月2日[日]
時  間  11:00 - 19:00(土・日曜日は 10:00 - 17:00)
休  館  日  水曜日
入  館  料  無 料
会  場  武蔵野美術大学 美術館 展示室 3
      187-8505 東京都小平市小川町1-736
監  修  赤塚祐二(武蔵野美術大学 造形学部油絵学科油絵専攻教授)
主  催  武蔵野美術大学 美術館・図書館
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当館は大学に属する美術館として、教育・研究に資することをひとつの目的としながら、半世紀以上にわたり活動を続けてきました。そのなかで集められた作品群、とりわけ約440点からなる絵画コレクションは、教員や卒業生、その影響関係にある作家によるものが多くを占め、本学の教育の幅広い射程を示すかのように、多彩な様相を見せています。
タイトルにある「アベセデール」は仏語でABCD、入門書という意味を併せ持ちます。本展は、入門書として絵画の本質を広範に拾い上げることはかないませんが、A は Atelier(アトリエ)、B はBalance(均衡)、C は Couleur(色彩)など、絵画を語り、思考するためのいくつものキーワードによって、当館のコレクションを紹介するものです。本学の教育における関係性、時代や技法といった大きな括りからは少しだけ離れて、ときに描かれた当初のコンテクストをいったん保留にしながらも、多様な視点のもとに作品を並置することは、あらためて個々の作品の姿を見つめ直すひとつのきっかけとなるでしょう。
あらかじめ定められた A から Z の音素の連なりにその流れを委ねながら、作品と向き合うための視点、いわば思考の起点となるヴァリエーションを提示すること、それこそが本展の意図するところといえます。絵画を語るためのいくつもの糸口を探る試みが、コレクションの新たな魅力と、絵画の持つ豊かな世界を実感する機会となることに期待します。

< 展示構成 >
本展では、A から Z までの複数の項目のもと、約50点の作品を紹介いたします。
項目には、「Couleur(色彩)」「Ligne(線)」「Main(手)」「Structure(構造)」「Terre(地面、土地)」「Vague(波)」など、絵画が内包する基礎的な要素からそうでないものまで、個々の作品と向き合い、考えるためのいくつもの視点を設定しました。細分化された項目の連続によって、展覧会全体を貫く堅固な物語を構築するのではなく、さまざまなイメージが空間に並置されることによってさまざまな語りが発生し、共存する場としての展覧会を組み立てます。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 武蔵野美術大学 美術館・図書館